PowerPoint プレゼンテーション

情報通信工学Ⅱ(H20年度)
5
ディジタル通信方式
ア
ナ
ロ
グ
信
号
デ
ィ
ジ
タ
ル
信
号
符
号
化
器
AD変換
デ
ィ
ジ
タ
ル
信
号
多
重
化
装
置
高速パルス列
ディジタル伝送回線
多
重
化
分
離
装
置
デ
ィ
ジ
タ
ル
信
号
復
号
化
器
DA変換
ア
ナ
ロ
グ
信
号
デ
ィ
ジ
タ
ル
信
号
信号処理系がアナログよりも複雑 → 電子管時代では → 半導体素子・集積回路(IC,LSI)の出現
(真空管)実現不可能
↓
実用化
多くの付加価値・サービス提供
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
6
再生中継
中継器ごとに受信した伝送符号を再生し,雑音などを取り除いた後再び次の中継器へと送信
• ベースバンド伝送方式 ・・・ 低域遮断のためDC成分を含む単極・両極パルス伝送不
可
符
号
化
器
識別受信器
T
R
伝送線路
T
R
T
交流結合
送信器
復
号
化
器
受信器
R
(低域遮断特性)
再生中継器
①
⑤→⑥
符号パルス再生成
入力信号
前の中継器より
振幅増幅
雑音除去
等化増幅器
識別回路
EQA
DEC
②
→③
タイミング回路
TIM
④
パルスタイミング検出
t
t
L.P.F.
帯域制限(LPF)により線形歪み・雑音除去
出力信号
次の中継器へ
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
7
• 搬送波伝送方式・・・ 低域遮断が無いので両極パルス伝送可能
変調器
M
復調器
伝送線路
T
D
復調器
R
送信器
M
T
D
受信器
R
受信器
再生中継器
• 雑音 →
量子化雑音
符号誤り雑音
• 符号誤り率 Pe 
プリントNo.13~14
誤り符号数 
観測符号総数
※ 2進符号の誤り率を特にビット誤り率
(Bit Error Rate:BER)と呼ぶ。
• N個の中継器での符号誤り率はそれぞれの中継器での符号誤り率Peiとして,
N
Pe   Pei
n 1
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
8
パルス符号変調(PCM:pulse code modulation)方式
• 信号f(t)の値を離散化(サンプリング)し,符号化する方式
米国ベル研究所(現在のAT&T及びLucent Technology)で開発された24回線PCM方式を
実用化したものが現在の固定電話通信方式の基盤になっている。
5 6 7 6 5 4 3 2 1 2 3
ディジタル信号
t
t
アナログ信号
符号化器
t
復号化器
アナログ信号
伝送線路
時分割多重方式 ・・・ パルス通信では信号の標本値(サンプリング値)のみが伝送するので,
パルスとパルスの間に使用していない時間が存在する。ここに別のパルスを置き,他の信号
の標本値を同時に伝送できる。
↓
信号の全ての情報を確実に送るための条件
↓
忠実
標本化(サンプリング)定理
送信信号に含まれる最高周波数成分の周波数を fa(Hz)とすると,サン
プリングは, 2fa(Hz)以上の周波数,すなわち, Ta=1/2fa(sec)以下の間
隔(周期)でサンプリングを行わなければならない。(例: 電話では信号
周波数は0.3~3.4kHzである。実際のPCM方式ではサンプリング周期を
8kHzとしている。)
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
9
「参考」
標本化定理の証明
s(t ) 
標本化パルス列

  t  nT 
(1)
n  
 (x) ・・・ x=0の時のみ値を持つ関数(時間積分すると1)
g(t)
入力信号
標本化パルス列と入力信号の積
→ 出力信号 p(t)=g(t)*s(t)= g (t )
(2)


 t  nT    g (nT ) t  nT 
n  
n  
周波数成分を計算するためにs(t)をフーリエ級数展開すると,
1  jnw 0t
e
s(t)=

T n
=2p f =2p/T
ただし,w 0
0
(4)
0
ここで,g(t)を単一周波数正弦振動信号として,次式のように置くと,

A j (w at  a )
g (t )  A cos( w a t   a )  e
 e  j (w at  a )
2

(5)
(3)
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
10
A
p(t )  s(t )  g (t ) 
2T

