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健康長寿
口腔ケアは全身ケアの導入口
要約
首都大学東京
星 旦二
ねらい
• 人々のQOLを高め、健康長寿をめざし
ていく上で、口腔ケアの意義を科学的に
明確にしたい。特に、口腔ケアが全身ケ
アに連動し、生存維持と要介護予防に
つながっているメカニズムを因果構造と
してメイクにしたい。また、フィンランドの
先進性を確認して、歯科衛生士としての
役割と将来の方向性を展望したい。
話題提供
• PPKとNNK
• かかりつけ歯科医師と生存
• 口腔ケアと生存維持メカニズム
• セルフケアと口腔ケア
• 健康寿命因果構造
• フィンランドからの報告
疫学を用いた
メカニズムの解明
疫学とは
• 人間集団における疾病
の分布とその決定因子
を研究する科学
1.自然史の解明
2.流行の存在確認分析
3.要因、原因の鍵を得る
疫学デザイン分類
1. 観察疫学
2. 分析疫学
生態学的、有病率
症例対照 コホート研究
3.介入研究
臨床、地域
話題提供
•PPKとNNK
• かかりつけ歯科医師と生存
• 口腔ケアと生存維持メカニズム
• セルフケアと口腔ケア
• 健康寿命因果構造
• フィンランドからの報告
早世予防と健康寿命
●
健康な毎日の生活
●
軽症
健康寿命
PPK
新しい方法論
介護保険
障がい
重症
NNK
致死
早世せず
長寿に
健康長寿県は
•PPK県?
•NNK県?
要介護者の割合・1995
13
12
青森
岡山
沖縄
11
男
性
の
要
介
助
者
率
10
9
8
7
高知
富山
鹿児島
熊本
島根
北海道
岩手
栃木
福島 大分
宮城
岐阜
山形
神奈川
東京
長野
山梨
6
福岡
千葉
5
R 2 乗 = 0.5721
8
9
10
11
12
13
14
女性の要介助者率
要介護認定率が少ない山梨、千葉県
健康長寿
•PPK 長野
•NNK 沖縄
要介護率に関連する要因:病院病床
20
18
平
成
1
5
年
人
口
あ
た
り
要
介
護
率
16
14
12
10
0
1000
人口当たり病院病床
2000
3000
要介護率に関連する要因・有業率
20
18
平
成
1
5
年
人
口
あ
た
り
要
介
護
率
16
14
12
10
16
18
20
高齢者有業率
22
24
26
28
30
32
寝たきりは、働くと減らせるが
病院は寝たきりを創る
e3
e2
e1
.38
.67
.31
.85
男性要介助者率
高齢有業率
自宅死亡
.56
.61
e4
女性要介助者率
.82
.92
.70
-.19
就業と在宅死
要介護率
-.46
.73
z2
.21
医療施設と機能
z1
.94
.61
.80
.88
.64
.37
人口病院病床
人口診療病床
病床利用率
e5
e6
e7
AGFI=.896 NFI=.954 RMSEA=.000
要介護規定要因は、
人口あたりの病床数、
介護施設が多く
高齢者の就労少なく、
所得低い県である
傾向が示唆される
我が国の医療特性
• 医療費用:世界では?位
• 病院病床数:世界の?倍
• 入院期間:世界の?倍
• 薬物消費量
我が国の医療特性
• 医療費:世界最低レベル
• 病床数:四倍多い
• 入院期間:四倍長い
• 薬物消費:タミフル消費八割
薬害が多い国、日本
健康較差に対する
英米と欧州世界保
健機構の対応動向
健康較差に対する
英米と欧州世界保健機構の対応動向
• 両国共に公的に健康較差を認めている
• 既にその対策に乗り出している
• 米国は、NIHに2008年、較差対策センターを設置
• 英国は、 The health Profile of England白書としてまと
め、情報システムを提示し、健康較差をGISで明示
し、self-improving serviceに活用している
英国・健康較差状況白書『英国の健康状態』
(The health Profile of England)
• 2006年10月10日、保健省からと題するレポートが公表され
た。これは、英国民の健康状態についてのデータ及び分析、
近年の成果、今後の課題を示すもので、国家レベルと地域
レベルの双方から、現在の英国民の健康状態を描き出すも
のである。
• 2004年春に公表された政策提言書(white paper)“Choosing
Health”の連続版にあたる。
• 国民の健康状態を向上させるには、「十分な情報と分析」こ
そが必要との考え方に立ち、国家的に健康関連のデータを
大々的に収集・分析し、戦略的に対応していこうという発想で
ある。
• 単に情報を集め、公表するのではなく、その情報を地域の患
者、サービス提供者、医療関係者が吟味し、自己改善(selfimproving service)に活用していくという発想である。国が
トップダウンで施策や目標値を設定するという発想だけでは
なく、地域ベースでの戦略的な対策を喚起していく起爆剤と
していこうという狙いである。
健康決定要因ソリッド・ファクト
世界保健機関欧州地域事務局
• 健康の社会的決定要因に関する意
識の向上を目的として、1998年より
ソリッド・ファクト(明確な根拠のある
事実)を公表している。2003年には
第2版が公表されている。
• ソリッド・ファクツでは、社会的決定要因と
して以下の要因を説明している。
ソリッド・ファクト健康較差要因
較差是正のための世界保健機関欧州地域事務局
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
社会格差 :どのような社会においても、社会的地位が低いと、平均寿命は短く、疾病が蔓
延している。保健政策は、健康の社会的経済的決定要因に取り組むべきである。
ストレス :ストレスのある環境は、人々を不安と憂慮で満たし、ストレスにうまく対応するこ
と(ストレス・コーピング)を難しくする。そして健康を害し、早世へつながる。
幼少期 :人生のスタートでは、母親と幼児の支援が大切である。早期の発達と教育の健
康への影響は、生涯続く。
社会的排除:生活の質が低いと、その人生は短くなる。苦痛、憤慨、貧困、社会的排除、
差別は、命を犠牲にする。
労働 :職場でのストレスは、疾病の相対危険度を高める。仕事を管理できる人々ほど、健
康管理も良くできる。
失業 :雇用の確保は、健康と快適な暮らし、働きがいをもたらす。失業割合が高いことは、
疾病の蔓延と早世をもたらす。
社会的支援:家庭や職場、地域における友情、好ましい社会的関係、協力な支援ネット
ワークは、健康をもたらす。
薬物依存 :人々は、アルコール飲料、麻薬、喫煙に走り、被害を受ける。しかし薬物依存
は社会的状況により生じている。
食品 :食品供給を管理しているのは世界経済であるため、健康的な食生活環境の整備は
政治的課題である。
交通 :健康的な交通環境とは、公共交通機関の充実により、自動車運転が少なく、ウォー
キングやサイクリングの多い環境である。
・健康較差の背
景は、社会経済
要因だ
23
早世予防と健康寿命
●
健康な毎日の生活
●
軽症
健康寿命
PPK
新しい方法論
介護保険
障がい
重症
NNK
致死
早世せず
長寿に
健康長寿寄与要因
•
•
•
•
•
WHO 1991
健康規定要因
医療と共に、
教育、輸送、住居、都市開
発、労働、工業生産、農業
WHO 1991
新しい健康とその支援環境整備
医療と共に、教育、輸送、住居、都市開発、労働、
工業生産、農業
by
WHO 1991
• 健康支援環境整備として
1.口紅、化粧、身だしなみ
2.主体性を持つ財布の自己管理
3.歯科医師の主治医を持つこと
4.夢を持つこと
by HOSHI
新しい健康とその支援環境整備
医療と共に、教育、輸送、住居、都市開発、労働、
工業生産、農業
by
WHO 1991
• 健康支援環境整備として
by HOSHI
1.口紅、化粧、身だしなみ
2.主体性を持つ財布の自己管理
3.歯科医師の主治医を持つこと
4.夢を持つこと
Conclusion for Health
• Redistribution income fairly
• Pure Air & pure Water for Sustainable
development
• Promote healthy behavior
• Promote safe & same communities
• Improve system for personal and public
health by citizen involvement
• Feel happiness Peace with Buddhism
• Comprehensive oriental medicine
• Supportive environment
先進国の統合医療
• 鍼と灸
• カイロプラクティック
• 温泉療法
• 森林療法
• エステ
• 笑い ヨガ 手あて
・健康長寿は、
ヘルスプロモー
ションが基盤
31
話題提供
• PPKとNNK
• かかりつけ歯科医師と生存
• 口腔ケアと生存維持メカニズム
• セルフケアと口腔ケア
• 健康寿命因果構造
• フィンランドからの報告
疫学デザイン分類
1. 観察疫学
2. 分析疫学
生態学的、有病率
症例対照 コホート研究
3.介入研究
臨床、地域
情報収集
現在の
集団
現在
疾
患
な
し
か
か
り
