スライド 1

環境を『力』にするビジネス成長戦略
について
平成20年7月
経済産業省 産業技術環境局
環境調和産業推進室
-1-
環境経営・環境ビジネス支援関連施策の概要
環境に配慮した企業経営の促進
企業を取り巻く環境変化
環境制約の高まり
○省エネルギー(地球温暖化対策)
○省資源
(循環型社会構築)
○有害物質対策(適正管理)
企業経営の基本
○品質(Quality)
○コスト(Cost)
○納期(Delivery)
競争力の源泉
↓
QCD+Eへ
環境経営の重要な柱
1.環境経営管理(EMS)の構築
企業の環境理念の明確化とその実証を担保
する組織の構築
企業の自主的な環境経営に対する支援
1.環境経営管理(EMS)構築への支援
-中小企業等に対するISO14001等取得支援
2.生産プロセス・技術への環境配慮
2.生産プロセス・技術の環境配慮への支援
省エネ・省資源型生産技術革新、リユース・
リサイクルの徹底 等
-企業経営効率化に資する環境管理会計の推進
-省エネ技術、3R技術等に関する技術開発支援
3.製品・サービスの環境配慮
環境配慮設計基準、製品アセスメント(LCA)
等
3.製品・サービスの環境配慮への支援
-グリーン購入による環境配慮製品の初期需要
拡大
-LCAデータベースの構築、環境配慮設計手法
の導入支援。
市場のグリーン化の進展
○グリーン・コンシューマーの拡大
(グリーン購入法や環境NPOの活動)
○企業の社会的責任に対する意識の向上
(積極的な市民社会への貢献を期待)
4.環境コミュニケーション
環境報告書等により、環境経営や環境負荷の
状況を適切に情報提供
地域住民とのリスクコミュニケーション
環境ビジネスの育成
4.環境コミュニケーション推進への支援
-環境/CSR報告書ガイドラインの策定・普及
-エコプロダクツ展の開催支援 等
-中小企業、NPO等の連携、製品機能のサー
ビス化等のビジネス創出支援
-リサイクル設備導入等に対する支援
・環境ビジネスの創出
・環境ビジネスのリスク低減
-2-
環境会計:環境活動と経済活動を連携
→環境経営の基本手段
環境管理会計:企業の内部管理に特化
経営者・管理者に報告。
企業の内部管理活動に利用
(例:マテリアルフローコスト会計)
経済産業省「環境管理会計ワークブック」
【企業等】
【社会】
社会とのコミュニケーション
内部機能
外部機能
企業の経営管
理ルール
外部環境会計:外部報告目的に特化
企業外部の利害関係者に対して報告
(企業評価等)
(例:環境報告書、財務報告書による報告)
環境省「環境会計ガイドライン」
情報の受け手
経営者
関係部門
従業員
-3-
情報の受け手
消費者・取引先・
投資家・金融機
関・地域住民・行
政・国民
マテリアルフローコスト会計(MFCA)
・ 製造プロセスにおけるマテリアル(原材料、エネルギー)
のフローとストックを物量単位と金額単位で測定するシ
ステム。→廃棄物・排出物の正確な原価を算定
・ ドイツで原型が開発し、日本にてマテリアルを原材料・エ
ネルギーに細分化、工程ごとに測定し改善策の策定を
行うなどMFCAをより活用しやすいものへ改良。経済産
業省は平成11年度よりMFCAに着手し、モデル事業等
を経て、 平成18年度より本格的な普及に努めています。
・ 環境面に着目し、大幅なコストダウンを目指す。
・ 生産プロセスのイノベーションにより、リデュース及び生
産性の飛躍的向上を目指す。
-4-
MFCAの概念
通常の原価計算
インプット
(100kg)
原材料費1,000円
加工費
600円
伝統的な原価
計算では構造的に
見落とされる
生産プロセス
アウトプット
製品1個 (80kg)
原材料費1,600円
廃棄物
MFCA
インプット
生産プロセス
アウトプット
(100kg)
原材料費1,000円
加工費
600円
合計
1,600円
廃棄物
原材料費
加工費
合計
製品 1個(80kg)
原材料費 800円
加工費 480円
合計 1,280円
-5-
(20kg)
200円
120円
320円
経済産業省のMFCAプロジェクト
H11年度
H12年度
H13年度
環境管理会計の調査
H14年度
H15年度
詳細は環境調和産業推進室HP
→http://www.meti.go.jp/policy/eco_business/
H16年度
H17年度
H18年度
H19年度
環境管理会計の普及研究
MFCAの普及活動と
活用手法研究
MFCAの基礎調査
環境管理会
計ワークブッ
ク(2002)
大企業・中小企業向け
MFCA導入実証事業
セミナー・研修会・導入
実証事業の実施、MF
CA導入ガイドライン・
事例集の作成 等
平成20年度のMFCAプロジェクト
1.各地域の普及拠点におけるMFCAの普及策の実施
①事業者団体等におけるセミナー開催等支援(講師派遣)
②事業者団体等における実務者向け研修会の実施
③事業者団体等内の傘下企業向け導入実証事業
④人材育成(③におけるインターンシップ) など
2.情報提供事業
①事例集の見直し・・・・従前の導入実証事業をわかりやすく整理した事例集の見直し、配布
②導入ガイド等の見直し・・・・前年度までに開発した以下のコンテンツの見直し・拡充
a.「マテリアルフローコスト会計手法導入ガイド」
b.「MFCA簡易計算ツール(Excelベース)」
c.「MFCA簡易計算ツールの使用マニュアル」
③WEB上での普及・広報活動
3.アドバイザリーボードの設置
-6-
マテリアルフローコスト会計(MFCA)の国際標準化の提案について
~世界初の「環境管理会計」分野の国際標準化提案~
経済産業省は、 MFCAの国際標準化について、昨年11月16日、国際標準化機構(IS
O)のTC207(環境マネジメント)に対し新業務項目提案(New Work Item Proposal)を
行い、本年3月19日に採択された(有効投票数:26カ国(賛成24カ国、反対2カ国)、専
門家(エキスパート)の参画国:20カ国)。
この結果、我が国のイニシアチブ(議長:國部克彦(神戸大学大学院教授)、幹事:古川
芳邦 (日東電工(株))の下、規格化の作業を行うワーキンググループが設立され、3年後
を目途に国際規格発行に向けた作業に着手する。第1回の会合は、本年6月下旬にコロ
ンビアのボゴダで行われるISO/TC207総会にあわせて開催。
〈MFCAの国際標準化の効果〉
①我が国として、環境経営の側面から、環境と経済が両立した社会を形成する上でのリー
ダーシップを発揮し、我が国の国際的プレゼンスが向上。
②国際的ガイドラインの明確化により、我が国企業が海外拠点や国際提携先に対しMFC
A導入を促すことが容易になり、我が国企業の国際競争力が向上。
-7-
検討経緯及び今後のスケジュール
平成19年4月
5月29日
6月15日
6月24~29日
8月27日
10月2日
11月16日
平成20年
3月19日
6月25~26日
