計測工学16 - 岐阜工業高等専門学校

計測工学16
センサとセンシング
2010年11月15日(月) Ⅱ限目
前回の授業の内容
• 第6章:機械的な測定原理、測定方法を学習
• 長さ、角度、面の平らさ、質量、力、圧力、流
速、温度など…
• 物理的な特性を用いた計測手法であり、より
細かな測定値・精度が欲しい場合もある。
そこで…
前回の授業の内容
• 第6章:機械的な測定原理、測定方法を学習
• 長さ、角度、面の平らさ、質量、力、圧力、流
速、温度など…
• 物理的な特性を用いた計測手法であり、より
細かな測定値・精度が欲しい場合もある。
そこで…
前回の授業の内容
• センサの登場。
• 機械的な測定手法よりも細かな精度での測定
が可能な場合も
• 電気信号に変換されるため、計算機(コン
ピュータ)や電気回路に情報として入力が容易
センサ
• センサ (sensor) は、物理量を信号(主に電気
信号)に変換する電気回路構成要素である。
計測器の心臓部として使われる他、各種電
子機器に組み込まれて、状態検出や自動制
御に利用される。(Wiki pediaより)
センサ
• ロボットや制御では外部の状況を知りたい
• 人間の神経(五感)に相当
• 時には人間の五感を超える能力もある
• 一般的に1つの状態を把握するには1つのセ
ンサが必要
センサ
• 五感とは?
センサ
• 五感とは?
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚
固有感覚(運動感覚)、平衡感覚
人間の五感の能力を超えた信号
電磁波、赤外線、放射線、
超音波、低周波振動、分子の動き
などを検出可能
センサ
• センサにて検出できる物理現象を電気信号
に変換
• 距離、位置、角度、力、温度などに対応。
• 計算機や電気回路に現在の状況を、
電気信号としてフィードバック
電気マイクロメータ
• 差動変圧器方式
–
–
–
–
–
変位、長さの測定
教科書P94 図7.1
可動鉄心の動きによるブリッジ回路の電圧変化を測定
測定レンジ 数μm~数mm
接触式、小形、高感度、測定力が小さい
–
–
型式
DTHL02
DTHL08
DTHL15
測定力
0.0196N
0.0785N
0.147N
測定範囲
±0.5mm
ストローク
1.5mm
零点位置
約0.5mm
繰返し精度 0.3μm
シチズンセイミツ:エレメトロン
リニアエンコーダー
•
•
•
•
スリットの重なり具合でA相とB相の信号を生成
A相とB相は位相がπ/2だけ異なる
移動方向によって、位相の進み/遅れが異なる
分解能 0.05~5μm
A相
正方向
B相
A相
逆方向
B相
•
リニアエンコーダー
• カウンタ回路例
A相
モノマルチ
モノマルチ
B相
A相
正方向
B相
up
down
&
up
&
カウンタ
down
リニアエンコーダー
• カウンタ回路例
A相
モノマルチ
モノマルチ
B相
A相
逆方向
B相
up
down
&
up
&
カウンタ
down
レーザ利用による変位、長さ測定
• レーザ干渉測長器
– レーザ光の干渉を利用して、長さの精密測定を
行う
– レーザの波長のオーダの分解能 (10 -7m)
• レーザ測長器
– レーザで測定物を走査(スキャン)し、測定物にさ
えぎられた光線幅をカウント
近接距離測定
• 超音波センサ
– 超音波パルスを物体に向けて発射し、反射して戻ってくる
までの時間を測定(パルスエコー法)
– 周波数 40kHz~400kHz
– 移動ロボットの距離センサ、来客検知、液面測定等
• リードスイッチ
– 磁性体からなる切片(磁石を近づけると接点が閉じる)
– ドアやシリンダの往復運動のリミット検出
• 光電センサ
– PD(フォトダイオード)で光量を測定(LEDと対向させたり、
物体による反射を検出)
PSD(Position Sensitive Detector)
• 半導体位置検出素子
– スポット光の位置で電流が変化
• 発行素子のLED、信号処理回路などが一体となった測
距センサユニットがある
近いほど出力電圧が大きい
熱線流速計
• 電流で加熱したタングステンまたは白金線を
流体中に置くと、冷却は流速の大きさによっ
て変化する。
• 定電流法
– 加熱電流を一定とし電気抵抗を測定する
• 定温度法
– 熱線の温度(または抵抗)を一定とするように電
流を流し、測定する。
ポテンショメータ
• 回転角を測定
• 回転に応じた抵抗値を得る
出力特性には以下の2種類が存在
– A型 指数曲線出力
– B型 リニア出力
• 無接触ポテンショメータ
– 磁気抵抗素子と永久磁石からなる
– 回転トルクが少なく、接触抵抗や磨耗がない
ロータリーエンコーダ
• リニアエンコーダと同様に、回転角測定
• インクリメンタル型
– A相、B相の2相パルス(回転角と回転方向)
– 回転原点を検出するZ相(1回転に1パルス)
–
( http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/encoder.htm)
ロータリーエンコーダ
• アブソリュート型
• 2進nビット出力
– 8bit 分解能 1.4°(=360/256)
– 12bit 分解能 0.088°(=360/4096)
• 絶対角度が検出できる
ひずみゲージ,ストレインゲージ
• 金属または半導体の細線の伸縮による電気
抵抗の変化を測定
• 測定方向
• さまざまなパターンもある
ピエゾ抵抗型半導体圧力センサ
• 圧力を感知するダイアフラムとストレインゲー
ジを半導体内に一体形成
• 0~30MPa程度を検出
• 自動車等などで2000万個/年の需要がある
感圧導電性ゴム
ゴム(絶縁)
圧力
抵抗減少
炭素粒子(導電)
感圧導電性ゴム
圧力分布(抵抗分布)を得る
マルチプレクサで走査
マ
ル
チ
プ
レ
ク
サ
で
走
査
自動車シート
ベッドシートの感圧
ロボットの触覚
データグローブ等
サーミスタ
• 抵抗変化の温度係数が大きい半導体素子
• 抵抗の変化によって温度測定
– ー50℃から350℃
• ブリッジ回路で測定
• 家電機器、工場設備等の温度測定と制御
熱電対
• 異なる金属線の接合
• ゼーベック効果(接合点の温度差に対応する
起電力)
• 測定温度範囲
– 白金・ロジウム
0~1600℃
– クロメル・アルメル -200~1200℃
– 銅・コンスタンタン -200~350℃
• 丈夫で応答が速い
フォトセル(CdS)
• 光導電効果(光の照射によって抵抗率が減
少)
• 応答速度は遅いが安価
– カメラの露光計
– 街路灯スイッチ
– メロディカード
フォトダイオード
• フォトダイオード
– 光をあてると光量に比例した電流が流れる
– 高速応答
• フォトトランジスタ
– トランジスタ構造に光を当てると電流が流れる
– フォトダイオードより高感度
– フォトダイオードより応答時間が遅い
• 応用
• カメラの照度計
• 光通信
• 光スイッチ
CCD
• 電荷結合素子(Charge Coupled Device)
• フォトダイオードアレイで構成
• 応用分野
– ディジタルカメラ
– ロボットの目
– 監視用カメラ
ホールIC
• ホール効果
• 磁気測定
磁界
電子
電流