テーマ 「日本の借金について」 2009年7月31日 商学部4学年6組 駒村真哉 1.はじめに 私たち日本人の、豊かな日常生活とかけ離れた、この「日本の借金」という 言葉に対し、様々な疑問、反論があると思います。もちろん私自身も始めは そうでした。 このテーマは、私自身のそんな疑問抱き、「日本の借金(国の借金)」に ついて、調べようと思ったことがきっかけです。それと同時に、私のように 漠然とした不安や疑問を抱いている人はもちろん、この問題について全く興 味がない人にも、ぜひこの問題を知り、考えて欲しいと思います。 2.日本の借金は今いくらか? 財部誠一オフィシャルホームページより 2009年7月20日PM16:00現在 未曾有の不況のなかで「借金時計」が意味すること ひとことで「日本の借金」といっても難しいです。 一般的には国の借金というと、過去に発行した「国債」の残高だと考えられ ていますが、現実はというと、国の借金ツールは国債だけではなく“借入 金”も あるし、「短期国債」など、多岐にわたっています。 7年度末 (1995年度末) <実績> 12年度末(2000 年度末) <実績 > 19年度末(2007 年度末) <実績 > 20年度末(2008 年度末) <補正 後> 21年度末(2009 年度末) <補正 後> 国 285程度 464程度 568程度(551程 度) 591程度 (571程度) 619程度 (607程度) うち普通国債残 高 225程度 368程度 541程度 (524程度) 563程度 (543程度) 592程度 (580程度) 地方 125程度 181程度 199程度 197程度 197程度 国・地方合計 410程度 646程度 767程度 (772程度) 787程度 (778程度) 816程度 (804程度) 対GDP比 82.6% 128.1% 148.6% (145.3%) 154.6% (150.7%) 168.5% (166.0%) (注) 1. 表のデータは総務省ホームページより引用 2. GDPは、平成19年度までは実績値、平成20年度は実績見込み、平成21年度は政府見通し。 3. 平成19年度末の()内の値は翌年度借換のための前倒債発行額を除いた計数。平成20年度末及び21 年度末の()内の値は、翌年度借換のための前倒債限度額を除いた計数。 4. 交付税及び譲与税配布金特別会計の借入金については、その償還の負担分に応じて、国と地方に分 割して計上している。なお、平成19年度初をもってそれまでの国負担分借入金残高の全額を一般会 計に承継したため、平成19年度末以降の同特会の借入金残高は全額地方負担分(34兆円程度)で ある。 5. このほか、平成21年度末の財政投融資特別会計国債残高は123兆円程度。 3.借金を分類すると・・・ ①「国の借金」とは、政府がなんらかの事業(財政活動)を行う為にした資金 調達による借金(債務)のことで、「国債」以外にも、「借入金」や「政 府短期証券」がある。また、「国債」は、新規財源に充てる「建設国債」 や「特例国債(赤字国債)」以外に、「借換債」、「財投債」など、その 発行目的や償還期間などにより多くの種類があります。 ②「地方自治体の借金」は、①と同様に、地方自治体がその事業を行う為にし たした資金調達による借金のことで、「地方債」や「交付税特別会計借入 金」などがあります。 ③政府の関係機関である「特殊法人」や「公益法人」、「第3セクター」など が、その活動の為に発行した「政府保証債務」や個別の借金がある。ただし、 「政府保証債務」については、政府がその元利払い(元本と利払い)を保証 している為、正確には政府の債務といいます。 以上、大きく3つの借金がありますが、②、③についても、その最終的な責 任は政府が負う為、それは結局「政府の借金」といえ、これら①~③全てを 合わせたものが、「日本政府全体の借金(=国の借金)」と考えられます。 4.現在の日本の借金が危険な理由 「もし、国家破産(国債の債務不履行)が起こるとどうなるか?」 政府による債務不履行が起こると、国債は“紙切れ”となり、大量の国債を保 有している国内金融機関は経営が悪化し、倒産の危機に陥ることになります。 「国債暴落=長期金利上昇」に連動して、あらゆる金利が上昇する一方で劇的 な「デフレーション(モノが売れない状態)」が起こることが考えられます。 大幅な金利上昇による個人の住宅ローン破産や、企業の利払い増加による倒 産が起こり、それによる不良債権の増大が、国債暴落で含み損を抱えた銀行の 経営破綻に追い討ちをかけ、金融不安による預金引き出しの殺到が起きること も否定できません。 こうして銀行、企業の倒産によって大量の失業者が生まれ、消費が一層冷え 込み、それが企業収益の減少に繋がるという悪循環が続き、国民経済は徹底的 に破壊されることになります。 5.国の借金が増えていく原因は 日本の借金原因は 借金の原因についていろいろな意見が飛び交っています。表面から見た単 純な理由は挙げることができるでしょう。例えば景気が悪化して、税収が 減っているのに、使うお金の量は増えている。収入がないのに使っている わけですから、当然借金も増えます。 借金すると利息がつきますから、借金の額が大きくなればばなるほど、利 息が増え、また借金するという悪循環になるのです。確かにこれは一つの 原因でしょう。しかし、この問題はどうしてここまで大きく複雑になった のでしょうか?この根本の原因が解決されなければ、仮に今借金が「0」に なったとしても、また同じことの繰り返しになってしまうかもしれません。 正直いってこの原因を突き止めることは難しいと思います。政府は何とか 国の経済状態を建て直そうと必死ですが、表面だけの改革ではなく根本か らの解決策を見出して欲しい、というのが私たち国民の願いです。 5.日本の借金」についてのまとめ 少子高齢社会を迎えた現在、年金制度や福祉制度などピラミッド型の人口 構造を前提に作られたあらゆる制度が綻びを見せ始めており、このまま何も せず手をこまねいていれば、いずれは日本の財政は破綻してしまう恐れがあ るのも確かです。その為にも財政構造改革は必要なことであり、私たちもそ の努力を政府がきちんと行っているかどうかチェックをし続けなければなり ません。 現在政府はこの借金をなんとか減らさなくてはいけないと2011年度ま でにプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化させることを目標に 歳出を削減などの努力をしています。これが財政構造改革と呼ばれているも のです。 現在の日本の膨大な借金とその行方が、決して自分と無関係な問題ではな いと分かるハズです。既に多くの人が日本の「国家破産」に警告を鳴らして います。私たちは日本で生きていく以上は、この問題を自分自身の人生にお ける「リスク」として、よく理解し、対応する必要があります。
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