サプライチェーン診断及びプロジェクト企画ご提案

○○○○株式会社 御中
現場改善予備調査
ご提案書
2007年○月○○日
ワクコンサルティング株式会社
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はじめに
この度は貴社○○工場の予備調査ご提案の機会をいただきありがとうございました。
日本の製造業が国際的に常にリードしてきた原動力は「ものづくりの現場力」にあると言われておりますが
昨今の中国をはじめとするBRICS諸国の追い上げは厳しいものがあり、昨日までの名声に安閑としていて
は国際競争力に遅れを取るのは明らかであります。
先般、貴工場を見学し、○○○○様から現場改善の重要性と改善にかける熱い思いを伺い意を強くした
次第です。
本提案書は、以上の認識に基づき、
① 貴工場における現場改善の意義を展望するシナリオ
② ①を念頭に置いた、足元の「現場改善」の取り組み方
を提案しております。
ご検討の上、ご用命の程よろしくお願いいたします。
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1
目次
1.予備調査の目的
2.予備調査の範囲
3.予備調査の成果物
4.活動の基本的な考え方
5.現場改善の意義
6.予備調査フェーズの位置づけ
7.予備調査の基本プログラム
7-1.活動スケジュール
7-2.活動ステップと活動内容
7-3.会合の進め方
8.活動体制と役割分担(案)
9.プロジェクト成功要因 (KFS)
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某大手硝子メーカーの例
お客様に合わせ必要な改定を行う
1.予備調査の目的
溶解~出荷までの、成型、物流業務、在庫管理業務および生産管理業務の各業務について、外部の目からの診
断を行い、重要課題の抽出とその解決に向けた革新・改善ポイント方向及び改善効果を見定める。
また革新・改善方向を実現するときの概要計画を定め、「現場改善実行フェーズ」のための上申書を策定する。
2.予備調査の範囲
(1)対象工場
:
○○工場成形課および物流課
(2)対象業務
:
溶解~出荷までの成形業務、物流業務、在庫管理業務および生産管理業務
受注
顧客
生産管理業務(生産計画、製造指示、進捗管理、出荷指示等)
仮置場
顧客
原料
溶解
冷却
成形
検査
切断
梱包
不良・屑
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倉庫
仮置場
顧客
顧客
3
某大手硝子メーカーの例
お客様に合わせ必要な改定を行う
3.予備調査の成果物
(1)予備調査報告書
(2)現場改善検討フェーズ計画書
・現状の実態と問題点・課題
・現場改善検討の意義
・改善(改革)テーマ
・改善テーマ検討の進め方
・改善(改革)テーマの体系化
・検討スケジュール
・テーマ検討シート
・検討体制
・投資対効果概略算定
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4.活動の基本的な考え方
短期間に予備診断を実施し、業務上の重要課題とその革新のための方向性を見出し、得られる期待成果を
スタディし、今後の本格検討の意義について検証する。
本格検討プロジェクト発足の是非について、意思決定のための上申案を作成する。
この目的のため、下記活動を展開する。
1.進め方の基本として、仮説検証をベースに診断・展開する。
検討範囲は現場改善を主にするが、関連する物流、生産管理も含める。
3.対象業務について、自社の強み、弱み(課題)を外部の眼から見た「診断」を通して理解する。
4.課題に対しての解決策提案を提示する。
5.経営戦略、事業戦略に基づく「プロジェクト目標」を設定する。
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5
5.現場改善の意義
某大手硝子メーカーの例
お客様に合わせ必要な改定を行う
課題1: 板厚8mm以上時のガイド取付取外し時間と人手が掛かり過ぎる
取付・取外し要員
の削減
平常時作業要員
の削減
コスト削減 及び
生産性向上
①
不良発生抑制
コスト(燃料原単位
の低減)削減
取付・取外し増
(多頻度切換生産)
生産量の確実な
確保
利益の確保
取付・取外し時間
の短縮
キャッシュフロー
の増大
課題2: 製品在庫が多すぎる(約1ヶ月在庫)
生産管理の仕組み
改革 (Push→Pull)
受注に見合った適正
