フロリデーション、フッ化物洗口法 フロリデーションの定義 フロリデーションとは、う蝕予防のために水道水中のフッ素 濃度を適正に調整(adjust)する方法である。一般的には、 水道水中のフッ素濃度が不十分な地域で、フッ化物を添加 して適正濃度になるように調整を行う。逆に、地域の水道水 のフッ素濃度が過量の場合には除去、あるいはほかの水 源を利用して希釈することによって適正濃度になるように調 整する。また、天然の状態で水道水中のフッ素濃度が適正 であれば、そのままフッ素濃度をモニタリングしながら利用 されることもある。 わが国での適正濃度 わが国での適正濃度は地域によって約 0.7ppm~1.2ppmであり、普通のお茶のフッ 化物濃度より少し高く、自然の海水より低 い濃度です。現在の水道技術では、蛇口 からの水道水のフッ化物濃度を0.01ppm~ 0.02ppmの精度で調節することができます。 フロリデーションの適正な範囲 適正な範囲 0.7ppm 1.2ppm 2ppm 0.08ppm 0.8ppm 水道水に含まれる フッ化物濃度(地域による) 1.2 ~ 1.4 ppm 海水のフッ化物濃度 技術的に濃度調節が可能な精度(0.01~0.02ppm) フッ化物濃度の調節方法 水道水中のフッ化物濃度を適正な濃度に調節する方法 は、以下のとおりです。 水道水中に含まれるフッ化物 濃度が適正濃度より高い場合 (1.2ppm以上) 水道水中に含まれるフッ化物 濃度が適正濃度である場合 (0.7~1.2ppm) 水道水中に含まれるフッ化物 濃度が適正濃度より低い場合 (0.7ppm以下) 適正な濃度に調整 そのまま利用 適正な濃度に調整 フロリデーションの専門機関・学 術団体の見解(世界1) • 1945年にグランド・ラピッズ市(米国)で開始 され、その後、フロリデーションの効果・安 全性が確認され、全米各地はもとより世界 中に広がりました。 フロリデーションの専門機関・学 術団体の見解(世界2) • その優れた効果、安全性、経済性、簡便 性などの面から、国際歯科連盟(FDI)が 1964年に、世界保健機構(WHO)が、1969 年、74年、78年の3回、その実施を勧告し ています。 フロリデーションの専門機関・学 術団体の見解(世界3) • フロリデーションと安全性・効果については、 50年以上にもわたる専門学会や専門委員 会、政府、各種の国際機関および国際的 な保健機関の特別協議会において幾度と なく再評価され、証明されており、現在で は、150以上の国際機関が推奨しています。 フロリデーションを推奨している 主な専門機関・学術団体(世界1) • • • • • • • 世界保健機構(WHO) 国際歯科連盟(FDI) 国際歯学研究会(IADR) 欧州むし歯研究学会(ORCA) 米国防疫予防センター(CDC) 米国医師会(AMA) 米国歯科医師会(ADA) フロリデーションを推奨している 主な専門機関・学術団体(世界2) • • • • • • • 米国歯科衛生士会(ADHA) 米国小児科学会 米国小児歯科学会 米国環境庁(EPA) 米国水道事業協会(AWWA) 米国立がん研究所(NCI) 英国保健省 フロリデーションを推奨している 主な専門機関・学術団体(世界3) • • • • • • • 英国王立医学協会 カナダ厚生省 アイルランド歯科医師会 英国医師会 英国フロリデーション協会 カナダ医師会 オーストラリア歯科医師会 フロリデーションを推奨している 主な専門機関・学術団体(世界4) • 英国歯科医師会 • カナダ歯科医師会 • ニュージーランド歯科医師会 日本歯科医学会の見解 • 平成11年10月29日(12月17日に了承) • 日本歯科医学会医療環境問題検討委員会フッ 化物検討部会は、国民の口腔保健向上のため 齲蝕予防を目的としたフッ化物の応用を推奨す る。具体的には、現時点で、直ちに実施可能な フッ化物洗口法およびフッ化物配合歯磨剤等の 使用、ならびに臨床的応用法であるフッ化物歯 面塗布法の実施を推奨する。さらに、わが国に おけるフッ素の適正摂取量:AI(Adequate Intake) を確定するための研究の推進を奨励する。 日本歯科医師会の見解 • フッ化物を上水道に添加する方法平成12年12月21日 • 本法は公衆衛生的応用の代表的方法であるが、本法 の採用は地方自治体、住民および専門団体との合意 によってすすめるべきものである。しかしながら我国に おいて実施する場合は、かなり慎重に取り扱わなけれ ばならない。例えば、南北につながる我国の平均気温 にはかなりの差があり、飲水量も当然、差があると考 えられる。また、生活習慣、食習慣についても異なる点 が少なくないことから、至適添加量についても地域別 に研究、検討しなければならない点がある。公害多発 国としての国民感情を考慮し、選択の自由のないと言 われる水道水フッ化物添加の立場からも考えなければ ならないものであろう。 日本口腔衛生学会の見解 • 平成14年9月13日 • 日本口腔衛生学会は、ここに、21世紀の わが国における国民の口腔保健の向上を 図るため、専門学術団体として、フッ化物 局所応用及び、水道水フッ化物添加法を 推奨するとともに、それらへ学術的支援を 行うことを表明いたします。 フロリデーションの実施状況 • フロリデーションは、機械によるフッ化物濃 度が調整された水道水は、36カ国、3億 1700万人、適正濃度のフッ化物が天然に 含まれた水道水は、45カ国、3870万人、 フッ化物濃度を適正に調整された食塩は、 36ヶ国、1億人が利用しています。 フロリデーションの方法別実施状況 方法 実施国数 利用人口 機械によりフッ化物濃度が適 正に調整された水道水を利用 36カ国 3億1,700万人 適正濃度のフッ化物が天然に 含まれた水道水を利用 45カ国 3,870万人 上記のいずれかの方法 (併用も含む) 61カ国 3億7,700万人 フッ化物濃度を適正に調整さ れた食塩を利用 36カ国 1億人 ヨーロッパの実施状況 国名 フロリデーション給水人口 人口に占める割合(%) アイルランドa 2,545,000 70.4 チェコ共和国 1,515,000 14.7 UKb 7,759,000 13.2 スペイン 4,000,000 10.2 スェーデン 750,000 8.4 フィンランド 200,000 5.3 スイス 340,000 4.8 キプロス 30,000 4 セルビア 300,000 2.8 デンマーク 50,000 1 ハンガリー 30,000 0.3 ノルウェー 10,000 0.2 ポーランド 380,000 0.1 フランス、イタリア、USSR(1977) a Muiiane O, in press; bBritish Fluoridation Society, 1994; 他FDI, 1990. アジアの実施状況 国名 フロリデーション給水人 人口に占める割合(%) 口 香港 5,481,000 100 シンガポールa 3,462,000 100 マレーシア 10,200,000 48.4 イスラエルa 2,626,000 45 スリランカ 2,799,390 15 韓国c 534,200 11.4 タイ 5,000,000 8.3 フィリピン 5,850,000 7.8 ベトナム 4,000,000 5.3 台湾b 600,000 2.9 aUSPHS イラン、トルコ Division of Oral Health, 1998; bFDI, 1984; c健康社会のための歯科医師会; 他FDI, 1990 北米、中米の実施状況 国名 フロリデーション給水人口 USAc プエルトリコ (1974) 162,000,000 人口に占める割合 (%) 65.8 1,820,000 47.6 カナダa グアテマラb パナマ(1974) メキシコ 11,603,099 1,800,000 40.7 21.6 509,554 4,000,000 11,461 18.9 4.2 0.2 ハイチ キューバ aUSPHS Division of Oral Health, 1998; bFDI, 1984; cUSPHS Division of Oral Health, 2000; 他FDI, 1990. 