つ
け
歯
科
医
師
い
な
い
群
時間経過
生存
死亡
生存
死亡
将来
疫学研究デザイン・分類
1.横断調査
2.縦断調査
・
コホート研究
・ケースコントロール研究
かかりつけ医
かかりつけ歯科医師の実態
2000年
東京都市部高齢者
13,066人三年追跡
2001-2004年までの調査と転居と死亡状況
2001年多摩市 在宅対象者 16,462
人
2004
調査回答
在宅高齢者13,460人
2001
調査回答者
13,066人
二回の調査共に
回答者 8,560人
三年間の死
亡者 569人
三年間の転
出者 275人
2004年までの三年間で
追加された
新規高齢者約4000人
★かかりつけ歯科医師いる人
の生存率は維持される★
累
積
生
存
率
2001年多摩市高齢者13,066人
多摩市・多摩市歯科医会・
東京都立大学協働調査
治療すべき
疾病があっても
かかりつけ歯科医師
ある方が、
生存率維持
性別・かかりつけ歯科医師有無別
生存率
女性
男性
1.00
1.00
.98
.98
.96
.96
.94
歯科主治医
.94
歯科主治医
いない
いな い
累 .92
積
いる
生
.90
存
いる
.92
累
積 .90
生
存 .88
0
200
LIVEDAY
400
600
800
1000
1200
0
200
LIVEDAY
400
600
800
1000
1200
性別・かかりつけ歯科医師
有無別、疾病有無別生存率
女性
男性
1.00
1.00
.98
.98
疾病有歯科主治 医有
疾病有歯科主治 医有
.96
.96
.94
疾病有歯科主治 医無
.94
疾病有歯科主治 医無
.92
疾病無歯科主治
医有
疾病無歯科主治 医有
累
積 .90
疾病無歯科主治
医無
生
存 .88
疾病無歯科主治 医無
.92
.90
累
積
生
存
.88
.86
0
200
LIVEDAY
400
600
800
1000 1200
0
200
LIVEDAY
400
600
800 1000 1200
性別・かかりつけ歯科医師
有無別、疾病有無別生存率
• かかりつけ歯科医師があれば、
治療を受けている疾病があって
も、疾病無しでかかりつけ歯科
医師無し群に比べて、統計上有
意ではなかったものの累積生存
率がより維持されていた。
2001-2007年までの調査と転居と死亡状況
2001
調査回答者
13,066人
後期三年間の
死亡者 985人
後期三年間の
転出者 413人
最初三年間の
死亡者 914
人
三年間の転
出者 506人
データベース名:
多摩市2001・6年生存
図1.歯科医師の有無と
六年間累積生存率・性別
性別: 男性
性別: 女性
歯科医師の主治医
はいますか
1.0
歯科医師の主治医
はいますか
1.0
いない
いる
いない
いる
0.9
0.9
累
積 0.8
生
存
累
積 0.8
生
存
0.7
0.7
0.6
0.6
0
500
1000
1500
六年間生存日数
2000
2500
0
500
1000
1500
六年間生存日数
2000
2500
かかりつけ医師
いると・長生きか?
か
かかりつけ主治医(歯科医師以外)
有無と生存
生存関数
1.02
1.00
.98
主治医はいますか
.96
累
積
生
存
いない
いない-打ち切られた
.94
いる
.92
いる-打ち切られた
0
200
LIVEDAY
400
600
800
1000
1200
かかりつけ医師
いると・長生きか?
・かかりつけ歯科医師
がいると長寿
メカニズムは不明
49
話題提供
• PPKとNNK
• かかりつけ歯科医師と生存
• 口腔ケアと生存維持メカニズム
• セルフケアと口腔ケア
• 健康長寿因果構造
• フィンランドからの報告
生存維持とかかりつけ歯科医師機能と
関連要因メカニズム・仮説
かかりつけ歯科医支援機能
Q
O
L
生
存
維
持
9
8
好ましい生活習慣
精神・身体・社会的健康
7
4
セルフケア
社会経済要因
口腔機能
3
2
かかりつけ歯科医支援機能
6
Q
O
L
生
存
維
5
持
1
疫学デザイン分類
• 観察疫学
• 分析疫学
生態学的、有病率
症例対照 コホート研究
• 介入研究
臨床、地域
東京都港区
歯科医師会と協働調査
クリニック受診者
2,800名
先行研究と研究仮説
• 先行研究
–
–
–
–
かかりつけ歯科医師群の生存率維持
かかりつけ医師群の生存率低下
主観的健康感が生存予後を規定
生活満足度、外出頻度も同様に生存規定
• 研究目的
口腔保健の好ましい状況は、主観的
健康感を高め、外出頻度を高め、生活
満足度を高めている状況を証明し、かか
りつけ歯科医師群の生存率維持のメカ
ニズムを証明する。
分析対象者・2800名
2008/12/02 最終
処 理した ケース の 要 約
ケース
有効数
N
性別 * 年齢三階級
欠損
パーセ ント
98.4%
2756
N
44
合計
パーセ ント
1.6%
N
2800
パーセ ント
100.0%
性 別 と 年 齢三 階 級 の クロ ス 表
年齢三階級
性別
男性
女性
合計
度数
性別 の %
度数
性別 の %
度数
性別 の %
50歳未満
582
40.3%
611
46.5%
1193
43.3%
50-59歳
330
22.9%
199
15.2%
529
19.2%
60歳以上
531
36.8%
503
38.3%
1034
37.5%
合計
1443
100.0%
1313
100.0%
2756
100.0%
デンタルフロス
問25 歯と歯の間のおそうじのために、デ
ンタルフロス・糸ようじ・歯間ブラシを使って
いますか。1つだけ選んで○印をつけて下
さい。
1 ほぼ毎日
週に3~4日
3 週に1~2日
4 ほとんどない
2
歯間ブラシ使用する方が、
歯肉状況が優れている
定期的なメンテナンスしている
度
数
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
37
42
10
46
47
口腔清掃
多量のプラーク歯面
43
42
38
38
プラークの付着視認 プローブプラーク有
16
11
9
度
数
メンテ評価
24
30
39
56
メンテナンス以外目的
8
9
不定期だメンテ
26
13
27
9
26
37
13
27
19
12
定期的メンテ
ない
い
う 使
う って
使
1回
に
週
使
日
歯間ブラシ
定期的メンテ時々
定期的メンテ積極的
毎
ぼ
ほ
う 使
日
毎
ない
い
う 使
う って
使
1回
に
週
使
日
う 毎
ぼ
ほ
使
日
毎
歯間ブラシ
プラークの付着なし
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
歯間ブラシ活用群・①
• 歯間ブラシ活用群では、男
女ともに、口腔状況と歯肉
状況が優れ、残歯数は少
ない関連性が明らかにさ
れた。
定期的なメンテナンス群が、
望ましい口腔清掃である
度
数
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
23
43
44
8
49
10
52
46
口腔清掃
多量のプラーク歯面
45
43
28
38
プラークの付着視認 34
プローブプラーク有
9
プラークの付着なし
目
の
外
以
ス
ン
ン
ナ
ナ
テ
テ
ン
ン
メ
メ
が
ス
だ
ン
ナ
期
テ
定
ン
不
メ
ス
な
ン
ナ
的
テ
期
ン
定
ス
メ
ン
に
ナ
テ
的
期
定
な
的
期
定
ン
メ
メンテ評価
歯間ブラシを使い、歯肉状況が好ましいほど、
主観的健康感が高い統計上有意な傾向
歯間ブラシ
100
90
27
30
41
17
40
90
14
38
30
8
35
ほぼ毎日使う 40
30
50
20
度
数
20
10
0
とても健康
あまり健康ではない
歯肉状況
60
17
毎日使う 度
数
10
0
炎症、潰瘍、自然出血
36
39
33
プローブで出血
炎症を認める辺縁無
20
16
とても健康
まあまあ健康
健康感
6
50
70
14
42
41
39
80
週に1回使う 18
60
50
使っていない 80
70
100
11
あまり健康ではない
まあまあ健康
健康感
炎症が認められない 定期的なメンテナンス群
まとめ
• 男女ともに、歯科メンテナンス
に心がけている群では、歯間
ブラシを活用している傾向が
ある。結果的に、口腔状況と
歯肉状況が優れている関連
性が明らかにされた。
セルフケアと予防受診が、
口腔衛生を望ましいものにしている。男性
e7
e1
.20
歯間ブラシ
.45
.66
メンテ受診
.81
.29
.17
セルフケアと予防受診
e8
.32
.58
口腔衛生状況
.76
-.41
Z1
-.17
.79
.58
.62
.03
口腔清掃
歯肉状況
歯の残存数
e3
e4
e6
年齢
NFI=.844 RMSEA=.072
.19
メンテナンスに心がけている群では、歯間ブラ
シを活用し、歯肉状況が優れている
因果関係は不明
63
話題提供
• PPKとNNK
• かかりつけ歯科医師と生存
• 口腔ケアと生存メカニズム
• セルフケアと口腔ケア
• 健康長寿因果構造
• フィンランドからの報告
東京都A区壮年
4,443名
五年間生存追跡研究
73名死亡
歯ぐきの腫れ、むし歯の
有無別生存分析
壮年層における生存維持のための
