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環境経済学
Environmental Economics
第1回(2008/09/25)@高崎経済大学
担当者:山川俊和
Email: [email protected]
自己紹介
• 出身と履歴:愛知県生まれ(1981年)、青森県育
ち、群馬県経由(本学経済学部出身、体育会ソフ
トテニス部・第36期体育会本部代表幹事)、東京
在住
• 専門領域:国際環境経済論(環境と貿易、EUの
共通環境政策、EUの食品安全ガバナンス、など
など)
• 日々の関心:買い物、古本、美味い店
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本日のお話(ガイダンス)
• 講義の狙い
• 講義の概要・スケジュール
• 成績評価について
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受講にあたって
• 予備知識は必要なの??
• 環境問題の基礎的な知識、経済学の基礎的な知識、そ
の他報道レベルの知識が有していることが望ましいが、
基本的に不問。私語厳禁。携帯も電源を切れとはいわな
いので、必ずマナーモードに。
• 必要なことは、環境問題への関心とやる気・好奇心。社
会問題への経済学的な視点。
• 環境問題と経済学・経済政策・実体経済の関係性につい
て、一つでもよいから客観的に整理でき、自分の意見を
何らかの根拠を示しながら述べられれば、講義の理解は
半分以上達成したといえる。
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本講義の位置:
問題ありきの環境経済学
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現代の多様な社会問題
グローバル化のもとでの諸問題と政策課題
産業問題(グローバル競争への適応、空洞化)
格差問題(国際・国内都市農村間格差の拡大)
労働問題(所得格差、貧困化、働き方の多様化)
財政問題(財政赤字、消費税、社会保障・年金)
地域問題(地域経済の疲弊と発展戦略)
環境問題(地域の環境、グローバルな環境)
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環境問題って何だろう
• 環境問題といって具体的にイメージする事柄
は?
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環境問題・政策の三(四?)領域
① 汚染問題
(Pollution-related problems)
② 自然問題
(Nature-related problems)
③ アメニティ問題
(Amenity-related problems) 自然問題
④ 資源問題?
(Resource-related problems)
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汚染問題
アメニティ問題
資源問題
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政策科学としての環境経済学
• 経済学:多様な系譜
• マルクス派、ケインジアン(マクロ)、新古典派(ミク
ロ)、ゲーム理論、実験・行動経済学、etc…
• 経済政策の課題
• 経済学と経済政策
• 実体経済と日本経済新聞
• 知識としての経済用語
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環境経済学の二つの立場
• Environmental Economics
• ミクロ経済学など既存の経済学の応用分野と
してのアプローチ:環境経済学
• Political Economy of the Environmental
Problems and Policies
• 環境問題の発生と環境保全のための諸政策
をめぐる政治経済構造をトータルに把握する
アプローチ:環境問題・政策の政治経済学
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まとめると「環境経済学」とは
• 環境問題と環境政策に関する(政治)経済学
• 環境問題という社会問題を克服するための学問
• 環境保全・持続可能な発展を可能にする経済的な
条件はどのようなものかを研究・提言する使命を帯
びた「政策科学」としての学問(のはず・・・)
• 理論と現実の往復運動が必要不可欠
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環境経済学体系の全体像
※当然、相互にオーバーラップする
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講義の全体像
• 本講義:3つのパートから構成される
• ①環境を経済学的にとらえる編
• ②日本の環境問題編
• ③地球環境問題編
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第1講
ガイダンス
第2講
環境を経済学的にとらえる編
環境問題への基本視点①
現代の環境問題の特徴把握。発生メカニズム・被害・対策の基礎
第3講
環境問題への基本視点②
環境問題を経済学はどう捉えるか
第3講
環境問題への基本視点③
環境政策に経済学はどのような貢献ができるか
第5講
日本の環境問題編
戦後日本公害史①
産業公害:水俣病事件を事例に ※ビデオ鑑賞を実施予定
第6講
戦後日本公害史②
産業公害から都市型公害へ:排出と被害
第7講
戦後日本公害史③
都市型公害としての廃棄物問題とリサイクル
第8講
地球環境問題編
環境と貿易(資源経済)①
国境を越える廃棄物と国際リサイクル ※ビデオ鑑賞を実施予定
第9講
環境と貿易(資源経済)②
一次産品貿易と環境問題:えび、バナナ、割り箸
第10講
環境と貿易(資源経済)③
一次産品貿易と開発:フェアトレード
第11講
地球温暖化と京都議定書①
地球温暖化問題とは:京都議定書の歴史的展開から