e
j{( nw 0 w a ) t  a }
n  
A

2T

e
j{( nw 0 w a ) t  a }
(6)
n  
となる。これは,w0を中心としてw0 ±waを最低,最大周波数とする線スペクトルを生じる。
次に,様々な周波数の波を含んだ(連続スペクトル)信号をg(t)として選べば,そのスペクトル分布は
やはり, w0を中心としてw0 ±waを最低,最大周波数とするスペクトル分布となる。
スペクトル
-wa
0
wa
w0wa
f
w0
2w0wa 2w0
w0wa
もし,w 0>2waならば,上記のようにここのスペクトルは重なりもなく,B.P.F.を用いればその一つを完
全な形で取り出すことができる(実線) 。(分離している部分をガードバンドとよぶ)
しかし, w 0<2waの場合にはスペクトルが重なり分離不可能となる。従って,完全な形で一つのスペ
クトル郡を取り出すことはできない(破線) 。
ここで,w 0およびwaは,それぞれ,標準化(サンプリング)パルス列,入力信号の最高周波数である
ので,サンプリング周波数は,入力信号周波数の2倍よりも大きくなければ,元の信号波形を完全に
は再生できない。
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
11
• 標本化
アナログ信号からある一定時間ごとにその振幅値を読み出す。
標本化定理の制約・・・最高周波数の2倍以上の速度
• 量子化
アナログ値を小数点以下を切り捨てて有限個のレベルに
割り当てる。 → 符号化誤差(量子化誤差+過負荷誤差)
• 符号化
量子化したレベルを
符号に割り当てる。
F=2f
0 → 000
1 → 001
2 → 010
3 → 011
4 → 100
5 → 101
6 → 110
7 → 111
DT=1/F
過負荷誤差→
7
6
5
4
3
2
1
0
←量子化誤差
T1 T2 T3 ・・・・
DT ←標本化による制約
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
12
4kHzの2倍
人間の声の帯域・・・0.3~3.4kHz
0.1~8kHzの内,
人の声を十分判別できる周波数範囲
8KHzでサンプリング(標本化)
1秒間に8000回の振動・・・1秒間に
8000個のデータを送信可能
標本化定理の制約
f  8kHz, T  1/ f  0.125103 secに一つのデータをのせ られる。
電話の音声情報・・・7ビット(7桁の“0”or “1”)で十分伝わる。
+電話のダイヤル情報1ビット=8ビット
8kHzのサンプリングをし,一つのデータが8ビットからなるという事は,
その伝送速度(ビットレート)は???
8[bit]  8000[ Hz]  64000  64K bps[bit per sec]
固定電話の1回線あたりのデータ伝送速度
2回線使えば128Kbps ・・・ ISDN
今でも,この64K伝送回路を利用しているが1ビットが持つ
情報量を増やす(データ圧縮)技術の向上により,より高速
通信が可能となっている。
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
13
PCM (pulse code modulation)の符号化雑音
アナログ信号の符号化 → 量子化による量子化雑音と信号のレベル超過による過負荷雑音
• 量子化雑音 ・・・ 連続値である標本値をレベル値(整数)にする際に小数部を切り捨てる
• 過負荷雑音 ・・・ 設定最高レベル以上の信号は最高値に設定される
(符号化雑音)
6
デジタル符号
符号化器
アナログ信号:
f(t)
5
・・・-2,-1,0,1,2,3,・・・
量子化
4
直線量子化
非直線量子化
3
2
1
t
例えば,音声信号などでは,統計的に小さい振幅の発生確率が高い
・・・ 振幅の小さな部分を細かく量子化する(非直線量子化)
量子化雑音の低減が可能
非直線符号・復号化器 →
圧縮器 ・・・ 振幅の小さな信号を強調[符号化器]
伸張器 ・・・ 振幅の小さな信号を抑制[復号化器]
※圧伸器(圧縮器・伸張器)は非直線回路 ・・・ 総合特性は直線 → 非直線歪みを生じることはない。
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
14
圧伸器の非直線量子化関数
 法則 (国際標準値 = 255)
y
A 法則(国際標準値A = 87.6)
ln1   x 
1  ln Ax
; 0  x 1
 1  ln A ; 1 / A  x  1
ln1   
y
Ax