各要因関連メカニズム
症状と疾病
主観的健康感とQOL
日々の生活
食、住、収入、習慣
ストレスと生きがい
疾病と生存維持習慣と生存との関連
生
存
維
持
疫学研究デザイン・分類
1.横断調査
2.縦断調査
・
コホート研究
・ケースコントロール研究
五年間の生存追跡協働研究
• 2003年から2008年
• 4,443人の五年間の追跡
• 五年間 男性57名、女性16名死亡
性 別 と 生 死 の クロ ス 表
生死
生
性別
女性
男性
合計
度数
性別 の %
度数
性別 の %
度数
性別 の %
死亡
2369
99.3%
2001
97.2%
4370
98.4%
16
.7%
57
2.8%
73
1.6%
合計
2385
100.0%
2058
100.0%
4443
100.0%
東京都A区壮年 4,443名
五年間生存追跡研究 73名死亡
歯ぐきの腫れ、むし歯の有無別
生存関数
生存関数
性別: 0 女性
性別: 1 男性
1.00
1.00
.99
歯肉はれ
.99
.98
むし歯
あり
あり-打ち切られた
累
積
生
存 .98
0
400
200
生存日数
800
600
1200
1000
1600
1400
1800
あり
.97
あり-打ち切られた
累
ない
積 .96
ない-打ち切られた生
存 .95
ない
ない-打ち切られた
0
300
生存日数
600
900 1200 1500 1800
壮年における
新しい生存維持10の習慣
1. 家族と食事する
2. 食欲がある
3. 単身世帯ではない
4. やせていない
5. 睡眠時間が九時間以上でない
6. 生活の中で身体を動かす
7. 仕事ストレスがある
8. 親しく相談できる人がいる
9. 楽しみ生きがいがある
10. 主観的健康感が高い
生存維持関連習慣得点と五年後の依存
生存関数
生存関数
女性
男性
1.1
1.1
生存関連得点三群
1.0
8-10
.9
生存関連得点三群
1.0
8-10
.9
4-7
.8
累
積 .7
生
存
4-7
.8
累
積 .7
生
1-3
存
.6
1-3
.6
0
400
200
800
600
生存日数
1200
1000
1600
1400
2000
1800
0
400
200
800
600
生存日数
1200
1000
1600
1400
2000
1800
壮年層の生存維持要因
Exp(B)の95.0% 信頼区間
B
重い症状得点
重い治療中病気得点
軽い症状得点
軽い治療中病気得点
生存維持習慣三群
プラスストレ ス得点
マイナスストレス得点
適切なストレ ス対処行動得点
不適切なストレ ス対処行動得点
.427
.887
-.253
-.436
-1.156
-.302
.405
-.336
.234
有意確率
.000
.000
.056
.048
.000
.051
.189
.081
.179
Exp(B)
1.533
2.427
.776
.646
.315
.739
1.499
.715
1.264
下限
1.212
1.755
.599
.420
.199
.546
.819
.490
.898
上限
1.938
3.357
1.006
.996
.499
1.001
2.745
1.042
1.778
まとめ
• 口腔ケアが生存維持に役立
つことは、ほぼ明確になりつ
つある。
• かかりつけ歯科医師の意義を
明確にしつつ、診療報酬に位
置づける基盤が整ってきたこ
とを確認したい。
多摩市・首都大学東京
協働研究成果概要
2001年、2004年、
2007年
高齢者全数調査結果
文責 首都大学東京・都市システム化額専攻域 教授 星 旦二
2009/02/06
多摩市・首都大学東京・協働研究成果
•
•
これまでは、調査した実態を中心に分析し
報告してきた。
今回は、生存との関連と要介護度との関連
を報告する。
1. 生存を規定する就労状況と社会的
孤立
2. 生存を規定する要因の総合解析
3. 健康三要素の因果関係
2001-2007年までの調査と転居と死亡状況
2001
調査回答者
13,066人
後期三年間の
死亡者 985人
後期三年間の
転出者 413人
最初三年間の
死亡者 914
人
三年間の転
出者 506人
データベース名:
多摩市2001・6年生存
2001年調査で三年後の
2004年時点での要介護度を確定した
12,145人が分析対象
性 別 と 年 齢階 層 の クロ ス 表
年齢階層
男性
女性
合計
65-69歳
1044
18.4%
1090
16.8%
2134
17.6%
70-74歳
2128
37.6%
2045
31.6%
4173
34.4%
75-79歳
1289
22.8%
1476
22.8%
2765
22.8%
80-84歳
652
11.5%
966
14.9%
1618
13.3%
85歳551
9.7%
904
13.9%
1455
12.0%
合計
5664
100.0%
6481
100.0%
12145
100.0%
社会的孤立が
六年後の生存を低下させ、同時
に要介護度を低下させる可能性
多摩市・首都大学東京・協働研究成果
「社会的孤立」の定義と分析方法
• 12,145人が分析対象で、2001年質問紙調査で、以下の三
つの質問の選択番号を合計し、三点から八点まで得点化し
た。「社会的孤立得点」と定義した。 三点は、いずれもが優
れ、社会的に活発に活動している群を示し、八点は、社会的
に最も孤立している群を示す。
• ①一人で隣近所に外出ができますか 選択肢 1-3
• ②地域活動を積極的にされていますか
1-3
• ③趣味活動を積極的にされていますか
1-2
• 命名は、「社会活動欠落と閉じこもり傾向」
• 三年後2004年の要介護度を確定した。
• 六年後2007年までの生存を追跡した。
社会的孤立群の六年間生存率は、
男性では三割が、女性では五割である。
女性
男性
1.0
1.0
.9
.9
.8
.8
累
積
生
存
社会的孤立二群
社会的孤立二群
.7
.7
社会孤立得点7点以上
社会孤立得点7点以上
.6
.6
社会孤立得点7点以上
社会孤立得点7点以上
-打ち切られた
.5
-打ち切られた
.5
累
社会孤立得点6点以下
社会孤立得点6点以下
積 .4
社会孤立得点6点以下
生
存 .3
-打ち切られた
.4
.3
0
600
300
1200
900
六年間生存日数
1800
1500
2400
2100
0
600
300
社会孤立得点6点以下
-打ち切られた
1200
900
六年間生存日数
1800
1500
2400
2100
2001年で「社会的に孤立しているほど」
三年後の2004年の要介護になっている
七点以上では、三年後に男性七割が、女性64%が
要介護状況になる。
性別=女性
性別=男性
要介護度2004
要介護度2004
100
90
98
99
97
94
80
8
8
12
70
18
60
50
22
40
13
13
21
30
30
20
度
数
29
21
10
0
3
4
5
6
一人外出+趣味+地域活動
7
8
100
要介護5
90
98
97
96
90
80
要介護4
70
要介護3
60
10
10
20
20
13
24
50
要介護2
40
要介護1
30
要介護5
要介護4
要介護3
20
要介護2
36
要支援20
度 10
要介護無し
数 0
15
要介護1
要支援
17
要介護無し
3
4
5
6
一人外出+趣味+地域活動
7
8
「社会的な孤立」と生存と介護との
関連・まとめ
• 社会的に孤立(趣味と地域活
動をせず、外出もしない)して
いるほど、その後の生存率が
大幅に低下し、要介護度が低
下することが追跡調査で明確
にされた。
六年間の生存
生存維持を総合的にみると
何が規定するか
多摩市・首都大学東京・協働研究成果
社会的孤立二群の規定要因の総合解析
Exp(B)の95.0% 信頼区間
性別
男性
女性
年齢階級
社会的孤立
肝臓病
主治医
歯科主治医
外出頻度
主観的健康感
年齢階級
社会的孤立
肝臓病
主治医
歯科主治医
外出頻度
主観的健康感
Wald
298.339
40.903
40.966
5.966
3.447
12.457
111.465
155.055
56.714
12.247
.276
3.544
7.062
39.480
有意確率
.000
.000
.000
.015
.063
.000
.000
.000
.000
.000
.599
.060
.008
.000
Exp(B)
1.678
2.129
2.483
.769
1.153
1.165
1.665
1.686
2.581
2.128
.926
1.193
1.153
1.453
下限
1.582
1.689
1.879
.622
.992
1.070
1.515
1.553
2.017
1.394
.693
.993
1.038
1.293
上限
1.779
2.684
3.280
.949
1.339
1.268
1.830
1.831
3.304
3.249
1.235
1.435
1.281
1.633
多摩市高齢者の生存維持と
要介護予防のために
• 六年後の生存維持のためには、男女ともに
「社会的孤立」をせず、主観的健康感を維持
し、肝臓病がなく、外出頻度を維持することで
あった。
• 男女ともに、歯科の主治医がいるほど生存が
維持されているが、弱い関連であった。
