報告: PD問題についてのアンケート 物性研短期研究会 2006/12/7-8 名大理 平島 大 物性グループ事務局(新、旧) 期間: 2006年10月18日-10月31日 対象: 物性グループに所属する研究グループ (192グループ) 回答数: 49グループ(PD106名) 平成18年 10月18日 物性委員会からのアンケート 物性委員会委員各位 物性分野におけるPD問題の現状を把握し、来る物性研短期研究会「新たな物性研究体制 の構築」(12月7-8日)における議論に資するものにするために、以下のアンケートに ご回答いただければ有難く存じます。回答は10月31日までに、メールにアンケート結果 を添付し [email protected] 宛てに返信ください。よろしくお願いいたしま す。 前物性委員長 佐藤 正俊 (名大・理) 前物性事務局長 鈴村 順三 (名大・理) 物性委員長 倉本 義夫 (東北大・理) 物性事務局長 村上 洋一 (東北大・理) 0.貴グループにて過去5年間に博士学位を取得した人数は何人ですか。 1.過去5年間にPDを雇用したことがあるか?過去5年間に雇用したPDの人数? 資金は?; PDの雇用期間; PDとして何回目の雇用か 雇用終了したPDの進路について(スムースに見つかったか、 期間延長を余儀なくされたか、(PDにとって)不本意な就職だったか) 2.雇用した際のPD応募者もしくは候補者の数について 応募者あるいは候補者の人数: 望む研究分野の候補者は見つかったか。 1) (常に)複数いた。 2) 1人しかいなかった(1人のことが多かった)。 3) なかなか見つからなかった。 望む研究分野の研究経験は必要としたかどうか 1) 必要とした 2) 必ずしも必要としなかった。 3.物性分野におけるPD問題について 4.いくつかの大学に採択された科学技術振興調整費によるtenure track制(*)はPD問題 の解決になると思うか 5.その他ご意見があれば自由にどうぞ。 回答グループ: 学位取得者数と雇用PD数(およそ2001-) 回答のあった49グループの分布 11 8 6 8 5 2 7 1 雇用したPD人数 10 1 49グループ 1 1 2 1 1 2 4 6 8 12 13 1 5 2 2 1 1 3 3 4 2 1 1 1 1 1 1 1 1 2 3 1 0 4 4 1 1 1 2 0 5 1 10 学位取得者数 計:PD106名 計:学位取得者 134名 計105名 99-06 02 03 04 05 06 学振(PD、外国人特別研究員) 17名 4 2 2 0 1 科研費 20名 2 1 4 6 7 COE 14名 1 3 3 2 1 科学技術振興調整費 7名 1 3 1 0 0 科学技術振興機構(JST)CREST等 6名 1 3 1 0 0 機関・機構経費 (運営交付金、VBL、機構博士研究 員.......) 29名 5 2 8 3 2 その他 12名 4 0 0 5 3 PD雇用資金 資金、期間が特定されていない回答あり 99 00 01 02 03 04 05 06 人数 PDの雇用年数・期間 20 10 人数 雇用開始年度 20 10 継続中35名 0 0 99 00 01 02 03 04 05 06 雇用終了分 雇用継続中 雇用終了年度 PDとしての雇用: 何回目か (1) スムースに見つかった YES 60 NO 18 80 人数 60 70 (2) 期間延長を余儀なくされた YES 5 NO 59 40 20 24 7 0 1 雇用終了後の進路 2 3 回数 4 (3) 不本意な就職だった YES 13 NO 54 PD公募に対する応募人数 グループ数 PD公募において (1) 希望する分野の候補者は (常に)複数いた 12 一人しかいなかった 14 なかなか見つからなかった 2 10 5 0 1 2 3 4 5 PD応募人数 10 (2) 研究分野の経験は 必要とした 18 必ずしも必要ではなかった 12 ○ 49グループ、 学位取得 134名、 PD 106名 (データ数は十分多いとはいえない) 研究所によるPD雇用が多い 学振によるPDは全体の2割以下(減少傾向か?) 科研費、学内(研究所内)の資金(運営交付金等)による雇用がかなり多い(半数近く) 経年変化? ゆらぎ?? PD4回以上はきわめて少ない(ゼロ)。 雇用終了後の進路について、きわめて重大な問題となってはいないようだが。。。 