大分ケミカル(株) 活動事例発表 発表者:瀧田 祐二郎 1 1.大分ケミカル(株)大分工場の概要 2 大分石油化学コンビナート ◆所在地 大分県大分市の臨海工業地帯にある昭和電工(株)のクラッ カー設備を中核とした大分石油化学コンビナートに所属して おります。 ◆コンビナート概要 面 積 従業員 164万平方m2 1,100人(コンビナート従業員のみ) 3 大分石油化学コンビナート 1km 2km グリーンベルト 4 大分石油化学コンビナート ◆大分ケミカル(株)大分工場 概要 面 積 従業員 4万9千m2 40人 コンビナート全体の約3% コンビナート全体の約3% 5 大分ケミカル(株)沿革 •昭和47年 日本化薬(株)のアクリル酸、アクロレインの製造 工場として操業開始。 •昭和58年 東亞合成(株)が日本化薬(株)よりプラン ト一式を継承し、大分ケミカル(株)大分工 場を開設。 •平成 3年 アクリル酸の増強のために新設、稼動開始 年間6万tのアクリル酸・アクロレインの製造を行っている。 6 大分ケミカル(株)組織図 事務課 業務、経理、総務 3名 スタッフ 2名 工場長 製造課 スタッフ 3名 技術課 運転担当 4名×5直 出荷担当 5名 分析、品質保証 29名 6名 スタッフ 2名 総勢 40名 7 製造プロセス アクリル酸 アクロレイン反応 •主反応 ◆一段目反応 C3H6+O2 → プロピレン CH2=CH-CHO + H2O アクロレイン ◆二段目反応 CH2CH=CHO+1/2O2 → CH2CH-COOH アクロレイン アクリル酸 8 製造プロセス アクロレイン プロピレン 酸素(in Air) 酸化反応 スチーム 発熱反応 アクリル酸 精製 アクリル酸 吸 収 出荷 タンカー、ローリー 重合防止 9 製品の主な用途 アクロレイン メチルメルカプタン等と反応させて、メ チオニンという飼料となる。 アクリル酸 ここ10年ほどの主な用途は、紙おむつ 等の吸収性樹脂 また、従来からの用途では、アルコール とエステル化し、アクリル酸エステル化し、 アクリル繊維、粘接着剤、塗料等々 10 保全体制 自社では持たず、昭和エンジニアリングに 委任している。 定修関係 年1回全系停止による定修を実施す る。その際の入場者の延べ人数は、 3千人程度となる。 環境保安関係 コンビナート共通の環境安全部があり、 環境・安全・申請・対外折衝等の業務を 行っている。 11 2.大分ケミカル(株)大分工場 安全成績 12 大分ケミカル(株)安全成績 昭和58年11月16日操業開始以来 •不休災害、休業災害 ゼロ •設備災害 ゼロ •環境トラブル ゼロ 5月末実績 19年6ヶ月間 無災害継続 約159万時間 無災害継続 13 【参考】 東亞合成(親会社)労働災害発生 状況 従業員 1,260人(03/4現在) 災害発生件数の推移 件数 45 協力事業所の不休災害 協力事業所の休業災害 従業員の不休災害 従業員の休業災害 40 35 30 25 20 15 10 5 0 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 年 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 2001 14 2.