環境管理会計国際標準化準備委員会立ち上げ・検討開始
環境管理規格国内委員会開催
第1回環境管理会計国際標準化対応委員会開催
ISO/TC207総会(北京)への参加(提案内容の説明)
第2回環境管理会計国際標準化対応委員会開催
アジア環境管理会計ワークショップ開催
TC207に対し提案(New Work Item Proposal)
NWIP採択
ISO/TC207総会(ボゴタ)で第1回WG8開催
WD(作業原
案)の作成
NP登録
CD(委員会
原案)作成
・第1回国際WG開催
(平成20年6月ボゴダ)
DIS(照会原
案)作成
FDIS(最終国
際規格案)作
成
3年後を目途に国際規格(IS)発行を実現
-8-
①日東電工(豊橋事業所)のケース
◆売上高に占める環境対応コスト(産廃原価等)が営業利益にほぼ相
当。エレクトロニクス用粘着テープの生産工程(負の製品32%)に導
入→改善計画と設備投資を決定。
〈原因〉
マテリアルロスの大きいところは、主にテープの①塗工工程と②切断
工程。主要因は①粘着材と基材の微妙な凹凸と②製品にする際の
テープの切りしろのムダ等。
改善実績と目標
〈対策〉
(エレクトロニクス用粘着テープ:豊橋事業所)
①基材のクリーニング方法の改善、
②テープの幅を製品の仕様に合わ
2001
2003
2007
(目標)
せた幅に変更等、さらに、③抜本的
な解決策として、これらに対応でき
正の製品
68%
78%
90%
る生産設備を導入(7億円)。
負の製品
32%
22%
10%
←セパレータ
合計
←粘着材
←基材
エレクトロニクス用粘着テープ【3層構造】
-9-
100%
100%
100%
②田辺三菱製薬(小野田工場)のケース
◆医薬品製造工程へ導入→環境コスト(廃棄物処理コスト)と環境負
荷を大幅に削減
〈原因〉製薬の合成工程から発生する溶媒のクロロホルムを含む廃液
焼却処理コストが大きい(廃棄物処理コストの8割)。
〈対策〉塩素系溶媒回収(リサイクル)を促進した上で、焼却処理を微生
物による分解を利用した活性汚泥処理に変更。同時に焼却炉を撤
廃。
〈効果〉原料費、廃棄物処理コスト、焼却場
維持費等削減(約5,500万円/年)。
設備投資額約6,600万円/年をほぼ1
年で回収。
省エネ効果は約3,300万円/年(CO
2換算で2,328t/年)。
▲2004年焼却処理施設を撤去
-10-
③キヤノン(宇都宮工場)のケース
◆レンズ加工工程へ導入 →ニアーシェイプ技術による
ブレイクスルー
・
〈原因〉マテリアルロスの2/3がレンズの荒研削工程で
発生するスラッジと廃液等の処理コスト。
〈対策〉ニアーシェイプによるスラッジ量の削減
レンズのニアーシェイプイメージ(キヤノン)
〈効果〉研削量の削減→スラ
ッジ処理量、加工工数、エ
ネルギー使用量、廃水処
理量、汚泥処理量の削減等
-11-
LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)について
~Life Cycle Assessment~
製品・サービスのライフサイクル(資源採掘から廃
棄に至る生涯)を通しての環境負荷(資源・エネル
ギーの投入及び環境影響物質の排出)を量ることで、
製品・サービスの環境への影響評価を行う手法であ
る。
LCA実用例
空調T社
高効率ファンによる換気システムの省エネ化
CO2
CO2
製造
輸送
CO2
使用・修理
CO2
資源採掘
CO2
廃棄・リサイク
ル
※「エコリーフ制度」
LCAを実施している製品等を
第3者が認証し、「エコリーフ
マーク」を付与。消費者に対し
環境負荷の詳細を情報発信。
2002年の事業開始以降、
登録数は、2007年12月末で
431件(累計で639件)。
食品M社
主要産地→産地配送→拠点配送→対象店舗
(包装材の
リサイクル効果)
No.XXX-XX-XXX
-12-
LCA(ライフサイクルアセスメント)普及施策の経緯(平成10年度~)
H10年度
H11年度
H12年度
H13年度
第1期LCAプロジェクト
H14年度
H15年度
H16年度
H17年度
H18年度
H19年度
第2期LCAプロジェクト
インベントリデータベースの構築
環境影響評価手法の開発
文献データベースの構築
LCA実施手引書の作成
評価手法の信頼性向上
インベントリデータベースの拡充
LCAの普及促進
平成20年度のLCA普及に向けた取組み
製品グリーンパフォーマンス高度化推進事業により、以下の取組みを実施。
1.LCA及び環境配慮設計(DfE)の導入に向けた支援体制の構築
①地域拠点機関の構築
②指導員の養成
③導入を実施する企業への支援 など
2.情報発信の拡充
①WEB上での普及・広報活動
②環境配慮設計、LCA普及促進等に関するセミナーの開催
③エコリーフ環境ラベル取得の支援
-13-
環境コミュニティ・ビジネスモデル事業 (平成15年度~)
<事業の概要>
<モデル事業の体制図(例)>
①地域の企業、NPO、市民団体等の地域コミ
NPO等の
企業グループ
ュニティを形成する主体が連携・協働し、地域
市民団体
経済団体等
が有する環境問題の解決、地域の活性化を経
営的感覚に基づき実践するモデルの発掘。
地域住民
企業
②推進委員および地方経済産業局による事
自治体
学校
業の展開を支援することを通じて、持続的か
つ効率的な環境負荷の低減を図る。
連携する団体(例)
事業主体
③事業の成果及び課題の評価等を通じて、全
国に同様の取り組みを広く普及。
地域コミュニティの連携
成果発表会・セミナー、ホームページ等を通じて、
全国に普及させる
<地域別モデル事業応募数・採択数>
北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州
沖縄
合計
採数
平成15年度
13
28
65
18
34
18
13
24
7
220
9
平成16年度
7
11
30
8
16
6
7
26
5
116
15
平成17年度
8
6
20
6
21
3
7
17
5
93
13
平成18年度
9
2
11
9
13
7
4
9
5
69
14
平成19年度
11
4
5
9
8
5
3
10
4
59
8
-14- 採択数合計延べ 59 (39) ( )内は採択団体数
モデル事業例
平成17年度事業
○ 「リユース食器事業の広域展開・新規市場開拓・新商品開
発による新ビジネスモデルの構築」
本モデル事業の収入費目
○広告収入
○レンタル料金
○ NPO法人スペースふう。
○ スポーツ、祭りなどのイベントで大量に発生する食器ごみの
問題を解決するために、使い捨て食器に代わるリユース食
器をレンタルする事業を展開、ごみを出さないイベントに係
る啓発活動を推進する。今年度、事業の広域化のため、北
九州の企業、大学等と連携のうえ、地元市民団体によるリ
ユース食器レンタル事業の事業化を支援し、九州地域の連
携拠点作りを行うほか、新規市場開拓に関し「エコシネマプ