; 0  x  1/ A
 1  ln A
種々な符号化方式
PCM符号化方式 ・・・ 各標本値をそれぞれ独立に符号化する。
分割が細かい
高効率符号化方式 ・・・ 標本値にはおおむね相関があり隣り合う標本値は良く似た
値を取っている。
↓
・ 差分PCM(DPCM) ・・・ 予測器を用いた予測符号化
・ デルタ変調方式(DM) ・・・ DPCMを簡単にしたもの
・ 適応差分PCM(ADPCM)方式
・ 適応デルタ変調(ADM)方式
上記の方式で,それぞれ,過去の量子化回路の
出力振幅に応じて量子化ステップを変化させる
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
15
TF・・・フレーム周期
TH ・・・高速パルス周期
TL ・・・低速パルス周期
時分割多重化(多重化フレーム)
多数の低速ディジタル信号 → 1つの高速パルス列
A2
A1
A3
第1ビット 第2ビット 第3ビット
第mビット
TF
・・・・・・
低速ディジタル信号 (ch.1)
・・・
t
TL
A1A2A3
ch.1
ch.2
B1 B2 B3
・・・
・・・
第1ビット
A1 B1
フレームパルス
・・・・・・
第2ビット
Cn1 A2 B2
Cn2
TH
第mビット
第nビット
ワード多重
・・・
t
フレームパルス
第mビット
・・・・・・
A2
高速ディジタル信号(1フレーム)
監視情報
+スタッフ情報+多重化情報・・・
第1ビット 第2ビット 第3ビット
A1
TF=(mn+r)TH
TF=mTL
A3
第1ビット 第2ビット 第3ビット
ビット多重
t
ch.1
t
ch.2
t
ch.n
第mビット
・・・・・・
B2
B3
第1ビット 第2ビット 第3ビット
・・・
B1
低速ディジタル信号
第mビット
・・・・・・
Cn1
Cn2
Cn3
※ フレームパルス ・・・ 高速ディジタル信号を元の低速ディジタル信号に多重分離する際の同期に必要
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
16
多重化回路
・ 時間圧縮 ・・・ 低速ディジタル信号をバッファへ書き込む → 高速側のクロックに同期
・ フレーム形成,時間位置指定 ・・・ 高速信号のフレームに各低速チャネルのパルス及び
フレームパルスを時間的に規則正しく配置
・ フレームパルスの生成
フレーム内の各要素の時間位置を指定するパルス; CP.1,CP.2,・・・,CP.n : フレーム位置を指定するパルス; FAP
低速ディジタルパルス信号ch.1,ch.2,・・・,ch.nに対応するバッファメモリ; BM.1,BM.2,・・・,BM.n
低速ディジタル信号 バッファ
ch.1
BM.1
高速ディジタル信号
CP.1
ch.2
BM.2
CP.2
・
・
・
BM.n
ch.n
フレームパルス
発生回路
多重化回路の例
CP.n
F
FAP
CP.1 CP.2
S
・・・
CP.n
FAP
フレームカウンタ
フレームパルスの時間位置情報
タイミングパルス
(フレーム内のどこにどの要素を置くのかを指定)
