メカトロニクス 12/1 アナログ電子回路 メカトロニクス 12/1 1 トランジスタの性質 ic ib 0. 6 ~0. 7V トランジスタの基本動作 メカトロニクス 11/24 トランジスタのB(ベース)からE(エミッタ) に0.6V以上の電圧がかかるとダイオー ドと同様な特性で電流が流れる。電流が 流れている時のBE間の電圧は 0.6~ 0.7Vでほぼ一定である。 ベースからエミッタへ電流が流れるとコレ クタに電圧(エミッタより0.3V程度以上) がかかっているとベースに流れる電流ib の定数倍(hfe)の電流が流れる。電流が 流れることでコレクターの電圧が0.3V 以下になると電流値はそれ以上増えな い。 2 図のようにICの出力電流を受けて大きな電流のコントロールをするときにトランジ スタを使用する。 トランジスタの使用例(デジタル回路との組み合わせ) メカトロニクス 11/24 3 トランジスタで電流バッファを行う際、負荷にモータやソレノイドのような誘導性 の機器が接続されるときは、電流のon/offの際に発生する起電力によってトラン ジスタが破壊されるのを防ぐため図のような向きにダイオードをつないで保護を する。 トランジスタの保護(誘導性負荷に対して) メカトロニクス 11/24 4 トランジスタの使い方例 b メカトロニクス 12/1 • a点に10Vの電圧を 掛けると、モータに 必要なトルクを発生 させるのに2Aの電 流を流す場合のR1 の値を求めてみる。 • Hfe=100とする。 5 トランジスタの使い方例 • トランジスタのベースに流すべき電流は Ic 2 Ib 0.02[A] h fe 100 • b点の電圧は0.6VとなるのでR1の両端の電 圧は9.4VとなりR1は 9 .4 R1 470[] 0.02 • となり470Ωの抵抗が必要となる。 メカトロニクス 12/1 6 発光ダイオード(LED) • 低電圧(1.3~3.3V)、低電流(10mA程 度)で十分光っているのが分かるのでいろい ろな場所で使われている。 • 青色のLEDができ、赤、緑と組み合わせるこ とで多くの色を表現できるようになり、応用範 囲が急速に広まっている。 メカトロニクス 12/1 7 発光ダイオード(LED) アノード(+側) とカソード(- 側)の区別は縁 の部分のカット か新品ならば脚 の長さで分かる。 電極の形はたま に逆の極性の 製品もあるので 注意。 赤色LED メカトロニクス 12/1 8 発光ダイオード(LED) • 電流を流すのに必要な電圧は、 – 赤外では1.4V程度。 – 赤色、橙色、黄色、緑色では1.8~2.1V程度。 – 白色、青色では3.5V程度。 – 紫外線LEDは、4.5~6V程度。 • この電圧を超える電圧を掛けると大きな電流 が流れてLEDを破壊する。 メカトロニクス 12/1 9 LEDの性質 図の左から右の方向にし か電流を流さない。 LEDではこのあたりの 状態で光を発生する。 ダイオードの一般的な 電圧ー電流の特性を詳 細に見ると左図のよう になる。 メカトロニクス 12/1 10 発光ダイオード(LED)の使い方 図のように直列に抵 抗をつないで電流を 制限し流れる電流を 適当な値にする。 電源電圧が変動す る場合には定電流 素子などを使う場合 もある。 LEDの使い方 メカトロニクス 12/1 11 電源 メカトロニクス 12/1 12 乾電池の放電特性 放電すると徐々に端 子電圧が下がって いく。 乾電池の構造 メカトロニクス 12/1 13 リチウムボタン電池の構造 リチウム電池の構造 メカトロニクス 12/1 14 放電がほぼ終わるまで端子電圧はあまり変化しない。 メカトロニクス 12/1 リチウム電池の放電特性 15 リチウム電池の保存特性 常温で保管すればかなりの年数でも保管可能 メカトロニクス 12/1 16 メモリバックアップ回路 メカトロニクス 12/1 電源回路(+5V)から の電流の供給が止ま るとリチウム電池の 方の電圧が高くなる のでリチウム電池か らメモリへ電源が供 給されるようになり、 メモリへの電源の供 給が途切れないよう になる。この場合の 電流は非常に少ない のでリチウム電池の 交換無しで年単位の バックアップが可能。 17 ニッカド電池の放電特性 ニッカド電池の構造 メカトロニクス 12/1 18 負荷(RL)両端の電圧 ダイオード両端の電圧 半波整流回路 トランスから供給される交流の+側の時だけ負荷に電流 が流れ、逆の電圧のときはダイオードが電流をとめてしま う。 メカトロニクス 12/1 19 両波整流回路 トランスに2つの巻線を用意する。交流の電圧が変化する ときどちらかの端が中央より+側の電圧になるのでRLに は休みなく電流が流れることになる。