ロットでの製造
製品在庫の削減
物流の効率化
(置場スペース、二重
運搬削減等)
①
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6.予備調査フェーズの位置づけ
予備調査は次に続く現場(工場)改善の本格検討を効率的に実施するため、現状の問題点(課題)を抽出し、改善(改革)の
方向性を見出し、関係者の意思統一を図るフェーズとして位置づけ、また、予備調査フェーズの結果を評価し、次のフェーズ
に進むべきか否かの判断を行ないます。
2ヶ月
予備調査
フェーズ
3ヶ月
6ヶ月
現場改善検討
フェーズ
6ヶ月
現場改善実行
フェーズ
生産管理改革検討
フェーズ
生産管理改革実行
フェーズ
予備調査フェーズ
現状についての作業、在庫、生産計画立案等の実態を分析し、改善の
着眼点、改善効果の概算を行います。
現場改善検討フェーズ
予備調査での改善着眼点に基づき、実行可能な作業方案、設備改造案
を策定します。
現場改善実行フェーズ
新たな作業標準を遂行するための教育訓練、改造設備の製作手配、
実施時期の決定、実行後のフォロー等、改善案を実行するフェーズです。
生産管理改革検討フェーズ
予備調査の結果によっては現場改善に留まらず、生産管理の仕組みの
改善に着手することがあります。
生産管理改革実行フェーズ
生産管理の改革案を実行します。
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7
7.予備調査の基本プログラム
7-1.活動スケジュール
1ヶ月目
1W
2W
2ヶ月目
3W
4W
5W
ステップ1(現状分析)
ヒアリング・資料調査・現場観測
問題・課題抽出
キ
ッ
ク
オ
フ
ステップ2(改善テーマ抽出・選別)
ステップ3
(改善テーマ体系化)
6W
予
備
調
査
中
間
報
告
▲▲
▲▲
▲▲
予
備
調
査
報
告
ステップ6
(次フェーズ提案)
診
断
書
ド
ラ
フ
ト
ステップ5
報
(投資・効果) 告
注) ▲はコンサルタント訪社日
▲▲
8W
最終調整、
まとめ
ステップ4
(改善テーマ方向性検討)
▲▲
7W
▲▲
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▲▲
▲▲
8
7.予備調査の基本プログラム
7-2.活動ステップと活動内容
ステップ
活動項目
活動内容
・対象工場(工程)の生産・納期・品質・原価・組織風土についてヒア
リング・ 資料調査・IE手法からの現状分析
・現状実態について「問題点発見視点体系」(参考資料1参照)から
現状の 問題点・課題の抽出
・現状分析書
・問題、課題一覧表
3W
1
・対象工場(工程)の
現状把握
・対象工場(工程)の
問題点抽出
・ステップ1で抽出した問題点・課題の改善案の検討(参考資料2参
照) 改善テーマ名を工程別改善一覧表(参考資料3参照)に記入
・工程別に個々に提案された改善(改革)テーマを整理し、改善(改
革)テーマ一覧表(参考資料4参照)
・工程別改善テーマ
一覧表
・改善(改革)テーマ
一覧表
2W
2
・対象工場(工程)の
改善テーマ抽出
・改善(改革)テーマ
の選別
・改革テーマを整理・体系化し実効性・技術性・効果性をテーマ評価基
準表(参考資料5参照)に基づき評価し具体的取組の優先順位付
けを行なう
・改善(改革)テーマ評価
一覧表
(参考資料6参照)
1W
3
・改善(改革)テーマ
の体系化
・改善(改革)テーマ
の方向性検討
・ステップ3で優先付けされた改革テーマの実行方案と効果を算定す
る(テーマ検討シート)(参考資料7参照)
・テーマ検討シート
2W
4
・投資効果概略算定
・上記のステップで検討された改善(改革)案の概略投資額と効果
を算定
・概略効果算定
1W
・現場改善検討
計画案
(次フェーズ)作成
・予備調査で得られた改善案(テーマ検討シート)を実行可能な作
業方案および 設備改造案を検討
・現場改善検討計画書
1W
5
6
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成果物
期間
9
7.予備調査の基本プログラム
7-3.会合の進め方
(1)コンサルタントの訪社は原則週2日とする。(事情によって関係者が協議し変更する場合もある。)
(2)会合時間は原則10:00~17:00とする。(特別な事情が発生した場合は臨機応変に対応する。)
(3)会合プログラムは原則として訪問日の前前日までにを提示する。
(4)週間行動のイメージ