高速側クロック
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
17
多重分離回路
• フレームカウンタは受信高速ディジタル信号のフレームと同じだが,時間位置は必ずしも一致していない。
• フレーム同期(時間位置を合わせる) ・・・ GF,F,比較回路,判定回路
高速ディジタル信号
G1
Ch.1のパルスが入ってきた
際にゲートを開く
低速ディジタル信号
バッファ
BM.1
ch.1
CP.1
G2
CP.2
Gn
タイミングパルス(低速)
BM.2
ch.2
タイミングパルス(低速)
・
・
・
BM.n
ch.n
タイミングパルス(低速)
CP.n
GF
比較
回路
F
多重化回路でどこにどのパルスを
置いたのかの検出し発生
・・・フレームパルスより
CP.1 CP.2
・・・
CP.n
FAP
フレームパルス発生回路
フレームカウンタ
判定
タイミングパルス(高速)
シフトパルス
回路
不一致
パルス
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
18
フレーム同期
受信高速ディジタル信号と受信フレームパルスの照合
Yes
フレーム
一致
No
ハンティング
多重分離が不可
多重分離へ
0
F
F
F
F
0
1
1
1
1
1
1
フレーム位置を1ビットシフト
ハンティング
フレーム不一致
前方保護
単なる符号誤りに
よるハンティングを
防止
ビットシフト
の繰り返し
ハンティング
フレーム一致
後方保護
真の同期状態の
確立を確認
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
スタッフ同期
8S/Flame
多重化プロセスの低速側と高速側の符号周期の同期がとれていない場合
↓
低速パルス列の周期が
非同期系
下記の条件を満足しない。 そろっていない場合
6S/Flame
TF  m n r TH ,
TF  m TL
スタッフパルス
(3.18)
TH : 高速ディジタル信号の 周期, TL : 低速ディジタル信号の 周期, TF :フレーム周期
m : チャネル中のビット数
, n:チャネル数
非同期ディジタル信号のクロック周波数:f1,低速ディジタル信号のクロック周波数:f2
f1<f2
∵ f2 = 1 / TL
の時,スタッフ同期が可能である。
スタッフ同期による伝送
非同期ディジタル信号にスタッフパルス(無駄パルス)を追加して同期パルスを作り出す。
スタッフパルスの挿入位置を示す情報(スタッフ情報)は,高速パルス列の一部を用いて伝
送する。受信側ではスタッフ情報を元にスタッフパルスを取り除き,PLL(Phase Locked
Loop)を使って時間的平滑化を行うことで,送信信号を得ることができる。
19
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
20
● 2dBの真値
10
1
2  53
 3  10 log10 10  10 log10 2
21
2