ロジェクト」を開始する。また、カップ以外の新商品の開発も
行う。
本モデル事業の支援の費目
○研修会等開催費:リユース事業研修の開催
○通信・運搬費:リユース食器・備品の運搬費
リユース食器、サービスの動き
企業のエコ商品広告
環境にやさしい取り組み提案・指
導
(企業のイメージアップ)
広告収入
リユース活動基金
NPO法人
スペースふう
売上の1%積立金
・新たな食器の開発
・年1回の研修会開催資金
200万円以上の売上で
4%の事業協力費納入
売上の1%
食器レンタル
事業展開
食器の貸出
レンタル料金
イベント・
映画館・
サッカー・
惣菜販売
事業ノウハウの提供
食器無料貸し出し
Fuuブランドの使用権
お金の動き
デポジット+
商品価格
で販売
来場者
消費者
食器の返却
デポジット分
のお金を返
却
食器送料のコストダウ
ンと環境負荷低減
積立金
食器の貸出
遠距離地域
の環境団体
遠距離地域
のイベント等
レンタル料金
-15-
グリーン・サービサイジング事業
<事業の目的> ~環境負荷低減効果の高い「サービス提供型ビジネス」へ~
○事業の立ち上げにかかるコンサルティングの依頼や、事業展開に必要な準備作業
等を支援。推進委員によるアドバイス。
○新規性・オリジナリティ・競争力の高い事業の成果を、成果発表会・セミナー、ホー
ムページ等を通して、全国に広く普及する。全国で同様の活動の展開を期待。
グリーン・サービサイジング事業
①マテリアル・サービス(モノが主)
①-1
サービス提供者による
モノの所有・管理
①-2
利用者のモノの管理
高度化・有効利用
契約形態を変更することに
より、製品をライフサイクル
で管理し、環境負荷を削減
する。
維持管理・更新のデザイ
ンと技術により、製品の長
寿命化を図りサービス提
供を持続拡大
<具体例>
■製品レンタル・リース
■洗濯機のPay per
Use
■製品のテイクバック
①-3
モノの共有化
所有を共有化することによ
り、製品ストックの減少(資
源消費の削減)を図る
<申請・採択団体数の推移>
年度
申請
団体数
採択
団体数
17
42
3
18
39
5
19
33
5
②ノンマテリアル・サービス(サービスが主)
②-1
サービスによるモノの代
替化(ITによる脱物質
化)
資源を情報・知識・労働によ
りサービスに代替させ、資源
消費に伴う負荷削減を図る
②-2
サービス高度化・高付
加価値化
サービスの効率を図ったり、
さらに付加価値を付けて
サービスに付随する環境負
荷を削減
<具体例>
<具体例>
<具体例>
<具体例>
■デジタル画像管理 ■廃棄物処理コー
■中古製品や部品の ■カーシェアリング
買取・販売
■音楽配信
ディネート
■農機具の共同
■修理・リフォーム
■ESCO事業
利用
■アップグレード
○期待される環境負荷低減効果
■点検・メンテナンス
「製品の生産・流通・消費に要する資源エネルギーの削減」
「使用済み製品の発生抑制」等
-16-
事業例1:梱包用荷崩れ防止グリーンエコベルトによる環境負荷低減と物流コスト削減事業
<事業内容>
物流の現場で一般的に使用されている荷崩れ防止用ストレッチフィルムは再利用ができ
ないため、荷受けの場所において産業廃棄物となり、焼却等の方法により処理されている。
このような状況を解消するため、エコビズ(株)は、リユース可能な梱包用荷崩れ防止バ
ンド「グリーンエコベルト」を荷主あるいは物流会社に供給、メンテナンスすることにより、環
境負荷低減及び物流コスト削減を図る事業を行っている。
エコベルト販売・リース
ベルト製造会社
再生
エコビズ株式会社
ユーザー
運送業者等
代金
メンテナンス
生地
エコベルト
繰返し使用
エコベルト回収
生地製造会社
再生糸
グラスファイバー
面ファスナー
ポリエステル生地
再生糸製造会社
物の流れ
分別業者
情報等の流れ
お金の流れ
<メリット>
1.物流梱包コストを約10分の1(ポリエステル生地使用の場合)に削減することができる。
2.軽量で、仮止め部という箇所を設けることにより一人で作業ができ、上下を左右逆方向に牽引するため、結束力に優れている。
3.販売した梱包ベルトを回収し再度梱包ベルトへリサイクルするサービスを提供するため、廃棄費用、環境負荷の心配が不要。
<環境負荷低減効果>
ポリエステル生地で製造したベルトは、何度も繰り返し使用することが可能であり、ストレッチフィルムに比べ二酸化炭素の排出量を
約580分の1以下に削減できる。
また、使用済み梱包ベルトを再生して製造した「グリーンエコベルト」は、繊維から繊維を作る技術を用いており、原料に石油を使用し
ないため、ポリエステル生地で製造したベルトと比べ、エネルギー消費量は約5分の1、二酸化炭素排出量も約5分の1に削減できる。
-17-
事業例2 メリーズシステム(楽しい会社)
③
CERES竹割り箸を販売
⑩風力発電による電
力の供給
⑦安全・安心
農作物の販売
⑧レンタル
オーナー制度
⑥安全・安心
農作物の買取り
外食産業・顧客
食品残渣発酵分解機
1次発酵
食品残渣
発酵分解機①
レンタル
使用済竹割り箸買取
リサイクル竹炭販売
レンタル料
②
リサイクル参加料 発酵分解床
支払い
回収
楽しい株式会社
リサイクルセンター④
2次・3次発酵
完熟堆肥化
畜ふん
CERES
安全な竹割り箸
福祉施設
炭焼き窯
(使用済箸を竹炭
にリサイクル)
微生物着床竹炭販売
⑤
新堆肥(土壌改良材)販売
⑨ LCA評価により
CO2排出量は46%削減
地域契約
農家
① 外食産業等の顧客に生ゴミ処理機をレンタルし、生ゴミの発生現場で悪臭を出さずに速やかに生物分解による減量。
② 半年に1回排出する発酵分解床はすべて回収。
③ CERES安全な竹割り箸を外食産業等の顧客に販売、使用後は買取り回収、福祉施設で炭化処理を行い、リサイクル竹炭を販
売、微生物を着床させ生ゴミ処理機に入れて土に戻す。
④ 回収した発酵分解床にリサイクル竹炭、焼酎カス、鶏フン等を加えて完熟堆肥化。(ゼロエミッション達成)
⑤ 地域契約農家や福祉施設に、新堆肥(土壌改良材)を販売。
⑥ 地域契約農家や福祉施設で生産した安全・安心農作物の買取り。
⑦ 「メリーズシステム」に参加する顧客に、安全・安心農作物を販売。
⑧ 生ゴミ処理機レンタルシステムを資金面で支えるレンタルオーナー制度。
⑨ 定期的にLCA評価を実施。
⑩ 風力発電による電力の供給(平成20年度切替予定)。
-18-
エコタウン事業
先進的な環境調和型まちづくり 「ゼロ・エミッション構想」
①地域の産業蓄積等を活かした環境産業の振興
②地域の独自性を踏まえた廃棄物の発生抑制・リサイクル推進を通
じた資源循環型経済社会の構築
制度のスキーム(平成9年度~)
環 境 省
経済産業省
平成17年度限りで廃止
(三位一体改革により
地方へ移譲等)
共同承認
地方自治体が策定するエコタウンプラン
エコタウンハード補助金
