2007年6月17日 青森県タバコ問題懇談会 世界禁煙デー記念シンポジウム 八戸市における未成年・家族の 喫煙状況と喫煙防止対策 くば小児科クリニック 久芳康朗 青森県タバコ問題懇談会代表世話人 タバコのない世界へ • 2001年 深浦町屋外タバコ自販機撤去条例 • 2002年 千代田区路上喫煙禁止条例 • 2003年 健康増進法(受動喫煙防止義務) • 2004年 ブータン禁煙国家に • 2005年 WHOタバコ規制枠組み条約発効 • 2007年 WHOが屋内の職場・公的施設の全 面禁煙を勧告(欧米諸国ですでに実施) タバコは最大の流行病(疫病) • 世界で500万人が死亡 →1000万人に(2020年) • 国内でも11万人が死亡 • 全世界で第2位の死亡原因(1位は低栄養) • 現在13億人の喫煙者の半数はタバコで死亡 • 毎年数十万人が受動喫煙によって死亡 (WHO、厚生労働省など) 世界禁煙デー2007 タバコの煙のない環境 − 屋内完全禁煙を Smoke-free Environments 青森県民の喫煙率(男性) 全国:39.3% 喫煙率 (県民栄養調査より) 青森県民の喫煙率(女性) 全国:11.3% 喫煙率 (県民栄養調査より) 妊婦の3割喫煙(むつ保健所) 35 % 31.2 30.8 30 妊 婦 の 喫 煙 率 26.5 25 受動喫煙 67.1% (2000) 23.5 20 15 1995 1998 1999 2000 年度 (2002年2月22日 東奥日報) 喫煙本数と出生体重 kg 3.1 3.10 男子 3.03 3.02 出 生 体 重 3.00 3.0 女子 2.99 2.97 2.97 2.95 2.91 2.91 2.9 2.8 0本 1-2本 3-5本 6-10本 11本以上 /日 妊婦の喫煙本数 平成12年乳幼児身体発育調査 調査方法 • 八戸市4中学アンケート調査(2005) – 八戸市立中学校4校/25校中 – 対象 1564名 回答 1497名(95.7%) – 教室内にて無記名記入、封筒法で回収 • 西北・弘前地域高校生調査(2004) – 県立高校1校・私立高校3校 – 対象 2124名 回答 1834名(86.3%) – 弘前大学医学部 平成16年度「社会と医学実習」報告書 調査方法 • 下北地域児童生徒喫煙状況調査(2005) – 小学校4年生〜高校3年生 – 対象 7429名 回答 7252名(97.6%) – 下北地方健康福祉こどもセンター保健部 • 厚生労働省全国調査(2004) – 同(1996, 2000) 中学生の喫煙経験率 15 喫 煙 経 験 率 ( % ) 13.4 9.8 10 7.2 5.9 10.7 9.9 10.5 8.9 8.6 6.7 6.6 4.7 5 男子 女子 合計 0 1年生 2年生 3年生 全学年 八戸市4中学調査 2005 中学生の1か月以内の喫煙率 3.0 2.4 月 喫 煙 率 ( % ) 2.1 2.0 1.4 1.2 1.2 0.8 1.0 0.9 男子 女子 合計 0.7 0.4 0.0 0.2 0.0 0.0 1年生 2年生 3年生 全学年 八戸市4中学調査 2005 高校生の喫煙経験率 46.6 50 40.3 喫 煙 経 験 率 ( % ) 40 32.6 30 26.8 25.9 26.5 23.9 20.6 20 31.1 20.7 19.8 14.2 男子 女子 合計 10 0 1年生 2年生 3年生 全学年 西北・弘前地域 高校生調査2004 中高生の喫煙経験率(男子) 1996 2000 2004 八戸2005 津軽2004 60 55.655.7 52.651.3 47.7 45.0 46.6 42.0 40 38.7 35.4 35.1 35.9 30.9 29.9 28.0 26.8 25.9 23.1 22.5 20 18.1 13.3 13.4 10.7 7.2 0 中1 中2 中3 高1 高2 高3 厚生労働省研究班 1996, 2000, 2004 , 八戸4中学調査2005, 津軽地域高校生調査2004 中高生の喫煙経験率(女子) 1996 2000 2004 八戸2005 津軽2004 60 40 38.5 36.7 33.634.2 32.6 30.6 29.2 20 20.420.5 16.716.0 14.8 10.4 4.7 6.6 27.0 24.6 