 

 10 log10 10 2  10 log10 2  10 log10 10  log10 2
 10 

 10 log10 

2


10

2
● 16倍のdB表示
10 log10 16  10 log10 2 4  4  10 log10 2  4  3  12
12dB
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
21
符号形式
単極性
RZ(return-to-zero)
情報符号列を波形に直す方式
NRZ(non return-to-zero)
両極性
RZ(return-to-zero)
※他にPR方式などがある。
NRZ(non return-to-zero)
AMI(バイポーラ) ・・・ 直流抑制方式(低域遮断の影響無し)
占有率
(Duty Factor)
T1
TS
•
•
•
•
•
単極性
両極性
RZ
NRZ
AMI
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
T11
単極性RZ
タイム
スロット 単極性NRZ
両極性RZ
両極性NRZ
Ts
0符号に0レベルを1符号に正(+)レベルを用いる。
0符号に負(-)レベルを1符号に正(+)レベルを用いる。
符号ごとにレベルが0に戻る。(正・負値の占める割合を占有率と呼ぶ)
符号ごとにレベルが0へ戻ることがない。
0符号に0レベルを1符号出現ごとに正・負レベルを交互に与える。
0
1
1
0
0
1
0
0
1
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
22
1
0
1
1
0
0
1
0
0
1
AMI
マンチェスタ
基線変動の影響
低周波遮断が存在する伝送系の例として,図3.31に示すように,受信者側にコンデンサが挿
入されている場合を考える。
オールマークの場合,電位の正負反転の起こらない直流ではコンデンサへの電荷の蓄積と放
電の繰り返しにより,受信者側で観測される電位は正負のある交流に変換され,振幅も半減す
る。また,連続ノーマークの状態から,パルス列が入ってきた場合には,ゼロレベルはゼロレベ
ルのままであるが,パルス入射部は,コンデンサの蓄電・放電の関係で正負の交流値へと変化
していき,パルスの振幅が時間とともに低下する。
その結果として,直流部分のある符号により低域遮断の存在する伝送系で通信を行おうとする
と,著しく効率が低下するとともに,ひどい場合には受信者側での信号検出が不可能となる。
電力伝送用ケーブルに信号をのせて伝送するベースバンドディジタル伝送では,中継器で直流電力
と信号を分離する必要があり,低周波遮断の無い符号化が望ましい。 ・・・ AMI符号など
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
23
再生中継回線の構成
1) 光ファイバ通信(光の周波数THzオーダ)
光パルス列
ベースバンドパルス列
光ファイバ
入
力
光源
検波器
ベースバンドパルス列
増幅器
LPF
タイミングパルス
レーザダイオードや半導体レーザなどの光源に対するバイアス電流などを制御して
ベースバンドパルスを光パルスに変換する。
光パルス列 → 単極性パルス列
パルス振幅最大の位置を識別点 → しきい値一つ(しきい値以上:1,しきい値以下:0)
3m~10m
125m
保護層
心線(石英系・
プラスティック)
ジャケット(ビニル皮膜)
シングルモード伝送光ファイバの概略図
等化器
識別器
識別
出力
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
24
通信衛星(トランス
ポンダ)
2) 無線・衛星通信
ベースバンドパルス列
入力
変調器
ベースバンド
パルス列
送信機
中継器
受信機
復調器
搬送波パルス列
LPF
タイミングパルス
識別器
識別
出力
ベースバンドパルス列 → 変調器 → 搬送波パルス列
無線系の装置(帯域フィルタ・分波器・アンテナなど)
等化器
両極性パルス列
搬送波パルス列 → 復調器 → ベースバンドパルス
パルス振幅最大の位置を識別点 → しきい値一つ(0レベル) → 識別値が正:1
識別値が負:0
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
25
3) 有線(ケーブル)通信
伝送線路
入力
送信機
増幅器
ベースバンドパルス列
LPF
等化器
識別器
タイミングパルス
低周波遮断に対する対策
AMI符号
しきい値を正負レベルで二つ設ける → 識別値の絶対値がしきい値の絶対値以上:1