自治体の補助
自治体の事業実施
< ハード事業 >
・先導的リサイクル施設の整備
・研究開発拠点の整備 等
< ソフト事業 >
・普及啓発、情報提供 等
事業の実施、出資
事業への参画
地元企業
市
-19-
民
全国のエコタウンプランの承認地域
北海道
札幌市
制度開始年度
H9年度
地域数
26地域
補助対象施設数
62施設
青森県
飯田市(長野県)
秋田県
富山市(富山県)
岡山県
釜石市
広島県
岐阜県
兵庫県
愛媛県
北九州市(福岡県)
栗原市(宮城県)
大阪府
東京都
水俣市(熊本県)
大牟田市(福岡県)
山口県
直島町(香川県)
千葉市、千葉県
鈴鹿市(三重県)
川崎市(神奈川県)
四日市市(三重県)
愛知県
高知市(高知県)
-20-
エコプロダクツ展
環境に配慮した優れた製品やサービス、社会や企業の先進的な取組の紹介・普及
のため、1999年から毎年開催されている、我が国最大規模の環境総合展示会
・主な出展者 : 企業(家電、情報機器、自動車、素材、エネルギー、流通、運輸等)、省庁・自治体、環境NPO・NGO、大学・教育機関など
・主な来場者 : 出展関係者の他、一般消費者、政府関係者、報道関係者、学生・生徒など
750
出
展
者 600
数
(
社 450
・
団
体 300
)
274
305
20万 来
632
場
572
者
502
164,903 16万 数
453
152,966
(
416
140,461
12万 人
370
124,829
)
114,060
350
88,604
100,483
13332
67,838
14322
20,000 社
16,000
12,000
8万
8,000
4万
4,000
8593
150 47,449
3834
4013
0
0
1999
2000
2001
エコプロダクツ2007
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2007年12月13日(木)~15日(土)の3日間、東京ビッグサイトで開催
福田総理 視察
-21-
0
会
科
見
学
来
場
者
数
(
人
)
エコプロダクツ国際展
日本のみならず、アジア諸国でも、環境ビジネスに関するマッチングやビジネスパートナー
発掘の機会を提供すること等により、アジア太平洋地域におけるサプライチェーンのグリー
ン化による国際競争力の強化を図ることが重要との認識から、APO(アジア生産性機構)の
主催により、2004年からエコプロダクツ国際展を開催。
開催年(月日)
開催国(開催都市)
出展者数(参加国・地域数)
来場者数
2004年
(9/2~9/4)
マレーシア
(クアラルンプール)
76企業・団体
(6ヶ国)
11,493人
2005年
(10/6~10/9)
タイ
(バンコク)
59企業・団体
(4ヶ国・地域)
25,476人
2006年
(10/31~11/2)
シンガポール
107企業・団体
(14ヶ国・地域)
34,516人
2008年
(3/1~3/4)
ベトナム
(ハノイ)
91企業・団体
(9ヶ国)
98,469人
第1回エコプロダクツ国際展
マレーシア(クアラルンプール)
第2回エコプロダクツ国際展
タイ(バンコク)
第3回エコプロダクツ国際展
シンガポール
-22-
第4回エコプロダクツ国際展
ベトナム(ハノイ)
環境負荷低減国民運動支援ビジネス推進事業
環境問題の現状と課題
○2007年5月に安倍前総理が「美しい星50」
の中で、『京都議定書の目標達成に向けた
国民運動の展開』を提案。
○国民運動展開のためには、それを支援する
環境調和ビジネス推進のための地域の関係
者間の連携が不可欠であるが、多くの地域
では、コーディネーターの不在、企業におけ
るビジネスノウハウや人材の不足、消費者の
環境意識の不足等により、このような連携体
制が確立していない。
○さらに、国民運動の実効性を高めるため、そ
れを支援する環境調和ビジネスの持続可能
性及びフィージビリティが必要。
<環境コミュニティビジネスとの相違点>
①国民運動を支援する環境調和ビジネスが対
象
②採択要件の内容
③環境省、国土交通省との省庁間の情報交換
を通じた事業分野の調整等関連する予算を効
率的、効果的に活用。
④地域再生計画に位置付けられた事業の優先
的採択
実施期間 平成20~22年
平成20年度予算額 1.2億円【一般】
事業の概要
NPO、企業等の地域における環境調和ビジネスの関係者が一体と
なって、具体的な推進計画に基づき、京都議定書の目標達成のため
の国民運動を支える環境調和ビジネスを行う場合に、当該取り組み
を効果的・戦略的に支援する実証事業
<目標:ねらい>
安倍前総理が提唱した『京都議定書の目標達成に向けた国民運動』を
支援する環境調和ビジネスの地域展開支援
<事業主体>
NPO、企業等
<国民運動支援ビジネスの実例>
公共交通機関の活用や省エネ家電への買い替え、エコポイント制度を活
用した環境配慮行動の推進 等
<採択要件>
○「私のチャレンジ宣言」の中のチェック項目の奨励
○エコポイント制度等、消費者の環境配慮行動の効果的なインセンティブ
を与える手法導入
○持続可能かつフィージブルな内容であること等
<支援内容>(800万円~1,200万円)
・エクスパート派遣、調査費、会議費、インターンシップ等の経費、セミ
ナー等開催費、広告費等の支援(定額補助)
<スケジュール>
平成20年3月頃 公募
平成20年6月頃 事業開始
-23-
地域協働によるカーボンオフセット(排出量と新エネ・環境価値の
取引)モデル事業
- NPO法人北海道グリーンファンド(札幌市) -
事業の目的
家庭、企業における新エネルギー導入・省エネルギー行動の一層の普及拡大を図るため、CO2排出量取引(カーボンオフセット)及び
新エネルギーによる環境価値取引などにより、経済的インセンティブを持たせた市場を、地域内の広範な市民、企業の参加により創出
し、環境コミュニティビジネスとして継続、発展させることを目的とする。
事業の内容
1.家庭における新エネ導入(木
質ペレット燃料、太陽熱温水
システム等)や省エネ行動な
どにより生じたCO2削減クレ
ジットの取引・仲介。
2.太陽光発電等の環境価値
(「グリーン電力証書」)を企業
のCO2削減策として取引・流
通。
これらを通じて家庭の温暖
化防止行動と企業の環境経
営の協働を進め、社会全体で
のCO2排出量を削減、地域
経済活性化も目指す。
【市民による2つのオプション】
A:新エネ導入(省エネ行動)による排出量取引
B:新エネルギー導入による環境価値取引
北海道等自治体
広報
市民…家庭での新エネ導入・省エネ行動
A:炭素削減クレジット売買
太陽光発電
ペレット暖房
環境配慮経営
A:認証、仲介業務
B:グリーン電力
証書売買
<事業実施主体>
B:認証、仲介業務 北海道グリーンファンド
【クレジット口座管理】
検討
依頼
-24-