• 男性では、主治医がいないことが生存維持に
関連する(元々病気がないことを反映する)。
• 制御はできないものの、男女ともに加齢が最
大の生存規定要因であった。
健康三要素の
因果関係
多摩市・首都大学東京・協働研究成果
こころとからだの関係について
身体的健康
社会的健康
精神的健康
2001-2004年両方が調査出来た群
8,560名その後三年間追跡
転居と死亡状況
• 2001-2004年9月に両方とも調査できた 8,560名
• その後の転居と死亡状況、2004年9月1日から20
07年7月31日までの二年11ヶ月間で、275名が転
居し、三年間で、569人の死亡が確認された。
• よって、分析対象は、転居者275人を削除して、
8,285名となる。
• SPSSデータベース名:多摩2001-4統合六年生存f
2001-2004年両方調査
三年後生存分析
7性 別 と 年 齢階 層 の クロ ス 表
年齢階層
7性別
男性
女性
合計
65-69
1814
46.8%
1775
40.2%
3589
43.3%
70-74
1074
27.7%
1141
25.9%
2215
26.7%
75-79
585
15.1%
834
18.9%
1419
17.1%
80-84
281
7.3%
401
9.1%
682
8.2%
85-89
94
2.4%
193
4.4%
287
3.5%
SPSSデータベース名:多摩市2001-4・三年生存f
90以上
27
.7%
66
1.5%
93
1.1%
合計
3875
100.0%
4410
100.0%
8285
100.0%
こころとからだと社会との
因果構造
e3
e2
.06
e4
e1
.59
治療中疾病数 IADL得点
.64
外出頻度
ADL得点
.77
-.25
.17
.25
.50
.80
.440
2004
身体的要因
e5
近所付合
.23
.124
.416
2001
精神的要因
.76
.57
.70
主観的健康感 昨年比較健康
e9
e8
d2
.48
.49
.25
2007
社会的要因
d1
.23
生活満足感
e7
CMIN=436.047 P=.000 IFI=.952
NFI=.929 RMSEA=.021 男性
e6
.05
.07
趣味活動
.26
こころとからだと社会との
因果構造
六年後
三年後
身体的健康
社会的健康
e3
e2
.06
e4
e1
.59
外出頻度
治療中疾病数 IADL得点 ADL得点
.77
-.25
精神的
健康
.17
.25
.64
.50
.80
.440
2004
身体的要因
e5
近所付合
.23
.124
.416
2001
精神的要因
.76
.57
.70
主観的健康感 昨年比較健康
e9
e8
d2
.48
.49
.25
2007
社会的要因
d1
.23
生活満足感
e7
CMIN=436.047 P=.000 IFI=.952
NFI=.929 RMSEA=.021 男性
e6
.05
.07
趣味活動
.26
・高齢者の生活能力と社会
参画を維持して、生存を保
つためには、主観的健康感
が大いに関与する
高齢者も「夢」
高齢者の健康寿命延伸のために
提案できること
• 楽しい趣味と地域活動で外出する。
• 社会的に孤立せず、外出する。
• 肝臓病を治療する。
• 歯とともに口腔ケアを大切にする。
• 主観的健康感を維持し、ひとり一
人の想いと夢を大切にする。
かかりつけ歯科医師と
その後の要介護
かかりつけ歯科医師が
いるほど、三年後に要
介護になりにくいという
仮説を設定した
2001-2004年までの調査と転居と死亡状況
2001年多摩市 在宅対象者
16,462人
2004
調査回答
在宅高齢者13,460人
2001
調査回答者
13,066人
二回の調査共に
回答者 8,560人
三年間の死
亡者 569人
2004年までの三年間で
追加された
新規高齢者約4000人
三年間の転出
者 275人
かかりつけ歯科医師の有無と
要介護状況・2001 断面調査
性別=男性
性別=女性
介護度2001
100
90
97
96
100
要介護Ⅴ
90
介護度2001
96
要介護Ⅴ
90
80
要介護Ⅳ
80
70
60
70
要介護Ⅲ
60
要介護Ⅲ
50
50
要介護Ⅱ
要介護Ⅱ
40
40
要介護Ⅰ
30
要介護Ⅰ
30
20
要支援20
度 10
介護認定なし
数 0
度 10
数 0
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
要介護Ⅳ
要支援
介護認定なし
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
断面調査:かかりつ
け歯科医師がいるほ
ど、要介護になりにく
い関連が有意。
かかりつけ歯科医師の有無
と三年後の要介護状況
かかりつけ歯科医師の有無別にみた
要介護度状況
クロ ス 表
要介護04
性別
男性
歯科医師の主
治医はいま す
か
いる
いない
合計
女性
歯科医師の主
治医はいま す
か
いる
いない
合計
介護無し
2472
94.0%
945
91.6%
3417
93.3%
2763
90.8%
800
81.3%
3563
88.5%
要支援
13
.5%
11
1.1%
24
.7%
48
1.6%
19
1.9%
67
1.7%
要介護1
67
2.5%
27
2.6%
94
2.6%
136
4.5%
80
8.1%
216
5.4%
介護度2
34
1.3%
23
2.2%
57
1.6%
32
1.1%
20
2.0%
52
1.3%
介護度3
介護度4
14
.5%
6
.6%
20
.5%
20
.7%
20
2.0%
40
1.0%
9
.3%
9
.9%
18
.5%
26
.9%
28
2.8%
54
1.3%
介護度5
20
.8%
11
1.1%
31
.8%
18
.6%
17
1.7%
35
.9%
合計
2629
100.0%
1032
100.0%
3661
100.0%
3043
100.0%
984
100.0%
4027
100.0%
カ イ 2 乗 検定
性別
男性
女性
Pearson のカイ 2乗
連続修正
尤度比
線型と線型による連関
有効なケー スの数
Pearson のカイ 2乗
連続修正
尤度比
線型と線型による連関
有効なケー スの数
6
漸近有意確
率 (両 側)
.037
12.348
6.863
3661
79.4432
6
1
.055
.009
6
.000
70.513
76.515
4027
6
1
.000
.000
値
13.4271
自由度
1. 0 セル (.0%) は期待度数が 5 未満です。最小期待度 数は 5.07 です。
2. 0 セル (.0%) は期待度数が 5 未満です。最小期待度 数は 8.55 です。
かかりつけ歯科医師の有無と
三年後の要介護状況
性別=男性
性別=女性
要介護04
100
90
94
92
100
介護度5
90
要介護04
介護度5
91
8
80
介護度4
80
70
60
70
介護度3
60
介護度3
50
50
介護度2
介護度2
40
40
要介護1
30
要介護1
30
20
81
要支援20
度 10
介護無し
数 0
度 10
数 0
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
介護度4
要支援
介護無し
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
要介護者だけの分析では、要介護三
を境界に較差が見られ、かかりつけ歯
科医師群では重度介護者が少ない
クロ ス 表
要介護度2004
性別
男性
要支援
歯科医師の主
治医はいま す
か
いる
いない
合計
女性
歯科医師の主
治医はいま す
か
いる
いない
合計
13
9.2%
13
16.5%
26
11.8%
49
19.3%
19
11.7%
68
16.3%
要介護1
58
40.8%
21
26.6%
79
35.7%
109
42.9%
62
38.3%
171
41.1%
要介護2
35
24.6%
18
22.8%
53
24.0%
32
12.6%
21
13.0%
53
12.7%
要介護3
12
8.5%
7
8.9%
19
8.6%
23
9.1%
19
11.7%
42
10.1%
要介護4
8
5.6%
11
13.9%
19
8.6%
23
9.1%
25
15.4%
48
11.5%
要介護5
合計
16
11.3%
9
11.4%
25
11.3%
18
7.1%
16
9.9%
34
8.2%
142
100.0%
79
100.0%
221
100.0%
254
100.0%
162
100.0%
416
100.0%
カ イ 2 乗 検定
性別
男性
女性
9.3301
5
漸近有意確
率 (両 側)
.097
9.159
.644
221
9.1182
5
1
.103
.422
5
.104
9.155
8.013
416
5
1
.103
.005
値
Pearson のカイ 2乗
連続修正
尤度比
線型と線型による連関
有効なケー スの数
Pearson のカイ 2乗
連続修正
尤度比
線型と線型による連関
有効なケー スの数
自由度
