電気回路第1 第12回 - 橋本・ミョー研究室【Top】

電子物性第1スライド6-1
電子物性第1 第6回
ー原子の結合と結晶ー
目次
2
3
4
5
はじめに
原子の結合と分子
イオン結合
共有結合
6
7
8
9
原子は規則的に
X線回折
X線回折図
結晶格子
10
11
12
13
面心立方格子
ダイアモンド構造
金属の結合と電子
まとめ
電子物性第1 第6回
-原子の結合と結晶-
原子の結合と分子
希ガス以外は分子を作って、物質になる。
⇒「どう結合するか」がモノの性質を決める。
原子の性質が違えば(プラスとマイナス)ならイオン結合。
同じ原子なら共有結合。
はじめに
電子物性第1スライド6-2
モノの性質は、 原子の性質よりは、むしろ
[1] 原子どうしがどうくっついているか
e-原子
分子
[2] 原子がどのように並んでいるか
[3] 最後に、(動ける)電子がどこにいるか
結晶
が重要です。 今回は[1]と[2]を学習します。
① 原子の結合と、配列の結晶について述べます。
イオン結合
はじめに
原子核 が
重なり
反発する。
イオン結合では、 各イオンが
モノの性質は、 原子の性質よりは、むしろ
[1] 原子どうしがどうくっついているか
エネルギー
閉殻構造(安定)のため、
e-
[2] 原子がどのように並んでいるか
[3] 最後に、(動ける)電子がどこにいるか
が重要です。 今回は[1]と[2]を学習します。
結晶
電子が多く 分布。
電子がほとんどない。
イオン間
には電子
は余りない。
原子の結合と分子
最安定
イオンは決まった
距離でくっつくと
安定になる。
原子間 距離
0
静電気 力で
引き合う 。
電子物性第1スライド6-3
希ガス以外は分子を作って、物質になる。
⇒「どう結合するか」がモノの性質を決める。
原子の性質が違えば(プラスとマイナス)ならイオン結合。
同じ原子なら共有結合。
① 分子の結合がモノの性質。
共有結合
原子の結合と分子
エネルギ ー
共有結合では、
原子核が
重な り
反発する 。
希ガス以外は分子を作って、物質になる。
交換相互作用が強く
共有結合は強い。
⇒「どう結合するか」がモノの性質を決める。
最安定
原子の性質が違えば(プラスとマイナス)ならイオン結合。
0
原子の中間にも 電子が分布。
(左右対称)
同じ原子なら共有結合。
くっついて閉殻になる。
イオン結合
エネルギー
原子核 が
重なり
反発する。
イオン結合では、 各イオンが
閉殻構造(安定)のため、
電子が多く 分布。
電子がほとんどない。
イオン間
には電子
は余りない。
① イオン結合は間の電子少なく弱い。
原子間距離
最安定
交換エネルギ ー
大き い。
電子物性第1スライド6-4
イオンは決まった
距離でくっつくと
安定になる。
原子間 距離
0
静電気 力で
引き合う 。
イオン結合
原子核 が
重なり
反発する。
イオン結合では、 各イオンが
閉殻構造(安定)のため、
電子が多く 分布。
電子がほとんどない。
イオン間
には電子
は余りない。
原子は規則的に
エネルギー
最安定
イオンは決まった
距離でくっつくと
安定になる。
原子間の結合の距離に最適値
⇒原子は規則的に並ぶと有利。
⇒きれいな結晶を形成している。
原子間 距離
非常に小さくみえない。
0
光(X線)の干渉(反射)で見よう。
静電気 力で
引き合う 。
共有結合
電子物性第1スライド6-5
エネルギ ー
共有結合では、
原子核が
重な り
反発する 。
最安定
交換相互作用が強く
共有結合は強い。
原子間距離
0
原子の中間にも 電子が分布。
(左右対称)
くっついて閉殻になる。
① 共有結合は間にも電子があって安定。
1 nm以下
交換エネルギ ー
大き い。
共有結合
X線回折
エネルギ ー
共有結合では、
原子核が
重な り
反発する 。
交換相互作用が強く
共有結合は強い。
最安定
原子間距離
0
原子の中間にも 電子が分布。
(左右対称)
くっついて閉殻になる。
交換エネルギ ー
大き い。
入射X線
反射X線
規則的に並んだ
結晶に、 X線を
θ
当てて反射させると、
特定の角度で
強い反射が起こり、 光路差 2dsin θθ
大きさ、形がわかる。
原子は規則的に
⇒原子は規則的に並ぶと有利。
⇒きれいな結晶を形成している。
非常に小さくみえない。
① 原子が規則的に配列し結晶となる。
格子定数 d
電子物性第1スライド6-6
原子間の結合の距離に最適値
光(X線)の干渉(反射)で見よう。
規則正しく
並んだ原子
1 nm以下
原子は規則的に
X線回折図
⇒原子は規則的に並ぶと有利。
X
線
強
度
X
線
強
度
⇒きれいな結晶を形成している。
非常に小さくみえない。
光(X線)の干渉(反射)で見よう。
単結晶など
アモルファス
原子間の結合の距離に最適値
1 nm以下
X線回折
0°
角度 θ
60 °
90 °
0°
30 °
角度 θ
60 °
90 °
電子物性第1スライド6-7
入射 X 線
