3次元CGアニメーションを用いた 初等教育教材の開発 Development of Teaching Materials using 3D-CG Animation in Elementary Education 西田隼人 古谷信吾 東京情報大学 総合情報学部 環境情報学科 松下研究室 卒業論文発表会 2008.1 研究の背景 初等教育機関へのPCの普及 PCの処理機能及び描画機能の高性能化 CGの視覚的効果による興味の喚起と理解の促進 3次元CG動画による一層の興味の喚起と理解の促進 3次元CGアニメーション教材の開発 CG教材 良好な成果をあげているCG教材例(従来研究の例) Flashによる電子紙芝居 → 描画は2次元的なものが中心 C言語とOpenGLによる天体教育教材 → 使用環境の制約、修正・拡張は容易ではない 初等教育現場への導入を容易に行いたい 初等教育現場での修正・拡張を容易に行いたい 経済的制約を受けない教材 短時間で修正・拡張が可能な教材 本研究における教材の開発方針 • 教材の適切さ – 教科書・学習指導要領に準拠。 • 標準的なPCで動作可能 – 初等教育機関では計算機環境が限られている。 • 修正・拡張が容易 – 初等教育機関では教材開発時間が限られている。 POV-Rayを用いた理由 本研究ではPOV-Rayにより教材を開発 理由 • • • • • 優れた統合開発環境を装備。 フリーソフトのため経済的制約が無い。 入手が容易。 初学者でも修正・拡張が容易。 モデリングツールとの連携が可能。 POV-Rayとは POV-Ray(Persistence of Vision Ray Tracer)とはモデリングから レンダリングまでを行うCG開発用のフリーソフトウェア(CG用 言語)である。記述形式はC言語と類似している。 POV-Rayの統合開発環境 POV-Ray公式サイト http://www.povray.org/ POV-Rayのシーンファイルの基本構造 #include “colors.inc” #include “shapes.inc” camera{ 視点 location<3, 3, -10> look_at<0, 0, 0> angle 30 } light_source{ <-3, 5, -5> color White } ライト 物体 object{ Sphere pigment{color Orange} } POV-Rayの基本図形 POV-Rayのマッピング : #include “textures.inc” : : object{ Sphere texture{DMFWood4} } テクスチャマッピング : : object{ Sphere normal{agate 0.9} } バンプマッピング 開発環境 • • • • • 計算機 DELL Dimension (Pentium D 2.8GHz) OS Windows XP Professional CG開発 POV-Ray Ver.3.5 モデラー Rokkaku-Daioh Super Ver.5 AVI作成 AVI-Maker Ver.1.71 ※モデラーとAVI作成ツールに関しては必要に応じて使用する。 教材 シーン1 1. 2. 3. シーン2 シーン3 カラスの子が月明かりを感じて空を見上げています。カラスの子は月が綺麗に見 えるところを探しに出かけることにしました。 しばらくすると月見をしているタヌキと出会いました。カラスの子は「どこに行けば もっと月が良く見えますか」とタヌキに聞きました。タヌキは「あの山に登ればきっ と綺麗に見えるよ」と言いました。 山へ向かっていると迷子になって泣いているリスと出会いました。カラスの子はリ スに「ぼくが空から見ればきっとお家が見つかるよ」と言いました。そして空からリ スの家を探してあげました。 教材(続き) シーン4 4. 5. 6. シーン5 シーン6 今度はキツネに会いました。カラスの子はキツネに「月が一番良く見えるのはどこ ですか」と聞きました。キツネは「あの森を通れば良いよ」と言いました。 しかし森の出口が見つかりません。カラスの子は森の中を飛び回りました。そんな とき,一羽のフクロウが「どうしたのかい」と話かけてきました。フクロウは「あの嘘 つきキツネに嘘を教えられたのだね」と言いました。フクロウは森の出口を教えて くれました。 夜も遅いのでカラスの子は家に帰りました。そして、月が一番綺麗に見えるのは 自分の住んでいる森にある一番高い木の上からだということに気づきました。 ※物語及び原画は当研究室において独自に作成したものです。 教材(時系列表示) シーン2 シーン4 教材(再生) ※絵をクリックするとAVI動画が再生されます。 シーンファイルの構成 union命令で動作オブジェ クトごとにまとめて記述し ておく。 オブジェクト記述部 オブジェクト制御部 コメントを行を記述する。 コメントには移動方向など や標準的移動量も記述し ておく。 背景記述部 動作の伴わない背景部は 最後にまとめて記述して おく。 結論 • 3次元CGアニメーションによる初等教育教材 を開発した。 • 教育現場において修正・拡張を容易にするた め、ソースコードのオブジェクトとその制御部 分を明確に分離して記述しておくことが必要 である。 今後の課題 • 和文および英文の挿入 • 音響効果の適用 • 実践での使用および教育効果の評価 Div. of Environmental Information, Tokyo University of Information Sciences Lab. Homepage http://www.rsch.tuis.ac.jp/~matusita/
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