広報・評価・支援
A:炭素削減
クレジット売買
A:認証、仲介業務
さっぽろ地球温暖化対策地域協議会
(バックアップ)
グリーン電力基金
太陽光発電パネルと小型風力発電用風車
企業A(主に道内)
省エネ
カーボンオフセット
検討委員会
ペレットストーブ
条例規制、表彰
運営、管理
連携
北海道環境財団
環境省エコポイント事業
B:グリーン電力
証書販売
企業B(道外含む)
環境配慮経営
「環境を『力』にするビジネス」の現状と展望
○温暖化問題等の環境制約を克服する社会的ニーズが高まる中、環境を企業の価値・利益につな
げ、環境と経済の両立した社会の実現に資する「環境を『力』にするビジネス」は成長が期待。
○こうしたビジネスの成長を現実のものとし、環境と経済の両立を具現化するため、産業構造審議会
環境部会産業と環境小委員会で「環境を『力』にするビジネス」の成長戦略を策定。
(2月18日:検討を開始、6月:中間的整理)
【環境ビジネス(※)市場規模(推計)】
2005年
2015年
○市場規模
59兆円 →
83兆円 (+40%)
○雇用規模 180万人 → 260万人 (+45%)
【温暖化関連】
2005年
2015年
32兆円 → 49兆円
(+54%)
<社会的ニーズの高まり>
• 「2050年温室効果ガス半減」という長期目標の世界的合意
• 京都議定書の目標達成、2013年以降も含めた継続的な取組が必要
【3R関連】
2005年
2015年
25兆円 → 30兆円(+20%)
【自然共生・公害関連】
2005年
2015年
2.9兆円 → 4.8兆円
<社会的ニーズの高まり>
• 最終処分場の逼迫
• 新興国等の経済成長に伴う天然資源の需給逼迫
(+64%)
<社会的ニーズの高まり>
• 従来型の産業公害対策への継続的な対応が必要
• 地域の自然環境を活かした地域活性化の可能性
(出所:経済産業省委託「環境経営・環境ビジネス促進調査」等)
※環境負荷低減を事業内容とするビジネスを対象として、①温暖化関連(再生可能エネルギー、省エネルギー等)、②3R関連(廃棄
物処理・リサイクル装置等)、③自然共生・公害関連(公害防止施設、環境修復・環境創造等)の分野を推計。
-25-
「環境を『力』にするビジネス」のあるべき姿
○環境制約を克服し、持続可能な社会を実現するためには、事業活動のあらゆる側面が環境配慮
された「環境を『力』にするビジネス」が成長していくことが求められる。
○新戦略の策定に当たっては、①金融機関・投資家との関係、②事業実施、③消費者との関係、の
3つの視点が重要。その際、当該ビジネスが地域活性化にも重要な役割を果たすことを考慮。
新戦略の視点①
金融機関・投資家との関係
金融機関
投資家
新戦略の視点③
消費者との関係
製品
サービス
情報
事業者
情報
• 環境保全性
と採算性を
適切に評価
• 環境に優し
い事業へ積
極的に投融
資。
• 環境に配慮
しない事業に
は投融資し
ない。
新戦略の視点②
事業実施
資金
【企画立案】
• (事業計画)
環境に優しく、
継続的に収益
を得られる持
続可能な事業
モデルの策定
• (資金調達)
当該事業を実
施するために
必要な資金を
調達
【開発・生産プロセス】
• (研究開発)環境性能
の高い技術を開発
• (資材調達)環境に優し
い財・サービスの選択
利用
• (物流)環境に優しい運
送事業者の利用、環境
に配慮した受発注
• (工程管理)資源・エネ
ルギー使用を最小化に
むけた生産プロセスの
改善。
-26-
【販売】
• 環境性能
を意識し
た販売促
進活動
消費者
• 環境に優し
い製品・
サービスを
積極的に
購入・利用。
対価
産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会
~「環境を『力』にするビジネス」成長戦略・当面実施すべき措置及び今後の推進方策~
○ 「環境を『力』にするビジネス」成長戦略に関するこれまでの本小委員会での審議内容を整理
→当面実施すべき措置及び今後の推進方策:カーボンフットプリントの制度化に向けた検討、「環境力」評価手法の開発
及び株価指数への適用等、ベストプラクティスの分析・啓発 等
○小委員会へは本年秋に経過報告、来春に成果報告。成果報告を踏まえ、さらに小委員会における委員からの様々な
意見等も踏まえ、小委員会中間報告を来春とりまとめ。その後、随時フォローアップ、必要に応じて中間報告を改訂。
事業実施
金融機関・投資家
との関係
消費者との関係
資源生産性向上
環境経営の高効率化
環境に配慮した
新しい金融・投資
のあり方
<「環境力」評価手法の
開発及び株価指数
への適用等>
研究会を設置
座長:石谷久(慶大教授)
6月中に第1回開催予定
環境技術開発・
<ツールの強化・充実等 新規環境ビジネス
実効性のある
の創出
環境経営の促進等>
ベストプラクティス
の分析・啓発
<ノウハウ、成功要因
の共有促進>
等による3Rの取
組の高度化
消費者への見える化
<次世代の省資源型
<技術戦略マップ、
環境ベンチャー
支援等>
ものづくりで国際競争
<カーボンフットプリント>
力を再強化「すりあわせ
<環境ソリューション
サービスの強化に向
けた産学官コンソーシ
アムの立ち上げ等>
2.0」>
<広域的リサイクルチ
ェーンの構築による3
Rインフラの有効活用>
研究会を設置
座長:稲葉敦(東大教授)
6月中に第1回開催予定
環境力を活かした地域の活性化
アジアを中心としたグローバルな展開
地域ぐるみの環境の取組の促進等
「環境に優しいアジア」の実現
<エコポイント、カーボンオフセットの活用等>
<環境法制の確立、マッチングによる連携促進等>
-27-
当面実施すべき措置1「消費者への見える化」
<カーボンフットプリント>
課題・背景
○分かりやすく具体的な環境情報を表示するラベル、店頭での説明等の消費者ニーズ
具体的措置
○「カーボンフットプリント(炭素の足跡)」=CO2排出量を測定し、商品へ表示
→ガイドライン策定、ISO規格化等への貢献
カーボンフットプリントの例
CO2排出量75g
じゃがいもの
栽培 44%
↓
製造 30%
↓
包装 15%
↓
配送 9%
↓
廃棄 2%
-28-
カーボンフットプリント制度の実用化・普及に向けた事業スケジュール(案)
≪事業内容≫
(平成20年度)
 カーボンフットプリント算定・表示にかかるガイドラインの策定
 カーボンフットプリント構築・普及に向けた課題の整理
 カーボンフットプリントを活用した制度のあり方についての提言
(平成21~22年度)
 モデル事業を実施し、実際に店頭での流通を開始
平成20年度
4月
≪参加企業≫
【小売】
・イオン
・セブンイレブン
・ローソン
・西友
・ユニー
・生協
・丸井
・CGC
※環境省、農水省、国交省がオブザーバー参加
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
