ニューラルテスト理論を用いた選抜

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ニューラルテスト理論を用いた
選抜
○橋本 貴充,荘島 宏二郎
(大学入試センター)
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本発表の構成
• 導入
– ニューラルテスト理論で
わかること
– 目的
• 方法
– サンプルデータ
– 分析例の概要
– 検討する内容
• 結果
– 潜在ランクの数が倍率
に等しい場合
– 潜在ランクの数が倍率
+1の場合
– 両者の比較
• 考察
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本発表の構成
• 導入
– ニューラルテスト理論で
わかること
– 目的
• 方法
– サンプルデータ
– 分析例の概要
– 検討する内容
• 結果
– 潜在ランクの数が倍率
に等しい場合
– 潜在ランクの数が倍率
+1の場合
– 両者の比較
• 考察
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ニューラルテスト理論でわかること
• 能力段階の別を通して見た、項目の特徴
• 受験者がどの能力段階に属するのか
– 選抜では「合格」なのか「不合格」なのかさえ決め
ることができればよい。
– ニューラルテスト理論を用いて選抜を行うと、どの
ような結果になるのか。
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目的
• ニューラルテスト理論を用いて選抜を行うた
めには、どのような方法があるのかを探る。
• それらの方法には、どのような特徴があるの
かを議論する。
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本発表の構成
• 導入
– ニューラルテスト理論で
わかること
– 目的
• 方法
– サンプルデータ
– 分析例の概要
– 検討する内容
• 結果
– 潜在ランクの数が倍率
に等しい場合
– 潜在ランクの数が倍率
+1の場合
– 両者の比較
• 考察
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サンプルデータ
• 項目反応理論の2母数ロジスティックモデル
に基づいて発生。
• 項目数は25, 被験者数は800
– この中から約200人を選抜する状況(つまり、倍
率が約4.0倍)を想定。
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分析例の概要
• 分析例1
– 潜在ランクの数を倍率と同じ(この場合は4つ)とする。
– 潜在ランクが一番上の被験者を合格とする。
– 合格者数が定員を超えたら、一番上の潜在ランクに属す
る確率が低い順に、または二番目の潜在ランクに属する
確率が高い順に不合格とする。
• 分析例2
– 潜在ランクの数を倍率+1(この場合は5つ)とする。
– 潜在ランクが一番上の被験者は全員合格。
– 潜在ランクが上から二番目の被験者は、一番上の潜在ラ
ンクに属する確率が高い順に合格とする。
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検討する内容
• 潜在ランク分布の安定性
– もし、分析を行うたびに、一番上(や、上から二番
目)の潜在ランクに所属すると推定された受験者
が大きく変わるようでは、選抜に適さない。
• ランク・メンバーシップ・プロファイルの安定性
– 一番上(や、上から二番目)の潜在ランクに所属
する確率の推定値は、どの程度一致しているの
か。
– 順序関係が逆転していないかどうかが重要であ
るため、Kendallの順位相関係数を見る。
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本発表の構成
• 導入
– ニューラルテスト理論で
わかること
– 目的
• 方法
– サンプルデータ
– 分析例の概要
– 検討する内容
• 結果
– 潜在ランクの数が倍率
に等しい場合
– 潜在ランクの数が倍率
+1の場合
– 両者の比較
• 考察
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潜在ランクの度数分布
計
2回目の潜在ランク
1
1
1回目
の
潜在
ランク
計
2
3
4
177
2
177
256
3
256
207
4
177
256
207
207
160
160
160
800
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一番上の潜在ランクに属する確率
• 2回推定した結果の相関(以下、相関はすべ
てKendallの順位相関係数)は0.9997
• 一番上の潜在ランク(この例の場合は4)に属
する160人に限った場合は0.9998
• 素点(正答数の単純和)との相関は、1回目
が0.9244、2回目が0.9245。一番上の潜在ラ
ンクの160人に限った場合は、1回目が0.8381、
2回目が0.8381
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上から二番目の潜在ランクに属する
確率(一番上に属する160人のみ)
• 2回推定した結果の相関は0.9998
• 一番上の潜在ランクに属する確率との相関
(4通り)は、-0.9998~-0.99996
• 素点(正答数の単純和)との相関は、1回目
が-0.8382、2回目が-0.8382
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本発表の構成
• 導入
– ニューラルテスト理論で
わかること
– 目的
• 方法
– サンプルデータ
– 分析例の概要
– 検討する内容
• 結果
– 潜在ランクの数が倍率
に等しい場合
– 潜在ランクの数が倍率
+1の場合
– 両者の比較
• 考察
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潜在ランクの度数分布
計
2回目の分析
1
1
1
回
目
149
2
2
3
4
1
155
3
150
1
156
198
198
4
145
5
計
5
149
156
199
145
145
151
151
151
800
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一番上の潜在ランクに属する確率
• 2回推定した結果の相関は0.9994
• 上から二番目の潜在ランク(この例の場合は
4)に属する145人に限った場合は0.9967
• 素点(正答数の単純和)との相関は、1回目
が0.9277、2回目が0.9279。一番上の潜在ラ
ンクの160人に限った場合は、1回目が0.6081、
2回目が0.6090
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本発表の構成
• 導入
– ニューラルテスト理論で
わかること
– 目的
• 方法
– サンプルデータ
– 分析例の概要
– 検討する内容
• 結果
– 潜在ランクの数が倍率
に等しい場合
– 潜在ランクの数が倍率
+1の場合
– 両者の比較
• 考察
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潜在ランク分布の比較
潜在ランク数5(1回目)
1
潜在
ラン
ク数
4
計
1
150
2
2
3
5
27
129
3
177
127
71
4
150
4
計
156
198
256
136
207
9
151
160
145
151
800
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一番上の潜在ランクに属する確率の
比較
• 相関(4通り)は0.9829~0.9832
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本発表の構成
• 導入
– ニューラルテスト理論で
わかること
– 目的
• 方法
– サンプルデータ
– 分析例の概要
– 検討する内容
• 結果
– 潜在ランクの数が倍率
に等しい場合
– 潜在ランクの数が倍率
+1の場合
– 両者の比較
• 考察
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考察
• ニューラルテスト理論を用いた選抜方法提案した。
– 潜在ランク数を倍率と同じとし、定員を超えた場合に、一
番上の潜在ランクに所属しそうにない受験者から不合格
にする方法
– 潜在ランク数を倍率+1とし、上から二番目の潜在ランクに
所属する受験者の中から、一番上の潜在ランクに所属し
そうな順に合格にする方法
• 方法内でも方法間でも、基準とする推定値の順位
相関は高かった。
• 他のデータでも検討する必要。