テレビ視聴(5) バラエティ番組 1.バラエティ番組とは 2.バラエティ番組の変遷 3.バラエティ番組の特徴と機能 4.バラエティ番組の是非を問う 1 1.バラエティ番組とは Q1:テレビ番組欄から“バラエティ番組”を探してみよう。 →“意外に多い?” 現在、「行列のできる法律相談所」(NTV)、「はねるの トびら」(CX)などのバラエティ番組が放送されている。 また、年末年始の特別番組には“かくし芸大会”など のバラエティ番組が多い。 2 バラエティ番組:歌やコント、コメディ、視聴者参加型 の企画などのいくつかの種類の娯楽を組み合わせた テレビ番組。 もともと“バラエティショー”をテレビに移植したもの。 海外では台本があるシチュエーションコメディと生ライ ブをバラエティ番組という。しかし、日本のバラエティ 番組は、お笑い芸人がバカをやる、芸能界の内幕の ネタなどが暴露される低俗な番組という批判がある。 昨今では、コント、トークショー、歌番組、お笑いなど の娯楽番組の総称とされている。 3 2.バラエティ番組の変遷 1950年代 「お笑い三人組」(NHK) 「光子の窓」(NTV) (1958)など始まる。 1960年代 「夢であいましょう」(NHK) 「シャボン玉ホリデー」(NTV) など。 1970年代 「8時だヨ!全員集合」(TBS) 「欽ちゃんどこまでやるの!?」(朝日) など数が増加傾向に。 1980年代 数が多少増加。 1990年代 ますます増加。 ※司会・主役芸能人の名前を冠した番組が時代と共に 増加→お笑い芸人の地位確立? 4 3.バラエティ番組の特徴と機能 (1)視聴率をとれる番組 「8時だヨ!全員集合」(TBS、1981年2月21日) 47.6% 「欽ちゃんのどこまでやるの!」(朝日、1983年6月22 日) 42.0% 「欽ドン!良い子悪い子普通の子」(フジ、1982年7月 26日) 38.8% 「行列のできる法律相談所」(NTV、2005年8月28日) 30.8% ←“笑い”をとれるから? ←“娯楽”はうける? 5 では、バラエティ番組はなぜおもしろいのか? 『ここがヘンだよ日本人』を視聴しながら考えよう。 (2)バラエティをおもしろくするための仕掛け ①対立軸 日本人vs外国人 女子高生vs大人 ベテラン芸人vs若手芸人 対立は“殴る”“揶揄する”“討論”といった行為に よって成り立つ。 ②暴力 身体的暴力:苦しむ姿を楽しむ 言語的暴力:バカにする →“笑いをとるため”の芸 6 ③異質なこと、人と違うところを取り上げる。 →笑いのネタ ④ステレオタイプを取り上げる。 e.g.男性が女装して「女らしさ」「母親らしさ」を演 じる(「8時だよ全員集合」「慎吾ママ」) →笑いのネタ ⑤タレントの個性を活用する。 e.g.たけし、ダウンタウン 以上の仕掛けにより、展開を単純でわかりやすくす る。 7 4.バラエティ番組の是非を問う (1)前節で見たバラエティ番組の仕掛けの問題 “いじめ”の原因との指摘 過去は“やられる側”もやり返していた →笑い原因、ガス抜きの役割 (2)バラエティ番組における本音 社会問題(「ここがヘンだよ日本人」におけるストー カー問題など)を取り上げ始めた。 →本音を言える。 →報道番組をあまり見ない層にも問題提起ができ た。 8 (3)クイズ番組のバラエティ化 クイズ番組は初期には“ドキュメンタリー”であった。 昨今では、代表的なバラエティ番組に。 →楽しみながら知識を得ることができる。 息抜きができる。 スリルを味わうことができる。 9 参考文献 有馬明恵 (2003) ここがヘンだよ日本人で描かれた日本人ステ レオタイプの分析 メディア・コミュニケーション No. 53 Pp. 49-64. 有馬明恵 (2004) 外国人出演者の言動にみる日本人ステレオ タイプ 萩原滋・国広陽子(編) テレビと外国イメージ:社会心 理学的分析 勁草書房 Pp. 65-81 原由美子 (2001) バラエティー番組の“内容分析” 放送研究と 調査 2001年5月号 70-75. 石田佐恵子・小川博司 (2003) クイズ文化の社会学 世界思想 社 国広陽子 (2004) 番組にみるジェンダー・ステレオタイプ 萩原 滋・国広陽子(編) テレビと外国イメージ:社会心理学的分析 勁草書房 Pp. 82-101. 友宗由美子・原由美子・重森万紀 (2001) 日常感覚に寄り添う バラエティ番組 放送研究と調査 2001年3月号 Pp. 12-41 10
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