実用化・普及推進研究会
第1回
研究会
(6月)
実務
WG
第2回
研究会
(9月)
連携
連携
第1回 第2回
検討会 検討会
第3回
検討会
ルール検討会
北海道
洞爺湖サミット
7/7-9
第3回
研究会
(11月)
実
務
WG
実
務
WG
準備
中
間
報
告
第4回
報告書
研究会
とりまとめ
(2月)
(2月末)
成果の
フィードバック
○『エコプロダクツ2008』(12月)
・試作品展示
・消費者調査
研究会参加
企業による
試行品出品
【消費財メーカー】
・サッポロ
・カゴメ
・味の素
・日本ハム
・紀文フードケミファ
・ユニチャーム
・コクヨ
・花王
・松下電器
・東芝ライテック
・大日本印刷
・日本テトラパック
・東洋製罐
平成21年~22年度
○試行品の拡大
○市場への流通
○ガイドラインの精緻化
-29-
国内外の標準化に向けたスケジュール(案)
平成20年度
実用化・普及推進
研究会
研究会
開催
(6月~)
ガイドライン
策定
(必要に応じて、
JIS/TS化の検討)
国際標準(ISO)
化スケジュール
平成21年度
平成22年度
・試行品の拡大
・市場への流通
・ガイドラインの精緻化
(国内対応)
国内対応委員会
設置(7月)
・ISOへの日本代表団のサポート
(情報収集、国際規格への国内意見の反映)
(ISO化作業スケジュール)
ISO・TC207
ボゴタ総会
(6月末)
ISO化
第1次
第2次
作業開始 原案策定 原案策定
(9月末) (年度内) (9月頃)
-30-
第3次
原案策定
(9月頃)
国際規格
案発行
(年度末)
平成23年度
カーボンフットプリントの必要性
我が国の製品の環境情報開示の現状
○消費者の製品レベルでの環境情報ニーズ:分かりやすい具体的情報のラベル表示、温室効果ガス排出量等の
ネガティブ情報の開示、店頭での説明等
○現状 ・企業の自己宣言型の環境ラベルが多数存在、CO2排出量等のネガティブ情報記載の抵抗感
・LCA情報を表示するエコリーフ:web上の情報開示→現場で環境情報を得ることができない
・店頭説明:省エネラベリング制度(販売事業者に省エネ性能等の情報提供に努める)以外は不十分
・製品3R配慮情報の消費者への情報提供の実証実験開始
海外における製品の環境情報開示の動向
○イギリスのカーボントラスト社:政府等の協力のもと、温室効果ガスの算定に関する規格「PAS2050」作成中
→カーボンフットプリント(炭素の足跡)に係る試験的プロジェクト実施
○ISO/TC207:カーボンフットプリント算定基準のISO規格化に向けた検討開始
○我が国においてカーボンフットプリントの導入が必要
・消費者の環境情報ニーズに合致する環境ラベル→消費者への「見える化」を促進する有効な手段
・サプライチェーンを含めた企業のCO2排出量削減の促進
・ISO規格化等への貢献
・CO2排出量の正確な測定→カーボンオフセット(炭素の相殺)の普及に資する
-31-
当面実施すべき措置2「環境に配慮した新しい金融・投資のあり方」
〈「環境力」評価手法の開発及び株価指数への適用等〉
課題・背景
○金融市場への情報開示が不十分、「環境力」を的確に評価する手法の未確立
○「環境力」を軸にした、金融市場での競争の促進と投資資金の呼び込み
○日本のアジア金融市場における環境評価・投資のリーダーとしての地位の獲得への期待
具体的措置
○「環境力」評価手法の開発
○「環境力」を的確に表す株価指数への適用
の調査・研究→実用化
○比較可能な環境情報開示のあり方
新たな「環境力」評価手法のねらい
「環境力」の強い企業群の
株価動向を指数化
・省エネ、省資源等の「環境力」を正しく可視化
できる手法の確立
・「環境力」の強い企業が金融資本市場で評価
される仕組みの確立
・日本企業の「環境力」を資本市場での競争力
一般企業の株価動向
(TOPIXなど)
に活用
-32-
新株価指数
金融市場における「環境力」評価手法研究会について
≪事業内容≫
(平成20年度)
企業の「環境力」評価に関連する情報収集
企業の「環境力」評価の手法に係る仮説の構築と新株価指数組成のシミュレーション
企業の環境情報の開示に関する情報収集、分析
(平成21~22年度)
試行
平成20年度
4月
5月
6月
第1回
研究会
(6月)
7月
8月
9月
第2回
研究会
(8月)
10月
11月
第3回
研究会
(10月)
12月
1月
2月
3月
第4回 第5回 第6回 第7回
研究会 研究会 研究会 研究会
(12月) (1月) (2月) (3月)
報告書
とりまとめ
○日本のSRI市場規模は約8,400億円と小さい。また、SRI市場の大半が個人投資家向けの
公募SRI投資信託であり、海外での主力の年金基金が極めて少ない。
日本(07年9月末)
約8,400億円
米国(05年)
約274兆円
欧州(05年)
約150兆円
(出典:NPO法人社会的責任投資フォーラム「日本SRI年報」)等
-33-
当面実施すべき措置3「環境経営の高効率化」
〈ツールの強化・充実等、実効性のある環境経営の促進〉
課題・背景
○国際標準化の進展等(LCA(※1):1997年発効、MFCA(※2):2008年作業開始)→ 普及に伴い、以下の課題あり。
①企業の経営実態に即したきめ細かなアプローチの必要性(ワンストップサービス化が図られていない)。
②LCAのインベントリデータ不足により、LCAの精度向上に懸念。 川上企業は、個別の素材・部品のLCAインベントリ
データから原価や製造手法が推測される懸念があるため、LCIの公開を控えているのが現状。
具体的措置
○様々な環境経営ツールを地域拠点機関のワンストップ化により普及
○簡易かつ信頼性の高いLCAデータ流通システム:サプライチェーンにおい
て機密性を確保しながらLCAデータを公開を促進できるシステム構築
<現状>
行政
経済団体
協
力
・
支
援
※1)LCA:製品・サービスの
ライフサイクルを通した環境
への影響評価を行う手法。
※2)MFCA:製造プロセスに
おける廃棄物等に係る物質、
エネルギー等を物量単位と
金額単位で測定する環境管
理会計手法
経済産業省
環境経営ツール提供、
指導員育成等体制構築支援
<具体的措置>
地域における環境経営に関心の高い団体、NPO法人等
大学
LCAのみならず、MFCA、
簡易ツール等の環境経営
ツール導入支援に拡充
LCA導入支援
事業者
-34-
企業の経営状況
に即したきめ細
かなアプローチ
の必要性
当面実施すべき措置4-1「環境技術開発・新規環境ビジネスの創出」
〈技術戦略マップ、環境ベンチャー支援等〉
課題・背景
○国家戦略上の重要な技術の絞り込みの必要性
○新たな技術シーズをビジネスに繋げる必要性
具体的措置
○「技術戦略マップ」の策定(毎年度改訂)
→研究開発プロジェクト運営や技術評価に活用
→関係者間のコミュニケーション・ツールとして活用
