BD Biosciences 最新SPCell analysis理論と実際

BD Biosciences
最新SPCell analysis理論と実
際
-実験Methodsと機器性能とは?-
アジェンダ
• 造血幹細胞におけるSPCell Analysis
– 今までの研究の流れ
• がん細胞におけるSPCell Analysis
– いくつかの成果と問題点の抽出
– 今後の展望
• 条件を満たす機器のスペック
– 上記内容からどんな性能が必要?
Side Population (SP)
マウス造血幹細胞研究におけるSPから、
がん幹細胞研究におけるSPへ
マウス造血幹細胞におけるSide
Isolation and functional properties of murine hematopoietic stem
Populationの発見
cells that are replicating in vivo.
Goodell MA, Brose K, Paradis G, Conner AS, Mulligan RC.
J Exp Med. 1996 Apr 1;183(4):1797-806.
A novel method to identify HSCs in
mouse bone marrow that depends on
dual-wavelength flow cytometric
analysis of cells stained with
Hoechst 33342 alone.
マウス骨髄SPの表現型を支える遺伝子:
Bcrp1 gene expressionBcrp1/ABCG2
is required for normal numbers of side
population stem cells in mice, and confers relative protection to
mitoxantrone in hematopoietic cells in vivo.
Zhou S, Morris JJ, Barnes Y, Lan L, Schuetz JD, Sorrentino BP.
PNAS vol. 99, no. 19, 12339-12344, Sep, 2002
Competitive repopulation assay to
compare the normal overall stem cell
activity in Bcrp1-/- versus Bcrp1+/+ mice
showed no difference in stem cell
activity in the bulk bone marrow
population.
These results show that Bcrp1 gene
expression alone defines the SP stem
cell phenotype, and suggested that the
physiological function of Bcrp1
expression in HSC is to provide
protection from cytotoxic substates.
CD34- KSL SP cells analysis
Methods
Mice : C57BL/6J Jcl ♂ 10-week-old
Sample : 1x106/ml (5x105/ml, 2x106/ml )
Medium : DMEM 2% FBS (Low glucose, High glucose, RPMI, αMEM)
SP Positive : Hoechst 5ug/ml (4ug/ml, 6ug/ml, 7ug/ml)
SP Negative : Hoechst 5ug/ml + Verapamil 20ug/ml
Incubation : 90min, 37℃
Antibody :
CD34 FITC
Sca-1 PE
7AAD
Lineage (CD3e, B220, Gr-1, Mac-1, and Ter119) PE-Cy7
c-Kit APC
(CD45 APC-Cy7)
VantageSE KSL SP cell :
5ug/ml
Hoechst
KSL SP
0.003-0.03%
VantageSE KSL SP cell :
Hoechst 5ug/ml +
Verapamil 20ug/ml
Aria KSL SP cell :
Hoechst 5ug/ml
KSL SP
0.003-0.03%
Aria KSL SP cell :
Hoechst 5ug/ml +
Verapamil 20ug/ml
CD34- KSL SP cells
CD34- population :
about 30%
FACSを用いたマウス造血幹細胞の解
析からの知見
・これまでのKSL細胞と相関が高く、複数のマーカーなしに造血幹細胞
の
濃縮ができる
SPの性質は造血幹細胞以外の、他のマーカーの少ない組織幹細胞でも報告されており、
幹細胞を濃縮できる方法としての応用が期待された
→ 以降のがん幹細胞解析へと続く
・BCRP1ノックアウトの解析により、SPは造血幹細胞の維持と分化に必
須
ではない
SPの薬剤耐性の性質は、長期的な幹細胞としての性質の維持に役立っている可能性があ
る
(幹となる細胞として、外的な変異要素を受けないようにするのは、固体の長期的な維持を
考えた場合にも、自然な働きと考えられる)
・マウスの造血幹細胞におけるSPは静止期にある細胞と考えられる
造血幹細胞が自己複製や分化に移行している段階では、必ずしもSPの表現型を示さないこ
とが報告されており、造血幹細胞の状態に応じて、SPの表現型は変化すると考えられる
がん幹細胞への研究の展開
Vantage SE DiVa UV Laser
SW480 cell
