実数値遺伝的アルゴリズムにおける 計算モデルの検討 A Discussion on Computational Models of Real-coded Genetic Algorithm 知的システムデザイン研究室 16980013 : 福永隆宏 遺伝的アルゴリズム 生物の進化を模倣した 最適化アルゴリズム f (x1, x2) (2, 7) 候補解をビットストリングで表現 確率的な多点探索 エンコード デコード 遺伝オペレータ 交叉 染色体 個体・・・ 010111 x1 x2 突然変異 評価 選択 設計変数 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 遺伝的アルゴリズムの問題点 ビットストリングによる染色体のコーディング 探索空間に連続性が反映されていない 連続性を考慮した探索 実数値GA 高い計算負荷 膨大な反復計算が必要なため計算負荷が高くなる 計算負荷の軽減 分散GA Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 実数値遺伝的アルゴリズム 実数ベクトルによる 染色体のコーディング 実数値のための 遺伝オペレータ (交叉法:BLX-α,UNDX) 親個体の形質を 効率よく引き継ぐ 連続性を考慮した探索が可能 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 分散遺伝的アルゴリズム サブ母集団(島)に分割 各島内で独立した遺伝操作 Distribute 島間で移住 解の高品質化が期待できる 島モデルによる分散効果 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 研究の目的 問題点を解決するための手法 実数値GA と 分散GA それらの組み合わせによる解探索性能の検討 交叉法 突然変異の有無 島数 4種類にモデルを設定 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 分散実数値GAの計算モデルの検討 Model-1 Model-2 Model-3 Model-4 交叉法 突然変異の有無 BLX-α BLX-α UNDX UNDX ○ × ○ × BLX-α(Esheleman,93):設計変数間に依存関係のない問題に有効 UNDX (ono,97) :設計変数間に依存関係のある問題に有効 <数値実験> 連続関数最小化問題に適用 設計変数間に依存関係のないRastrigin関数 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 数値実験結果 Rastrigin関数 設計変数間に依存関係のない問題に対しては Model-1(BLX-α,突然変異有り) Model-3(UNDX,突然変異有り) が有効 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 数値実験のまとめ 設計変数間に依存関係のない問題に対しては, Model-1(BLX-α,突然変異有り) Model-3(UNDX,突然変異有り) が有効 これらのモデルが実問題にも有効であるか検討する アンテナ配置問題 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ アンテナ配置問題 概要 : アンテナ設置領域内に,あらかじめ用意されたアンテナを 配置し,設計コストを最小にする問題 制約 : 電波のカバー領域は,ある値以上でなければならない アンテナの設置できる領域が限定されている Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 探索の様子 実験概要 4種類のアンテナ Radius Cost 2 5 5 20 10 100 20 400 目的 設計コスト最小化 制約 最大設置アンテナ30本 カバー率95% 海上にアンテナは設置できない Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 数値実験結果(設計コスト最小化) Model-1(BLX-α,突然変異有り)が良好な結果 島モデルによる分散効果も確認 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 結論 実数値GAにおける,計算モデルを検討した 設計変数間に依存関係のない問題に対しては, いずれの交叉法においても,突然変異を行うことで, 良好な結果を得ることができた 島モデルによる分散効果も確認された 実数値GAを実問題に適用した テスト関数の場合と類似した探索傾向が確認された テスト関数によるモデルの検討は有効である Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 補足資料 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 研究背景 最適化問題とは 与えられた制約条件の下で,ある目的関数を 最小(最大)にする設計変数を求める問題 世の中には様々な最適化問題がある. ディーゼルエンジン燃料噴射スケジュール問題 タンパク質の立体構造解析 トラス構造物体積最小化問題 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ BLX-αとUNDX UNDX BLX-α (Eshelman 93) (Ono 97) • 2つの親個体の各成分距離 α倍拡張した領域内に生成 • 3つの親個体により定義される 正規分布領域内に生成 • 設計変数間に依存関係のある問題に 弱い • 設計変数間に依存関係のある問題に 強い Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 実数値GAの突然変異 ① 一様突然変異 (Uniform mutation) ② 境界突然変異 (Boundary mutation) Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 遺伝的アルゴリズムの問題点 ビットストリングによる染色体のコーディング 探索空間に連続性が反映されていない 連続性を考慮した探索 実数値GA 高い計算負荷 膨大な反復計算が必要なため計算負荷が高くなる 計算モデルとしての有効 分散GA 局所解への収束 多峰性関数において局所解に陥る可能性が高い 多様性を維持した探索 世代交代モデル Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 世代交代モデル 複製選択と生存選択を規定 SGA(Simple GA) - Goldberg,89 MGG(Minimal Generation Gap) - 佐藤,97 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ MGG 1ペアの両親に対して 交叉を複数回行う Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 実数値GAの計算モデルの検討(2) 交叉法 突然変異の有無 世代交代 モデル Model-1 Model-2 Model-3 Model-4 BLX-α BLX-α UNDX UNDX ○ × ○ × SGA Model-5 Model-6 Model-7 Model-8 BLX-α BLX-α UNDX UNDX ○ × ○ × MGG Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ SGA(1 / 3)の結果 Rastrigin Schwefel Model-1,3は設計変数間に依存関係のない問題に有効 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ SGA(2 / 3)の結果 Griewank Rotated Rastrigin 設計変数間に依存関係のある問題には 探索性能に問題がある Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ SGA(3 / 3)の結果 Rosenbrock関数 設計変数間に依存関係のある問題には 探索性能に問題がある Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ MGG(1 / 3)の結果 Rastrigin Schwefel 島モデルが解探索に悪影響を与えている 突然変異をしない単一母集団が良好な結果 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ MGG(2 / 3)の結果 Griewank Rotated Rastrigin 突然変異は探索に悪影響を与えている Model-6をRotated Rastrigin関数に適用したとき 島モデルによる分散効果を確認 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ MGG(3 / 3)の結果 Rosenbrock関数 Model-8でのみ,最適解を得ることができる Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 全モデルのまとめ 対象問題と分散効果 依存関係のない問題は分散効果が得やすい 依存関係のある問題は分散効果が得にくい 世代交代モデルの影響 SGAと突然変異の併用は分散効果が顕著に現れる MGGは遺伝オペレータに左右する Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ SGAにおける設計コスト最小化 Model-1とmodel-3が良好な結果を示している Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 探索履歴(SGA) Rastrigin Model-1 Schwefel Model-3 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 探索履歴(SGA) Griewank Model-4 Rosenbrock Model-4 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 探索履歴(アンテナ配置問題) Model-1 Model-3 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ アンテナ配置問題おける個体表現 アンテナに付随するパラメータ アンテナの設置座標 (2D) : (x,y) アンテナの有無 : e 電波の規模 : r アンテナの本数*4個の設計変数が必要 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 電波カバー率の決定方法 あらかじめ設定したチェック点をアンテナがカバーしている割合 決められた領域 等間隔にチェック点 を配置する 16/64 = 0.25 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ 実問題とテスト関数 実問題の最適化における問題点 評価に膨大な計算時間を要する 予備実験として,数学的テスト関数に適用する 有効な計算モデルを実問題へ適用 Intelligent Systems Design Lab - Doshisha Univ
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