○環境ベンチャーの育成策の検討:環境など新たな社会的価値の創造につ
なげるイノベーションの新潮流に対応する競争力強化の観点から、人材・長期
資金の集中を促す施策の中で、環境ベンチャーの育成を推進することを検討。
技術戦略マップの策定分野<2008年版>
1.情報通信
(1) 半導体、(2) ストレージ・メモリ、(3) コンピュータ、(4) ネットワーク、(5) ユーザビリティ、(6) ソフトウェア
2.ナノテクノロジー・部材
(7) ナノテクノロジー、(8) 部材、(9) ファイバー、(10) グリーン・サステイナブルケミストリー※
3.システム・新製造
(11) ロボット、(12) MEMS、(13) 設計・製造・加工※ 、(14) 航空機、(15) 宇宙、
4.バイオテクノロジー
(16) 創薬・診断、(17) 診断・治療機器、(18) 再生医療、(19) 生物機能活用技術
5.環境
(20) CO2固定化・有効利用、(21) 脱フロン対策、(22) 3R、(23) 化学物質総合評価管理、
6.エネルギー
(24) エネルギー、(25) 超電導技術
7.ソフト
(26) 人間生活技術、(27) サービス工学※、(28) コンテンツ※
8.融合戦略領域
(29) 持続可能なものづくり技術※
-35-
※印は新規追加分野。
当面実施すべき措置4-2「環境技術開発・新規環境ビジネスの創出」
〈環境ソリューションサービスの強化に向けた産学官コンソーシアムの立ち上げ〉
課題・背景
○顧客ニーズ(多様な環境問題への対応、コスト削減)のハイスペック化
○多様なハードとソフトの融合によるソリューションサービスの高度化の必要性
具体的措置
○産学官が連携する場(コンソーシアム)の創設による環境ソリューションサービスの強化
<異業種・異分野研究会等の開催>:環境ソリューションサービスの技術戦略マップの検討、
共同研究開発の実施
<アジアへの展開支援>:ポータルサイトの開設、市場動向・規制動向等の調査
<ニーズとシーズのマッチング>:環境ソリューションのニーズと技術シーズのマッチング
環境ソリューションサービスの成功事例
産業廃水処理の例
商社 処理施設設置
装
置
メ
ー
カ
ー
①
装
置
メ
ー
カ
ー
②
薬
剤
メ
ー
カ
ー
①
薬
剤
メ
ー
カ
ー
②
処理代金を
支払い
顧客
(工場)
処理サービ
スを提供
成功要因
多種多様な産業廃
水処理を行うため、
様々な装置、薬剤
等を組み合わせ、
顧客ニーズに合わ
せた処理サービス
を提供
-36-
<具体的措置>
異業種・異分野間の連携、
ニーズとシーズのマッチン
グ等のためのコンソーシ
アムの創設
当面実施すべき措置5-1「資源生産性向上等による3Rの取組の高度化」
〈次世代の省資源型ものづくりで国際競争力を再強化(「すりあわせ 2.0」)〉
課題・背景
○次世代自動車(プラグインハイブリッドなど)に不可欠なレアメタルなど資源制約の顕在化
○川下企業の設計・仕様が川上・川中企業における工程くず削減を制約、厳しい品質要求による意図せざる歩留ま
り悪化など、資源の無駄の存在
具体的措置
○川下企業に対し、川上・川中企業の工程くず削減に配慮した設計・調達を行わせるための法制度
の整備の検討(対象は、自動車、家電、複写機などを想定)
○すり合わせによる省資源ものづくり(省資源・省エネ・省CO2・コスト削減)の優良事例を創出→成
果を「見える化」、産業界に浸透
●川上・川中において存在する資源の無駄
(単位:万トン)
工程くず発生量
最終処分量
500
413
400
402
372
413
369
356
○ 使用素材や部品設計の大幅な見直しによる車両
軽量化。軽量化による燃費の向上、省CO2も実現。
近年、横ばい
13
15
16
10
11
切削加工
6
7
11FY 12FY 13FY 14FY 15FY 16FY 17FY
大量の
切削くず
工程見直し
金型加工
㈱リコー
100
0
●省資源型ものづくりによる工程くず削減例
トヨタ自動車㈱
417
300
200
●部品メーカと連携して環境負荷削減に
取り組む川下企業の先進事例
○ 部品製造時の環境負荷削減や製品設計の見直し。
(50社で実施中。今後、約200社に拡大。)
37
切削くず
がゼロに
当面実施すべき措置5-2「資源生産性向上等による3Rの取組の高度化」
〈広域的リサイクルチェーンの構築による3Rインフラの有効活用〉
課題・背景
○都市鉱山からの積極的な資源回収の必要性
○個別エコタウンの対応能力と再生資源の受入量のミスマッチ
○高い物流コスト
○環境価値が十分に評価されていない
→既存の3Rインフラを有効活用の必要性
具体的措置
○リサイクル事業者、動脈系の事業者等の間の地域レベルでの連携
○情報マッチング、物流効率化、インセンティブ付与等による広域的なリサイクルチェーンの構築
リサイクル拠点の連携による静脈物流ネットワークの形成例
広域的リサイクルチェーンの構築
瀬戸内静脈物流事業:関西
~北九州の瀬戸内海域で
実施する船舶による廃棄物
の共同輸送。エコタウンを
結び、複数の各業者がそれ
ぞれ個別に行われている輸
送を共同で実施。実証的な
調査により構想を推進。
リサイクル
専用コンテ
ナを積む
バージ船
(イメージ)
情報マッチング
福山港
人的ネットワーク・
宇野港
IT活用等
呉港
宇部港
高松港
徳山下松港
物流効率化
松山港
☆モーダルシフト
→CO2削減・省エネ推進
☆共同輸送
→輸送コストダウン
⑧、⑨→関西、北九州の拠点港は、応募企業の希望をもとに設定
-38-
相乗効果
リサイクル
価値評価
カーボンクーポン
発行等
当面実施すべき措置6「ベストプラクティスの分析・啓発」
〈ノウハウ、成功要因の共有促進〉
課題・背景
○「環境を『力』にするビジネス」のノウハウ、成功要因が共有されていない
具体的措置
○事業者が活用できるベストプラクティス集の作成
→ノウハウ、成功要因を類型化し、普及・啓発
「環境を『力』にするビジネス」のベストプラクティス集の項目
<ノウハウ・成功要因の類型化>
製造技術の環境技術への転換、ソフト面の付加価値の創造、産学官の連携、ブランド戦略、資金確保等
他の事業者への応用のポイント抽出
普及・啓発
-39-
当面実施すべき措置7「地域ぐるみの環境の取組の促進等」
<エコポイント、カーボンオフセットの活用等>
課題・背景
○高い環境意識を活かした地域ぐるみの環境への取組の必要性
○低炭素社会の実現に向け、エネルギー構造の変革、ビジネススタイルの変革等の必要性
○環境への高い関心を活かした国民運動の促進の必要性
具体的措置
○地域の自治体、NPO、企業、金融機関等と市民が一体となった地域ぐるみの取組の支援
<現状>
<具体的措置>
環境モデル都市
地域ぐるみの「環境を『力』にするビジネス」の立ち上げ支援
・第169回福田総理施政方針演説(平成20年1月
18日)を受けた取組の具体化の一環。