SORP Aria 355nm laser
がんを起こす細胞にも分化段階がある
Human acute myeloid leukemia is organized as a
hierarchy that originates from a primitive hematopoietic
cell
Dominique Bonnet and John E. Dick
Nature Medicine. 1997, 3, 730-737
がんにおける幹細胞の存在はそれまでにも示唆されていたが、AMLにおいてCD34強陽性
CD38陰性の分画にleukemia-initiating cellの存在をNOD/SCIDマウスへの移植実験
により示し、今日注目されているががん幹細胞の存在を始めて明確に示した。
Prospective identification of tumorigenic breast cancer
cells
Muhammad Al-Hajj, Max S. Wicha, Adalberto Benito-Hernandez, Sean J. Morrison,
and
Michael F. Clarke
+ CD24
-/low Lineage- の分画が、 NOD/SCIDマウスへの
PNAS
1, 2003 vol.100 no.7,
3983-3988
BreastApril
cancerにおいて、CD44
移植実験により、 CD44+ CD24+ Lineage- と比較し、明らかに腫瘍形成能が高いことを
示した。
がん幹細胞におけるSP解析
Presistence of a small subpopulation of cancer stem-like
cells in C6 glioma cell line
Toru Kondo, Takao Setoguchi, and Tetsuya Taga PNAS, January 20, 2004, vol.101, no.3,
781-786
Our findings suggest that the
SP may be a general source
of cancer stem cells, which
need targeted for effective
cancer therapy.
C6 gliomaにおけるSPは、nonSPと比較し明らかに腫瘍形成能
が高く、また、様々な神経細胞に
分化する多分化能も維持してい
ることを示し、SPによるがん幹細
胞解析の可能性を始めて示した。
SORPAria 355nm UVレーザーを用い
たSP解析
Methods
Cells :
HeLa, HT-29, SW480など
細胞の処理にはAccutaseを使用。細胞は凝集がない状態に単分散させることが重要。
Sample :
1x106/ml
Medium :
DMEM 2-5% FBS (Low glucose, High glucose)
グルコース濃度のよってもSPの割合は変化する(データ参照)
SP Positive :
Hoechst 5ug/ml (1ug/ml - 10ug/ml and more)
がん細胞によって、Hoechstの排出能には大きく差がある。
SP Negative :
Hoechst 5ug/ml + Verapamil 10-30ug/ml or Reserpine 5-15ug/ml
Incubation :
60min, 37℃
インキュベート中は、染色条件を一定に保つため攪拌することが望ましい。
細胞により適切なSPの染色条件は必要である。
SORPAria UVレーザーを用いたHeLa細胞
のSP解析.1
VantageSEでのHeLa SP
SP Sort
MP Sort
SORPAria UVレーザーを用いたHeLa細胞
Hoechst濃度の基準をどこに置くかは、SPの実験を組み立てる上での重要な要素
のSP解析.2
となる。
例えば先のC6 gliomaの論文では、2.5ug/mlで90分でHoechst染色されているが、
染色の濃度や時間、染色中の攪拌などは各研究者で異なっている。
Hoechst 1ug/ml – 5ug/ml
Hoechst 6ug/ml – 10ug/ml
SORPAria UVレーザーを用いたHeLa細胞
のSP解析.3
HeLa細胞を2種類の培養液で、それぞれHoechst濃度を変えて染色した場合のSP存
在率。
グルコース濃度が変わるだけで、SPの存在比率は約半分となる。
DMEM high glucose
DMEM low glucose
SORPAria UVレーザーを用いたHeLa細胞
のSP解析.4
例えば3種類の表面マーカーを組み合わせることで、SPと同様の集団を特定することもでき
FACSを用いたがん幹細胞の解析から
の知見
・がん細胞においてもSPを用いることで腫瘍形成能の高い細胞が
濃縮できる
SPにより濃縮された細胞により、1,000個のオーダーでも腫瘍形成能が認められている
報告がある。マーカーの少ないがん幹細胞の検索において、SPは未分化ながん細胞を
濃縮するための有効なマーカーとして考えられる。
・がん細胞においても表面抗原を用いることで腫瘍形成能の高い細
胞を濃縮できる
表面抗原を用いた解析からは100個の細胞からも腫瘍形成を認めるとの報告も出てい
る。用いられている表面マーカーは、CD133など、これまでの組織幹細胞の解析を応用
したものも多い。
・SPや表面抗原を組み合わせたマルチパラメーターでの解析が
期待される
マウス造血幹細胞での展開は表面抗原からSPであったが、がん細胞においてはSPから
さらに表面抗原を見出し、同時に解析していくことが期待される。また、マウス造血幹細
胞におけるSPの詳細な解析は、がん幹細胞研究におけるSPの結果を理解する上でも、
非常に重要である。
条件を満たす機器スペックって?