規則的に並んだ
結晶に、 X線を
θ
当てて反射させると、
特定の角度で
強い反射が起こり、 光路差 2dsin θθ
大きさ、形がわかる。
① X線の反射で結晶の形と大きさがわかる。
30 °
反射 X 線
規則正しく
並んだ原子
格子定数 d
X線回折
入射X線
規則的に並んだ
結晶に、 X線を
θ
当てて反射させると、
特定の角度で
強い反射が起こり、 光路差 2dsin θθ
大きさ、形がわかる。
結晶格子
反射X線
実は余り多くないが、
NaCl(塩)などでは、
規則正しく
並んだ原子
単純な立方体の積層状
の格子(単純立方格子)。
格子定数 d
赤の立方体が単位格子。
電子物性第1スライド6-8
X線回折図
角度を変えて反射X線の
結晶性のないアモルファス
強度をプロットすると、
の場合には、目立ったピーク
X 干渉で強めあう角度で
が観測されない。
線
強 強いピークが見られる。
度
これは、きれいな結晶、
0単結晶などの場合で、
30°
60°
90°
°
角度θ
① きれいな結晶は鋭い回折ピークを持つ。
(a) 単純立方格子
単結晶など
X
線
強
度
0°
30°
角度θ
60°
90°
X線回折図
単結晶など
アモルファス
X
線
強
度
X
線
強
度
0°
30 °
角度 θ
60 °
90 °
面心立方格子
金属などでは、多くの原子
が高密度で積層される。
これは、6つの各面に1個
ずつの原子が入った構造
0°
30 °
角度 θ
60 °
90 °
(金やアルミなど)
電子物性第1スライド6-9
結晶格子
実は余り多くないが、
NaCl(塩)などでは、
単純な立方体の積層状
の格子(単純立方格子)。
赤の立方体が単位格子。
① 立方体が積もった格子を取る例がある。
(b) 面心立方格子
(a) 単純立方格子
結晶格子
ダイアモンド構造
実は余り多くないが、
ダイアモンドは、 炭素原子どうしが
共有結合で結びつく。結晶構造は
NaCl(塩)などでは、
ダイアモンド構造。
単純な立方体の積層状
の格子(単純立方格子)。
赤の立方体が単位格子。
(a) 単純立方格子
面心立方格子
原子密度が小さく、軽い。
原子1個が4つと結合
し、正四面体配位。
共有結合が強く、硬い。
電子物性第1スライド6-10
金属などでは、多くの原子
が高密度で積層される。
これは、6つの各面に1個
ずつの原子が入った構造。
(金やアルミなど)
① 金属は高密度の面心立方格子をとりやすい。
(b) 面心立方格子
面心立方格子
金属の結合と電子
金属などでは、多くの原子
が高密度で積層される。
これは、6つの各面に1個
ずつの原子が入った構造
(金やアルミなど)
(b) 面心立方格子
金属中は原子 あるいは、
金属イオンが 高密度存在。
余った価電子は、結晶全体
に分布。 電子は自由に
移動し電流を流す。
ダイアモンド構造
金属イオン
電子
電子
電子
電子
電子の波の広がり
電子
より大きい。
自由電子の海
電子物性第1スライド6-11
ダイアモンドは、 炭素原子どうしが
共有結合で結びつく。結晶構造は
ダイアモンド構造。
原子1個が4つと結合
し、正四面体配位。
① ダイアモンド構造は、正四面体配位が原因。
原子密度が小さく、軽い。
共有結合が強く、硬い。
まとめ
ダイアモンド構造
ダイアモンドは、 炭素原子どうしが
共有結合で結びつく。結晶構造は
ダイアモンド構造。
原子1個が4つと結合
し、正四面体配位。
原子密度が小さく、軽い。
共有結合が強く、硬い。
金属の結合と電子
分子は、イオン結合や共有結合でできるが、共有結合は
交換相互作用のため強いボンドを形成する。結晶は、
原子が規則正しくならび、光の回折などで検証される。
金属などは、原子が高密度にならぶ格子で、電子が、
その中を自由に動く。共有結合のダイアモンドは、原子の
結合(正四面体配位)から、低密度のダイアモンド構造。
電子物性第1スライド6-12
金属イオン
金属中は原子 あるいは、
電子
金属イオンが 高密度存在。
余った価電子は、結晶全体
電子
に分布。 電子は自由に
電子の波の広がり
より大きい。
移動し電流を流す。
① 金属中には自由電子があり、電流を流す。
電子
電子
電子
自由電子の海
金属の結合と電子
金属中は原子 あるいは、
金属イオンが 高密度存在。
余った価電子は、結晶全体
に分布。 電子は自由に
移動し電流を流す。
金属イオン
電子
電子
スライドを終了します。
電子
電子
電子の波の広がり
電子
より大きい。
自由電子の海
まとめ
電子物性第1スライド6-13
分子は、イオン結合や共有結合でできるが、 共有結合は
交換相互作用のため強いボンドを形成する。 結晶は、
原子が規則正しくならび、 光の回折などで検証される。
金属などは、原子が高密度にならぶ格子で、 電子が、
その中を自由に動く。共有結合のダイアモンドは、 原子の
結合(正四面体配位)から、低密度のダイアモンド構造。
① 分子の結合と結晶の格子について述べました。