1. 0 セル (.0%) は期待度数が 5 未満です。最小期待度 数は 6.79 です。
2. 0 セル (.0%) は期待度数が 5 未満です。最小期待度 数は 13.24 です。
かかりつけ歯科医師の有無と
三年後の要介護状況
性別=男性
100
90
11
80
8
70
25
40
11
14
9
23
60
50
性別=女性
27
20
10
0
16
9
いる
90
7
9
要介護5
80
9
70
要介護4
60
13
12
43
13
50
要介護3
41
30
度
数
100
要介護度2004
いない
歯科医師の主治医はいますか
15
38
40
要介護2
30
20
要介護1
度 10
要支援
数 0
10
要介護度2004
要介護5
要介護4
要介護3
要介護2
要介護1
19
12
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
要支援
かかりつけ歯科医師が
いるほど、三年後の要
介護になりにくく、重度
介護も抑制される可能
性が示唆された。
かかりつけ歯科医師の有無
と三年後の要介護状況
の変化
2004年介護度から2001年
要介護度を引き算
要介護度の三年間変化とかかりつけ歯科
医との関連は、女性のみ有意
歯 科 医師 の 主 治 医は い ま す か と 要 介 護三 年変 化 と 性 別 の クロ ス 表
要介護三年変化
性別
男性
-2
歯科医
師の主
治医は
いま す
か
いな
い
合計
女性
歯科医
師の主
治医は
いま す
か
合計
-1
1
5
.2%
2
2504
95.2%
973
31
1.2%
13
44
1.7%
18
25
1.0%
13
9
.3%
4
4
.2%
4
7
.3%
4
合計
2629
100.0%
1032
.1%
.2%
94.3%
1.3%
1.7%
1.3%
.4%
.4%
.4%
100.0%
1
.0%
1
.0%
3
7
.2%
13
.4%
6
3477
95.0%
2838
93.3%
849
44
1.2%
60
2.0%
34
62
1.7%
92
3.0%
51
38
1.0%
20
.7%
12
13
.4%
5
.2%
12
8
.2%
7
.2%
11
11
.3%
7
.2%
6
3661
100.0%
3043
100.0%
984
.3%
.6%
86.3%
3.5%
5.2%
1.2%
1.2%
1.1%
.6%
100.0%
4
.1%
19
.5%
3687
91.6%
94
2.3%
143
3.6%
32
.8%
17
.4%
18
.4%
13
.3%
4027
100.0%
いる
いる
いな
い
0
1
2
3
4
5
6
カ イ 2 乗 検定
性別
男性
女性
5.6491
8
漸近有意確
率 (両 側)
.687
5.397
1.789
3661
65.8052
8
1
.714
.181
8
.000
56.876
45.479
4027
8
1
.000
.000
値
Pearson のカイ 2乗
連続修正
尤度比
線型と線型による連関
有効なケー スの数
Pearson のカイ 2乗
連続修正
尤度比
線型と線型による連関
有効なケー スの数
自由度
1. 6 セル (33.3%) は期待度数が 5 未満です。最小期待度 数は .28 です。
2. 6 セル (33.3%) は期待度数が 5 未満です。最小期待度 数は .98 です。
かかりつけ歯科医師有無別にみた、
三年後の介護度変化
要介護三年変化
性別=男性
要介護三年変化
性別=女性
6
6
5
100
90
95
94
4
5
100
90
80
3 80
70
70
2
60
50
4
93
86
2
60
1 50
40
3
1
40
0
30
20
0
30
-1 20
度 10
数-2 0
度 10
数 0
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
-1
-2
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
かかりつけ歯科医師がいる
ほど、要介護になりにくいが
みられた。統計学的に有意な
関連は女性のみであった。
かかりつけ歯科医師の有無
と三年後の要介護状況
維持と低下の二群に
分けて分析
かかりつけ歯科医師がいると、三年後の要介護状況
が統計上有意に維持されるのは、女性のみ。
歯 科医 師 の 主 治医 は い ま す か と 要 介護 三 年変 化 二 群 と 性 別 の クロ ス 表
要介護三年変化二群
性別
男性
歯科医師の主
治医はいま す
か
いる
いない
合計
女性
歯科医師の主
治医はいま す
か
いる
いない
合計
度数
歯科医師の主治
医はいま すか の %
度数
歯科医師の主治
医はいま すか の %
度数
歯科医師の主治
医はいま すか の %
度数
歯科医師の主治
医はいま すか の %
度数
歯科医師の主治
医はいま すか の %
度数
歯科医師の主治
医はいま すか の %
維持改善
2509
介護度低下
120
合計
2629
95.4%
4.6%
100.0%
976
56
1032
94.6%
5.4%
100.0%
3485
176
3661
95.2%
4.8%
100.0%
2852
191
3043
93.7%
6.3%
100.0%
858
126
984
87.2%
12.8%
100.0%
3710
317
4027
92.1%
7.9%
100.0%
カ イ 2乗 検 定
性別
男性
女性
1
1
1
漸近有意確
率 (両 側)
.273
.312
.278
1.203
3661
43.6953
42.799
39.584
1
.273
1
1
1
.000
.000
.000
43.684
4027
1
.000
値
Pearson のカイ 2乗
連続修正 1
尤度比
Fisher の直接法
線型と線型による連関
有効なケー スの数
Pearson のカイ 2乗
連続修正 1
尤度比
Fisher の直接法
線型と線型による連関
有効なケー スの数
自由度
1.2032
1.022
1.175
1. 2x2 表に対してのみ計算
2. 0 セル (.0%) は期待度数が 5 未満です。最小期待度数 は 49.61 です。
3. 0 セル (.0%) は期待度数が 5 未満です。最小期待度数 は 77.46 です。
正確有意確
率 (両 側)
正確有意確
率 (片 側)
.266
.156
.000
.000
三年後の要介護維持改善二群と
かかりつけ歯科医師との関連
性別=男性
性別=女性
100
90
100
95
95
80
70
70
60
60
50
50
13
87
40
要介護三年変化二群
30
要介護三年変化二群
30
20
度
数
90
80
40
6
94
20
介護度低下
度 10
維持改善
0
数
10
0
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
介護度低下
維持改善
いる
いない
歯科医師の主治医はいますか
かかりつけ歯科医師の有無
と三年後の要介護状況
維持と低下の二群に
分けて分析すると、女性のみ
統計学上有意差がみられた。
三年後の要介護改善有無と
多重ロジィステック分析
Exp(B)の95.0% 信頼区間
性別
男性
女性
要介護度
年齢階級
歯科主治医
主観的健康感
地域活動
趣味活動
定数
要介護度
年齢階級
歯科主治医
主観的健康感
地域活動
趣味活動
定数
Wald
18.014
90.678
.350
20.896
3.224
2.369
176.272
2.692
168.458
3.952
35.906
1.113
14.049
310.957
有意確率
.000
.000
.554
.000
.073
.124
.000
.101
.000
.047
.000
.291
.000
.000
Exp(B)
1.060
1.129
1.117
1.854
1.350
1.372
.000
1.016
1.145
1.336
1.857
1.167
1.992
.000
下限
1.032
1.101
.774
1.423
.973
.917
上限
1.089
1.158
1.612
2.416
1.873
2.054
.997
1.122
1.004
1.517
.876
1.389
1.036
1.169
1.777
2.274
1.555
2.855
三年後の要介護状況に成りにく
いことと、統計学的に有意に関
連していたのは、年齢が若いこと
と主観的健康感であった。男性
のみ要介護度が軽いこと、女性
のみ歯科の主治医がいることと
趣味活動をしていることであった。
かかりつけ歯科医師と
要介護予防とのとの関連・まとめ
• 2001年かかりつけ医師がいるほど、2001年時点の
要介護にはなっていない関連。
• 2001年のかかりつけ歯科医師がいるほど、三年後
の要介護状況にはなっていない関連。
• 2001年のかかりつけ歯科医師がいるほど、三年後
の要介護度は維持される傾向は女性のみ統計学上
有意。
• 三年間の要介護度変化を規定する要因総合解析で
は、年齢と主観的健康感であり、女性のみで、かか
りつけ歯科医師が統計学上有意。
・参加者に
感謝
口腔ケアで
健康長寿
生存を決定する根源は社会
経済要因である
117
好ましい生活習慣
長生きか?