(電圧はsinカーブで 変化する) メカトロニクス 12/1 20 ブリッジ整流回路 ダイオードを4本ブリッジ状に結線すると、1つの巻線で も両波整流と同じように絶えず電流を取り出せるように なる。 メカトロニクス 12/1 21 ダイオードで交流を 整流しただけだと電 圧がsinカーブのよう に変化するので、変 動を抑える必要があ る。そのために平滑 回路が用いられる。 図12 平滑回路 メカトロニクス 12/1 22 決まった電圧を出力 するIC。回路に必要 な電源電圧よりも高 い(+2V以上)電源 を入力に入れると所 定の電圧が出力から 取り出せる。 メカトロニクス 12/1 図13 3端子レギュレータ 23 3端子レギュレータのブースト回路 3端子レギュレータを流れる電流が増えて抵抗Rでの電圧 降下が0.7Vを越えるとトランジスタQのベースに電流が 流れるようになり、負荷にトランジスタを通って電源が供給 されるようになる。 メカトロニクス 12/1 24 OPアンプ回路 メカトロニクス 12/1 25 OPアンプ OPアンプは基本的に +-側電源端子 反転入力(+で表示) 非反転入力(-で表示) 出力 の5本の端子を持つ。 これに微調整用の端子 が付いた8本のパッケー ジのタイプが一般的であ る。 メカトロニクス 12/1 26 OPアンプ回路での注意 反転入力は“-”、非反転入力は“+”で表示さ れるがこれは信号の電圧が+やーではない といけないわけではないことに注意が必要。 それに対して、電源の+ーは電圧の大小を(通 常は基準点に対してそれぞれ正負の電圧を とる)表している。 メカトロニクス 12/1 27 OPアンプ回路での注意 • 回路図を描くとき電源の配線は接続して当た り前のため省略されている場合がよくある。 (この授業での回路図でもこの後は省略す る。) • 実際の回路を作る場合当然のことながら電 源の配線は必ず必要であるので、実際に回 路を製作する場合は注意すること。(過去に 学生がこの間違いをしたことがある。) メカトロニクス 12/1 28 OPアンプ回路での注意 • 通常電源や、信号の基準となる0[V]の電位 の部分を回路ではGND(グラウンド)と呼んで いる。実際に地面(大地)に接続することはあ まりないが電気回路の表記ではよく使う。 メカトロニクス 12/1 29 OPアンプ(オペアンプ) • OPアンプ(Operational amplifier:演算増幅器) は理想として次のような特性をもつ素子として 設計されている – 1.反転、非反転入力の差を増幅する。 – 2.増幅率は∞ – 3.入力インピーダンス(信号を出す回路から見て どれだけの抵抗をつながれた場合と同じ影響があ るかを示す数値)が∞ – 4.出力インピーダンス(信号を受ける回路が電流 を流したときの出力の変化の度合いを抵抗に換算 して示す数値)が0 メカトロニクス 12/1 30 実際のOPアンプは図 のように3段の信号処 理を行う回路になって いる。 1.+-入力の差を求 める回路 2.電圧増幅 3.出力バッファー(電 流を流しても出力電圧 の変動が小さいように する回路) OPアンプの構成 メカトロニクス 12/1 31 OPアンプ(LM741)の等価回路 メカトロニクス 12/1 32 各種OPアンプ メカトロニクス 12/1 33 いろいろなOPアンプ 信号用OPアンプ1 信号用OPアンプ2 パワーOPアンプ メカトロニクス 12/1 34 周波数特性 位相特性 典型的なOPアンプ特性 メカトロニクス 12/1 35 OPアンプの出力の微 分値の最大をスリュー レイトと呼び、OPの性 能の1つの目安になる。 スリューレイトが高くな いと周波数が高く、振 幅が大きい出力を出 せなくなる。 スリューレイト メカトロニクス 12/1 36 レポート課題12/1 締切り:12月7日17:00 6号館事務室レポート提出boxまで。 図のようなトランジスタ、2本の抵抗、LEDからなる回 路がある。a点に4Vの信号が入力されたときにLED に20mAの電流を流して点灯させたい。 この場合、LEDに直列に接続されている抵抗R2の抵 抗値を求めなさい。LEDを点灯している時のトランジ スタのコレクタの電圧は0.3Vとする。また、トランジス タのベースにつながっているR1の抵抗値は何Ω以下 であればよいか求めなさい。また、そのときトランジス タのベースに流れ込む電流はどれだけかを求めなさ い。 トランジスタのhfe(電流増幅率)は150、 ベース-エミッター間の電圧は0.6V、 コレクターエミッタ間の電圧はベース電流を増やしても 0.3V以下にはならないものとする。 LEDの両端の電圧は電流にかかわらず2.1V、とする。 メカトロニクス 12/1 37
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