識別値の絶対値がしきい値の絶対値以下:0
小振幅雑音の除去が可能
識別
出力
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
26
通信品質の劣化要因
・ 符号間干渉
・ 雑
振幅軸上の妨害
音
・ 他システムからの干渉
時間軸上の妨害
振幅軸上の妨害
1
識別点での値に妨害が加わったとしても,妨害の影響がしきい値をまたが
なければ符号誤りは無い。つまり,多少の妨害でも符号誤りを引き起こさな
い妨害の大きさが存在する ・・・ 識別余裕度
0
パルス振幅の妨害のみならずしきい値の変化にも影響を受ける。
時間軸上の妨害
識別点はパルス振幅のピーク位置に取っているが,この識別点の位置が
移動すればパルス振幅が低下する
1
識別余裕度は低下する
0
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
振幅軸上の妨害について
27
符号間干渉
ある識別点に孤立パルスが存在するとすると,このパルスは隣接する識別点を含むタイムスロットで
も若干の振幅を持つ。この様にパルスが存在しないはずのタイムスロットでも振幅が存在し,そのタイ
ムスロット内での識別に影響を及ぼすことを符号間干渉と呼ぶ。
符号のパルス列化
符号間干渉
識別余裕度の低下(識別点でのピーク値
の変化:パターン効果)
アイパターン => 全ての符号パターンを重ね書き -- 符号間干渉を考慮した時の識別余裕度
・ アイ開口値 ・・・ アイの高さ
孤立パルス振幅
・ アイ開口率 ・・・ アイ開口値を基準化(規格化)
時間軸上の妨害について
タイミング回路
(RZパルス列)
受信パ
ルス列
受信パルス周期の正弦波
単同調フィル
タ (タイミン
グタンク)
振幅制
限器
連続送信時の受信レベル
位相を整える
位相器
を基準とする。
パルス化
パルス
発生器
ある程度の頻度で符号1が送られる必要性(タイミング情報は符号1:タイミング不良の解消)
CMI ・・・ 0に01,1に00または11を交互に対応させる(符号速度が遅くなる:低・中速方式用)
mB1C ・・・ mビットごとに1個の冗長信号を挿入(mビット目の信号の逆信号)
(符号誤り監視を行える:高速方式)
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
28
【0の多い符号】
“1”の数3個
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0
【CMI】・・・
“0”に“01”,1に“00”または“11”を交互に対応。(“1”は17個)
01 01 01
【4B1C】
01 01 01 01 01
2
3
01 01 01 01
・・・ m個の符号ごとにmビット目の補符号を挿入する。(“1”は6個)
0 0 0
1
01 01 01
0 0 0
4
1
2
3
0 1 0
4
1
2
3
0 1 0
4
1
2
3
0 0
4
1
2
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
30
タイミング回路
(NRZパルス列)
NRZパルス列ではタイミング情報が含まれていないので,信号を微分・2乗することでタイミング情報
の抽出をはかる。
識別時点の変動
タイミング位相推移: ・・・ タイミングパルスの時間位置が最適位置からずれている
場合のずれ量を角度に換算した値
= 固定的位相推移 + タイミングジッタ
識別余裕度の低下,符号誤りの増加
DT
  2p
T
T
タイミング回路の設計誤差
温度変化
経年変化
: パルス列の符号周期
DT : 識別時点の最適位置からのずれ
タイミング位相のランダムな変動
ランダム雑音及びパターン効果
タイミング不良に対する対策と同じ方法
で回避できる
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
31
搬送波ディジタル伝送
・ ディジタル振幅変調(ASK) ・・・ 1符号の区間のみ搬送波信号の振幅を変化させる。
・ ディジタル位相変調(PSK)
・・・ 1符号と0符号で搬送波信号の位相を逆転させる。(2相)
2相PSK → 位相反転(位相をπずつずらす)
4相PSK → 位相反転(位相をπ/2ずつずらす)
8相PSK → 位相反転(位相をπ/4ずつずらす)
・ ディジタル直交振幅変調(QAM) ・・・ 直交する2つの信号にそれぞれm個の信号を割り当て
その組み合わせでディジタル信号を伝送する。(直交した信号は分離可能)