南米の実施状況 国名 フロリデーション 給水人口 30,007,000 人口に占める割合 (%) ブラジルa チリa アルゼンチンa パラグアイ (1977) 65,585,000 6,212,427 76,000,000 350,000 44.7 42.1 21.2 8.4 ペルーb ウルグアイ 580,000 15,000 2.4 0.5 ベネズエラ 100,000 0.4 コロンビア aUSPHS 80.5 Division of Oral Health, 1998; bFDI, 1981; 他FDI, 1990. アフリカの実施状況 国名 ガーナ フロリデーション給水人口 人口に占める割合(%) 24,500 29.3 リビアa ガボン ザイール 1,400,000 1,363,000 600,000 25.8 ザンビア ナミビア ナイジェリア セネガル 947,166 200,000 20,000 1,000,000 10.3 12.6 0 11.4 ジンバブエ 1,000,000 8.8 ケニア、エジプトa a1981, FDI; 他FDI, 1990. 1.3 オセアニアの実施状況 国名 オーストラリアa ニュージーランド フィジー パプアニューギニア (1975) フロリデーション 給水人口 11,865,433 2,317,728 300,000 人口に占める割 合(%) 172,000 3.9 67 64 36.4 キリバス、Nauru aUSPHS Division of Oral Health, 1998; 他FDI, 1990. フロリデーションの実施状況 (米国) • 米国では、約1億6200万人がフロリデー ションの恩恵を受けており、それは、米国 の総人口の約2/3に相当します。 フロリデーションの実施状況(米国) 州 名 適正化された水道 水給水人口 給水人口 実施率 (2000年 ) 州 名 適正化された水道 水給水人口 給水人口 実施率 (2000年 ) アラバマ+ 3,967,059 4,447,100 89.2 モンタナ 143,092 645,452 22.2 アラスカ 270,099 489,371 55.2 ネブラスカ* 966,262 1,243,713 77.7 アリゾナ 2,700,354 4,869,065 55.5 ネバダ* 1,078,479 1,637,105 65.9 アーカンソー* 1,455,767 2,431,477 59.9 ニューハンプシャー 347,007 807,438 43.0 カリフォルニア 9,551,961 33,238,057 28.7 ニュージャージー 1,120,410 7,208,514 15.5 コロラド* 2,852,386 3,708,061 76.9 ニューメキシコ 1,187,404 1,548,084 76.7 コネチカット 2,398,227 2,701,178 88.8 ニューヨーク* 12,000,000 17,690,198 67.8 デラウェア 505,747 624,923 80.9 ノースカロライナ 4,862,220 5,837,936 83.3 ワシントンD.C. 595,000 595,000 100.0 ノースダコタ 531,738 557,595 95.4 フロリダ 9,407,494 15,033,574 62.6 オハイオ 8,355,002 9,535,188 87.6 ジョージア 6,161,139 6,634,635 92.9 オクラホマ* 2,164,330 2,900,000 74.6 ハワイ+ 109,147 1,211,537 9.0 オレゴン* 612,485 2,700,000 22.7 アイダホ 383,720 845,780 45.4 ペンシルバニア 5,825,328 10,750,095 54.2 イリノイ 10,453,837 11,192,286 93.4 ロードアイランド 842,797 989,786 85.1 インディアナ 4,232,907 4,441,502 95.3 サウスカロライナ 3,086,974 3,383,434 91.2 アイオワ 2,181,649 2,390,661 91.3 サウスダコダ* 553,503 626,221 88.4 カンサス 1,513,306 2,421,274 62.5 テネシー 4,749,493 5,025,998 94.5 ケンタッキー 3,235,053 3,367,812 96.1 テキサス 11,868,046 18,072,680 65.7 ルイジアナ+ 2,375,702 4,468,976 53.2 ユタ*+ 43,816 2,233,169 2.0 メイン 466,208 618,033 75.4 バーモント 240,579 443,901 54.2 メリーランド* 4,124,953 4,547,908 90.7 バージニア 5,677,551 6,085,436 93.3 マサチューセッツ*+ 3,546,099 6,349,097 55.9 ワシントン* 2,844,893 4,925,540 57.8 ミシガン 6,568,151 7,242,531 90.7 ウェストバージニア* 1,207,000 1,387,000 87.0 ミネソタ 3,714,465 3,780,942 98.2 ウィスコンシン 3,108,738 3,481,285 89.3 ミシシッピ 1,227,268 2,665,075 46.1 ワイオミング+ 149,774 493,782 30.3 ミズーリ+ 4,502,722 5,595,211 80.5 アメリカ全体 88,500,420 135,911,066 65.1 *:完全なデータがWFRSから利用できないために州から追加の情報を得ている。 +:給水人口が州の人口を越えているために給水人口を2000年の国勢調査の人口にしている。 フロリデーションの実施状況 (韓国) • 韓国では、ここ数年で急激に普及しはじめ、 約534万人(全人口の11.4%)がフロリデー ションの恩恵を受けています。また、2000 年に可決された口腔保健法にフロリデー ションの実施が盛込まれています。 フロリデーションの実施状況(韓国) April,2001 Area 地域 人口 開始年度 Area 地域 人口 開始年度 Chihae 鎮海 167,000 1981 Kumi 龜尾 280,000 1999 Chongju 淸州 560,000 1982 Kurye 求禮 14,000 1999 Kwanchon 果州 70,000 1994 Haenam 海南 19,000 1999 Pohang 浦港 492,000 1995 Ansong 安城 46,000 1999 Yongwol 寧越 23,000 1996 Chongyang 靑陽 9,000 1999 Asan 牙山 70,000 1997 Kimhae 金海 230,000 1999 Okchon 玉泉 37,000 1997 Yosu 麗水 67,000 1999 Chonan 天安 232,000 1997 Yonchon 連川 37,000 1999 Chongwon 淸原 14,000 1997 Changnyong 昌寧 6,000 1999 Yonki 燕岐 22,000 1997 Habchon 陜川 11,000 1999 Chinju 晋州 283,000 1998 Ansan 安山 1,131,000 1999 Ulsan 蔚山 630,000 1998 Banwol 半月 480,000 1999 Kyongju 慶州 138,000 1998 Kangnung 江陵 30,000 2000 Kwangju 廣州 69,000 1998 Bukcheju 北濟州 32,000 2000 Namhae 南海 11,000 1999 Uiwang 儀旺 98,000 2001 Chilgok 漆谷 34,000 1999 Total 総 計 5,342,000 フロリデーションの恩恵 • フロリデーションは、最も優れたう蝕予防法 です。