淀川キリスト教病院 ホスピス 緩和ケア認定看護師 杉田 智子 発表内容 当院でのLCP導入の経緯 導入に向けての準備 運用手順の内容 使用状況と看護師のアンケート結果 LCPを活用するための工夫 当院でのLCP導入の経緯 2009年3月 LCP日本語版のプレテストを実施 ・LCPによって看取りに必要なケアを もれなくチェックできる ・看取りの時期に必要なケアを適切に 提供できる LCPは看取りのケアに役立つ! 当院でのLCP導入の経緯 当ホスピスの現状 2009年度:入院患者数402名 死亡患者数306名 平均在院日数16.3日と非常に短い ケアの質を保ちながら、看取りの時期に 必要なケアを効率よく提供できること、 記録時間の短縮を目的として、2010年8月 よりLCP日本語版Ver.1.0導入を決定! 導入に向けての準備 LCPの導入をグループ活動として開始 LCPグループ内でプレテストの経験も踏 まえ、導入で問題になることがないか、 更に使いやすく工夫できることがない かを検討 LCP運用手順を作成 病棟ミーティングでLCP導入を説明 LCPの使用方法ついての勉強会を開催 運用手順の内容① ●LCPの開始の判断は、医師と看護師 複数名で行う 入院時 週1回 予後の評価 カンファレンス 毎日の評価 タイミング を 逃さず開始 ● 記録はLCPとグラフィックチャート (熱計表・温度板)のみとした 運用手順の内容② ●入院時からLCPを開始する場合 初期アセスメントに従来の入院時の聴取する アナムネーゼから看取りに必要な情報のみを 追加記入する 主な記入内容:家族構成、キーパーソン、 主な介護者、経済的な問題等 その後も、家族から得られた情報は適宜追加 運用手順の内容③ ●初期アセスメント 「目標9ケア計画を説明し ている」「目標10ケア計画 の理解している」では OPTIM「これからの過ごし 方について」の パンフ レットを利用した。 ●説明内容の可視化、読み 直すことで、看取りに向け た患者の変化やそれに対す るケアがイメージできる。 運用手順の内容④ ●LCPは紙媒体であるため、使用後は 電子カルテにスキャナーで取り込む 運用手順を整えることで ・LCPが適切な時期に開始できる ・LCPを使用によって適切なケアを行う ・スタッフの負担感を軽減する LCP使用状況 導入から3か月間 LCP平均使用期間:4日間 死亡退院数70名中、51名に使用 ・導入当初は、LCPへの移行に慣れず開始に至ら なかった事例 ・入院当日の看取り・急変…など計19名 現在は、スムーズにLCPに移行しほぼ全例に 開始している (入院当日の看取り・急変は除く) LCP使用状況 導入から3か月間 記入漏れがあった目標: ・目標2:各施設のガイドラインや手順書に従い頓 用指示を記載する ・目標6:看取りにあたっての宗教上の要望や信条 を確する ・目標9:今後のケア計画を説明、相談している ・バリアンス発生時間 その場で評価できなかった目標は記入が抜けやすい 見落としではなく評価ができなかった理由を 記録に残す必要がある LCP使用状況 導入から3か月間 バリアンスの記入状況: ・バリアンスに対処した結果が記入していない ・継続アセスメントのA・Vとバリアンス分析 シートの内容が一致していない ・バリアンス分析シートに情報共有のための内 容が記載されている バリアンス記入のルールが必要である 看護師の感想 LCPを導入 して良かった こと 工夫が必要 なこと •看取りの時時に必要なアセスメント とケアができる •継続アセスメントによって患者・家 族の状況が経時的に把握できる •看取りに向けてスタッフの意識が統 一される •記録時間が短縮する • • • • 家族の情報の追加が必要 (例:家族の情報、看取りの場面) 記入方法の統一されていない 手書であることの負担感 LCPを活用するための工夫 運用手順の追加 内容 家族の情報 伝達方法の追加 ●LCPに家族の情報を記入する ・家族の患者に対する思い ・看取りの状況 ●電子カルテの掲示版を活用 ・次の勤務者に引き継ぐ内容 記入もれのチェック 記入方法の統一 ●文章のみでなく記入例を作る 手書きの負担 ●記録委員、電子カルテ委員会に交渉 LCPを活用するための工夫 例:継続アセスメントの記入例の作成 達成された場合はA、達成されない場合はVに○をつけ、達成されない場合は、それ ぞれの欄に具体的な問題を記入して下さい セクション 2 勤 務 帯 (時刻) を右欄 に記入 不穏、興奮 目標:患者が強い 不隠、混乱、興奮 状態ではない。 2時 A 6時 V A 一目見てどのようなバリ アンスが生じているか分 かることが大切です。バ リアンス発生の時間と内 容を記入してください。 10時 V A 14時 18時 22時 Vに○した場合、必ず バリアンス分析シートに 記入してください。 Ⓥ A V A V A V 例)7:00 身の置き 所のなさ LCPを活用するための工夫 例:看取りの状況を記載する 例)1:30呼吸停止 妻は「よく頑張ったね、ありがとう」、長女 は「今までありがとう、これからのことは心 配しないでも大丈夫だからね」と声をかけて いる。 1:50医師死亡確認、妻と長女に見守られ永 眠される 看取り時の家族の反応などチームで共有する ・デスケースカンファレンス ・遺族ケアにつながる 導入のための取り組み ①LCP グループ活動 の開始 ②LCPによる 看取りのケア を理解する ③運用手順 を整備する ④使用状況か ら手順を追加 LCP導入の目的: ●ケアの質を保ちながら、看取りの時期に必要 なケアを効率よく提供する ●記録時間の短縮する 目的は達成し つつある LCPの活用によってより適切な看取りのケア提供と 質の向上をめざす ご清聴ありがとうございました
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