事前準備日(メンバー)
・前週の宿題についての
資料収集
データまとめ
会合日(コンサルタント訪社)
・会合予定打合せ
・前週の宿題確認
・検討事項討議、課題発掘
・資料まとめ
・実測
・関係部門ヒアリング
・次回までの宿題(資料収集
データまとめ等)
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8.活動体制(案)と役割分担(案)
プロジェクトリーダー
プロジェクトメンバー
○○○○(兼任)
ワクコンサルティング
コンサルタント ○○○○
・製造課担当者(2名)、物流課
担当者(1名)、生産管理担当者
(1名)を選出
貴 社
プロジェクトリーダー
フロート課担当者
物流課担当者
コンサルタント
コンサルタントとともに現場改善のための調査、分析を行なう
コンサルタントとともに物流に関する現状調査・分析を行う
生産管理担当者
弊 社
プロジェクトを統括し、関係先を動かすリーダー
生産管理の現状についての実態説明資料の提供
現場改善について進め方のリード、現状調査分析、改善提案
次フェーズ企画立案
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9.プロジェクト成功要因(KFS)
1.トップマネジメントのリーダーシップ
2.経営戦略・経営目標とリンクしたプロジェクト目標の明確化
3.価値観の共有化
・ 生産者指向
顧客指向
情報システム革新
・ 部門最適
全体最適
・ 網羅的アプローチ
重点指向
・ 手段先行
目的指向
業務革新
現場改善
・リードタイム短縮
・基準情報整備
4.業務革新First⇒情報システムNext
5.現場改善、業務革新、情報システム革新の三位一体展開
6.業務責任者によるプロジェクトメンバー支援
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ご参考資料
参考資料1
問題点発見視点体系(一部抜粋)
参考資料2
改善(改革)テーマの発見・体系化
参考資料3
工程別改善一覧表
参考資料4
改善(改革)テーマ一覧表
参考資料5
テーマ評価基準表
参考資料6
改善(改革)テーマ評価一覧表
参考資料7
テーマ検討シート
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参考資料1 問題点発見視点体系(一部抜粋)
部品仕様配慮過剰損失
工法設定損失
工法過剰損失
工程設計損失
工法分割損失
~
工順不適損失
無価値工程損失
工程不同期損失
工程設定損失
製
造
面
か
ら
発
生
す
る
機
会
損
失
工程分割損失
工程統合損失
工程仕様過剰損失
~
設備故障損失
設備損失
設備重複損失
加工設備
組立設備
検査設備
運搬(搬送)設備
能力過剰損失
能力不足損失
使用難損失
機能不足損失
工法設定の時、部品仕様を配慮しすぎることによる損失
ex.軸の外径の加工を旋削仕上げで良いのに、研削した
情報不定等により、設定された工法そのものが過剰である
ex.中ぐりをブローチ削で行う
工法を分割しすぎることによる損失
ex.プレスのみで終了するものとプレスと切削(フライス)に分けた
工程の順序がまずいために生じる損失
ex.Lm→Ls→M→バリ取り→G→仕 (工順がまずいためにバリとり、仕上が発生している)
付加価値を生まない工程があることによる損失
ex.運搬は、何の付加価値も生まない。メッキ前の酸洗い工程
工程のタクト時間が合わないために生じる損失
ex.トランスファーでタクトが合わないために部品ダマリ、部品待ちが生じている
工法を分割しすぎることによる損失
ex.軸加工をL1L2L3と三つの旋盤で加工しているため、芯出し等の無駄な作業が生じている
工程を統合しすぎることによって生じる損失
ex.Milling加工のバリ取りを機上で行っているため、稼働率が低下している
工程に要求する仕様が過剰になることによって生じる損失
ex.必要とする同軸度がφ0.01で良いところをφ0.005の工程仕様を設定している
設備、機器が故障、あるいは不良のために作業が停止する損失
設備が重複し、稼働率の低下や、必要以上の工程を有している損失
ex.万一の場合(故障等)を考え、2台以上投資し、稼働率を無視している
必要以上の能力をもった設備を持っていることにより、チャージアップとなる損失
ex.プレスで必要以上の加工内容、取り付け寸法、形状、重量を有した設備を一部のみ使用している
設備、機器の能力が低いものを選定したために、所要時間内に作業が終わらない場合の損失