• 高感度
– フローセルを使用したシステム
– 長方形フローセルの採用
• マルチカラー対応
– 豊富なレーザー構成
– ハイパワーUVレーザー
• 操作性
– 従来Sorterのハンドリングからの脱却
– 安定Sortingの条件
高感度Rectangleフローセル1
•Cuventte flow cellはベンチに組み込れています。
よってレーザーの照射位置は固定されています。
•蛍光検出レンズとCuventte flow cellはゲルで接着
されています、よって蛍光の検出感度が高く半導
体レーザーのような出力の少ないレーザーで測定
することが出来ます。
•ノズルサイズは70μ、100μが装着できます、先端
のノズル部(金属&ダイアモンド)を取り外すことに
より変更することが出来ます。
高感度Rectangleフローセル2
Rectangle(=長方形)フローセル&ゲルの装着
新性能
レンズ
ゲル
上面から見た
フローセルの断面
現行:Vantageシステム
高感度Rectangleフローセル3
• Rectangular Quartz Cuventte
長方形Quartz Cuventteを使用しています。
– sample流が細く絞りこまれるため、レーザー照射時に細胞が均一に流れるのでC.V
値が小さくなります。
FACSAria
上面図
Rectangular Cuventte
側面図
他メーカー
Lase
r
Lase
r
Non Rectangular
Cuventte
Laser Power
Laser Power
弱い
強い
弱い
弱い
強い 弱い
FACSVantageSE/Divaにおける
高速Sortingによる蛍光感度への影響
–マウ
スES細胞10PSI
20PSI
35PSI
Flk-1 PE
Control
E-cadherin Alexa488
70PSI
FACSAriaにおける
高速Sortingによる蛍光感度への影響
–マウ
スES細胞LO(20PSI)
MED(35PSI)
Flk-1 PE
Control
E-cadherin Alexa488
HI(70PSI)
マルチカラー対応システム1
Regular
FACSAria
SORP FACSAria
Blue(488nm)
20 mW
100 mW
Red(633nm)
17 mW
30 mW
Violet(405nm) 10 mW
50 mW
UV(355nm)
20 mW / 60 mW
---
Green(561nm
--)
蛍光色素組み合わせ
FACSAriaの蛍光補正値の自動
*
計算
フォルダとExperimentを作成したら、
Instrumentメニュー>Instrument Setup>
Create Compensationを選択します。
蛍光補正に必要な染色試験管の準備とそれ
ぞれに専用のWork Sheetが作成されます。
FACSAriaの蛍光補正値の自動
*
計算
蛍光補正用試験管を測定したら、
各試験間のpositive領域をクリッ
クします。アイコンを使って1-ク
リックで選択できます。
Instrumentメニュー>Instrument Setup>
Calculate Compensationを選択します。
これだけで、測定に使用するすべてのパラメー
タ間で蛍光補正値が自動計算されます。
補正値はExperimentレベルの Instrument Level
に保存されますので、その後に測定するサンプ
ルには補正されたデータが保存されます。
微調整のために、測定後に蛍光補正値を変更す
ることも可能です。
操作性
-固定式フローセル
自動ソーティング設定機能
液滴モニタリングシステム
SweetSpot
4方向ソーティング
QuadraSort
DropDelay自動計算
AccuDrop
自動液滴制御機能
『Sweet Spot』
BD FACSAriaはフローセルが固定されいます。
よって液滴の形成状態をCCDカメラにてモニター
して最適の液滴形成状態にフィードバックするこ
とが出来ます。
ブレークポイント、液滴の大きさ、液滴と液滴の
間隔、サテライトドロップを画像解析して
