働きやすい職場づくりに向けて がんと診断された従業員の 治療と仕事の両立を可能とするために 企業が 働きやすい職場を目指す意義 様々な背景を抱える人が 働きやすい職場 優秀な人材の確保 生産性の向上 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 2 あなたの周りに がんと診断された人はいますか? 一生のうちにがんと診断される確率 男性 58.0% 女性 43.1% 2人に1人は「がん」と 診断される時代です。 ※出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計‘13」 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 3 1. がんの治療と仕事の両立支援の必要性 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 4 働く世代のがん罹患数の推移 (新たにがんと診断された数) ※地域がん登録全国推計によるがん罹患データ(国立がん研究センターがん対策情報センター) より作成。 ※上皮内がん含む。 働く世代のがん罹患数は増加傾向にあります。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 5 今後10年間で新たにがんと診断される 従業員数(推計) ※出典:東京都福祉保健局「がんに罹患した従業員の治療と仕事の両立支援ハンドブック」 (平成27年3月) 今後新たにがんになる人がでるかもしれません。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 6 がん患者の就労の意向 ※出典:東京都福祉保健局「がん患者の就労等に関する実態調査」 (平成26年5月) がんになっても多くの人は 働き続けたいと思っています。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 7 がん患者が治療と仕事を両立する上で直 面する課題 ▶職場の理解・協力が得られないといった 「職場の理解・風土に関する問題」 ▶体調や治療の状況に応じた柔軟な勤務が 難しいといった「働き方の問題」 ▶誰に相談すればよいか分からなかったといった 「相談先の問題」 治療と仕事を両立する上で困難を感じている人も 少なくありません。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 8 2. がん治療について知っておいてほしい点 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 9 がんの主な治療法 手術 ○外科的にがんを切り取る治療 ○内視鏡手術等により身体への負担軽減可能 薬物療法 ○抗がん剤やホルモン剤等の薬を用いる治療 ○手術で取りきれない(取れない)がんの治療、 再発予防等を目的として実施 (化学療法) 放射線 治療 ○放射線を用いて治療する局所的な治療 ○臓器を温存したまま治療可能 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 10 がん患者の5年相対生存率 ※国立がん研究センターがん対策情報センターより作成。 近年、がん患者の生存率は大きく向上しており、 今やがんは必ずしも不治の病ではありません。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 11 がん患者の入院・外来受療率/ 平均在院日数の推移 ※出典:厚生労働省「患者調査」 ※入院受療率・外来受療率は、推計罹患者を人口10万対で示した数 医療技術の進歩等により 外来で治療を行うことも増えています。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 12 乳がん患者の治療と仕事の流れ(例) 早期のがんであれば 短期間の休暇・休職 での治療も可能 職場復帰後は、時差 出勤や短時間勤務制 度、有給休暇などを 利用しての通院 再発防止のため のホルモン療法は 5年程度継続 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 13 大腸がん患者の治療と仕事の流れ(例) 早期のがんであれば 短期間の休暇・休職 での治療も可能 人工肛門(ストマ) の造設がある場 合は、より長期の 休養が必要 職場復帰後は、時差 出勤や短時間勤務制 度、有給休暇などを 利用しての通院 がん患者の治療と仕事の流れは、 がん種や症状等に応じて様々です。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 14 がん治療に伴う精神的負担 ▶ 病気の告知に伴うストレス ▶将来の見通しや再発等の不安 ▶ホルモン療法等による一時的なメンタルヘル ス不調 ▶がん罹患前に比べて思うように就労できない ことによるストレス がん患者が抱えているのは、 身体的な負担だけではありません。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 15 がんの化学療法の主な副作用/ 外見からは分からない症状 化学療法の 主な副作用 外見からは 分からない副作用 ▶脱毛 ▶倦怠感 ▶吐き気 ▶しびれ ▶免疫力低下 等 ▶排泄障害 等 副作用等には個人差があり、 治療の進み方によっても変わります。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 16 治療終了後も続く経過観察 ▶5年程度行われる経過観察 ▶0(ゼロ)にはならない再発リスク がんは治療が終了しても、長く付き合う病気です。