小規模多機能サービスの基本コンセプト :「在宅支援」を目指した各種サービスの機能統合 ⇒基幹機能(通所)を中心とした多様な在宅サービス機能の集 積 :高齢者の時系列的な状態変化に合わせた通所・訪問 →宿泊→入所サービスの連続的・一体的提供 ⇒可能な限りの在宅生活継続を実現するための「多機能」。 入所(施設)機能)は在宅サービスの延長線上に位置付けられ るもの。 :高齢者の生活圏域内でのサービス完結 ⇒小規模性・地域密着性(いわゆる「総合ケア施設」との違い) 小規模・多機能サービス拠点のイメージ 身近にある(地域密着) 生活圏域(小・中学校区)で完結 小 規 模 ・なじみの関係 家庭的雰囲気 住み慣れた地域 「通い」「訪問」「泊まり」「入居」の ワンストップ・サービス ・ ・ (状態に応じて回数、 時間に幅がある) 地域に365日・24時間の安心 を提供 小規模・多機能 サービス拠点 (365日・24時間 随時の必要に対応) 通い 訪問 泊まり 心身の変化に対応 生活の継続とケアの連続性 可 能 性 : ・ ユ ニ ッ ト の 併 設 ・住居部門(高齢者向け の新しい「住まい」) の 併設 入居 時間 小規模多機能型居宅介護(仮称)のイメージ 基本的な考え方:「通い」を中心として、要介護者の様態や希望に応じて、随時「訪問」や「泊まり」を 組み合わせてサービスを提供することで、在宅での生活継続を支援する。 利用者の自宅 小規模多機能型居宅介護事業所 様態や希望により、 「訪問」 「訪問」 併設事業所で 「居住」 人員配置は固定にせず、 柔軟な業務遂行を可能に。 + (併設) 「居住」 ○グループホーム 在宅生活の支援 「通い」を中心 とした利用 地域に開かれた透明な運営 サービス水準・職員の資質の確保 管理者等の研修 外部評価・情報開示 地域の他のケア資源や 地域包括支援センター との連携 様態や希望に より、「泊まり」 ○「通い」の利用者15名程度 ○1事業所の登録者は25名程度 ○「泊まり」は「通い」の利用者に限 定 ○「泊まり」の利用は5名までを基本 ○どのサービスを利用しても、なじ み の職員によるサービスが受けら れる。 ○小規模な介護専用型 の特定施設 ○小規模介護老人福祉 施設(サテライト特養等) ○有床診療所 等 ○小規模多機能型居宅 介護事業所と連続的、 一体的にサービス提供 ○職員の兼務を可能に。 地域密着型サービスの創設 要介護者の住み慣れた地域での生活を支えるため、身近な市町村で提供されることが適当 なサービス類型(=地域密着型サービス)を創設する。 1: A市の住民のみ が利用可能 2:地域単位で適正な サービス基盤整備 A市 ・指定権限を市町村に 移譲 市町村(それをさらに細かく 分けた圏域)単位で必要整 備量を定めることで、 保険給付 ・その市町村の住民の みがサービス利用可能 指定、 指導・監督 利用 ・過剰な整備は抑制される。 地域密着型サービス事業所 地域密着型サービスに含まれるもの ① 小規模(定員30人未満)介護老人福祉施設 ② 小規模(定員30人未満)で介護専用型の特定施設 ③ 認知症高齢者グループホーム ④ 認知症高齢者専用デイサービス ⑤ 小規模多機能型居宅介護 ⑥ 地域夜間訪問介護 ・サービス基盤の整備が遅 れているところでは、計画 的な整備が可能に。 3:地域の実情に応じた指定 基準、介護報酬の設定 (※) (※)国が定める報酬の水準が 上限 4:公平・公正透明な仕組み 指定(拒否)、指定基準、報酬設定には、地域 住民、高齢者、経営者、保健・医療・福祉関係 者 等が関与 小規模多機能サービスの課題 1 地域生活支援という理念をいかに具現化するか (ミニ入所施設にしない) :「在宅支援が基本、入所は最後の選択」という意味で、 「通所→通所+訪問→宿泊(→入所)」というサービス 利用の時系列的流れをいかに実現するか :「多機能」と「複合」・「併設」との意味の違い →「一人一人の利用者のニーズ」に沿って「在宅生活継続の ため必要な多様なサービス」を「一つの拠点」から「一体的・ 連続的に提供」するというのが「多機能」の意味。 →多機能性を支えるサービス拠点内部のケアマネジメント機能 の充実が不可欠 2 ケアの質の確保・利用者の権利擁護にどう取り 組むのか(小規模多機能の弱点を直視する) :小規模であるが故の密室性、地域からの孤立・ 抱え込みの危険、ケアの質の不安定性といった 課題をどのように克服するか。 :利用者の権利擁護、情報開示・外部(第三者) によるサービスチェックを可能にするシステムの 必要性 :事業者自身・事業者組織による取り組みの強化、 劣悪事業者排除の仕組み 3 地域ケアシステムの中での機能・役割をどのように 位置つけるか(地域全体で高齢者を支える) :小規模多機能サービス拠点では包摂できない機能 (かかりつけ医機能・リハビリ機能など)をどのように 利用者に保障するか :地域の他のケア資源との連携・小規模多機能拠点 相互のネットワーク構築の必要性 :地域における相談・サービス調整機能拠点(在介セン ター・ケアマネ機関等)との連携の重要性 ⇒地域ケアマネジメント・長期継続マネジメントの視点 ○ 小規模多機能サービス拠点だけで高齢者の在宅生活支援 に必要なすべての機能を包摂することはできない。利用者の 重度化が進む中で可能な限りの在宅生活継続を実現していこ うとするならば、地域の他のサービスとの連携・小規模多機能 拠点相互のネットワークによる支援強化は不可欠。 ○ そのためには、高齢者の生活圏域の中で必要なサービスが 完結できるよう、圏域単位で、地域のサービス資源をつなぎ 合わせる包括的なケアネットワークが構築され、小規模多機能 サービス拠点がこのネットワークによって支えられていることが 必要。 これがあれば、高齢者は最後まで地域で生活しつづけること が可能になる。 ○ その意味で、小規模多機能サービス拠点もまた高齢者の地 域生活を支える地域包括ケアの一員であり、圏域におけるサー ビス拠点の一つとして地域のケアネットワークを支え、同時に ネットワークによって支えられている存在。 小規模多機能サービスの発展可能性 小規模多機能サービス拠点の意義が「可能な限り在宅での生活継 続が実現できるよう、高齢者の状態の変化やライフステージに応じ て、その時々に必要な様々なサービスを一体的・継続的に 提供す る拠点」であるとするのなら・・・・・・ ⇒基幹機能としての通所機能は(恐らく)必須だが、機能集積の 形態には様々な可能性があり得る 例) :E型デイ+グループホーム/診療所 :小規模デイケア+有床診療所(+往診) :サテライトデイ+分散型ユニットケア+訪問看護・介護 :小規模通所+特定施設/高齢者住宅(+訪問看護・介護) ☆①「入所機能主導」にならないこと、②圏域内でのサービス 完結を目指すこと、③地域に開かれていること、④利用者の 選択が保障されていること が重要
© Copyright 2024 ExpyDoc