固定のDDF(ドロップドライブフリーケンシー:振動数)
に対してAP(アンプリチュード:振幅)をフィードバック
します。
DropDelay自動計算
『AccuDrop』機能
蛍光ビースを流してsoritngを行い、サイ
ドストリームにビーズが最も多く分離され
る
DropDelay値をコンピューター画面上で
調整します。作業時間は1分以内に終了
します。
よって、ノズル交換時、短時間にSoritng
を再開することが出来ます。
DropDelay値の計算行うために、スライド
にビーズを受けて、蛍光顕微鏡で数え最
適なDropDelay値を確認する作業(1時
間)は必要ありません。
TM
AccuDrop 画面
サイドストリーム
センターアスピレーター
シース圧の安定装置
『Plenum reservoirTM』方式
シースタンク内の圧力変動が少ない設計です
長時間のsoritngでも液滴変動が少ない状態を維持します
高速Sorting
-液滴形成に関連するパラメーター
‐
• ノズルサイズ
• シース圧
• 振動数及び振幅(KHz and Drive)
圧力と液滴形成数
Nozzle 選択
50m
60m
70m
80m
90m
100m
thymus
spleen - bone marrow
adherent cells - larger cells
130m
液滴形成及び収率を高めるためには粒子
(細胞)の大きさによってノズルを選択する
必要があります。
粒子径<= ノズル径/6
粒子径> ノズル径/4
液滴形成数と分取速度
現実には! -VantageSE/Aria-:マウスES細胞
100.0
100.0
90.0
90.0
80.0
80.0
70.0
70.0
Purity (%)
Purity (%)
30.0
Electronic Aborts= Electronic
60.0
abort/Threshold count
Efficiency (%)= Sort Count/(Sort
count+Conflict count)
50.0
Yield (%)=Sort Count/(Treshold
count*Sort target %)
40.0
Recovery (%) = Sort
Count/TruCOUN*100
30.0
20.0
20.0
10.0
10.0
50.0
%
%
60.0
40.0
0.0
0
10,000
20,000
30,000
events/sec
FACSVantageSE/Diva
40,000
Electronic Aborts= Electronic
abort/Threshold count
Efficiency (%)= Sort
Count/(Sort count+Conflict
count)
Yield (%)=Sort
Count/(Treshold count*Sort
target %)
Recovery (%) = Sort
Count/TruCOUN*100
0.0
0
10,000
20,000
30,000
events/sec
FACSAria
40,000
まとめ 1
-アプリケーション別必要な機能• 細胞表面マーカー解
析
– 488/633nmレーザー
– 表面マーカーと細胞内
抗原などのマルチカ
ラー解析
– 希少細胞を高速
Sorting
• がん幹細胞解析
– UVレーザー
– SPと表面マーカー解
析
• BDが提案できる内容
– 標準装備、さらに2本追加可能
– 標準で5カラー(488nm)、2カラー
(633nm)
– 90,000個/sec(液滴)、
35,000個/sec(細胞)
– 355nmUVレーザー
– 2~3種類の細胞で表面マーカー
解析
– 更なる検討必要
– 今後の課題
まとめ 2
• 蛍光感度の違いを明確にリサーチ
– 蛍光の強弱だけでなく、弱陽性に注目
– 表面マーカーと違い、SPは蛍光強度の違いが
ほとんど無い
• SPと表面マーカーによるマルチカラー解析
– 多重染色のメリットも最大限に!
– デメリットをどう回避する?
• いつ、誰が、どんな時でも!
– 全国でAria専属オペレーター 0人
– トレーニングは私が!?