人間とコンピュータ 2006年度2学期 第11回 本日の内容 • GUIデザインの流れの確認(おさらい) • GUIデザインの検討 – 事例を用いた具体例 (鉄道の発券機) 2 GUIデザインの流れ(おさらい) 1. 情報の把握 システムの目標の確認,把握,ユーザの特定 誰が,いつ,どこで,何を,どうする,を明確化 2. 情報の構造化 情報の分類,優先順位付け,提示順などの決定 体系化 3. 情報の可視化 1,2で決めたことを実際に形に表現する 3 1.情報の把握 • システム全体の目標の明確化 – 目的は?(何をするための道具か?) • システム仕様 – どんな機械か? • • • 装置の概要,運用条件,機能要件など ユーザとのやりとり(UI),ユーザがやること(タスク) ユーザの明確化 – 使うのはどんな人? • 職業,年齢,性別,教育レベル,メンタルモデルなど 4 2.情報の構造化 • 情報の分類 – 提示すべき情報のリストアップ – 機能や種類による分類 • 情報の優先順位 – どの情報が重要性が高いか – 情報の順序性の認識 • 情報の提示順序 – 提示戦略,最適な提示順の検討 5 3.情報の可視化 • わかりやすく,見やすく,使いやすい GUIデザイン(画面)を設計 →GUIデザイン開発のステップ 6 GUIデザインの開発ステップ 1. 2. 3. 4. 5. 6. デザインコンセプトの立案 基本デザイン 基本デザインでのプロトタイプ作成 詳細デザイン 詳細デザインでのプロトタイプ作成 発表(できあがり) 詳細は,具体例で. 7 GUIデザインの検討 • 簡単な電車の券売機を検討対象 – 情報の把握,構造化,可視化プロセスを体験 1. 券売機という道具の基本概念,概要 – 役割,対象ユーザ,使用環境など 2. どんな機能,操作があるか(操作フロー) 3. どんなデザインにするか? 8 イメージをふくらめるために... • テーマは鉄道の自動券売機! • まずは,かなり単純な鉄道の券売機を仮定 条件: 他の鉄道会社との乗り入れなし 具体的には,西武多摩川線の武蔵境駅限定 (他の駅では,JRへの乗り継ぎ切符がある) 9 イメージをふくらめるために...(2) • 実例はこんな感じ 西武鉄道 多摩川線 武蔵境駅 10 1.情報の把握 • システム全体の目標の明確化 • システム仕様 • ユーザの明確化 なんてことをうまく把握したい 11 1.情報の把握(2) • とにかく思いつく限りを出してみる 装置の名前: どんな機能: 誰が使う: 12 1.情報の把握(3) • とにかく思いつく限りを出してみる 装置の名前: 内省:自分の頭の中で考える ロールプレイで考える どんな機能: 実例に学ぶ 誰が使う: などしてアイディアを出す 13 1.情報の把握(4) • 装置名:単純な自動券売機 • どんな機能: お金投入.切符の選択ボタ ン.発券.取り消し.金額の 表示.投入金額の表示.発 券時に日付,大人と子供. • 利用者:老若男女(小学生 以上?).健常者,障害者 • ボタン:表示タイプ – D1:金額式(140円,170円) – D2:行先式(新小金井,多磨, 白糸台,競艇場前,是政) • ボタン:方式 – T1:タッチパネル方式 – T2:物理的ボタン方式 • 間違えた時の取り消し • 係を呼ぶボタン 14 2.情報の構造化 • 情報の分類 – 提示すべき情報のリストアップ – 機能や種類による分類 • 情報の優先順位 – どの情報が重要性が高いか – 情報の順序性の認識 • 情報の提示順序 – 提示戦略,最適な提示順の検討 15 2.情報の構造化(2) • 提示すべき情報 券の金額,行き先,現在の 投入金額,機械の現在の 状態,トラブル対策(やり直 し,呼び出し)の情報 • 情報の分類 券についての表示(金額, 行先) 状態を伝える表示(必要金 額,投入金額) 利用者への指示表示 トラブル対応の情報 • 重要度と提示順 現在の状態がわかる表示 は常に必要 手順は難しい(例) (U1)行き先ボタンを押す (M1)必要金額提示 (U2)お金投入 (M2)清算→発券 *割り込み可能(取り消し) 16 2.情報の構造化(3) • 重要度と提示順 手順は難しい(例) (U1)行き先ボタンを押す (M1)必要金額提示 (U2)お金投入 (M2)清算→発券 *割り込み可能(取り消し) • 重要度と提示順 手順は難しい(例2) (U1)お金投入 (M1)金額ボタン点灯 (U2)ボタン選択 (M2)清算→発券 *割り込み可能(取り消し) 17 2.情報の構造化(4) • 重要度と提示順 手順は難しい(例2) (U1)お金投入 (M1)金額ボタン点灯 (U2)ボタン選択 (M2)清算→発券 *割り込み可能(取り消し) • 重要度と提示順 手順は難しい(例3) (U1)お金投入 (M1)行き先ボタン点灯 (U2)ボタン選択 (M2)清算→発券 *割り込み可能(取り消し) 単純なようでも操作系列はいろいろ考え られる 18 1.情報の把握(5) •係員呼び出し 実例 大人,子供 とりけし 行先表示 西武鉄道 多摩川線 武蔵境駅 金額表示 ここまで出関係のあ るところだけ指示 19 3.情報の可視化 • わかりやすく,見やすく,使いやすい GUIデザイン(画面)を設計 →GUIデザイン開発のステップ 20 3.