その理由として以下のことがあげら れます。 (1) 最も効果的である。 (2) 最も安全である。 (3) 広範囲に恩恵をもたらす。 (4) 平等に利用できる。 (5) 生涯を通してう蝕予防ができる。 (6) 経済的で簡便である。 (1)最も効果的である。 • フロリデーションは、60年近い長い歴史をもつ 方法であり、多くの調査研究があります。それ によると乳歯で40~50%、永久歯で50~60% の予防率の保証があり、この予防率は、むし歯 予防方法として最も高いものの1つです。 • そして、これが水道をもつ地域の住民全てを対 象になされており、地域の単位でみても、最も 効果的なむし歯予防方法です。 (2) 最も安全である。 • フロリデーションは、60年近くの歴史があり、今 もなお多くの調査研究が続けられています。そ れによると、適正濃度下で行なわれるフロリ デーションでは、安全上の懸念は全く証明され ていません。 • また、最近のフッ化物調整装置は、コンピュータ によるフィードバック制御により、24時間の監視 体制下で、高い精度のフッ化物イオン濃度管理 が可能となっています。 (3) 広範囲に恩恵をもたらす。 • 個人で行う予防方法は、それを実施できた 個人が恩恵を受けるに過ぎません。 • それに対して、フロリデーションは、それを 実施した給水地域全域の住民に恩恵をも たらします。 (4) 平等に利用できる。 • フロリデーションは、生活の違い、低年齢 児、障害者、高齢者、低所得者層に関係 なく全ての人を平等にむし歯予防すること ができます。 • うまく歯磨きができなくても、むし歯予防が できるのです。 (5) 生涯を通してう蝕予防ができ る。 • フロリデーションは、子供から高齢者まで 全ての年齢で恩恵があります。 (6) 経済的で簡便である。 • 水道水フッ化物濃度適正化にかかる費用 は、一人当たり年間約55円、一か月5円程 度と、きわめて安価である。 • また、水道水フッ化物濃度適正化は、個人 の努力に負うことはなく、水道水を利用す るだけで確かな恩恵を受けることができま す。 フロリデーションの方法は? フッ化物添加方式の3分類 添加方式分類とフッ化物 人口規模とフッ化物添加方式 フッ化物濃度測定法 フロリデーションの費用 フッ化物添加方式の種類 方式 湿 式 (対象:小規模) 乾 式 使用フッ化物 ダウンフロー型---結晶状のフッ化ナトリウム アップフロー型---粉状のフッ化ナトリウム 流量調整型-------フッ化ケイ酸ナトリウム フッ化ナトリウム (対象:大規模) 重量調整型-------フッ化ケイ酸ナトリウム フッ化ナトリウム 酸注入式 (対象:中規模) ----------------ケイフッ化水素酸 湿式(飽和溶液注入)法 ダウンフロー型注入装置 アップフロー型注入装置 ダウンフロー飽和溶液注入装置(3D) 水道水本管 水道水 飽和フッ化物 溶液の添加 注 入 ポ ン プ 軟水化された水 ダウンフロー飽和溶液注入装置(3D) 水道水本管 水道水 飽和フッ化物 溶液の添加 注 入 ポ ン プ 顆粒状 フッ化ナトリウム 飽和フッ化物溶液 軟水化された水 飽和したフッ化ナト リウム溶液を吸い上 げる 砂利(1〜2インチ径) アップフロー飽和溶液注入装置(3D) 水道水本管 軟水化*された水 * :CaやMgが多いと沈殿 物を生じ、細いパイプが 目詰まりを起こす) 水道水 注入ポンプ 飽 和 フ ッ 化 物 溶 液 の 添 加 アップフロー飽和溶液注入装置(3D) 水道水本管 水道水 注入ポンプ 軟水化された水 飽和フッ化物溶液 フッ化ナトリウム 浮 遊 式 吸 い 込 み 口 飽 和 フ ッ 化 物 溶 液 の 添 加 乾式法 容量(流量・重量)調整型注入装置 スクリュータイプ ローラータイプ 容量測定式乾式添加装置 (ローラータイプ) ホッパー 送水 モーター 混和漕 回転式ローラーに より一定量のフッ 化物を混和漕へ送 る 浄水池へ 容量測定式乾式添加装置(3D) (ローラータイプ) フッ化ケイ酸 ナトリウム 送水 モーター 混和 ホッパー 回転式ローラーに より一定量のフッ 化物を混和漕へ送 る 浄水池へ 容量測定式乾式添加装置 (スクリュータイプ) ホッパー フッ化ケイ酸 ナトリウム 送水 スクリューの 回転により一 定量のフッ化 物を混和漕へ 送る モーター モーター 混和 浄水池へ 容量測定式乾式添加装置(3D) (スクリュータイプ) ホッパー フッ化ケイ酸 ナトリウム 送水 スクリューの 回転により一 定量のフッ化 物を混和漕へ 送る モーター モーター 混和 浄水池へ 酸注入式法 ケイフッ化水素酸の添加 定量注入ポンプ ケイフッ化ケイ素酸注入装置 水道水本管 定量注入 ポンプ 酸の容器 水道水 ケイフッ化水素酸の添加 ケイフッ化ケイ素酸注入装置 水道水本管 定量注入 ポンプ 水道水 ケイフッ化水素酸の添加 ケイフッ化水素酸 酸の容器 添加方式と使用フッ化物 注入方式 使用フッ化物 供給量 重量方式(乾式) フッ化ケイ酸ナトリウ ム 2~5,000ポンド/時 流量方式(乾式) フッ化ケイ酸ナトリウ ム 0.02~5,000ポンド/時 ピストンまたは遠心載荷 式ポンプ(計量ポンプ) ケイフッ化水素酸、 フッ化ナトリウム(溶 液) 18~5,000ポンド/時 機械駆動隔膜ポンプ方式 (計量ポンプ) ケイフッ化水素酸、 フッ化ナトリウム(溶 液) 9~2,500ガロン/日 電機駆動隔膜ポンプ方式 (計量ポンプ) ケイフッ化水素酸、 フッ化ナトリウム(溶 液) 0.2~96ガロン/日 蠕動ポンプ方式(計量ポ ンプ) フッ化ナトリウム(溶 液) 0.5~85ガロン/日 人口規模とフッ化物添加法 方式 人口 飽和溶液*注入方式(湿式) 手動 自動 <5,000人 <10,000万人 酸注入方式 ≧10,000万人 設備 溶液注入器 混合タンク 重量計 混和機 溶液注入器 飽和器 水量計 精度 溶液と注入器 の精度による 注入器の精度 注入器の精度に による よる フッ化 結晶状態のNaF ダウンフロー方式 物の種 : 類 結晶状態の NaF アップフロー方式 : 粉状のNaF 飽和溶液*:4%NaF(1,800ppmF) 溶液注入器 1日分タンク 重量計 移送ポンプ ケイフッ化 水素酸(23-30%) タンクローリー で運ばれる酸 乾式添加方式 重量調整型 流量調整型 ≧ 10,000万人 ≧ 50,000万人 重量式添加器 重量計 ホッパー 溶解室 流量式添加器 ホッパー 溶解室 通常3%以内 通常1%以内 フッ化ケイ酸 ナトリウム (パウダー状 ) NaF (パウダー状) 1.0〜1.2ppm 日本の 水道水フッ化物添加 至適フッ素濃度* わが国の水道水の 水質基準では、フ ッ化物濃度は 0.8mg/ℓ(ppm)以下 となっている。 