Alcian Blue & PAS Alcian Blue 目的 アルシアンブルーは、粘液を染める組織染色法としてSteedman (1950年)が 導入した色素。 シアル化されたムコ物質(シアロムチン)、硫酸基を有するムコ物質(スルホ ムチン)、軟骨や線維性結合組織に含まれるコンドロイチン硫酸、ヘパラン硫 酸、デルマタン硫酸、ヒアルロン酸のような酸性ムコ多糖類を特異的に染色 するために用いられる。 色素が結合した部位は青藍色に鮮やかに染色される。 試薬 □アルシアンブルー液 Alcian blue 8GX 酢酸 蒸留水 1g 3ml 97ml □3%酢酸水 □ケルンエヒトロート 原理 塩基性色素であるアルシアン青と、酸性ムコ物質のカルボキシル基あるいは 硫酸基のイオン結合に結びついている。 特異性はアルシアン青の溶液中の水素イオン濃度や電解質濃度によって変 化する。 pH2.5の溶液ではカルボキシル基と硫酸基の両者に、pH1.0の溶液では硫酸 基のみに結合する。 カルボキシル基 硫酸基 O O= S =O - O = O 例) アラニン CH3CH(COOH)NH2 筋肉中に含まれるアミノ酸。 - R - C - OH R 例) 粘膜など 軟骨やヒアルロン酸など。 Al 染色法 脱 パ ラ ・ 流 水 水 洗 3 % 酢 酸 水 3分 ア ル シ ア ン 青 溶 液 20分 流 水 水 洗 ケ ル ン エ ヒ ト ロ ー ト 5分 流 水 水 洗 脱 水 ・ 透 徹 ・ 封 入 Al 染色結果 結腸の粘膜 杯細胞と気管支軟骨内 http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/user/health/pathology/e-learning/pages02/g/g3p.html PAS 目的 PAS反応は、多糖類の組織化学的証明法として発展し、現在では肝 臓のグリコゲン、消化管の粘液物質の証明、色素顆粒や細胞顆粒、 真菌、アメーバの識別および腎糸球体病変の識別等、広く糖質の一 般染色として知られている。 試薬 ■0.5%過ヨウ素酸水溶液 ■シッフ試薬 ■ヘマトキシリン ■亜硫酸水 10%重亜硫酸ナトリウム 6ml 1N塩酸 5ml 精製水 100ml PAS 染色法 過 ヨ ウ 素 酸 水 溶 液 5分 精 製 水 水 洗 シ ッ フ 試 薬 亜 硫 酸 水 20分 3 回 × 脱 パ ラ ・ 水 洗 各3分 流 水 水 洗 ヘ マ ト キ シ リ ン 20秒 流 水 水 洗 脱 水 ・ 透 徹 ・ 封 入 PAS 染色結果 糸球体 核 グリコゲン、中性粘液多糖類、糖蛋白、粘液蛋白、糖脂質 陽性細胞 赤紫色 細胞内グリコゲンや中性粘液,卵巣の濾胞液,軟骨基質,甲状腺 コロイド,副腎のクロム親和性物質,下垂体の腺細胞の顆粒,リポ フスチン,腎糸球体や尿細管基底膜や硝子滴,小血管のフィブリノ イド変性や硝子化,前立腺内容,脾やリンパ節の細網線維や小血 管,好中球,肥満細胞,骨髄巨細胞,赤痢アメーバ,真菌類,細菌類 重染色 pH2.5アルシアンブルーとPASの重染色法を使用すると、中性ムコ多糖類はシッ フ試薬で赤く染まり、酸性ムコ多糖類はアルシアンブルーで青く染まる。 特異性の異なる2種類の染色法を単一切片上で行い、より多くの情報を同時に得 ようとするもの。 最初に行なわれる染色法はそのまま特異性が再現されるが、後続の染色は特異 性がすでに制約されていることを考慮しなくてはならない。 そのため、さらに個々の単染色を同時に行なうことが必要である。 両方 PAS グリコーゲン 中性粘液 酸性粘液 酸性粘液 多糖類 AL 脾臓 腎臓 心臓 肝臓
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