ex.プレスでワーク取り付け可能寸法、形状、重量加工種類範囲及びサイクルタイム範囲が狭く、1台で補えなくなる
設備の操作が難しいために生じる損失
ex.MCの操作、確認作業等が多く、難しいため時間がかかる。
設備の機能が不足しているために生じる損失
ex.古いMCがタッピング機能を持たないために、やむなく工程を分けている。
~
種類過剰損失
調整治工具損失
過剰仕様損失
治工具損失
機能不足損失
~
B
締付箇所過多損失
一品一様で冶工具を設けているために生じる損失
ex.工具が共通されていないため、取り換えに時間がかかる
冶工具を使う場合、いちいち調整をすることによる損失
ex.ボーリングバーによる穴加工で刃の出具合を調整している
冶工具に本来必要な仕様により、過剰な仕様を持っていることによる損失
ex.インロー公差が+0.1で良いのに、+0.03のために作業性を低下させている
冶工具の機能が足りないため、生じる損失
ex.加工が2ヶ所同時に加工できるのに、冶具が1ヶセットになっている
ワーク取り付け時に締め付け箇所が多いために、時間がかかることによる損失
~
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参考資料2 改善(改革)テーマの発見・体系化
1) 機会損失の裏返し(対策)がコスト開発テーマとなる。
対策
(プロセス領域)
(テーマ・素材)
無くす(N)
○○プロセスが2社に重複して
いるのは過剰・コストアップ
枠管理にしてプロセスを
なくす
減らす(H)
変える(K)
対策
(モノ・工事コスト領域)
業務を一社に統合
○○プロセスをシステム
化して業務ゼロとする
(テーマ・素材)
無くす(N)
〇〇のボルト8個止めは過剰である
溶接にしてなくす
減らす(H)
4個にする
変える(K)
一体構造にする
2) 多面的に改革方法を検討する(常に複数追求)。
3) 数多く出すことが機会損失を減らすことにつながる。
もっと安い方法はないか
コ
ス
ト
これが絶対というのは無い
A
B
C
D
E
F
コスト0
機能 : 〇〇を△△する
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多くの案の相対比較から
最良案が主張できる
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参考資料3 工程別改善一覧表
工程
組立工程
改善検討テーマ
①組立工程と調整工程の直結化
効果
制約条件等
・仕掛減
・要員削減
②調整台投入の自動化
・要員削減
③TSライン分離時のライン長短縮化
・設備投資額削減
④部品取替(特別修理班)の効率化
・要員削減
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参考資料4 改善(改革)テーマ一覧表
工程
No
テーマ
テーマの狙い
効果
1
2
組立
3
4
5
6
7
8
9
調整
10
11
12
13
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参考資料5 テーマ評価基準表
評価ランク
評価項目
評価の考え方・内容
コスト低減の大きさ
効果性
技術性
(技術的難易度)
実現性
テーマを実現する上で、
技術的視点からの難易度
A
B
C
対象金額の1%以上
対象金額の1~0.5%
対象金額の0.5%未満
対象が10000円の場合
100以上
100円~50円
50円未満
自社保有技術
他社・他業界にはあり
開発が必要
(論理的成立性あり)
テーマを実現する上で、
投資規模・組織的変更・
制度改革等の制約の大きさ
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参考資料6 改善(改革)テーマ評価一覧表
評価
優先
順位
加工区
テーマ名
効果
改革のアイデア
実効性
技術性
効果性
総合
担当
部門
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
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参考資料7 テーマ検討シート
工程
優先
順位
現状問題点と制約条件
テーマ名
担当
部門
改善方策の概要
効果の算定
効果額
(算定の根拠)
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