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名古屋文理大学
IT を用いた栄養教育
システムの開発
名古屋文理大学
特色ある研究プロジェクトA
名古屋文理大学
今なぜ栄養管理か?
• (プラスの要素)医療や健康促進方法の中
で、科学の進歩によって脚光を浴びてきた
• (マイナスの要素)現代のライフスタイル
が栄養バランスを著しく欠いてきた
では、問題があるのは?・・・
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栄養管理の対象は?
中高年者
要介護者
(高齢者、入院患者)
青少年
(食育)
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何が問題?
• 要介護者(特に高齢者)の低栄養
– 病院での対策
– NST(nutrition support team):専門チームによ
る個人別カルテによる栄養管理
• 働き盛りや青少年
– 朝食を食べない、不規則な食事、ジャンクフー
ドの摂りすぎ
– 生活習慣病(心血管疾患、糖尿病など)の要因
– 学力や性格形成に影響?
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ジャンクフードとは?
•
•
•
若者などに好まれる、カロリーが高いだけで総合的な栄養に欠け
る立食いの出来るような軽食(新明解国語辞典 第五版 )
脂肪や砂糖ばかり多くてビタミン類は乏しく、栄養価値が低い「ガ
ラクタのような食べ物」(神奈川大学附属中・高等学校 )
スナック菓子、インスタントラーメン等、手軽に食べられるが栄養
価に疑問の残る食べ物を指す(はてなダイアリー)
ジャンクフード=悪?
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ライフスタイルと栄養管理
本当の問題は....
孤食
おなかが減っ
家族バラバラ
たらすぐ食べ
ライフスタイルの
る
崩壊!!
拒食・過食
栄養バランス
崩れる
こういった問題を栄養管理で解決しよう!
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栄養管理の難しさ
栄養管理が難しい理由は
• 食事のたびに食材の分量を量り、栄養計算を
するのが面倒である。
• 外食など、自力での栄養計算が不能なもの
が含まれる。
• 間食など、食事以外に摂取したものを計算に
含めるのが難しい。
– あるいは、含めないで報告される。
そこで...
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ITを用いた栄養管理
入力必要
栄養計算の
ソフトウェア
病院用・高価
毎食栄養計算
携帯端末を使用した
簡便なシステム
虚偽の報告
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新しいシステムの開発
• メニュー画像を携帯電話のカメラ機能を利用して撮影
し、それをメールに添付して送信する
• 在宅のみならず外食の場合でも手軽に食事データを
システムに送信してデータベースとして蓄積する
• 管理栄養士が、その画像を観察し、メニューと分量を
推定する
• メニューと分量のデータから、栄養素の分量を計算
する。
• 数日間分蓄積し、対象者の栄養摂取状況、栄養バラ
ンス、食事の改善点などを、栄養診断レポートとして
作成する
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システムの概要
被験者
①カメラ付携帯電話で食事を
撮影し,システムへ送信する
システム
管理栄養士
②電子メールで画像を受
信
③画像をDBへ蓄積
④画像から献立や食材,
分量を推定
⑤摂取栄養素を算出しDBへ
蓄積
⑥定期的に摂取栄養素を
集計
⑦指導コメント,推奨献立を付
加
⑧被験者へレポートを送付
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入力と出力
(a)
携
帯
で
撮
影
し
た
画
像
(b)
栄
養
診
断
レ
ポ
ー
ト
名古屋文理大学
実験してみました
被験者:女子大学生2 名
使用した携帯電話:vodafone-JSH53
(1) 任意の4 日間に摂取したすべて
の食事内容を撮影し、その画像を
メールで送信させた。
(2) 画像撮影時に撮影範囲に長さ
約20cm の割り箸をおくことを義務
づけた。
(3) 熟練した管理栄養士が画像によ
る食事のメニューと食材、分量を推
定し、開発した栄養診断ソフトにより
評価した。
食事画像の例
(分かりやすい場合)
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推定の困難な場合
「キャベツとツナのスパゲッティ」と推測したと
ころ「アボカドと卵のスパゲッティ」であった。
創作メニューは推定が困難
「トマトのリゾット」と推測したところ「かにかまぼこと
葱のリゾット」であった。
流動体、半流動体で中身が
埋没しているものは推定が困
難
「シチュー」と推測されたが「マーボー茄子」
であった。
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今後の課題
• 管理栄養士の教育
– 管理栄養士が献立を見たときに適切に栄養摂取状況を推定できることは必須
の能力である。
– 食事画像に対する管理栄養士(課程の学生)の献立推定能力を鍛えることが
必要・有益である。
• システムのインターネット化
– 将来的には、対象者のプロフィールの収集や、栄養診断レポートなどを紙ベー
スから、Web ベースにすることを検討
– 遠隔での栄養教育
– PC での利用に加えて、携帯電話のインターフェースを開発
• 分散運用の構想
– システムを運営する管理栄養士が専従する必要があり、システムの規模に応
じてマンパワーが要求される。
– 本システムをネットワーク化することにより、在野の管理栄養士が、本プロジェ
クトに参加できるようにする。在宅のままネット上のデータに対して推定を行う。
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ご覧いただき
ありがとうございました。
プロジェクトメンバー(2005)
吉田 友敬, 長谷川 聡, 横田 正恵,
奥村 万寿美, 照井 眞紀子