第12講
地球温暖化と京都議定書②
京都メカニズム(排出権取引制度を中心に)
第13講
地球温暖化と京都議定書③
京都メカニズム(クリーン開発メカニズムを中心に)
第14講
地球温暖化と京都議定書④
日本の温暖化対策
第15講
まとめ
講義のまとめ
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講義の流れ(第1パート)
第1パート(第2講~第4講)
環境経済学の基礎
• 環境問題とはなにか
– 汚染問題、自然問題、アメニティ問題と環境被害
– 空間的、時間的な広がり
• 環境問題を経済学はどのように捉えるか
– 外部性概念と社会的費用概念を中心に
• 環境政策に経済学はどのように貢献できるか
– 直接規制、環境税、補助金、排出権取引(具体的
事例を考えるにあたっての予習)
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講義の流れ(第1パート続き)
• 環境問題における“被害”と“費用”
• 問題発生の原因、問題悪化の原因:市場の
失敗・政府の失敗・制度の失敗
• 各種の失敗をいかに克服するか:経済的手
法の意義と限界、政策手段の比較とポリシー
ミックス、政策統合(Policy Integration)
• これらが理解できれば第1パートはOK
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講義の流れ(第2パート)
• 第2パート(第5講~第7講)
• “環境被害”とはなにか:日本の公害経験
• 4大公害
• (熊本水俣病)、(新潟水俣病)、
• (イタイイタイ病)、(四日市ぜんそく)
• 産業公害から都市公害へ
• 熊本水俣病とリサイクル問題を扱う
• 環境問題の具体的なイメージと歴史の概略をつ
かみ、排出と被害、そしてリサイクルの概念が理
解できれば、第2パートもOK
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講義の流れ(第3パート)
• 第3パート(第8講~第14講)
• 地球環境問題編
• ①経済のグローバル化と環境について
• ②環境被害のグローバル化について
• 身近な事柄から出発しつつ、国際的な環境問題と
環境政策へと視野を広げる
• 地球環境問題についての基礎的な概念と政策の動
向を理解することが第3パートの課題
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経済のグローバル化と環境(第3パート①)
• 「環境と貿易」
• ゴミは世界をめぐる(アジアにおけるリサイク
ルの国際化と廃棄物の国際移動)
• 一次産品貿易と環境(エビ、バナナ、割り箸)、
開発(フェアトレード、とくにコーヒー)
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環境被害のグローバル化(第3パート②)
• 「地球温暖化問題」:最大の環境被害
• 地球温暖化問題の歴史と京都議定書
• 京都メカニズム
• 途上国の持続可能な発展と京都議定書
• 日本の温暖化対策
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参考書
• 参考書(講義ごとに紹介する。基本文献を次に掲げる)
(準教科書的扱い)
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天野明弘[1997]『環境との共生をめざす総合政策・入門』有斐閣アルマ.
諸富徹・浅野耕太・森晶寿[2008]『環境経済学講義』有斐閣.
寺西俊一編[2003]『新しい環境経済政策』東洋経済新報社.
寺西俊一[1992]『地球環境問題の政治経済学』東洋経済新報社.
宮本憲一[2007]『環境経済学 新版』岩波書店.
(その他の参考書)
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環境経済・政策学会編[2006]『環境経済・政策学の基礎知識』有斐閣.
日本環境会議編『アジア環境白書』(各年版)東洋経済新報社.
季刊『環境と公害』岩波書店、各号.
• 復習・試験対策に役立ててください。
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評価方法
• 出席・リアクションペーパー(15%)
• 講義内課題(小テスト or レポート)(15%)+救済
レポート??
• 期末試験(70%)
• ①用語の穴埋め
• ②幾つかの問題から選択して論述
• ※シラバスから多少変更。
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質問・連絡など
• 質問がある場合
①講義後に気軽に声をかけてください
②メールの場合
→[email protected]
(大学、氏名、用件などを銘記するように)
(メールの書き方は、意外と重要である)
③もし少し長く質問・議論したい場合は、事
前のアポイントメントが望ましい。
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連絡
• ブログを開設しています
• 講義はパワーポイントとレジュメを使用します。
• こちらで印刷します(映すスライドと配布物が
異なる場合があります)。
• 重要な用語は穴埋めにすることがあるので、
注意してください。
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贈る言葉
• 「すべて最初が難しい」
by K. Marx
• 「現在の為政者(いせいしゃ)や知識人は、す
べて過去の知識人や過去の思考の奴隷なの
だ」
by J. M. Keynes
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以上で環境経済学のガイダンスを終わります
履修される方は、半年間よろしくお願いします。
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