n  
n  
f (t )  A  an g t  nT  cosw 0t  A  bn g t  nT sin w 0t
・ ディジタル周波数変調(FSK) ・・・ 1符号と0符号で搬送波の周波数を変化させる。
拘束のないN値変調の1符号当たりの情報量:I, fI :情報伝達速度
I  log2 N [bit],
f I  Ifr [b / s]
ただし,符号速度: fr
AMI符号のようにマーク極性を強制的に
反転したりしていない符号の変調
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
32
2
変調信号が取り得る全ての値を複素平面上に
表示したもの ←教科書p.88
2
01
10
0
1
1
0
00
4QAM
4
11
2値ASK
2相PSK
4相PSK
信号空間のダイアグラム
-3,3 -1,3cos1,3 3,3
-3,1 -1,1 1,1 3,1
4
sin
4QAM  4相PSK,2値ASK  2相PSK ・・・ 等価
変調方式の比較
-3,-1 -1,-1 1,-1 3,-1
-3,-3 -1,-3 1,-3 3,-3
16QAM
信号点間距離 ・・・ 信号ダイアグラムの信号点間の最短距離:d (信号復調・識別の余裕度を示す)
[妨害ベクトルの振幅がd/2以下であれば符号誤りを生じない]
信号のピーク振幅 ・・・ 最大振幅値:Ap(原点からもっとも離れた信号点までの距離)
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
各変調方式の1符号当たりの情報量:I ・・・ 周波数帯域利用率の指数[全て同じ符号周期と波形]
各変調方式の電力利用率の指数: q
q  I /(Pp / d 2 ),
Pp  Ap2 / 2
33
Pp :信号のピーク電力
θ=π/8
d
d
d
Ap= d / 2
Ap=d/2
Ap=d/2sin(π/16)
2相PSK
4相PSK
16相PSK
log24=2
log216=4
周波数利用率: I
log22=1
電力利用率:q
8
8
周波数利用率を高める
1.22
電力利用効率が急速に低下
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
d, Apの定義→ Apをdで表す。
34
↓
情報量Iを求める。
16相PSK(詳細)
↓
θ=π/8
qに関する式へ代入し計算する。
π/16
π/8
d
d/2
d
d/2
Ap=d/2sin(π/16)
Ap=d/2sin(π/16)
∴ Pp = Ap2 / 2 = [d2 / {22sin2(π/16)}]/2]
16相PSK
= d2 / 23sin2(π/16)
I = log216 = 4
q = I / (Pp/d2) = 24 sin2(π/16))
その他の場合
= 32sin2(π/16)≒1.218
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
35
4
cos
01
10
4
00
sin
11
4相PSK
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
36
符号誤り率の測定
近端測定 ・・・ 送信側と受信側が同じ場所にある(実験室レベルでの測定)
遠端測定 ・・・ 送信側と受信側が同じ場所にない(実際の通信方式での測定)
近端測定
送信信号と受信信号を直接比較し,符号の不一致符号数をカウントする。
遠端測定
送信側と受信側で同じパルスパターン(確定パターン,ランダムパターン)を発生する装置
を用い,タイミングパルスを用いて時間位置を一致(同期)させながら不一致符号数をカウ
ントする。
確定パターンを用いて全てのパターンで符号誤
り率を測定すると,パターンにより結果が異なる
符号誤り率の平均的な値を求める
疑似ランダムパターン
非常に周期の長い周期
性パターン
M系列
パターン効果
ランダムパターン
・ 完全なランダムパターンの生成には手間ががかる
・ 同じパルスパターン発生装置が2つ必要なので遠端
測定には不向き
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
37
パリティ検査(チェック)
ビット誤り率のもともと低い通信系では簡単なパリティチェックでビット誤りを検出可能
PCのメモリなどには,この機能が搭載されているものもある
0
1
1フレーム中の情報ビットにおける1符号の数が偶数か奇数かで検査ビットを0,または1とする。
受信側で1フレーム中の1符号の数を数えパリティビットの値と照合する。
F
F
F
F
0
1
1
1
パリティの一致 ・・・ “誤りビットが無い”または“偶数個の誤りビットを含む”事を意味する
パリティの不一致 ・・・ “奇数個の誤りビットを含む”事を意味する
ビット誤り率: p
; 1フレームの情報ビット数nでNフレームを観測し平均M個の
パリティ不一致があった場合
p
AMI符号
M
(n  1) N
では極性の反転を観測することで符号の誤りを検出することができる。
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
38
ベースバンドディジタル伝送方式での符号誤り率
1.両極性パルス列伝送(しきい値Ad=0)
t
BN:LPFの等価雑音帯域幅
両極性NRZパルス列
2進情報データ
0 ・・・パルス振幅:-As
1 ・・・パルス振幅: As
出
力
DEC
LPF
雑音電力:σ2
=ηBN
ガウス雑音:
電力密度 η
TIMP
BNについてはプリントno.37
ビット誤り率 ・・・ 2進符号での平均符号誤り確率
Pe  p0 P(1 | 0)  p1P(0 | 1)
(6.2)
2進情報データで0が生じる確率 : p0,
1が生じる確率
: p1
負の振幅を1と判定(誤り)する確率: P(1|0), 正の振幅を0と判定する確率 : P(0|1)
符号1
As
p(x) ・・・ 振幅がxの雑音が発生する確率関数は,
2
2
1
p ( x) 
e  x /(2 )
 2p
0,Ad
(4.31)
-As
符号0
1
0
1
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
1
 x 2 /( 2  2 )
p ( x) 
e
 2p
なので,誤り確率P(1|0)は,振幅As以上の
雑音が加わった場合より
39
(4.31)
同様に,誤り確率P(0|1)は,振幅-As以下
の雑音が加わった場合より

