基盤研セミナー ヒト多能性幹細胞のゲノム不安定性の メカニズム解明 日時:2015年7月 6日( 月曜日 ) 16 :00-17 :00 場所:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 医薬基盤研究所 大会議室 演者:清華大学 准教授 Jie Na 先生 ヒト多能性幹細胞は遺伝子変化の影響を受けやすく、医療応 用における課題である。しかしながら、このゲノム不安定性に係 るメカニズムはほとんど解明されていない。我々は、タイムラプ スによるイメージング解析を行うことにより、ヒト多能性幹細胞 が有糸分裂異常を頻繁に起こしていることを発見した。抗アポ トーシス活性遺伝子であるBCL2L1 はしばしばヒト多能性幹細胞 で増幅しており、同遺伝子を過剰発現させたところ、細胞死は 減少した。さらに、同蛋白が増加したヒト多能性幹細胞は、染色 体が異性数となっており、自己増幅することができた。以上のこ とから、抗アポトーシス活性による遺伝子変異と連携した細胞 分裂異常が染色体不安定性をもたらしていると考えられる。 文献 1. Na J*, Baker D, Zhang J, Andrews PW, Barbaric I. 2014. Aneuploidy in pluripotent stem cells and implications for cancerous transformation. Protein & Cell, 5(8):569‒579. 2. Tyagi D, Perez JB, Nand A, Zhiqiang, C, Wang P, Na J. & Zhu J. 2014. Detection of embryonic stem cell lysate biomarkers by surface plasmon resonance with reduced nonspecific adsorption. Anal Biochem. 3. Nand A, Singh V, Wang P, Na J & Zhu J. 2014. Glycoprotein profiling of stem cells using lectin microarray based on surface plasmon resonance imaging. Anal Biochem, 465C(114-120). 4. Wang P, Na J*: Reprogramming to pluripotency and differentiation of cells with synthetic mRNA.Methods in Molecular Biology (2013) 969:221‒233. 連絡先: ヒト幹細胞応用開発室 古江-楠田 美保 (TEL 072-641-9819, 内線3222)
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