薬 事 法 ~基本知識について~

第2回 東京医科歯科大学
歯科器材・薬品開発センター シンポジウム
承認・認証制度への対応の現状
~歯科材料の分野から~
日本歯科材料工業協同組合
㈱ジーシー 中里良次
〈前回(第1回)〉
承認・認証制度における課題と意見(まとめ)
<課題>
・ 製品の開発・生産・提供に関わる労力・費用の増加
・ 薬事申請の労力・費用(直接費・間接費)の増加
・ 製品の維持に関する労力・費用の増加
→ 製品価格の上昇
→ 新製品上市の遅延
新製品の海外流出
→ 市場規模の小さい製品の整理
<意見>
・ 企業努力による対応 +
現状(旧法)とのギャップを埋める施策
〈 「薬」と「機器」の運用差
〉
・ 承認(認証)基準作成、運用上の軽減措置
・製造所の追加 → 医薬品=記載整備 ,機器=一変
・ 新製品開発への援助・負担軽減
・添付文書の製造所記載 → 医薬品=不要,機器=必須(通知)
→ 希少疾病用医療機器のような支援・援助
→ 企業・大学等の共同開発(役割分担)
・ 従来製品への規制の弾力的運用
→ 過去の実績に基づく安全性レベルによる規制の適用
→ (評価に基づく)少量生産製品の保護
薬事法の目的
「・・・・医療機器の品質,有効性及び安全性の
確保のために・・・・」
〈企業活動〉
① 「安全性」と「有効性」を基本設計において担保
する。
② その設計の品質を常に一定して生産(供給)
する。
1.「品質」の確保
(企業活動 = 薬事規制)
1) “設計通り” に常に安定して製造されるよう,
品質(製造)管理を行う
GMP
・ 「検査」による品質維持
(検査に依存した品質管理)
QMS
< ・ 「プロセス管理」による
不良の予防
(製造工程ハード&ソフトウェアー
の一貫管理)
1.「品質」 の確保
(企業活動 > 薬事規制)
2) “確実”かつ“効率的”な品質の確保
《未然防止》
●ヒューマンエラー
QMS
・フールプルーフ化
・標準のビジュアル化
【3H管理】
・ 変化
・ 初めて
・ 久しぶり
〈QMS連繋概念図〉
QMS
管
理
構
造
の
違
い
※ 図削除
〈 H 製造所の今年の外部 QMS 審査状
況〉
回数/年
日数
ISO定期審査(13485)
2回
4×2日
ISO定期審査(9001)
1回
3日
登録認証機関実地調査
3回 <
1×3日
県実地調査
3回 <
1×3日
9回 <
頻度
17日/年
1回/1.3月
QMS
審
査
の
重
複
2.「有効性」 「安全性」 の確保
(企業活動 < 薬事規制)
1) “設計(基本構成)” で担保
( 開発ステップでの作り込み → 「源流管理」)
〈歯科材料の特色〉 (クラスⅡ)
● 「有効性」の実現 : 有効性の代用特性 = 物性値 を活用。
● 「安全性」の実現 : 原料・成分そのものの安全性が反映。
→ 物性基準,安全性既知(前例)成分により,担保できる要素が大きい。
(既存製品からの構成(成分)及びその構成比等の変化が許容できる。)
◎ メリット : ・ バリエーションの構築
・ 診療における利便性,診療技術の変化への追従
← 【改良の抑制】
2.「有効性」 「安全性」 の確保
(企業活動 ≠ 薬事規制)
2) “信頼性”の確保
〈歯科材料の安全管理の固有性〉
● 医師という特殊専門家が操作して最終形としたものが,医療機器とし
て性能(有効性・安全性)を発揮。
・“設計実現特性” と “使用実現特性” とのギャップ
( 技術専門家 と 操作専門家 とのインターフェースの課題)
→ 市販後情報の活用
: 生物学的安全性評価
○ : 「設計管理」+「リスク分析→リスク評価→リスクコントロール」
◎ :+「製造後・市販後情報のレビュー」 ( = リスクマネジメント)
→ より扱い易いものにすることが 有効性・安全性 を高める
← 規制
(社内安全管理組織)
※ 内容削除
3) (安全) 情報管理体制
3.「認証・承認(基準)」 のあり方
歯科用医療機器として
● ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
● ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
● ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〈 薬事法の目的 ② 〉
医療上特にその必要性が高い医薬品及び
医療用具(機器)の研究開発の促進ために
必要な措置
4.「承認基準」 の現状
1. コンタクトレンズ
2. 眼内レンズ
3. 経皮的冠動脈形成術用カテーテル
4. 血液透析器、血液透析濾過器及び血液濾過器
5. 中心静脈用カテーテル
6. 創傷被覆・保護材
7. 加速器システム
8. 放射線治療シミュレータ
9. X線骨密度測定装置
10. 磁気共鳴画像診断装置
11. インスリンペン型注入器
12. 輸液ポンプ
13. 眼科用パルスレーザ手術装置
14. 眼科用レーザ光凝固装置
15. 眼科用レーザ光凝固装置プローブ
16. 血液濃縮器
〈歯科用医療機器〉
0.
作成中 →
〈歯科用インプラント 〉
×:技術基準として参照する JIS がない
×:ISO規格もテクニカルファイルである
一般的名称、承認基準、及びインプラントシステムの関係
承認基準
〉
歯科用インプラントフィクスチャ
〈クラスⅢ〉
フィクスチャー
ヒーリングアバットメント
歯科用インプラントアバットメント
〈クラスⅢ〉
Ⅲ
Ⅲ
歯
科
用
イ
ン
プ
ラ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
〈
ク
ラ
ス
骨歯
内科
イ用
ン
プ
ラ
ン
ト
材
〈
ク
ラ
ス
暫間アバットメント
アバットメント
アバットメントスクリュー
〉
ゴールドシリンダー
歯科インプラント用上部構造材
〈クラスⅡ〉
ゴールドスクリュー
アバットメント保護用コンポーネント
印象採得用コンポーネント
締結用スクリュー
歯科インプラント技工用器具
〈クラスⅠ〉
アナログ
研磨用コンポーネント
技工用スクリュー
Ⅲ
歯科インプラント補綴用器具
〈クラスⅠ〉
歯
科
用
イ
ン
プ
ラ
ン
ト
材
(
旧
一
般
的
名
称
)
ク
ラ
ス
5.歯科用医療機器「承認基準」 の実情
〈歯科材料の固有性〉
● 単体での機能評価が最終性能の評価に繋がらない。
→ 複合(組合せ)で最終性能を発揮。
↓
↑
基準値設定 ??
《承認基準》
後発医療用具の集大成
=
医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療機器の
研究開発の促進
最後に・・・(イメージとして)
後発・改良医療機器の審査~承認・認証の効率化
→
※
「認証・承認基準」の整備
※※ 認証・承認基準の逐次最適(新)化
→
《 より新規な医療機器に
十分な審査資源が割り振れる体制 へ 》
「保健衛生」の向上