環境都市計画5 地価と土地資源 北村眞一 1 土地という資源 • • • • • • 都市は,土地を資源として成立する. 土地の生産性が文明を形成した. 土地をめぐる群,部族・豪族・武将の争い. 江戸:農業生産→土地の価値:石高 近代化:土地の資産価値:税法の変化 土地資産が金融資産:工業化,商業化, 「土地本位制」,容積率と建ぺい率,立地 条件による不動産鑑定 2 土地所有略史 • 大化改新 班田制:一土地公有(朝廷),6才以上 の良民男女・奴婢に口分田を班給,死亡収公 • 墾田永年私財の法(743)→荘園,不輸の権(ふ ゆのけん)税を払わない貴族の手法→将軍・大名 が守護・地頭による土地配分と租税収集(物納) • 太閤検地・江戸:土地台帳と年貢(物納) • 明治:地租改正(明治6),地価→現金税納 地主と小作に分かれる • 戦後:農地改革:土地再配分,自作農原則 • 農業問題→国土・都市問題→金融問題 3 地価をはかる不動産評価 4 不動産評価法 5 1.地価公示価格(公示地価) • 国土交通省・土地鑑定委員会 • 毎年1月1日が評価基準日。3月下旬に公 示。 • 都市と周辺に標準地を選び、1地点につき 2人の不動産鑑定士が別々の調査をして 評価。最新の取引事情や収益性なども加 味され、国内の公的な土地評価の基準と も言えます。 6 2.路線価(相続税路線価・倍率価 格・相続税評価額) • 国税庁 • 毎年1月1日が評価時点。8月頃発表。閲覧 は税務署や国税局で可能。 • 地価公示価格・売買の実例・不動産鑑定 士などよる評価などを参考に決定。 • 地価公示価格の8割が目安。おもに相続 税、贈与税、地価税を算定する基準となる 価格です。 7 3.固定資産税評価額 • 地方自治体(総務省) • 3年毎の1月1日に見直し。役所の固定資 産課税台帳に登録、閲覧可能。 • 国の『固定資産評価基準』に基づき決定さ れますが、地価公示価格の7割程度が目 安。固定資産税、都市計画税、不動産取 得税、登録免許税の算定に利用され、住 まいと密接に関係しています。 8 4.基準地価(都道府県地価調査基準 地価格・都道府県地価調査結果) • 都道府県 • 毎年7月1日が評価基準日。9月頃発表。地 価公示価格が都市計画区域内を対象にし ているのに対し、都市計画区域外の林地 なども含む。調査は不動産鑑定士によるも の。性格は地価公示価格とほぼ変わりま せんが、地価公示価格と並んで国内の土 地取引価格の目安になっています。 9 5.実勢価格 • 市場での取引による売買の価格 • 含み益・含み損は所有時における評価額 と実勢価格の差 • 売買されて初めて価格が決まり,取引税 が決まる.不動産金融によって取引と価格 がが増大.投機性を規制するために短期 譲渡に高額な税をかける.バブルで不動 産金融の規制 10 都市計画の影響 • 区域区分:市街化区域・市街化調整区域 の違いで,開発利益に差が出る→大きな 影響 • 用途地域:容積率・建ぺい率で,業種と建 てられる建築の大きさが決まる. • 地価負担力 金融>商業>住宅>農業>林業 • 土地利用政策←→産業政策の連動 11 首都圏 の地価 平成17 年 東急不動産 調査 12 年収 5倍 13 平成 13年 14 地価の変動平成16年度 15 地価の長 期変動 区域区分1968 土地金融 規制1990 オイルショック S35:工業地騰貴, S42:住宅地, S50:オイルショック S64:商業地バブル, H:バブル崩壊 16 戦後地価土地政策 • 方荘号地: • 土地所有者は農家である. • 農家経済:戦後のバブル→農業低迷→農 家不動産兼業化→農家は3度土地を売る • 1967騰貴対策:税法上の短期譲渡所得 税,市街化区域内農地の宅地並課税 • バブルと崩壊:プラザ合意・円高・製造業 株価と地価,金融センター東京,金融規制 17 今後? • • • • 中心部地価下落 →中心市街地活性化 →都市再生 都市構造変化は継続 18
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