か
118
•あなたは、あと
何年生きら
れますか?
好ましい健康習慣
三大成人病
がいずれも
少ない
122
好ましい生活習慣
長生きか?
123
好ましい生活習慣へと
行動変容・死亡率高まる?
○か
124
MRFIT 長期介入追跡研究
行動変容は、成功する。
•
•
•
•
対象 35万人から
ハイリスク群選定
無作為二分化
7年追跡
• 行動変容成功
•
•
•
禁煙
血圧低下
コレステロール
125
MRFIT 長期介入追跡研究
• ハイリスク対象
• 無作為二分
• 行動変容成功
• 死亡率低下は
有意差なし
• 七年後は増加
126
健康規定要因
•行動変容死亡
率低下させず
127
行動変容効果なしの理由
•無理をした
•本意でない
•その他の要因
128
大人の行動変容
•死亡率を
低下させず
行動変容で、死亡率が増加する
成人に対する生活習慣を好ましいものに変える行
動変容を促し、その後の健康度と生存効果を追跡
した、大規模追跡研究MRFIT44)では、行動変容に
は有意な効果がみられたものの、死亡率の低減化
は見られなかった。また、フィンランドにおける生活
習慣行動変容を促す無作為化介入追跡研究45)で
は、行動変容群の総死亡率が対照群よりも統計学
的に有意に増加していた。
JAMA. 1991 Sep 4;266(9):1225-9.Long-term mortality after 5year multifactorial primary prevention of cardiovascular
diseases in middle-aged men. Strandberg TE,
JAMA. 1991 Sep 4;266(9):1225-9.
Long-term mortality after 5-year multifactorial primary prevention of
cardiovascular diseases in middle-aged men. Strandberg TE, Salomaa VV,
Naukkarinen VA, Vanhanen HT, Sarna SJ, Miettinen TA.
• MAIN OUTCOME MEASURES. Total mortality, cardiac mortality,
mortality due to other causes. RESULTS. Total coronary heart
disease risk was reduced by 46% in the intervention group as
compared with the control group at end-trial. During 5 posttrial years,
the risk factor and medication differences were largely leveled off
between the groups. Between 1974 and 1989 the total number of
deaths was 67 in the intervention group and 46 in the control group
(relative risk [RR], 1.45; 95% confidence interval [CI], 1.01 to 2.08; P
= .048); there were 34 and 14 cardiac deaths (RR, 2.42; 95% CI,
1.31 to 4.46; P = .001), two and four deaths due to other CVD (not
significant), 13 and 21 deaths due to cancer (RR, 0.62; 95% CI, 0.31
to 1.22; P = .15), and 13 and one deaths due to violence (RR, 13.0;
95% CI, 1.70 to 98.7; P = .002), respectively. Multiple logistic
regression analysis of treatments in the intervention group did not
explain the 15-year excess cardiac mortality. CONCLUSION. These
unexpected results may not question multifactorial prevention as
such but do support the need for research on the selection and
interaction(s) of methods used in the primary prevention of
cardiovascular diseases.
行動変容で、死亡率が増加する
JAMA. 1991 Sep 4;266(9):1225-9.
Long-term mortality after 5-year multifactorial primary prevention of
cardiovascular diseases in middle-aged men.
成人に対する生活習慣を好ましいものに変える行動変容を促し、その後の健康
度と生存効果を追跡した、大規模追跡研究MRFIT44)では、行動変容には有意な
効果がみられたものの、死亡率の低減化は見られなかった。また、フィンランドの
介入追跡研究45)では、行動変容群の総死亡率が対照群よりも統計学的に有意
に増加していた点も考慮しなくてはならない。
健康にとって好ましい生活習慣へと行動を変えるように促した群
と、変えるように促さなかった群のその後を追う研究が実施されて
います。 フィンランドでの管理職男性で、1919 年から 1934年まで
に生まれた、 3,490人の中から、臨床的には健康であるものの、
1960年代に検診を受けてリスクがある人を1974年に1222人選び、
無作為に612人の介入群と610人の対照群を設定した。その結果、
教育を受けて、行動を変えるように促された群は、全体でみた総死
亡率が、減るどころかなんと統計学的に有意に増加していました。
試験を開始してから15年間で、介入群は67人が死亡し、放置群は
46人しか死亡していません。
行動変容死亡
率低下させず
次の戦略?
新しい健康戦略
•行動変容不要者増やす
•学校と家庭保健
を重視する動向
Family
development
•育児よりも、
育自(自分)
・子供達の生活習慣形成
家族の食育、
共に運動が大事
親も楽しむ家庭
136
・家族保健を
大切にする。
137
子供の好ましい生活習
慣を規定するのは
家族の願いという認識
と健康志向行動が必要
先行研究①
高校生の健康危険行動調査
• 目的:都立高校生の喫煙、飲酒、
薬物乱用に関する健康危険行動
の関連要因を総合的に分析する
• 対象:174校一年生3,208人
• 平成17年調査
• 実施主体:東京都教育委員会
• 首都大学東京との連携研究
豊かな学校生活は、喫煙と飲酒状況に対して抑制的に影響し、薬
豊かな学校生活は、喫煙と飲酒状況に対して抑制的に影響
物使用意向を経て間接的にも影響し、
し、薬物使用意向を経て間接的にも影響し、
全体で高校生の喫煙飲酒状況の16%を説明できる
喫煙飲酒状況の16%を説明できた
小学中学高校生の
好ましい生活
• 何で規定される
のか?