22.723.5 20.5 16.6 19.8 14.2 8.9 0 中1 中2 中3 高1 高2 高3 厚生労働省研究班 1996, 2000, 2004 , 八戸4中学調査2005, 津軽地域高校生調査2004 下北の小4男子1割に喫煙経験 むつ保健所管内の小4〜高校生7,429名に調査を実施し 7,252名(96.2%)から回答(2005年2月) 全体の73.4%に喫煙する家族がいる 喫煙経験率 小学生 7.1% 中学生 11.1% 高校生 24.0% むつ保健所 2005 未成年の喫煙経験率 小学生 4-6年 下北 2005 八戸 2005 津軽 2004 7.1% 中学生 高校生 11.1% 24.0% 8.6% 26.5% 中学生の家族内の喫煙 80 65.4 家 族 内 の 喫 煙 ( % ) 60 51.4 40 22.4 20 9.3 2.9 6.2 祖母 兄 3.3 1.5 姉 その他 0 あり 父 母 祖父 喫煙する家族(複数回答可) 八戸市4中学調査 2005 喫煙家族と喫煙経験率 15 喫 煙 経 験 率 ( % ) 10.7 8.6 10 4.4 5 0 いる いない 全体 喫煙する家族 八戸市4中学調査 2005 母親の喫煙が及ぼす影響 男子 女子 25.0 22.2 喫 20.0 煙 経 験 15.0 率 ( % 10.0 ) 5.0 21.4 15.9 12.5 10.2 7.9 7.0 3.9 2.7 1.9 0.0 父のみ喫煙 母のみ喫煙 両親とも喫煙 両親喫煙なし 喫煙家族なし 八戸市4中学調査 2005 むつ保健所 2005 子どもは大人を見て育つ 親が喫煙者だと子どもは2倍も喫煙しやすく その半数はタバコによって早死にする 喫煙友人と喫煙経験率 40 喫 煙 経 験 率 ( % ) 37.0 30 20 10 6.4 8.6 いない 全体 0 いる 喫煙する友人 八戸市4中学調査 2005 喫煙友人と喫煙経験率 喫 煙 経 験 の 有 無 ( 人 ) 1200 1000 800 なし 600 400 200 あり 44.0% 4.4% 0 いる いない 喫煙する友人 西北・弘前地域 高校生調査2004 はじめてタバコを吸った年齢 不明 6% 中3 2% 入学前 11% 中2 12% 中1 11% 小1〜2 9% 4割が 小4まで 20% 小3〜4 7割が 小6まで 小6 20% 9% 小5 八戸市4中学調査 2005 初回喫煙年齢と家族内喫煙 中3 2 中2 0 11 4 中1 13 小6 1 22 小5 小3~4 4 8 4 17 8 小1~2 喫煙家族あり なし 12 入学前 0 13 0% 20% 40% 25/26 1 60% 80% 100% 八戸市4中学調査 2005 タバコを吸ったきっかけは? 好奇心 35.2 何となく 28.1 親から 13.3 友達先輩から 12.5 他の人から 7.8 兄姉から 3.9 かっこいい 3.9 ストレス 3.1 大人の仲間 2.3 その他 10.2 0 10 20 30 40 % 八戸市4中学調査 2005 タバコの入手経路 自販機 50.0 誰かから 35.7 自宅 21.4 コンビニ 14.3 タバコ屋 7.1 その他 7.1 0 10 20 30 40 50 60 % 八戸市4中学調査 2005 タバコを吸わない理由 体によくない 76.3 法律で禁止 54.2 値段が高い 3.3 親や先生に 2.7 その他 22.0 0 20 40 60 80 100 % 八戸市4中学調査 2005 二十歳で喫煙している? 絶対吸っている 1% 多分吸っている 7% どちらとも 14% 多分 吸わない 絶対 吸わない 52% 25% 八戸市4中学調査 2005 二十歳の喫煙と家族の喫煙 絶対吸う 20 多分吸う 2 82 どちらとも 21 158 多分吸わない 51 264 絶対吸わない 114 449 0% 20% 327 40% 喫煙家族あり 60% 80% 100% 喫煙家族なし 八戸市4中学調査 2005 二十歳の喫煙と防煙教育 絶対吸う 15 多分吸う 7 65 どちらとも 34 147 多分吸わない 61 277 絶対吸わない 98 594 0% 20% 40% 防煙教育あり 177 60% 80% 100% 防煙教育なし 八戸市4中学調査 2005 喫煙予防教育の効果は? % 20歳で喫煙している 喫煙経験率 12 10 10.8 9.0 6.9 8 8.6 8.4 7.3 6 4 2 0 あり なし 全体 あり 喫煙予防教育を受けた経験(あり 1098名 なし 全体 なし 379名) 八戸市4中学調査 2005 防煙教育の効果:タバコ病 100% 防煙教育あり 防煙教育なし 80% 60% 40% 20% 0% 肺 が ん 胃 が ん 喉 頭 が ん 胃 潰 瘍 喘 息 心 臓 病 脳 卒 中 胎 児 異 常 突乳 然幼 死児 歯 周 病 八戸市4中学調査 2005 朝ごはんを食べていますか? 