7.地域保健・公衆衛生に関する法律(1) 地域保健法 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 精神保健福祉法 担当 柳川洋 地域保健法 趣旨と目的 趣旨 急激な人口の高齢化、疾病構造の変化に対応する ために ①地域保健対策の推進とその強化 ②国、地方自治体の責務の明確化 ③人材確保の支援 ④保健所、市町村保健センターに関する規定整備 1994年に従前の保健所法の改正 目的 地域保健対策の基本指針、保健所の設置などの基 本事項を定めることにより、地域における対策が有 効に進められる環境を確保し、地域住民の健康保 持、増進に寄与 保健所の設置 設置 都道府県 指定都市(地方自治法の政令による17市) 中核市(35市) 地域保健法施行令で定める市(政令市8市) 東京都特別区(23区) 2006年4月 535か所 都道府県396、政令市116、特別区23 職員 所長(3年以上の公衆衛生実務経験を有する医師) 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師、助産師、 看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、衛生検 査技師、管理栄養士、栄養士、歯科衛生士、統計技 術者など 保健所の事業(基本的な項目) 地域保健に関する思想の普及、向上 地域保健に係わる統計 栄養改善と食品衛生 環境衛生 医事、薬事 保健師 公共医療事業の向上、増進 母性、乳幼児、老人の保健 歯科保健 精神保健 長期療養を必要とする者の保健 伝染病予防: 具体的な内容は? 試験検査 その他 保健所の事業(必要なとき) 住民の健康保持に必要なもの 地域保健に関する情報収集、整理、活用 地域保健に関する調査研究 疾病の治療(歯科疾患、その他厚生労働大臣が指定す るもの) 試験・検査の施設利用 市町村相互の連絡調整、技術的助言、教育・研修 (都道府県保健所の任務) 他の法律による保健所(長)の業務 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 母子保健法 老人保健法 各種届出、申請の窓口 精神保健及び精神障害 者福祉に関する法律 経緯 精神衛生法として制定(1950) 精神保健法(1987): 人権擁護、適正医 療の確保、社会復帰の促進 精神保健及び精神障害者福祉に関す る法律(1995):自立と社会経済活動へ の参加促進ための福祉の充実 同名(追加改訂)(1999): 医療保護入 院、応急入院、緊急入院の移送 目的 精神障害者の医療、保護、自立・社会 経済活動への参加支援 発生予防 精神的健康の保持、増進 精神障害者の福祉の増進 国民の精神保健の向上 精神科病院 都道府県知事に設置義務 指定病院: 国立、都道府県 立以外の施設を上記に代わる ものとして指定することができ る(設置者の同意) 精神保健福祉センター 精神保健の向上、精神障害者の福祉の増進 (都道府県が設置) 役割: 知識の普及(精神保健、精神障害者の福祉) 調査研究 相談・指導(困難な事例) 公費負担の申請 保健福祉手帳の申請に対する審査 精神医療審議会の事務 精神保健指定医 指定 厚生労働大臣が申請に基づき指定(精神保健指定医) 指定の条件と指定後の研修 5年以上の診断・治療経験 3年以上の精神障害の診断・治療歴 精神障害について厚生労働大臣が定める程度の診断・治療歴 1年以内に省令で定めた研修を受けたもの 指定後5年ごとに省令で定める研修を受ける 職務 精神障害者に対して、入院の要否、入院継続の要否、行動制限 (隔離を含む)の要否などの判定、その他 遅滞なく診療録に記載 入院患者の処遇改善のための必要措置 指定医の配置 精神科病院に常勤の指定医をおく (任意入院のみの施設を除く) 精神障害者の入院(5つのパターン) 任意入院 入院させる場合、本人の同意に基づく入院に努める 自ら入院する場合、退院の請求に関することを知ら せ、自ら入院する旨を書面で受ける 