先行研究②
小学中学高校生と保護者の連携調査
• 目的:子どもの生活習慣形成に
家庭学校の支援環境の役割を
総合的に分析する
• 対象:子どもと保護者連結した
約二万人調査
• 実施主体:東京都教育委員会
• 首都大学東京との連携研究
小学生の生活習慣形成
基本理念=エンパワーメント
• 児童生徒、住民専門家
•
•
•
•
力を付ける
「夢」を支援する
夢を支援する家族力
Family Development
•
熊本市の特徴として、小学校区ごとに「校区子育てネ
ットワーク」があるということです。子育て支援ネットワ
ーク小学校区単位につくることが幸山市長の公約。
新しい
健康づくりの
パラダイム
エンパワーメント
• 児童生徒も、住民も、
専門家も力を付ける
• セルフケア能力
• 課題解決能力
• 健康志向行動力
まとめ
• 東京都、もっと健康長寿になれる
• 口腔ケアが生存維持に役立つこ
とは、ほぼ明確になりつつある。
• かかりつけ歯科医師の意義を明
確にしつつ、診療報酬に位置づ
ける基盤が整ってきたことを確認
したい。
生活習慣と
生存維持との
関連は偽相関の
可能性がある
2001-2004年までの調査
その後2007年までの生存調査を実施した
2001年多摩市 在宅対象者 16,462人
2004年
調査回答
在宅高齢者13,460人
2001年
調査回答者
13,066人
二回調査回答者
8,560人
2004年から3年間
生存追跡
三年間の
死亡者
569人
149
三年間の転出者
275人
2004年までの三年間
で追加された
新規高齢者約4000
人
2001-2004年両方調査
三年後生存分析
7性 別 と 年 齢階 層 の クロ ス 表
年齢階層
7性別
男性
女性
合計
65-69
1814
46.8%
1775
40.2%
3589
43.3%
70-74
1074
27.7%
1141
25.9%
2215
26.7%
75-79
585
15.1%
834
18.9%
1419
17.1%
80-84
281
7.3%
401
9.1%
682
8.2%
85-89
94
2.4%
193
4.4%
287
3.5%
90以上
27
.7%
66
1.5%
93
1.1%
合計
3875
100.0%
4410
100.0%
8285
100.0%
表2 三年後の生存と関連する各食生活と生活習慣
男性
死亡
飲酒頻度
喫煙状況
睡眠時間
運動頻度
BMI区分
生活習慣得点
ほぼ毎日飲む
週3~4回位飲む
週1~2回位飲む
ほとんど飲まない
吸っている
やめた
以前から吸わない
6時間未満
6~9時間未満
9時間以上
ほぼ毎日
週3~4回位
週1~2回位
月1~2回位
していない
-19.9
20-21.9
22-24.9
25-26.9
270点
1点
2点
3点
4点
5点
Kendallタウ
生存
検定
67( 4.8)
1,332(95.2)
23( 6.1)
356(93.9)
25( 7.1)
329(92.9)
184(11.5)
1,420(88.5)
64( 8.4)
702(91.6)
154( 8.7)
1,622(91.3)
84( 7.1)
1,100(92.9)
52( 7.4)
648(92.6)
194( 7.2)
2,511(92.8)
50(16.1)
女性
死亡
Kendallタウ
生存
検定
8( 3.0)
258(97.0)
7( 3.7)
180(96.3)
4( 1.3)
299(98.7)
197( 5.8)
3,190(94.2)
0.019
16( 7.4)
200(92.6)
0.035
P=0.212
20( 7.5)
247(92.5)
P<0.05
179( 5.0)
3,433(95.0)
46( 3.5)
1,254(96.5)
122( 4.6)
2,513(95.4)
260(83.9)
55(20.8)
210(79.2)
38( 4.7)
772(95.3)
12( 2.3)
509(97.7)
22( 4.2)
501(95.8)
-0.11
12( 2.4)
495(97.6)
37( 6.3)
555(93.8)
P<0.01
28( 3.5)
778(96.5)
9( 4.5)
192(95.5)
3( 2.1)
141(97.9)
188(12.0)
1,375(88.0)
170( 8.1)
1,934(91.9)
108(17.4)
514(82.6)
96( 9.0)
976(91.0)
58( 6.8)
791(93.2)
0.107
30( 3.2)
902(96.8)
81( 5.6)
1,373(94.4)
P<0.01
51( 3.9)
1,261(96.1)
26( 6.0)
405(94.0)
10( 2.7)
367(97.3)
15( 5.8)
243(94.2)
19( 6.1)
292(93.9)
34(41.5)
48(34.6)
19(23.8)
61(76.3)
69(16.6)
346(83.4)
58(16.0)
304(84.0)
106(10.9)
868(89.1)
0.168
83( 6.7)
1,162(93.3)
0.146
75( 6.2)
1,144(93.8)
P<0.01
64( 3.9)
1,560(96.1)
P<0.01
33( 3.5)
922(96.5)
20( 2.1)
918(97.9)
7( 3.0)
223(97.0)
1( 0.6)
160(99.4)
-0.105
P<0.01
-0.052
P<0.01
-0.064
P<0.01
-0.105
P<0.01
-0.104
P<0.01
0.065
P<0.01
生活習慣得点と死亡率
追跡研究
生活習慣と健康寿命の因果
好ましい生活習慣と生存日数
生
存
日
数
好ましい生活習慣得点
交絡因子(confounding)
:予測因子以外で、
結果に対して影響
を与える恐れのあ
る因子
足の大きさと計算能力
計
算
能
力
足の大きさ cm
一学年だけ分析
計
算
能
力
その学年では何ら関連がない
足の大きさ cm
生活習慣と健康寿命の因果
e11
e10
-.01
.72
.17
生活習慣得点 食生活得点
.85
.42
.23
2004年食生活と
生活習慣
d1
.30
.23
.48
2004年後の
健康寿命
社会経済的要因
2001年
健康三要素
.53
.76
.57
.67
.96
.52
.45
.73
e3
e2
2001年
身体的健康
.27
.53
adl
iadl
疾病治療数
e7
e8
e9
趣味活動
e4
z4
.68
.53 .28
.25
近所付合
-.27
e5
.04
.79
2001年
社会的健康
.50
z3
-.20
.89
.52
.27
主観的健康感 昨年比較健康 生活満足
e1
e13
z5
.91
.28
2001年
精神的健康
z2
2004年
要介護度
z6
.20
d2
.66
-.81
.90
.45
年間収入額
2004年からの
生存日数
.37
.81
.43
学歴
.13
.00
.27
.18
e12
z1
.47
外出頻度
e6
CMIN=5517.876 P=.000 女性
NFI=.875 IFI=.880 RMSEA=.036
社会経済要因が基盤となり、その後の食生活と生活習慣と健康
三要素を規定する。結局高齢者の健康長寿は、健康三要素が直
接因果効果をもち、社会経済要因が間接因果効果を持つ。
2004年
食生活と生活習慣
2001年
健康三要素
161
生存日数を規定するのは、社会経済要因が基盤とな
り、その後の健康三要素を規定していました。
生活習慣
生存日数
健康三要素
好ましい生活習慣が
健康を規定する
訳ではない!
それは結果だ
163
生存日数を規定する要因
• 生存日数は、『健康三要素』から直接に規定される
(標準化推定値=0.33)
• 学歴と年間収入それに生活習慣得点からは、直接
には規定されなかった(標準化推定値=±0.01)。
• 生存日数に対する標準化間接効果は、学歴から年
間収入と『健康三要素』を経由する効果が0.33と最
も大きかった。
• 生存を規定する根源的な基盤は、学歴と年
間収入であり、『健康三要素』を経る間接効
果がみられる可能性が示された。
164
疫学研究デザイン分類
• 観察疫学
• 分析疫学
生態学的、有病率
症例対照 コホート研究
• 介入研究
臨床、地域
評価デザイン
教育介入
•事前調査
・事後調査
血色素(ヘモグロビン)の経時変化
教育内容を群で分ける
事前調査 介入 事後調査
A
•対象
•対象
B
•対象
•対象
禁煙教育の追跡効果のバイアス
望ましい評価デザイン
事前調査
介入 事後調査
•対象
•対象
•対照
•対照
MRFIT 長期介入追跡研究
USA
•
•
•
•
•
•
•
•
対象 35万人から
ハイリスク群選定
無作為二分化
7年追跡
行動変容成功
禁煙
血圧
コレステロール
MRFIT 長期介入追跡研究 USA
•
•
•
•
•
ハイリスク対象
無作為二分
行動変容
死亡率低下は
有意差なし
評価の目的は何か?