0.9〜1.1ppm 0.7〜0.9ppm *:むし歯が半分以下に予防され、 問題となる歯のフッ素症が発 現しないフッ化物濃度 アメリカの飲料水フッ化物濃度基準 日最高気温の年間平均 推奨されるフッ化物濃度(F ppm) 摂氏(℃) 華氏(℉) 下限 至適 上限 10.0〜 12.1 50.0〜 53.7 0.9 1.2 1.7 12.2〜 14.6 53.8〜 58.3 0.8 1.1 1.5 14.7〜 17.7 58.4〜 63.8 0.8 1.0 1.3 17.8〜 21.4 63.9〜 70.6 0.7 0.9 1.2 21.5〜 26.2 70.7〜 79.2 0.7 0.8 1.0 26.3〜 32.5 79.3〜 90.5 0.6 0.7 0.8 (U.S. Public Health Service, 1962より) フッ化物濃度測定法 測定法 イオン電極法 内 容 イオン電極は、フッ化ランタン(LaF3)の単結晶膜を有し ており、膜の内と外のフッ化物イオン活性の差によって電 位差が生ずる。この電位差をpHメーターで読み取ることに よってフッ化物濃度を測定する。測定に際してはイオン強 度を補正するために全イオン強度補正緩衝液(TISAB: total ionic strength adjustment buffer)を用いる。 ランタン・アリザリン フッ化物イオンが、ランタンとアリザリンコンプレクソン コンプレクソン法( のキレート化合物と反応して青色となることを利用する。 La-ALC法) その発色の程度を分光光度法で測定する。なお、この方法 を利用した簡易フッ化物濃度測定キットが市販されている 。 ジルコニウム・スパン スパンズ溶液とジルコニウム液を混合したスパンズ混合薬 ズ法 に試料を混和し、溶液の吸光度を測定する。 (Zr-SPADNS法) 人口規模とフッ化物添加法 方式 人口 飽和溶液*注入方式(湿式) 手動 自動 <5,000人 <10,000万人 酸注入方式 ≧10,000万人 設備 溶液注入器 混合タンク 重量計 混和機 溶液注入器 飽和器 水量計 精度 溶液と注入器 の精度による 注入器の精度 注入器の精度に による よる フッ化 結晶状態のNaF ダウンフロー方式 物の種 :結晶状態の 類 NaF アップフロー方式 :粉状のNaF 飽和溶液*:4%NaF(1,800ppmF) 溶液注入器 1日分タンク 重量計 移送ポンプ ケイフッ化 水素酸(23-30%) タンクローリー で運ばれる酸 乾式添加方式 重量調整型 流量調整型 ≧ 10,000万人 ≧ 50,000万人 重量式添加器 重量計 ホッパー 溶解室 流量式添加器 ホッパー 溶解室 通常3%以内 通常1%以内 フッ化ケイ酸 ナトリウム (パウダー状 ) NaF (パウダー状) * フロリデーションの費用(円換算 ) 人口規模 調整装置費用 (千円) フッ化物費用 (千円)* 1人当りの1年間の費用 (円) 〜2,000人 240〜662 37〜444 42〜340 556〜1,124 126〜28 107〜143 186〜640 32〜4,320 22〜178 1,632〜1,710 206〜333 92〜126 481〜1,800 171〜1,020 12〜71 1,858〜3,507 419〜780 29〜77 1,920〜12,000 240〜2,520 7〜22 − − − 4,800〜84,000 1,027〜11,887 7〜32 12,118〜20,788 1,386〜12,087 18〜23 30,024〜151,452 13,982〜110,175 16〜25 〜5,000人 〜50,000人 〜100,000人 〜1,000,000人 〜5,000,000人 各人口規模の上 段 に 示 し た 金 額 は 、 Murray,JJ(1986) 、 下 段 に 示 し た も の は 、 Garcia, AI(1989)のデータを改変したものです。 * 上はフッ化物の費用であり、下はフッ化物に保守・ 修理費を含めた費用です。 円換算*:1$=120円で計算 フロリデーションの費用(米$) 人口規模 調整装置費用($) フッ化物費用($)* 1人当りの1年間の費用($) 〜2,000人 2,000〜5,520 307〜3,698 0.35〜2.83 4,637〜9,367 234〜1,050 0.95〜1.31 1,550〜5,330 265〜3,600 0.18〜1.48 13,598 1,718 1.05 4,007〜15,000 1,425〜8,500 0.10〜0.59 14,250〜29,228 2,779〜6,500 0.24〜0.77 16,000〜100,000 2,000〜21,000 0.06〜0.18 − − − 40,000〜700,000 8,555〜9,9057 0.06〜0.27 100,980〜173,230 11,553〜100,722 0.15〜0.19 〜5,000人 〜50,000人 〜100,000人 〜1,000,000人 各人口規模の上に示した金額は、Murray, JJ(1986) 、 下に示したものは、Garcia, AI(1989) のデータを改変したものです。 * 上はフッ化物の費用であり、下はフッ化物に保守・修理費を含 めた費用です。 フロリデーションの手続きは? 厚生労働省の見解 厚生労働省の見解 • 「水道水へのフッ化物添加について」 • 水道は清浄な水の供給を図ることを目的と しており、むし歯の予防等健康増進を目的 としていないこと、給水量に比して飲用に 供される量が極めて少ないこと、至適濃度 (むし歯を予防でき斑状歯が増加しない濃 度)の管理が難しいこと等の理由により、 水道水へのフッ化物を添加するよう指導す る考えはない。他方、 厚生労働省の見解(つづき) • (1)フッ化物を利用したむし歯予防法につ いては、全身・局所応用いずれも適切な方 法であれば有効かつ安全であることが内 外の専門機関(世界保健機構(WHO)、米 国健康研究所(NIH)、日本歯科医学会 等)で確認されている。 厚生労働省の見解(つづき) (2)平成11年11月に日本歯科医学会が「フッ 化物応用についての総合見解、としてフッ 化物利用を推奨する答申をとりまとめてお り、この見解を受け、今年度より3ヵ年の計 画で厚生科学研究班を発足させ、むし歯 予防を目的としたフッ化物の全身・局所応 用に関してのより具体的な指針を得るべく 「歯科疾患の予防技術・治療評価に関する フッ化物応用の総合的研究」(別表)を開 始している。 厚生労働省の見解(つづき) 以上を踏まえ、 • (1)水道水へのフッ化物添加を含めフッ化物 応用については、厚生科学研究の進展を見 守りながら、検討していく課題と認識している。 • (2)自治体から、水道水質基準(0.8㎎/1l以 下)内でのフッ化物添加について技術支援の 要請があれば、水道事業者、水道利用者、地 元歯科医師会等の理解等を前提に、厚生科 学研究の成果を活用する等により歯科保健 行政の一環として応じてまいりたい。 フロリデーションQ&A 1. 2. 3. 4. 安全性について 事故が起きた時について 食品加工について 料理の味について 1.安全性について 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 粉ミルク 尿路結石 沸かした湯 風呂 個人差 ダウン症の子ども アレルギー反応 8. 癌 9. 妊娠 10. 成長 11. 食物や水 12. 子宮がん 13. 機能障害 14. 病気に対する抵抗 力 1.フロリデーションで調整された水で粉ミル クを作って赤ちゃんに飲ませても問題がない でしょうか? • アメリカなどフロリデーションの長い歴史を持つ国々でも、粉ミルクを飲 ませたことによる問題は起きていません。 • 母乳とミルクとの混合保育をした程度では、歯のフッ素症を起こす心 配はないのですが、長期間にわたってフロリデーション水を使ったミル クだけで保育する場合には、「軽度の斑状歯」を起こす可能性があり ます。 • 「軽度の斑状歯」は必ずしも異常や病気というものではないということ を知っておく必要があります。 • 「軽度の斑状歯」でうっすらと白くなった歯は自然の歯の色との見分け が難しく、歯科医師でも診断に迷ったり、普通の人の黄色い歯よりもむ しろ美しく見えるものです。 • 軽度の斑状歯はむし歯になりにくいという大きなメリットがあります。つ まり、歯のフッ素症だから異常だという判断は間違っているということ です。 2.フロリデーションは尿路結石の原因 になりますか? • フロリデーションは尿路結石の原因になることはありませ ん。また誘因になったり、促進要因になることもありません。 • 尿路結石の約8割はシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウ ムなどカルシウムを成分とする結石であり、その原因や予 防の面からフッ化物との関連を示すものは見あたりません。 • 主な成分(シュウ酸Ca、リン酸Ca、炭酸Ca、リン酸Mg、ア ンモニウム、リン酸水素Ca、尿酸、尿酸アンモニウム、尿 酸ナトリウム、シスチン、キサンチン、ケイ酸塩、タンパク) のなかにもフッ化物は含まれていません。 • ラットを使った実験では、むしろフッ化物が腎の石灰化や 結石形成を阻害しているという様子が確認されています。 3.毎日、沸かした湯を飲んでいるとフッ化物 が濃縮されて体に蓄積して害になりません か? • 普通にお湯を沸かして10%ぐらいの水が蒸発した 場合は、1.0ppmのフッ化物イオン濃度は1.11ppm になる程度のものです。 • フロリデーションのフッ化物イオン濃度の設定は、 調理等によって生じる濃縮等を考慮した上で総合 的に安全な濃度として決められています。 • お湯を沸かして有害になるような濃度には設定さ れていません。 4.フッ素入りの水で風呂に入ると、肌 から吸収されますか?肌に悪くないで すか? • 人間は、フッ化物を含んだ水を飲用し、風呂の水に使用し てきましたが、皮膚から吸収されたり肌荒れを起こしたり、 また逆に、肌によいとする事実は認められていません。 • フッ化物が体内に吸収されるのは、経口的あるいは呼吸 よって摂取された場合であって、フッ化物を含む水(むし歯 予防のための1ppm前後の濃度)から皮膚を通して吸収さ れるということはありません。 • 温泉の水には比較的多くのフッ化物が含まれているもの がありますが、フッ化物の過剰摂取や肌荒れを起こすこと はありませんし、また逆に、肌にとくに良いという結果も得 られていません。人工的にフロリデーションが実施されて いる世界の国々でも同じです。 5.水分摂取量や食物からフッ素の摂 取量には個人差がありますが、安全で すか? • わが国における摂取の個人差を考慮しても安全性が問 題になることはありません。 • アメリカ医学研究所食品栄養局によるフッ化物の適正摂 取量(AI: Adequate Intake)は1日0.05mg/Kgですから、体 重65Kgの成人では3.25mgとなります。また、1日摂取量の 上限値は成人で10mgとしています。 • 日本人においては1日の食品によるフッ化物の摂取量が 0.4~1.8mgと報告されていますから、8ppmに調整された 水道水を1日1.5リットル飲むとして1日の総摂取量は1.6~ 3.0mgとなり、飲食物からのフッ化物摂取に多少の差が あっても上限値より低く問題はありません。 6.フロリデーションによってダウン症の子ど もの出生率を増加することはありませんか? • フロリデーションとダウン症との間に関連性があることを示す科学的な 証拠はありません。 • ある調査で、フロリデーションとダウン症児の発生頻度に関連のある ことが示されましたが、調査対象の選出や調査方法に初歩的で重大 なミスがあることがわかり、その仮説は否定されました。 • 母親の生活をしていた場所での飲水歴や、年齢特異性が全く考慮さ れていなかったことがわかりました。再分析したところ、フロリデーショ ンとダウン症児の発生頻度との間に関連は認められませんでした。 • 1991年に米国公衆衛生局(PHS)は「フッ化物の利益とリスクに関する 再評価」を刊行し、フロリデーションは先天異常やダウン症の発症に 影響しないと公表しています。 7.フロリデーションはアレルギー反応をおこ しますか? • フロリデーションがアレルギー反応を引き起こすことはありません。 • フッ化物に対するアレルギーや皮膚反応テストで陽性になったという 報告はなく、米国アレルギー学会では、フッ化物に対するアレルギー 反応についての臨床報告として、「フロリデーションに用いられるフッ化 物に対してアレルギーや過敏反応を起こす証拠はない」と結論づけて います。 • 米国国立科学アカデミー(NAS)の委員会では、かなり高い濃度のフッ 化物を含む天然水を飲んでいる多くの人々でも、フッ化物が免疫反応 やアレルギー反応に影響を及ぼしたという報告がないことから、アレ ルギー反応があるという主張を認めることはできないと述べています。 • WHO もフロリデーションによって免疫反応やアレルギー反応が引き 起こされることは全くないと結論づけています。 8.フロリデーションは、癌を発生したり、その 増殖を促進することはありませんか? • フロリデーションと癌の関連性はありません。 • 1945年に米国(アメリカ合衆国)でフロリデーションが開始されてから、 動物実験やヒトを対象とした多くの疫学調査が行われてきましたが、フ ロリデーションが癌発生のリスクを高めるという結論は得られていませ ん。 • イギリス、カナダ、オーストラリアなどをはじめ、多くの国々の各種関連 団体が科学論文を広範囲に再評価した結果、フロリデーションと癌発 生との間には全く関係がないと結論しています。 • 2000年9月に英国ヨーク大学が行ったフロリデーションのシステマ ティックレビュー*(系統的総説)においても、フロリデーションが、いか なる癌の発生率や癌による死亡率を高めるという証拠はないと結論づ けています。 9.妊娠中の方に悪い影響はありま せんか? • 妊婦にも胎児にも全身的な影響はありません。 • 妊婦自身と胎児の歯はより強い歯になることが期 待できます。 • 適正にフッ化物含有している自然の飲料水を使用 している妊婦、病人、その他、普通に生活している あらゆる人々が良好な保健状態をしていることを 確認し、このことを根拠にして、フロリデーションが 始められました。 10.20~30年後、今の子どもたちが 大きくなった時に体の害が現れるこ とはありませんか? • アメリカ、カナダなどではフロリデーションが始まっ て、すでに50年以上の歴史があります。それらフ ロリデーション地域で育ち、成人になった人たちに 体の障害は何も見られていません。 • フロリデーションを受け入れた人たちが数十年後 、成人、高齢者になったとき、フロリデーションのお かげで、たくさんの健康な歯が残っていることに感 謝することでしょう。 11.フッ素は食物や水の中に入っています。 どれくらいのフッ素を取ると害になります か? • フロリデーションによる飲料水、食物、飲料、歯科用フッ化物、フッ化物 補助食品などさまざまな経路で摂取するフッ化物の許容される上限は、 幼児、小児から8歳まで、体重1kg当たりで1日0.10㎎に設定されてい ます。 • この年齢以上の子どもや成人では、歯のフッ素症の心配はないので、 フッ化物の許容レベルの上限は、体重に関わらず1日10㎎に設定され ています。 • 8歳までは許容上限摂取レベル以上だと歯のフッ素症の心配がでてき ますが、9歳以上では歯のフッ素症の心配はありません。 • こうした意味ではフッ化物摂取は幅広い安全域があるといえます。 • 6歳以下の子どもたちの平均飲用量は、1日1~0.5 リットル以下です 。 したがって、6歳以下の子どもたちは、1ppmのフッ化物イオン濃度の 飲料水を飲むことで1日に 0.5㎎以下のフッ化物を摂取することになり ます。 12.フロリデーションの実施で、子宮がんに よる死亡率が増加したという新聞記事は本 当ですか? • フロリデーションは子宮がん死亡率を増加させることはありません。 • 沖縄県で、以前に実施されたフロリデーションと、子宮がん死亡と関連 性がある、との報告がありました。 • その根拠となった調査のデータと集計方法に不備があることがわかり ました。誤った方法から導き出された結論にも誤りが含まれています。 • フロリデーション地区と分類された地区は、実際はフロリデーションは 実施されていませんでした。また、フロリデーション実施と分類された 地区のなかには、当時で上水道普及率が50%に満たない町があり、 住民全員をフッ化物イオン濃度が調整された水道水の飲用者として分 類して子宮がん死亡率を計算してしまうことには大きな問題がありま す。 • フロリデーションの安全性に関する情報には常に関心をもたなければ なりませんが、誤った情報に基づいて判断することは避けなければな りません。 13.長期間のフロリデーションによって体の 機能障害が生じますか。 • フロリデーションはフッ化物の適正摂取を保証するもので体の機能障 害が起こることはありません。 • 生体内で、適量のフッ化物は生理的な物質として処理されます。小児 では骨の成長や歯の形成に必要な量を残して、吸収されたフッ化物の 約20%が尿として短時間の内に体外へ排泄されてしまいます。 • 成人では吸収されたフッ化物の約50%が排出されます。 • フッ化物は増齢的に骨への沈着量が増加していきますが、これも、生 理的なもので、機能障害が起こることはありません。もちろん、いかな る薬や物質、栄養素であっても、過剰に摂り過ぎれば生体にとっては 有害です。 • フッ化物の場合も、摂り過ぎれば有害な作用、いわゆる中毒を起こす ことがあります。しかし、フロリデーションは飲料水中のフッ化物イオン 濃度を適正に調整するものであり、フッ化物の摂り過ぎにならない方 法です。 14.フロリデーションの水を飲んでいて 、病気に対する抵抗力が低下する、と いうことはありませんか? • フッ化物の慢性毒性として確認されているのは、歯のフッ 素症(斑状歯)と骨フッ素症(骨硬化症)の2つだけで、抵抗 力の低下の心配は要りません。 • 歯のフッ素症、骨フッ素症ともに水道水中のフッ化物イオ ン濃度を適正に維持していれば、発現する心配はありま せん。 • フロリデーションされた水を長期間飲用したとしても、病気 の抵抗力が低下するような心配はありません。 2.事故が起きた時について 1. フロリデーション装 置の事故が起きた 時にどう対応します か? 2. フロリデーション装 置が故障する危険 性はありませんか? これまで、故障例は ありませんか? 3. 装置が誤って大量の フッ素を流してしまう 心配はないですか? 4. 装置が誤って大量の フッ素を流してしまう 心配はないですか? 1.フロリデーション装置の事故が起きた時 にどう対応しますか? • 一時的に水道水への供給がなくなるだけで健康上の問題にはなりま せん。 • 万が一、事故や台風による災害が生じた場合には、フッ化物の供給が 一時的に停止されるのみで、住民に対する被害は全く考えられません。 • 過剰のフッ化物を供給し続けることはありえません。 • フッ化物イオン濃度調整に際しては、1日の給水量から計算したフッ化 物の使用量が的確に得られます。 • 毎日の適切な保守と点検、さらには供給源と末端のフッ化物イオン濃 度のモニタリングにより、厳しく管理されています。 • 一日あたりのフッ化物使用量は二重三重に制限されています。 • 最新のフッ化物調整装置は、コンピュータによるフィードバック制御に より、24時間の監視体制下で、高い精度のフッ化物イオン濃度管理 (0.05 ppm)が可能となっています 2.フロリデーション装置が故障する危険性 はありませんか? これまで、故障例はありま せんか? • 水道水のフッ化物イオン濃度の調整は他の水道水処理過程と変わりはなく、 システムを正しく計画し維持しているので高い安全性が保障されています。 • 規定の濃度を逸脱すると自動的に装置が停止するようになっています。 • 装置の事故は、1992年5月にアラスカ州のフーパーベイでの事故があります。 • この事故は、フロリデーション装置の管理ミスのため作動不良により高濃度の フッ化物を含む水が供給され、給水を受けた81名の内51名に中毒症状が発現 し、死亡者が1名でました。装置自体の故障によるものではありません。 • 事故報告書は、「基本的に今回の事故は極めて稀で、いくつかの管理ミスが重 なった結果であり、管理システムを厳しくする必要があるが、フロリデーション は継続されるべきである。」と述べています。 • 十分な管理、整備、検査体制を監視するオペレーターの訓練を実施することで、 より安全に装置を稼動することができます。 3.フロリデーションの装置が誤って大 量のフッ素を流してしまう心配はないで すか? • 最近の装置ではフッ化物イオン濃度は常時測定され、高 精度でのコントロールが保障されています。 • フロリデーションの装置は、適量のフッ化物イオン濃度に なるように調整されています。 • 万が一、故障した場合には、そのフッ化物調整装置の構 造上、フッ化物の供給が停止するようになっていて、高す ぎる濃度のフッ化物が家庭に供給されることはありません。 • 最近の装置では、フッ化物イオン濃度は常時測定が行 われていて、十分な精度で、フッ化物イオン濃度コントロー ルが保障されています。 3.食品加工などについて 1. レトルト食品などの 添加物を多く使用し ている食品 2. 米国フッ化物製剤へ の食品医薬品局 (FDA)の承認 3. フッ化物添加された 水を、野菜や草にか ける 3. 地域特産品(豆腐、 化粧水、酒、もずくな どの海産物)への影 響 4. 農作物への影響 5. 有毒物質が含まれ ている産業廃棄物は 原材料としていない 1.フロリデーションを実施した場合、レトルト食品な どの添加物を多く使用している食品を摂っていても 大丈夫ですか? • 大丈夫です。今までに、日本を含めて各国でレトルト食品やいろいろな 添加物を含む食品とフッ化物を同時に摂取し続けてきましたが、それ によって異常が生じたという事実は確認されていません。 • レトルト食品だけに食品添加物が使用されているわけではありません が、私たちは日常的にいろいろなインスタント食品や添加物が使用さ れている食品を摂っています。 • 日本では保存料、殺菌料、酸化防止剤、防カビ剤、調味料、甘味料、 発色剤、着色料、漂白剤に分類される340品目ほどの食品添加物が 認められています。今までに、日本を含めて各国でこれらの添加物と フッ化物を同時に摂取し続けてきましたが、それによって異常が生じた という事実は確認されていません。 2.アメリカで使用されているフッ化物製剤は、食品 医薬品局(FDA)の未承認の薬品であるというのは 本当ですか? • FDA (米国食品医薬品局)はフッ化物製剤の市場販売を承認していま す。 • FDAは、米国内で販売されている店頭ならびに処方によるフッ化物製 剤の承認に責任をもっています。 • FDAは、ボトル水と店頭渡しのフッ化物製剤(たとえば、歯磨剤と洗口 剤)の表示基準を規定していますので、アメリカで使用されているフッ 化物製剤は承認済であります。 • 米国では米国医師会、米国歯科医師会をはじめ、政府の公衆衛生局、 NIDCR(米国国立歯顎顔面学研究所)、CDC(疾病予防センター)等 の機関がフロリデーションやフッ化物応用によるむし歯予防法を推奨 しています。 3.フッ化物添加された水を、野菜や草 にかけると影響がありますか? • 影響はありません。 • 地中に含まれるフッ化物の濃度は、平均280ppmといわれ ており、野菜や果物にも0.1~2.8ppmのフッ化物が含まれ ています。 • フッ化物イオン濃度が1ppm前後の水をかけても、野菜な どの生育に影響はありません。こうしたことは、フロリデー ション地区における経験で明らかになっています。 • 米国ではフロリデーション地区の周囲でもむし歯予防効果 があります。これは、フロリデーション地区で生産された フッ化物を適量に含む飲食品類が周囲の地域に出回った 結果起こる現象です。 4.フロリデーションは地域特産品(豆腐、化 粧水、酒、もずくなどの海産物)に悪影響が ありますか。 • フロリデーションによる特産品への影響はありません。 • 豆腐と酒の製造過程でフロリデーションされた水が使われても、健康 には無害です。かえってフロリデーションされた水で作った飲食物に よって、フロリデーション地区外の地域のむし歯予防にもなります。こ れをフッ化物の拡散効果といいます。 • お酒造りに大切な水に、フロリデーションによる水を使っても、酵母へ の影響はないことも示されています。世界的にみますと、フロリデー ションによる水を利用している国でも、ワインやビールは生産されてお り、問題が起こったことはありません。シンガポール、香港では国と地 区全体(100%)でフロリデーションが行われていますが、たくさんある 産業の中で、それらへの悪影響が一例も報告されたことはありません。 • 海水には約1.3ppmですので、あらゆる水産物にはフッ化物が含まれ ています。フロリデーションによる水産物への影響はあり得ないことに なります。 5.フロリデーションによる農作物への 悪影響がありますか? • 農作物への悪影響はありません。 • 土壌の中にもフッ化物は天然の形で含まれています。農 地で生産された人参、大根などの農作物には1kgあたり 1mgのフッ化物を含んでいますので、フロリデーションによ る農作物への影響はありません。 • 世界中の約60か国のフロリデーション地区においても、フ ロリデーションによる水が農作物の生産にも利用されてい ます。影響があったという証拠はありません。 6.フッ化ナトリウムは、有毒物質が含まれて いる産業廃棄物のものを使用していません か? • 産業廃棄物ではありません。フッ素は天然に多い元素の一つであり地 殻中にも多く含まれています。 • フロリデーションに用いられる主なフッ化物の大部分は、リン酸工業 (肥料工業)の2次的な生成物として得られています。 • リン酸工業ではリン鉱石を硫酸で処理してリン酸を得ていますが、この 際、直接つくられるフッ化合物は四フッ化珪素といわれるものです。こ れを除害回収するために、珪フッ化ナトリウムあるいはフッ化ナトリウ ムの形で固定して回収します。 • フッ化物は産業廃棄物とは異なります。また、米国の例にならえば、フ ロリデーションに用いられるフッ化物は、公共の安全性を保障するた めに、米国水道協会(AWWA)による指針にしたがって、厳しい基準が 設定されています。 4.料理の味について 1. 市販の、おいしい水 3. フッ素化した水で食 にも、フッ素は入って べ物の味は変わりま いるのですか? せんか? 2. フロリデーションによ 4. 食物からとったフッ る水を冷やしたり、 素と、水からとった 煮沸しても効果は変 フッ素は違うのです わりませんか? か? 1.市販の、おいしい水にも、フッ素は入って いるのですか? • フッ化物は私たちの身の回りに普遍的に存在する自然環境物質です。 • 自然水を利用した市販の水、ミネラルウォーター等にも、微量なフッ化 物が含まれています。 • 市販の水は、農林水産省の品質表示ガイドラインで原水と処理方法 の違いから4種類に区分されますが、純水や蒸留水などの処理をしな い限り、必ず微量なフッ化物が含まれることになります。 • 食品衛生法の「清涼飲料水」の製造基準、栄養改善法の栄養表示の 基準に適合していればフッ化物イオン濃度の表示義務はありません。 • 国内の複数の大学研究室が、測定精度を比較するために市販のボト ル水8銘柄を調べたところ0.60~0.03ppmの範囲でフッ化物が含まれ ていました。 2.フロリデーションによる水を冷やした り、煮沸しても効果は変わりませんか? • 効果は変わりません。 • フッ化物は、水中で遊離してイオン化しているものがむし 歯予防に効果を発揮します。これは、温度によって変化し ません。 3.フッ素化した水で食べ物の味は変わ りませんか? • 食べ物の味は、なんら変わりません。 • 現在、世界で61か国、3億6千万人の人々がむし歯予防を 目的に水道水中のフッ化物イオン濃度を適正に保ってい ます。これらの国々では、フロリデーションによる水を飲料 水に使用するだけでなく飲食物の製造にも使用しています が、飲料水の質を低下させたり、食べ物の味を変えるなど の報告はありません。 • わが国では、昔から全国各地に“名水”といわれる美味 しく清らかな水がありますが、その中にもフッ化物を多く含 んでいるものもあり、食べ物の味を変えるどころか、あえて その水を使用して特産物が製造されているところもありま す。 4.食物から摂るフッ素と水から摂るフッ素は違うの ですか? • フッ化物イオンと言う意味では食物のフッ化物も水から摂るフッ化物も同じで す。 • フッ化物は口から入るときに歯の表面で作用します。そのとき、水に溶けた状 態のフッ化物であれば高い効果が発揮されます。 • WHOは、フッ化物の栄養性に関連して摂取する全体のフッ化物のうち60%以 上は水溶性のものであることが必要であると見解を述べています。 • また、フッ化物は、食物の形態やカルシウムの含有量によって吸収量が異な ります。水溶性の食物は、固形のものより腸からのフッ化物の吸収量は多く、 また、カルシウムが多く含まれる食品では、フッ化物がイオン化しにくく、吸収 量は減少します。 • 魚の骨は、たくさんのフッ化物を含みますが、その12%程度しか吸収されない ようです。したがって、水道水から適切な量のフッ化物を摂取する方が、効率 的であり、コントロールがしやすい、ということになります。 