エイズ予防と大切な生命 群馬県立安中高等学校 学校医 真下正美 AIDS(エイズ) (Acquired Immuno Deficiency 後天性 免疫 不全 Syndrome 症候群 HIV Human Immunodeficiency Virus ヒト 免疫不全 ウイルス HIV感染者 と AIDS の違い ► HIV感染者はHIVウイルスが体内に侵入してし まった人(患者)のこと ► AIDSはHIVに感染後、免疫不全となりさまざま な病気を起こす状態(病気)の総称。 ► AIDSに感染したという表現は間違い。 エイズの歴史 ► 1950年頃 HIVは中部アフリカでミドリザルから 人間に感染? エイズ(差別、偏見)の歴史 1.1981年ロサンゼルス(アメリカ) ► 男性同性愛に初めて発見された症例報告 ► 2.その後同性愛者や麻薬常習者で感染者が多く ► 見つかるー社会的偏見、原因不明の死の病の ► 恐怖。 ► 3.1986年HIVの同定 ► 異性間性行為、母子感染、輸血等で ► も発症ー偏見の減少。 ► 4.知識不足から来る差別、偏見の存在が問題視 HIV感染からAIDSに発症する までの期間 ►2~3年 ►5~6年 ►10 年~ 約20% 約30% 約50% HIVの感染源、感染ルート HIV感染の条件 ► My Pictures\aids-4.gif HIV感染経路 ► My Pictures\a-2.jpg HIVの感染を防ぐにはコンドームのみ 2006年世界の統計 ►HIV感染者 3、950(3、410-4、710)万人 ►新規HIV患者 390(360-660)万人 ►AIDSによる死亡者 290(250-350)万人 ► ホスピス併設の学校の子供たち(エイズ孤児)-ザンビア ► My Pictures\a-1.jpg 年齢別HIV感染者 HIVの免疫細胞の攻撃、破壊 HIV増殖のメカニズム ► T(CD+)リンパ球に取り付いた数多くのHIV エイズの治療 ► 抗HIV剤 ► ► イ)逆転写酵素阻害剤 ジデオキシ核酸系 レトロビル(AZT) ゼリット(d4T) 活性化細胞に効く ヴァイデックス(ddI) ハイビッド(ddC) エピビル(3TC) 静止細胞に効 非核酸系 ネビラン デラビルジン(レスクリプター) ► ► ► ► ► ► ► ► ► ► ► ► ► ロ)プロテアーゼ(蛋白分解酵素)阻害剤 インジナビル(クリキシバン) サキナビル(インビラーゼ) リトナビル(ノービア) ネルフィナビル 等 併用療法 AZT+3TC d4T+ddI CD4 500個/ml 以下 または500個以上、血中ウイルス量高値(10000コピー/ml以上) 日和見感染 ►カリニ肺炎 肺癌 真菌(カビ) 日和見感染 ►粟粒結核 悪性リンパ腫 日和見感染 ►カポジ肉腫 もう一度復習、まとめ。 感染経路は? ►性液(精液、膣内分泌液) ►血液 性的接触 感染者からの輸血、臓器提供 ► 注射針の共用 ►母子感染 妊娠中、出産時、母乳 咳、くしゃみで感染するか ►HIVは唾液、汗、涙、尿又は便等からは 感染しない。喀痰も血液が混じってなけれ ば大丈夫。(飛沫×)感染力が弱い。 ►インフルエンザはうつる(飛沫感染)。 ►ノロウイルス(経口、飛沫)感染強い。 ►麻疹はさらに感染力が強い(飛沫、空気)。 ►サーズはさらに強い(飛沫、空気感染)。 HIV感染者の血液がついた衣服 ►塩素系漂白剤で消毒 ►血液がなければ普通の洗濯でよい 感染の可能性 ►3ヶ月以上たって検査を受け陰性なら感染 していない。 感染しないためには ►コンドームが良い(のみといってよい)。 ►女性の経口避妊薬ピル、リング(ペッサ リー)は感染を防げない。 性感染症にかかっているとエイズに感 染しやすいか? ►正しい。 ►クラミジア、梅毒、淋病、性器ヘルペス等 ►性器の粘膜が傷つきやすくHIV感染しや すくなる。 HIVに感染してから発病の時期 ►必ず全員がAIDSに発症するとは限らな い ►普通は平均10年くらい。 ►1-2年で発症例 ►15年たっても発症しない例もある。 エイズに罹ったら必ず死んでしまうか? ►治療の進歩で延命が可能となった。 ►逆転写酵素阻害剤、 ►蛋白分解酵素阻害剤 ►HIVを減らす。C4を増やす。 エイズ予防ワクチンの開発 ► 動物(サル)で実験で一定の効果 ► 実現に一歩近づく? ► ウイルスのDNAをヒトに注射ー免疫細胞を作る。 ► ウイルス遺伝子の一部を微生物に組み込む。 ► HIV遺伝子組み換え(?)-今後期待。 ► 遺伝情報の難しさ、HIVの進化の早さ ► ワクチン製造の困難さは ► HIVは免疫細胞の破壊、免疫を作りにくい。 ► まだ時間がかかる。 ► エイズ治療薬(高価)、ワクチン開発が世界を救う。 ►御静聴ありがとうございました。
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