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 17 3. 治療と仕事の両立の実現に向けて (職場でできること) Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 18 職場への報告・相談状況 ※出典: 東京都福祉保健局「がん患者の就労等に関する実態調査」 (平成26年5月) がん患者の多くは、上司・同僚に相談します。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 19 相談を受けた時の確認ポイント ▶仕事を続けたいか? ▶続けたい場合は、周囲にがんになったこと を伝えるか? ▶職場でどのような配慮があると良いか? 密なコミュニケーションによる 状況把握が重要です。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 20 職場での配慮のポイント① <体調や通院状況にあわせた働き方> ▶出勤時間帯や勤務時間への配慮 ▶休憩・休憩のとり方への配慮 ▶休憩場所や座席の位置 ▶業務内容や業務量の見直し 等 ちょっとした配慮によりがん患者も 能力を発揮することができます。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 21 職場での配慮のポイント② <病気に対する理解> ▶周りからのちょっとした声掛け ▶職場における役割や対応方針の明確化 ▶産業保健スタッフや外部サポート資源 の活用 等 病気に対する理解があることで、 まわりに相談しやすく・働きやすくなります。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 22 職場にがんになった人がいたら、どの ように対応しますか? 同僚 だったら? 上司 だったら? 自分の部下 がなったら? 自分ががん になったら? Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights Reserved. 23 皆のちょっとした配慮や気遣いにより 働きやすい職場を実現しましょう! Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights Reserved. 24 「こうして仕事を続けています!!」 がんになった後も仕事を続けている方のエピソード Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 25 がんになった後も仕事を 続けている方の事例 1 建設業・舌がん 私は建設業の現場監督として、20年以上勤めていました。ある日、歯科医 から舌の様子がおかしいと指摘され、病院を受診した結果、舌がんと診断さ れました。 最初の治療では3か月程会社を休み、手術と放射線治療を受けました。大 きな後遺症もなく職場に復帰できました。職場復帰後は3か月に一度、有給 休暇を使いながらPET/CTやMRIの検査を受け、がんの転移や再発がないか 経過観察をしていましたが、数か月後に再発が判明しました。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 26 二度目の治療では、3か月半会社を休み、手術と抗がん剤治療を受けまし た。抗がん剤治療は、当初は入院して治療を受けましたが、その後、主治医 から内服タイプの抗がん剤治療もあることを聞き、内服タイプの治療を受け ることにしました。 手術の後遺症で話すことに大きな障害が残ったため、解雇されるのではな いかと大変不安でしたが、所属長や上司が家まで見舞いに来てくれ、「仕事 を続けられるようできる限りのことをする」と言われ、家族ともども安心しまし た。結果として、社内で見積りを作成する職場に異動し、残業が発生しない ような配慮のもと、1年間、抗がん剤治療を受けながら仕事も辞めずに続け ることができました。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 27 がんになった後も仕事を 続けている方の事例 2 情報通信業・肺がん 肺がんと診断された当時、私は営業部門の部長でした。仕事は激務であっ たものの、非常にやりがいを感じていました。そのようなときにがんと診断され、 強いショックを受けるとともに、仕事への価値観の転換を求められました。 しばらく治療のために休職しましたが、その間、自分から職場に状況を報告 するようにしましたし、職場の方も、こちらの状況を把握するように努めてくれ ました。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 28 復職が見え始めた頃は、特によく上司や人事室と話し合いました。治療が 長く続くことや、体力的にも残業は避けた方が良いことなどを勘案した結果、 部長から専門職へと職種を変更して復職しました。当初はそうした職種の変 更は必ずしも本意ではなかったものの、今振り返れば良い判断であったと思 います。 復職の前には試し出社をして、身体を慣らしていきました。復職後は、残業 をせず、出張は極力しないようにしています。これまでの人的ネットワークや ノウハウを活かし、限られた時間の中でもパフォーマンス(成果)に重きを置 いた仕事を心掛けています。 Copyright©2015 TOKYO METROPOLITAN GOVERNMENT All rights reserved. 29
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