• The purpose of
evaluation is
not to prove
•to
2015/9/30
普遍真理
推論
研究テー
マ
仮説
研究上真理
推論
実際研究
研究計画
デザイン
実施
予定サン
プル
目的とす
る現象
外的
妥当性
研究結果
実際測定
内的妥
当性
・参加者に
感謝
口腔ケアで
健康長寿
09.2011
白地に青い十字~
白は雪、青は空と水、十字はキリスト教
フィンランド共和国
Republic of Finland
Tano Rumi
飛行時間は約10時間
フィンランドとは
•
•
•
•
•
人口:約530万人(東京の人口約1千300万人)
人口密度:16人/Km2(日本338人)
民族構成:フィンランド人(9割)
公用語:フィンランド語(9割)
宗教:キリスト教徒(9割)
•
•
•
•
•
•
親日的
男女平等思想
高い教育水準
先進工業国
社会福祉国家
女性の社会進出
訪問先@ヘルシンキ
• ヘルシンキ大学国立図書館/司書
• ヘルシンキ大学併設の歯科衛生士高等職業
専門学校(実習室) /歯科衛生士の教員
• ヘルシンキ中央専門書書店/店員
• ヘルシンキ市図書館/司書
• 歯科医師が開業経営する歯科医院/勤務の
歯科衛生士
• 歯科衛生士が独立経営する口腔ケア診療所/
開業の歯科衛生士
1975年に6.5あった12歳児DMFTを
1991年には1.2に!
• 1日平均の歯みがき回数は、1回以下である
。
• 1972年から国をあげて齲蝕予防に取り組み
はじめ、1975年に6.5あった12歳児DMFTを
1991年には1.2まで下げた。
子どものう蝕減少への方策
• フッ素の応用
• キシリトールの利用
• パブリックヘルスセンターでの、定期歯科健
診および口腔衛生指導の徹底
• 教育機関での、口腔衛生指導の徹底
• 国民健康法の施行
• 大学歯学部での科学的な調査研究の実施
う蝕減少以外にみられた成果
• パブリックヘルスセンターにおける、7歳から
16歳までの定期歯科健診と口腔衛生指導の
受診率が100%
(Turun Terveyskeskus.1992)
• 地域住民の健康管理のための各組織の機能
と役割を、より明確にした。
• 予防の重要性が国民に認識された
地方自治体の設置機関
~効率的な組織構造と運営~
地方自治体
健康管理義務
保育園
幼稚園
学校機関
パブリック
ヘルスセンター
協力体制が整備されている
キシリトール
• 1982年から、キシリトール研究が主に「ユリビスカ」と
いう地域で小学生を対象に行われた。
• 当時、フッ化物の使用も含めて口腔衛生指導はかな
り充実しており、これ以上の成果は望めないといわれ
ていた。
• 現在、大多数の小学校が自発的な活用をしている。
子どもたちは、食後保護者や学校の負担によってガ
ムを噛んでいる。
• キシリトールの主な原産国(白樺からとれる甘味料)
パブリック ヘルス
センターの特徴
•
•
•
•
一次医療機関
各地方自治体が設置
0~18歳は診療費無料
19歳以上の診療費は民
間施設より安価
• 保健活動の中核
Oral
Hammamlääkärit
Ojy
歯科衛生士のAiriさんが
快く対応してくださいました
入口です、2階が歯科医院です
Suuhyienisti
Riikka
2003年に歯科衛生士となり
独立開業して1年半が経ちます。
予防歯科の専門家として、
住民の口腔ケアを支援する職業に
誇りと満足を感じています。 Riikka
フィンランドの
歯科衛生士が
活き活きと働いて
いる姿に感動し
希望をもちました。 Rumi
歯科衛生士に関連する状況の比較
DH校入学
難関
容易
DH校数
3校
155校
DH校設置
全て国立
多くは私立
DH校学費
無料
有料
就業率*)
70%
36%
独立開業
可(1994年~)
不可
*)Johnson PM.International profiles of dental hygine
1987 to 2001:A 19-nation comparative study. Int Dent J 2003;53(5):299-313
歯科衛生士の就業場所
独立開業
歯科医院
勤務
歯科医院勤務
パブリック
ヘルスセンター
病院等
行政
Uusi suunta suun
terveydenhuoltoon
口腔ケアの新しい方向
Finlands Tandläkarföbund
フィンランド歯科医師協会
歯科医療保健の改革に向けて
• 高齢化に伴い、口腔の健康とケアの必要性
が高まっている。
• 内閣の医療改革における全身的ケアにつづ
き、口腔ケアを制度として、どのように予算
をとるかが課題である。
• 口腔ケアは全身ケアの一部であり、
目標は「口腔疾患の予防」と「口腔ケア」を
提供することである。
• 口腔の健康は、すべての国民の権利である
とともに 福祉の中心をなす。
• 口腔疾患は全身疾患につながるのにもか
かわらず、歯科医療は他科の医療と別であ
るため、現状のままでは国民に平等なサー
ビス提供ができない。
• 歯科医療保健サービスの構造改革が要求
されている。
現状と提案
現状
歯科医療保健サービスを提供する民間
施設での診療費の患者負担は2/3であり、
公的(地方自治体)機関はこれを下回る。
民間と公的機関数は、ほぼ同じ割合で
あるが、診療費の安価な公的機関に患
者数が偏っている。
提案
民間施設での歯科医療保健サービ
スの拡充を薦めていく
到達目標
• すべての国民に対応するサービス
• 改革によって、すべての国民に
質のよい口腔ケアを保障する。
• 新しいシステムには、口腔疾患の予防と口腔
のセルフケアを支援する内容がなければなら
い(なぜなら、治療より予防を重要視したほう
が安いからだ)。
• 今後も協会は、専門家として、改革に積極的
に参画していく。
方法
• すべての国民に必要な口腔ケアを保障する
• すべての資源を、公的機関および民間施設
に振り分ける。
• 財政の改革
ご静聴 ありがとうございました
田野ルミ
201
健理学のすすめ
ヘルスプロモーションの
基礎理念として
首都大学東京・星 旦二
健康管理センターへの足どり
• ある多大企業の健康管理センターが都内に
ある。関東各地の工場での健康診査後に、メ
タボ対策である特定健診により特定保健指導
の対象者のつぶやきである。「健康管理セン
ターの所在駅を降り、徒歩五分で着くはずの
センターまでの時間が長いこと、次第に歩幅
が狭くなり、スピードが鈍くなった。まるで刑務
所に向かう自分の様だった。でも、明るい保
健師にあえたから、良いことにしよう」という感
想であった。
病理学と健理学の特性
病理学
健理学
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医学のモデル
リスク
Risk
マイナス Negative
あら探し
専門家 Profession
指導
ふるい分け
形態学 組織学
Powerless
その時点、短時間
非日常
主体性より、客体化
生活モデル
Salute Health
ポジィティブ Positive
良いところ探し
素人
Layman
支援
分けない
機能学
力量形成 Empowerment
毎日
日常
主体性
HOSHI 2010
病理学と健理学・特性と支援方法
病理学
•
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薬物療法中心
医学が中心
治療
指導
病気の治癒
二次予防中心
Complete Well-being
その時点での判断
Victim blaming
病気=悪、悲劇、非国民
病気判断=異常
専門家の価値付け
健理学
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自然治癒力中心
統合医療 総動員
てあてと予防
支援、傾聴
病気の受容
一次予防、三次予防
Dynamic Spiritual
Process
ICF 支援環境
病気=生きている証拠
病気判断=機能で見る
主体の価値判断 HOSHI
2010
提案出来ること
不健康の拡大再生産防止=新しい公衆衛生
• 遺伝的健康:DNAで決定され、制御不能。
• 模伝的健康:子どもの生活習慣形成には
家庭と学校の支援環境の意義が大きい。
– 教育支援とその基盤重視。
– 健康較差の基盤的背景は経済。
– 好ましい生活習慣は、望ましい家庭と社会
の結果要因である可能性がある。
まとめと展望
• 人々のQOLを高め、健康長寿をめざし
ていく上で、口腔ケアが全身ケアに連動
し、健康寿命延伸につながっている。
• 先進国のように、予防重視システムとし
て、歯科衛生士の開業と位置づけ向上
という将来を展望したい。
• 様々な予防重視科学的エビデンスを構
築させ、制度改正による位置づけ向上。