錯形成反応 配位結合:結合を形成する2つの原 子の一方からのみ結合電子が分 子軌道に提供される化学結合 錯体:配位結合で生成された化合物 配位子(Y):物質(主に金属)と配位 結合する分子 Men++ Y → Me Y n+ アミン(amine):アンモニア(NH3)の 水素原子を炭化水素で置換した もの。Rは炭化水素の総称。 1 錯形成反応 キレート:配位基を2個以上持つ配位子。多座配位子という。 エチレンジアミン四(し)酢酸 (ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA) 2 錯形成反応 自然界の錯体の例 ヘモグロビン中のヘム分子中のFe クロロフィル中のMg 3 錯形成反応 用語 ドナー原子:配位子中の、非共有電子対を持ち、金属との結合に関与する原 子。主にN、O、S原子。 キレート:ドナー原子が複数の配位子。多座配位子。 金属の配位数:1個の金属イオンが配位結合する、ドナー原子の数。 生成定数(安定度定数):錯体形成反応の平衡定数。解離定数の逆数。 4 錯形成反応 金属イオン(Mn+)と配位子(L)の反応式 M n n L ML 平衡時に水中に残っている金属と配位子をM’、L’、 生成された錯体をMLとする。 M L ML 平衡定数の式 ML K M L 平衡時 5 錯形成反応 分析化学での利用 マスキング:物質Aを測りたいが、サンプルには物質Bが入っていて、しかも 物質Bは物質Aの分析を妨害する、場合がある。このような場合に物質B のみを捕えてしまう操作を「マスキング」という。 金属イオン滴定(後述) 光化学分析:別紙、佐藤卒論 6 錯形成反応 金属イオン(Mn+)とEDTA(H4Y=Y4-)の反応式 M n Y 4 n 4 MY 平衡時に水中に残っている金属とEDTAをM'、Y'とする。 平衡時 M Y MY 平衡定数の式 n 4 K MY n 4 M Y 7 全モル濃度 Mtotal MY M n 4 Ytotal MY Y n 4 Ytotal Mtotal M Y この式から 金属イオンとEDTAのモル比 Ytotal 1 M Y M total M total M total ここで M MY M K M Y M n 4 total Mtotal M K M Y M K M Y 1 M total M total Y 1 1 M total K M K M total 8 よって Ytotal 1 M Y 1 M 1 1 M total M total M total M total K M K M total 1 K M total Kは一般に大きく(>107) は無視できる。 Ytotal 1 M 1 M total M total K M この式を用いて Ytotal と log10 M pM のグラフを 描いてみる。 Mtotal=0.01(M) K=1010 、108 、106 9 10 9 9 9 8 8 8 7 7 7 6 6 6 5 pM' 10 pM' pM' 10 5 5 4 4 4 3 3 3 2 2 2 1 1 1 0 0 0 0 0.01 Y 0.02 0 0.01 Y 0.02 0 0.01 Y 0.02 Mtotal=0.01mol/L、左からK=1010、108、106。 0.01mol/Lのキレートを添加していく。 キレート濃度(Y)を高めていくと急激に金属濃度(M’)が減少する点 (=当量点)があることがわかる。 pMからすぐに濃度がイメージできるようにしておく。 10
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