情報の可視化(2) • その前に,決めておかないとデザイン上困る こと • ボタン:表示タイプ – D1:金額式(140円,170円) – D2:行先式(新小金井,多磨,白糸台,競艇場前,是政) • ボタン:方式 – T1:タッチパネル方式 – T2:物理的ボタン方式 21 ボタンの検討 • ボタン:表示タイプ – D1:金額式(140円,170円)...例えば 140 170 – D2:行先式(新小金井,多磨,白糸台,競艇場前,是政) 新小 金井 多磨 あ 白糸 台 競艇 場前 是政 あ 22 ボタンの検討 • ボタン:表示タイプ – D1:金額式(140円,170円)...例えば 140 170 – D2:行先式(新小金井,多磨,白糸台,競艇場前,是政) 新小金 井 多磨あ い 白糸台 あ 競艇場 前 是政あ い ユーザが行き先の値段を事前に知る必要あり(D1)なし(D2) ボタンの数が少しでいい(D1)たくさん必要になる(D2) などという違いがあるが,それぞれに長所短所がある 23 ボタンの検討 • ボタン:方式 – T1:タッチパネル方式 140 170 – T2:物理的ボタン方式 シンプル(T2)複雑(T1)点字対応が楽(T2) 多機能(T1)機能は限られる(T2) フィードバックがわかりやすい(T2)わかりにくい(T1) などという違いがあるが,それぞれに長所短所がある 24 3.情報の可視化(3) • その前に,決めておかないとデザイン上困る こと • ボタン:表示タイプ – D1:金額式(140円,170円) – D2:行先式(新小金井,多磨,白糸台,競艇場前,是政) • ボタン:方式 – T1:タッチパネル方式 – T2:物理的ボタン方式 ということにしておく.(GUIがメインなので) 25 GUIデザインの開発ステップ 1. 2. 3. 4. 5. 6. デザインコンセプトの立案 基本デザイン 基本デザインでのプロトタイプ作成 詳細デザイン 詳細デザインでのプロトタイプ作成 発表(できあがり) 26 デザインコンセプトの立案 • 使う人は老若男女,健常者,障害者 – 誰にでも分かりやすく – 間違った操作をしにくく – 操作速度よりも確実さを優先 – 見てどうすればいいか分かりやすく 27 基本デザイン GUIデザインの基本要素は大きくわけて3点 1. フォーマットデザイン 1枚の画面のデザイン 2. シーケンスデザイン 全画面の表示順をデザイン 3. パーツデザイン アイコン,ウィンドウ,ボタンなどをデザイン 28 基本デザイン(2) • パーツデザインから – ボタン類 • • • • 金額ボタン 取り消しボタン 係呼び出しボタン その他,何かあるか? 29 基本デザイン(2) • パーツデザインから – ボタン類 • • • • • 金額ボタン デザインしてください 取り消しボタン 係呼び出しボタン 大人,子供切り替えボタン その他,何かあるか? 30 31 基本デザイン(3) • フォーマットデザイン(粗く) – 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 操作順をなぞりながら お金が入っていない画面(初期画面) お金が投入された画面 券が選択された画面 お金が足りない時の画面 発券された画面 取り消しが押された時の画面 係員呼び出しが押された時の画面 など 32 基本デザイン(3) • フォーマットデザイン(粗く) – 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 操作順をなぞりながら お金が入っていない画面(初期画面) お金が投入された画面 必要となるであろう画面をデザイン 券が選択された画面 (項目を挙げて下さい) お金が足りない時の画面 発券された画面 取り消しが押された時の画面 係員呼び出しが押された時の画面 など 33 基本デザイン(4) • フォーマットデザイン(細かく) – 決めた各項目(画面)に,部品を配置して画面を 作る! 作ってみてください 34 基本デザイン(5) • シーケンスデザイン – フォーマットデザインで作った各画面の遷移を考 える 35 基本デザイン(6) • シーケンスデザイン – フォーマットデザインで作った各画面の遷移を考 える 考えてください 36 基本デザインでのプロトタイプ作成 • 基本デザインでプロトタイプを作成 – 作ってみてください – 紙上で手書きでOK 37 詳細デザイン • 不都合な点,足りない点 • 付け加えた方がよい点 – 視覚的なわかりやすさ – 認知的なわかりやすさ この観点から検討し,詳細デザインに進む 38 詳細デザイン(2) • 詳細デザインを検討して下さい. – 実際例には 1人用,2人用,3人用,4人用ボタン 往復切符ボタン がある. 音声案内はどうだろうか? 39 1.情報の把握(5) •係員呼び出し 実例 大人,子供 とりけし 行先表示 金額表示 40 西武鉄道 多摩川線 武蔵境駅 次回 • 詳細デザインを進める. →次回までに考えておくこと! • JR乗り換えも含めた他の駅の券売機に拡張 する – アイディアを考えておくこと. 41
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