P(0 | 1)  
P(1 | 0)   p( x)dx,
 As

As
p( x)dx
p(x)は偶関数で,P(1|0)とP(0|1)は等しいから,式(6.2)より

Pe   p0  p1 P(1 | 0)   p0  p1 P(0 | 1)   p( x)dx
As
であり,式(4.31)のp(x)を代入すれば次式のようになる。
Q( z ) 
1
2p


z
雑音vs信号の電圧比
e u / 2 du,  Pe  Q(  s )
2
ただし,信号電力はAs2,雑音電力はσ2なので,SN比:ρsは
s  As2 / 2
t
2.単極性パルス列伝送(しきい値:Ad)
両極性の場合と同様に(0符号と1符号の判断がしきい値Adで行われる事を除く)して,
符号1
Pe  p1Q As  Ad  /  p0Q Ad / 
As
Ad
となる。しきい値をAd=As/2とすれば,特に次式となる。
Pe  Q( As / 2)
0
符号0
0
1
0
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
40
3. 3値パルス列伝送(しきい値:-Ad,Ad)
2
1
符号2
2
等価雑音帯域BN:
(BPFのパス周波数領域f1~f2)
雑音振幅A(f)
0
As
f2
BN   A2 ( f ) df
しきい値
Ad
符号1
f1
0
-Ad
しきい値
符号0
-As
符号0,1,2の出現確率:p0,p1,p2
Pe  p0 P(1,2 | 0)  p1P(0,2 | 1)  p2 P(0,1 | 2)
振幅がAd以上の信号(符号2)を
符号0,1と誤る確率:P(0,1|2)
P(1,2 | 0)  P(0,1 | 2)  
振幅が-Ad以下の信号(符号0)を
符号1,2と誤る確率:P(1,2|0)

As  Ad
p( x)dx 
1 
 As  Ad 
u 2 / 2
e
du

Q


As  Ad


2p 


振幅が-Ad~Ad(符号1)の信号を符号0,2と誤る確率:P(0,2|1)

P(0,2 | 1)  2 p( x)dx 
Ad
∴
符号誤り率
2  u 2 / 2
 Ad 
e
du

2
Q
 
Ad

2p 
 
 As  Ad 
 Ad 
Pe   p0  p2 Q
  2 p1Q 
  
 
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
41
関数Q(z)は,通信工学等で良く用いられる誤差関数erf(z),誤差補関数erfc(z)を用いて
次のようにもかける。
 
但し,
erfc ( z )  2Q z 2
erfc ( z )  1  erf ( z )
2 z  x2
2   x2
erf ( z ) 
e dx, erfc( z )  1  erf ( z ) 
e dx


0
z
p
p
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
42
搬送波ディジタル伝送方式における符号誤り率
2相PSK・絶対同期検波の場合
A cosw0 t
A cos2 w0 t
BPF
LPF
等価雑音帯域幅W
A
B
雑音電力
NR=ηW
~
ガウス雑音
電力密度η
振幅
Aangcosω0t 振幅
A cos 2 w0t 
信号振幅A
an2
T
 1,
g2
LPFで高調波
A
1  cos 2w0t   A 成分除去
2
2
信号振幅A/2
2
2
n
Aa g
1
A2 an2 g 2 cos2 (w0t )dt 

T 0
T
MAX
タイミングパルス
基準搬送波
cosω0t
[点Bでの信号]
[点Aでの信号]
P
識別器
DEC
MAX
2
T

0
cos2 (w0t )dt
1
1 T 2
A2
2
∴ P  T 0 A cos (w 0t )dt  T
信号電力A2/2
T

0
1
A2
1  cos(2w0t )dt 
2
2
2p
w 0  2pf 
T
雑音電力NB=NR/4
p.115より
雑音振幅ANとして,ベースバンド雑音電力NBと
搬送波(高周波;RF)信号雑音NRは
AN2
W N R
 AN 
NB  


 
2
4
4
4


2
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
43
信号対雑音比(点Bでの電力比)
A 

 2
ビット誤り率
2
s
NB
A2
A2
A2



4 N B N R W
 
Peb  Q  S
 A
 Q
 W




搬送波方式でのCN比を用いたビット誤り率
点Aでの,無変調波電力:Cと雑音電力NRの比
A2
C
2
N R  N  W
A2
C/N 
2W
∴
 
Peb  Q 2
※ SN比 ・・・ Signal(信号) to Noise(雑音) Ratio(比)
※ CN比 ・・・ Carrier(搬送波) to Noise(雑音) Ratio(比)
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
44
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
45
情報通信工学Ⅱ(H20年度)
46
光通信における雑音の影響
光電効果による
ショット雑音
光電力
PD
AMP
RL
PD
AMP
熱雑音
RL
・・・ フォトダイオード
・・・ 増幅器
・・・ 負荷抵抗
熱雑音(incl.ショット雑音)
信号+雑音
代表的な光直接検波回路の構成
※ 理想的には光が入射していない場合には電流は流れないが,背景光
や熱擾乱によってわずかに電流が流れている場合がある(暗電流)。
[電流が流れれば当然ショット雑音も発生する]