週3〜6日 抜き 全然食べない 週1〜2日 抜き 3% 2% 8% 13% 毎日 少し 毎日 必ず 74% 八戸市4中学調査 2005 朝ごはんと喫煙経験率 20 喫 煙 経 験 率 ( % ) 17.7 10 8.6 7.2 0 週1日以上抜く 毎日食べる 朝ごはん 全体 八戸市4中学調査 2005 朝ごはんと母親の喫煙率 母親喫煙あり 毎日必ず 213 毎日少し 904 49 週1-2日抜き なし 138 38 75 週3-6日抜き 24 全然食べない 26 9 0% 20% 14 40% 60% 80% 100% まとめ • 八戸市の中学生の喫煙経験率は 8.6%、月 喫煙率は 0.9% と予想よりも低かった • 家族内に喫煙者がいる生徒は 65% • 喫煙経験者の2割は小2までに喫煙 • 母親の喫煙が、子ども(特に女子)の喫 煙開始に与える影響が大きかった • 朝食抜きと喫煙経験率、母の喫煙に関連 未成年の喫煙防止対策は大人から • 社会的規制 禁煙は愛 分煙は自殺幇助 – 「分煙」は不可(WHO 2007) – 学校、病院、飲食店、その他の施設の禁煙化 • 受動喫煙防止+喫煙率減少(家庭の喫煙↓) – タバコ税大幅増税、自販機撤去、メディア規制 • 防煙 – 喫煙防止教育:子どもだけでなく親にも(胎児期〜) • 禁煙(卒煙) – 禁煙治療(保険適用) →未成年に適用拡大を • ニコチン置換療法:ニコチネルTTS、ニコレット • 経口薬:バレニクリン(ファイザー) Walk Against Tobacco 2006 マーク・ギブンズさん夫妻 2006年6月19日 八戸市立青潮小学校5年生に禁煙授業 2030年には喫煙率ゼロに (オーストラリア) 40 喫 煙 率 ( % ) 30 40 32 20 íjê´ èóê´ 18.6 16.3 10 0 1983 2004 0 2030 2006年7月9日 宗谷岬到達! 禁煙お遍路3000km 6/17 八戸 今でも毎日300人が 亡くなっていることが カナシイ 4/13 佐多岬 無煙社会に向けて 10 の提言 1. 全ての学校、医療機関、官公庁を全面 禁煙に 2. 青森県でも路上喫煙禁止条例の制定を 3. 飲食店の健康増進法遵守を「常識」に 4. 全ての小学校で防煙教育を 5. 未成年の継続的な喫煙率調査を 青森県タバコ問題懇談会 2004 無煙社会に向けて 10 の提言 6. 喫煙率低減と「健康あおもり21」達成の ための有効な計画と評価を 7. 屋外タバコ自販機撤去へ世論の喚起を 8. タバコ農家との対話と転作への政策転換を 9. タバコと無煙のスポーツ・文化活動を 10. 白神・奥入瀬を禁煙のシンボルに 青森県タバコ問題懇談会 2004 タバコと無縁(無煙)の青森県へ … タバコ業界対策 • タバコ農家:県南 – 対話と理解 懇談会の開催 – 首長・国会議員 • タバコ小売業 – 自販機問題 – コンビニと専売店 • JTと財務省 脱タバコ 未成年の喫煙防止対策 防煙教育 タバコ税 大幅増税 小学校 中学校 1箱1000円 政治 子大 ど人 もが も変 変わ われ るば 無煙社会 家庭 地域 学校禁煙化 タバコに NO ! と言える社会 屋外タバコ 自販機撤去 深浦町 健康増進法 受動喫煙防止 タバコ広告禁止 メディア規制 利用 WHO タバコ規制枠組条約 (FCTC) 卒煙 治療 禁煙成功のための3つのポイント • 喫煙はストレス解消 → ストレス増大 – ニコチン依存症の禁断症状 – 禁煙するとストレスは減少する • つらく苦しい禁煙 → 苦しまない禁煙 – 意志の力とは関係ない – 医学的支援・治療が必要 • どうして吸っていたのか? – 意識転換が必要
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