申し出があれば退院させる(必要があれば72時間 継続) 措置入院 都道府県知事が自傷他害の恐れありと認めたとき 国・都道府県・指定の精神科病院に入院(2人以上 の指定医の一致した意見) 措置入院させる旨、退院の請求に関することを書面 で知らせる 精神障害者の入院(5つのパターン) 緊急措置入院 指定医の診察の結果、直ちに入院させないと自傷他 害のおそれが著しいと認めたとき、入院させる(72時 間以内) 緊急措置入院させる旨、退院の請求に関することを書 面で知らせる 医療保護入院 指定医の診察の結果、医療、保護のために入院が必 要で、任意入院が行われる状態でないとき、保護者の 同意があれば入院できる。 その場合、医療保護入院をさせる旨、退院の請求に 関することを書面で知らせる(必要な場合、4週間をか ぎり知らせなくてもよい) 精神障害者の入院(5つのパターン) 応急入院 急を要し、保護者の同意が得られないとき、 指定医の診察の結果、直ちに入院させない と、著しい支障があり、任意入院の状況にな いとき、72時間にかぎって入院させる 入院のための移送 指定医の診察の結果、直ちに入院さ せなければ医療、保護の上で著しい 支障があるが、任意入院が行われ る状態でないとき、保護者の同意が あれば、指定病院に移送することが できる。 この場合、移送を行う旨書面で知ら せなければならない 入院患者の処遇 必要な行動制限 医療、保護の上で欠くことのできない範囲(隔 離、身体拘束は指定医が必要と認める場合) 制限できない事項 信書授受、人権擁護に関する行政機関の職 員または弁護士との面会、電話の制限 精神医療審査会、地方精神保健福祉審議会 精神医療審査会(都道府県に設置) 措置入院、医療保護入院の患者について審査 入院の必要があるか 処遇が適当か 退院の請求があった場合、入院を継続する必要が あるか 地方精神保健福祉審議会(都道府県に設置) 知事の諮問に応えて、意見を具申 精神保健、精神障害者の福祉に関する事項 通院医療についての公費負担 精神障害者保健福祉手帳の交付 社会復帰施設 生活訓練施設 日常生活に適応できるための訓練と指導を行う施設 授産施設 自活できるための訓練を行い、職業を与える施設 福祉ホーム 居室その他の設備を利用させ、日常生活に必要な便宜 を供与する施設 福祉工場 雇用して、必要な指導を行う施設 地域生活支援センター 相談に応じ、必要な助言・指導を行うとともに、保健所、 福祉事務所、社会復帰施設等の連絡調整、総合的な援 助行う施設 居宅生活支援事業 居宅介護等事業 社会復帰の促進を図るために 居宅において、食事、身体清潔などの介護 等を供与 短期入所事業 上記の居宅介護が一時的に困難になった とき、生活訓練施設などに短期間入所させ、 介護等を行う 地域生活援助事業 共同生活を行う住居等で食事の提供、相談、 その他の日常生活上の援助を行う 社会適応訓練事業 目的 社会復帰及び社会経済活動の参加促進 内容 上記の目的に熱意を持つ者に委託して、 職業を与え、社会生活への適応に必要な 訓練を行う 社会復帰促進センター 目的 社会復帰をはかるための事業を行う 指定 民法上の公益法人を全国に1カ所指定 内容 社会復帰を促進するための啓発活動・広 報活動、訓練・指導に関する研究開発、成 果の提供、事業従事者の研修 精神保健福祉相談員 任務 精神保健及び精神障害者の福祉に関して精神障 害者、家族の相談に応じ、指導し、適切な医療施 設を紹介 所属と業務 精神保健福祉センター、保健所などに所属し、精 神障害者、家族等を訪問指導する職員で、都道 府県知事等が任命 精神保健福祉士法 • 定義 – 精神保健福祉士 精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知 識及び技術を持って、社会復帰に関する相談、 助言、指導、訓練、その他の援助を行う • 資格 – 厚生労働大臣の行う試験に合格
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