PDの応募に対して、必ずしも多数の候補者がいるわけではない? 「物性分野におけるPD問題」についての自由回答 現状・原因 PD問題の発端は安易に数のみを増やしたことです。以前なら、躊躇したであろう人が 気楽にPDの道を選んでしまう傾向が強くなり、その結果、適正のない人があぶれてしま いました。 1.PD(博士号取得者)の実力の問題 ----- 実際は、博士号取得は就職を困難にするだけで、むしろ才能豊かな人材は、大規模 大学の博士課程にすら進学しない事態が起こった。その結果、言葉は悪いが、粗悪品が 多数で回る結果となったと思われる。------2.制度による問題 教員の流動性を高めることが必要だったはずだが、実態はそうなっていない-----PDがちまたに溢れているのに,その受け皿になるpermanent postの数はむしろ減少して いることです。 真に優秀なPDにとっては雇用先確保の問題は生じていない。しかし,「そこそこの能力」の PDに対しては,再雇用先の確保は深刻である。能力が「そこそこ」なのが問題なのか,再雇 用先の絶対数が少ないのが問題なのか,をすり替えないような議論をしなければならない。 流動化を進める最初の時期にあたっている今は,流動化に乗っている人の行き先がまだ 十分でなく,苦労することが多いと思います.----- 今の感じではこういう体制は日本になじ まないようにも感じます. 勝手なことを言わせてもらえば、PD(職)が多すぎる。 2年半前にPDを採用する側としての充分な状況判断をしていなかったことを反省している。 ---この間の政策的な博士課程院生定員増と逆に大学、研究所におけるポストの減少が基 本的な背景にある。 影響 不利益が個人に押しつけられている。続く世代はこれを見ており、既にその影響が出始め ている。 PDの将来が厳しいことが周知されてきて若い人は慎重になってきていると思います。 博士取得後の進路は不明瞭なのでそもそも博士後期課程に進学したがらない。 PD問題も深刻であるが、大学院や博士課程への進学者の減少や博士取得者がアカデミッ クポジションを望まなくなっている。 対応策 学位取得時に真剣に企業への就職を検討するべきである。 私自身は、この2年間会社への就職をD3の大学院生に促し、そのようにした。 我々の所では、博士号取得後、大学の研究職だけでなく民間企業も薦めている。物性 分野では、卒業後、民間企業にも進みやすい環境作りが必要ではないか。 企業への就職の可能性をもっと大きくする。 物理分野のpermanent postの数を増やすこと,および,真に優秀な人材のみを研究者へ の道に歩ませることを行わないと,解決しない 大学の助教が制度化される際に、助教のポストを増やしてゆくこと PDを経験したあとでも、企業などに就職しやすい環境をつくるよう努力することや、PD そのものの数をむやみに増やすことはさける、などが考えられます PD形式は従来の学振PDのみにとどめ、科研費などの外部資金によるPDを研究者単 位やグループ単位でとらぬよう、さしあたって決めてはどうでしょう。 PD後の就職については、学部、修士卒に比べ不利であるという点を考慮し、組織的に バックアップする仕組みが必要だと思う。 ポスドクそのものの地位を年金も含めて改善し、あらゆる研究機関での人事のローテー ションを活発化すべきでしょう。35歳以下という多くのポストに課せられている年齢制限 も撤廃すべきです。 適切な就職先を推薦するようなネットワーク作りなど 民間その他への就職斡旋の機関を設立。 そのほか このようなアンケートの実施にも疑問があります.--- その人たちはポスドクの生活について 全く知らないのではないかと思います.---- 経験者以外にアンケートをとっても本当の意見 は上がってこないと思います.どうせ取るなら,現役のポスドクか経験者に直接聞くべきです. このようなアンケートは何回も繰り返されており、結果もする前からわかっていると思うが、 結局これまで何も変わっていない。今はアンケートをする時ではなく、行動を起こす段階なの だと思う。それにはコミットし解決できる人材を発掘し、それをサポートする体制を作ることが 必要であろう。 科学振興調整費によるテニュアトラック制度に関して 肯定的意見 11 否定的意見 39 PD問題の解決に役立つか? 将来を見据えた PD雇用 就職支援の仕組み (ガイドライン?)
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