・低炭素社会の実現に向け、高い目標を掲げて先
駆的な取組にチャレンジする都市を10カ所選定
→環境モデル都市の創出に自治体と連携して取組
国民運動支援ビジネス
<エコポイント、カーボンオフセットの活用事例>
CO2削減クレジット取引
市民
家庭での新エネ
導入・省エネ行動
エコポイント付与
自社排出のCO2削減
認証・仲介
事業実施主体
NPO等
・ 「1人、1日、1kg」の温室効果ガス削減をモッ
トーとした地域ぐるみの国民運動の促進
・エコポイント等のインセンティブ付与による「私の
チャレンジ宣言」の中のチェック項目を奨励するビ
ジネスの支援
企業
(売買)
CO2削減クレジット取引
(売買)
認証・仲介
企業
自社排出のCO2削減
エコポイントによるインセンティブ付与、カーボンオフセット
の認証・仲介等のビジネススキーム構築を国が支援
-40-
当面実施すべき措置8「「環境に優しいアジア」の実現」
<環境法制の確立、マッチングによる連携促進等>
課題・背景
○アジアの環境ビジネス市場規模(推計) 64兆円(2005年)→ 300兆円(2030年)(4.7倍)
○アジアにおける環境問題の深刻化→環境・省エネ分野の制度について執行の不徹底等
○アジアの環境市場が拡大する中、世界トップレベルにある日本の環境・省エネ技術・ノウハウの普及が不十分
具体的措置
【相手国への働きかけ】○ERIA環境・省エネ政策のレビューによる環境問題、省エネレベルの見える化
○専門家派遣等により制度整備及び執行強化支援
【我が国企業への支援】○国際エコタウン展、省エネ・環境相談窓口等の重層的なビジネスマッチング
○環境・省エネ技術を紹介する環境力プロモーション、JBICやNEXIの金融支援
○産学官コンソーシアム等によるFS調査、技術開発、モデル事業等の推進
「アジア経済・環境共同体構想」の「アジア・サステナブルアクア計画」、「アジア・エコタウンプログラム」の
戦略的展開
<アジア諸国の環境関連法の整備と運用状況>
日本
中国
インド
アセアン5
省エネ法
○
公害防止管理者
○
リサイクル制度
○
△(※)
(07年改正)
△
(10年導入を目標)
△
(検討中)
△(※)
△
(タイのみ導入)
×
△
(タイ、インドネシア、
フィリピンのみ導入)
<日中省エネ・環境協力相談窓口>
北京
中
国
企
業
×
×
※法制度は整備さ
れたものの、今後
は運用が課題
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瀋陽
(3カ所)大連
技術情報の発信
日本企業とのマッチング
青島
ニーズ発掘
照会対応
成都
上海
(2カ所)
広州
推日
進中
協省
議エ
会ネ
等・
環
境
ビ
ジ
ネ
ス
日
本
企
業
「アジア経済・環境共同体」構想の概要
○基本的考え方
 アジア地域は「世界の成長センター」 「世界の工場」として著しい発展。FTA/EPA網も整いつつある。環境保全分野においても共同で行動。ま
た、中産階級の台頭を背景に豊かで繁栄した社会へ発展する萌芽も見られる。
 一方、域内経済格差、環境問題・エネルギー制約、インフラ不足、人材育成等、成長を続けるための大きなボトルネックが存在。
 我が国としては、経済の成熟化、少子高齢化の中、「アジアの発展に貢献し、アジアとともに成長すること」を成長戦略の要とする必要。
・上記の観点から、以下の4つを目標に「アジア経済・環境共同体」の実現を目指す。
①環境と共生しつつ発展するアジア ②成長をリードするアジア③中産階級のアジア(現状:4億人/32億人→2030年:23億人/39億人)④開
かれたアジア
・「東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)」を最大限活用。
○重点プロジェクト
1.環境・エネルギー
「クリーンアジア・イニシアティブ」の推進により、環境
保全と経済成長を両立し、低炭素型・資源循環型の
持続可能な社会の構築を目指す。同時に、世界で
最も環境に優しくエネルギー制約に強い市場を実現
する。
アジア環境政策の展開
 アジアで低炭素・低公害(コベネフィット)型の環
境対策の普及を推進。2009年度までにERIAを
活用してアジア各国の取組状況を「見える化」。
これを受け「東アジア『持続可能な発展』アウト
ルック」の作成により、各国に対して政策提言。
また、省水型・環境調和型の水資源管理や、エ
コタウンを通じた3R技術をアジアに展開。
アジア・サステナブル・エネルギー
 持続的なエネルギー利用を可能とするため、
中国をはじめとしたアジア地域の石炭火力発
電所の効率化やゼロエミッション石炭火力の進
展を推進。共通ロードマップの作成等を通じ、
アジアにおける石油備蓄の取組を強化。
2.人・モノ・資本・情報のシームレスな移動
人・モノ・資本・情報のシームレスな移動が可能
になるように、物流高度化、制度調和・高度化、
知識経済化、資金循環の活発化、人材育成と
いった経済統合を支えるソフト・ハードのインフラ
整備に地域大で戦略的に取り組む。
「アジア・サンベルト(仮称)」構想
 成長潜在力に比して物流インフラが脆弱
な「南部経済回廊(ホーチミン~プノンペン
~バンコク)」からチェンナイに到るルート
において、物流・産業インフラの一体的整
備、貿易手続等の制度インフラの改善等
を支援。2009年度までにF/S調査を実施
し、2011年度までの事業化を図る。
北東アジア・シームレス物流
デリー・ムンバイ産業大
動脈
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東西経済回廊
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アジア・サンベルト
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3.消費市場の活性化
アジアから世界への消費ト
レンドの発信を可能にする
とともに、中産階級を中心と
した豊かで啓発された消費
者からなる高信頼の市場を
アジアで構築。
「アジア電子流通圏」構想
 アジアの中小企業等に
よる国境を越える販売
を飛躍的に容易にする
ため、「アジア電子流通
圏」を構築。2009年度ま
でに実証実験等を進め、
2011年度までに越境取
引に伴うアジア各国で
の決済及び物流の制度
上の課題解決を促進。
ご静聴どうもありがとうございました
経済産業省は、環境を競争力の源泉と考え、諸施策を
展開し、持続可能な社会への貢献を行っています。
・環境負荷低減
・環境調和型の経済活動
・環境調和型の社会活動
・環境調和型のライフスタイル
環境調和産業推進室 ウェブサイト
URL: http://www.meti.go.jp/policy/eco_business/
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