フロリデーション関連サイト インターネット接続環境が必要です 日本国内の関連サイト(1) 2003.3.31現在 健康日本21・歯の健康 http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b6f.html http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/pdff.html 新潟県庁 http://www.pref.niigata.jp/fukushihokenbu/kenko/kenko.htm 日本水道協会 http://www.jwwa.or.jp/teiki/free/free_53216552.html 水道データベース http://www.jwwa.or.jp/mizu/ 民主党 http://www.dpj.or.jp/seisaku/koyou/BOX_KO0025.html 日本国内の関連サイト(2) 2003.3.31現在 日本歯科医師会 http://www.jda.or.jp/jp/knews.htm 富山県歯科医師会 http://www.kk.iij4u.or.jp/%7Etda/pages/10.htm 広島県歯科医師会 http://www.hpda.or.jp/ 長野県歯科医師会 http://www.avis.ne.jp/~iiha/jyoho0001.html 佐世保市歯科医師会 http://www5.ocn.ne.jp/~sasikai/ 日本国内の関連サイト(3) 2003.3.31現在 長崎フロリデーション協会 http://www.bekkoame.ne.jp/ha/aj0694/ 宮崎県地域保健活動推進協議会 http://www.geocities.co.jp/Beautycare/7474/ 新潟県地域歯科保健 http://www.niigata-inet.or.jp/nda/info.html 山本武夫先生 http://www.f-take.com/index-f2.htm 水道水フッ素化とむし歯予防 http://www.fluoride.jp/ 富永歯科医院 http://fish.miracle.ne.jp/shika-t/TOMIDENindex.htm 外国の主要関連サイト 2003.3.31現在 米国歯科医師会(American Dental Association) http://www.ada.org/index.html http://www.ada.org/public/topics/fluoride/fluoride.html 英国フッ化物協会(The British Fluoridation Society) http://www.liv.ac.uk/bfs/safety&genhlth.html 米国疾病予防センター(CDC Oral Health Resources) http://www.cdc.gov/nccdphp/oh/ 米国国立フッ化物応用政策研究センター(NCFPR) http://fluoride.oralhealth.org/ 国際保健機構(WHO Oral Health Country/Area Profile Programme) http://www.whocollab.od.mah.se/countriesalphab.html ヨーク大学(York University) http://www.york.ac.uk/inst/crd/fluorid.htm フッ化物洗口法 フッ化物洗口法 永久歯のう蝕予防を目的に、むし 歯予防法を必要とする人が行う自己 応用法で、比較的低濃度のフッ素溶 液を少量口に含みブクブクうがいを する方法 フッ化物洗口法 方法は、週1回法と毎日法に分けられる 方法 フッ素濃度 応用頻度 応用量 対象 毎日法 週1回法 0.05%NaF 0.2%NaF 225ppmF 900ppmF 週5回(毎日) 週1回 就学前:5~7ml 小・中学生:10ml 4歳~中学校卒業時 矯正装置装着者 成人、高齢者(歯根面むし歯予防) う蝕予防効果 永久歯 50~80% 乳歯 4歳以前では、洗口できないので、効果が 期待できない 効果1 熊本県波野村の小学校の1人平均DMFT (平成7年フッ素洗口実施) 1人平均DMFT歯数(本) 5 4 3 2 1 0 H7 H13 小1 小2 小3 小4 小5 小6 効果2 3つの対策を結集 平泉町の小・中学生のむし歯の変化 1979年:保健指導開始 歯磨き + おやつ指導 1986年:フッ素洗口開始 歯磨き + おやつ指導 + フッ素洗口 効果3 新潟県のフッ素洗口の実施児童数 約8万(児童50%以上) 12歳児一人平均むし歯数の比較 5 4.3 4 全国平均 3.18 3 2 2.51 2.61 1.64本 2 2.21 1 0 新潟 長野 東京 埼玉 山梨 沖縄 1位 2位 11位 21位 33位 最下位 フッ化物洗口法(集団)の利点 ・対象者が多い 1施設で実施することによって、その全 員が対象者となる ・う蝕予防効果が高く、費用も安い 集団で行うので、継続性が高く、費用も、 個人と比較して少なくてすむ フッ化物洗口法(集団)の注意事項 フッ化ナトリウムは、鍵のかかる保管 庫にいれて保管すること 実施に合わせて、分包を1つずつ使用す ること 行事などで実施できなかったときには、 その旨を記録すること 新しい分包が届いたときには、未使用で 余っている分包を、未実施の記録と一 緒に返却すること フッ化物洗口法の普及 40都道府県 約3000施設 約30万人 で実施 4,696 フッ化物洗口実施状況 40 道府県、約3 千施設、約30 万人が実施 ( 日本虫歯予防フッ素推進会議調査 2002.3) 15,807 8,915 2,255 17,287 2,345 2,035 1,326 7,316 3,381 3,381 5,043 2,142 521 2,167 13,486 8,596 79,378 18,220 1,351 508 3,705 7,148 1,848 384 8,236 11,000 21,278 1,262 3,678 13,893 7,194 24 16,720 701 712 240 1,658 3,232 2,050 実施人数 青色 1万人以上 緑色 千人以上 1万人未満 橙色 千人未満 1,444 フッ化物の普及状況(日本) フッ化物洗口必要器材 ①広口ビン ②砂時計 ③蛇口付き溶解ポリタンク ④ディスペンサー付き分注ビン ⑤紙コップ フッ化物洗口の手順1(ポリタンク使用の場合) ①ポリタンクに必要量の水道水を準備し、広口ビンから処方され た(処方は医師、薬剤師、歯科医師のいずれかが行う)NaF粉末 を取り出しポリタンクに入れる。ポリタンクを軽く振って溶解する。 ③紙コップに1人ずつ分注す る ④1分間音楽に合わせて洗 口終了後、紙コップに吐き出 させる ②クラスごとにフッ化物洗口 液をディスポンサーボトルに 分ける ⑤吐き出した洗口溶液をポリ バケツに入れて下水に流す フッ化物洗口の手順2(ポリタンクを使用しない場合) ①歯科医師が1gのフッ化 ナトリウムを計量する (週1回法では、4g) ②施設職員が2000mlまで 水を入れて計量された フッ化ナトリウムを溶かす 2回押すことによっ て約7ml入る。 3回押すことによっ て約10ml入る。 1人分の洗口液量 1分間音楽に合わせて洗口終 了後、紙コップに吐き出させ る 吐き出した洗口溶液をポリバケ ツに入れて下水に流す フッ化物洗口法の公衆衛生プログラム ステップ1 市町村行政内部(衛生・福祉・教育委 員会)の意思統一を目的とした会議を 開催する。そのときに、地元歯科医師 会の指導、助言を要請する。 ステップ2 保健所長、幼稚園長、学校長、学校医 などに市町村の方針を伝え、事業実施 計画の提示を行う。 むし歯予防推進協議会を行い、計画の 成安を得る ステップ3 学校職員、保育所職員などの理解を得 るために説明会を開催する。 ステップ4 保護者の理解を得るために講演会を 開催したり、先進地の視察を行う。講演 会終了後、実施希望を確認する。 ステップ5 不安を持つ人や希望者が少ない場合 には、説明用の資料作成や再度、説明 会を開催する ステップ6 予算化と議会対応が必要である。 ・議会への説明資料作成 ・市町村における予算化 ・県への補助金申請 ステップ7 現場教職員の実技研修を行う ・器具、器材の購入 ・実施方法について現場の教職員の実 技研修
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