プロセス留意点 15 製造プロセス アクリル酸 アクロレイン反応 •主反応 ◆一段目反応 C3H6+O2 → プロピレン CH2=CH-CHO + H2O アクロレイン ◆二段目反応 CH2CH=CHO+1/2O2 → CH2CH-COOH アクロレイン アクリル酸 16 プロセス重要事項 酸化反応工程 – プロピレン爆発範囲の回避 • 流量測定の三重化とインターロック機構 – 暴走反応の回避 • 酸化反応熱の確実な除熱 – 燃焼反応防止 • 操業条件確保による特殊燃焼反応の防止 17 精製工程 – 重合反応の防止 • 各種の方法による異常重合の防止 – 液漏洩時の臭気拡散 • SDM等の点検時の確実なリークテスト • 定期的なガスケット交換 – ストレーナー清掃作業時の液との接触 • 閉塞防止のためのラインの清掃作業時に、ストレー ナーの開放による薬傷の懸念 • 開放時の臭気拡散防止のための運搬容器の使用 18 災害のリスク低減策 – 安定操業の確保 • リスクの大きい非定常作業の削減 • 余裕のある操業を行い、安全活動、全参活動等に よる先取り – 異常の早期発見 • 設備診断等の活用による定量的なデータの蓄積 • 停止を回避できる対策の早期樹立、最悪の場合で も、計画的な停止操作 – 年1回のSDMの効果的な活用 • 効果的な定期点検周期の設定 • 抜本的な改良、改善の実施 • 点検計画への運転員の参画 19 – 作業基準の改訂 • 非定常作業のチェックリストの活用 • 作業基準、チェックリスト等の早期改訂 – 現場の意見の吸い上げ • 提案制度の簡素化と情報開示 • 提案に対する早期対応と実行 20 事例紹介 ー 1 21 災害リスク低減策 – 安定操業の確保 • リスクの大きい非定常作業の削減 • 余裕のある操業を行い、安全活動、全参活動等に よる先取り – 異常の早期発見 • 設備診断等の活用による定量的なデータの蓄積 • 停止を回避できる対策の早期樹立、最悪の場合で も、計画的な停止操作 – 年1回のSDMの効果的な活用 • 効果的な定期点検周期の設定 • 抜本的な改良、改善の実施 • 点検計画への運転員の参画 22 事例紹介ー1 現場データの蓄積とPDAの活用 23 ローカルデータの蓄積のためのPDA導入 横河電機製のIPPATを導入した。このシステムは、 DCS管理を行っていないローカルデータをパトロール 時のPDAにて取り込み、異常値の判定や経時変化に ついて管理するものである。 24 YOKOGAWAの「IPPAT」を導入した。 25 YOKOGAWAの「IPPAT」を導入した。 パトロール風景 IP-TAG 26 ローカルデータのトレンド管理 ローカルデータが トレンドか出来る。 27 事例紹介 ー 2 28 – 作業基準の改訂 • 非定常作業のチェックリストの活用 • 作業基準、チェックリスト等の早期改訂 – 現場の意見の吸い上げ •• 提案制度の簡素化と情報開示 提案制度の簡素化と情報開示 •• 提案に対する早期対応と実行 提案に対する早期対応と実行 29 事例紹介ー2 安全活動及び提案活動における Lotus-Notesの活用 30 提案制度のモラル維持 提案者側の問題点 – せっかく提案しても結論が… – 自分の出した提案の進捗状況が… 審査側の問題点 – 忙しいから後廻し、その内、書類の山に… 誰でも(提案者)何時でも(夜勤・休日)提案 の進捗状況が確認出来るDBを活用する。 31 SK(潜在危険要因)提案データベース 審査状況 処理状況 実施担当者 32 SK(潜在危険要因)提案データベース 提案の概要 提案に対するコメント 33 歯止め 進捗状況のチェック – 3ヶ月に1度、提案者側の推進担当者が、全 体の進捗状況に付きチェックを行い、安全会 議等で報告を行う。 34 安全規定の紹介 – タンク内作業基準 • 塔槽類の内部点検時に異種流体の混入による酸 欠防止を確実に実施するために、各接続配管に仕 切板を挿入し縁切りを行う。 • また、抜き忘れ防止のためにチェックリストを用いて 管理を行っている。 – 禁札作業基準 • 協力企業に引き渡す際に、バルブ類、スイッチ類、 電気室内のNFB等につける操作禁止札 » 運転担当者 » 保全担当者 » 電気担当者 白札 緑札 赤札 35 事例紹介ー3 仕切板チェックシートの紹介 36 仕切板 チェックシート 仕切板挿入箇所 37 2003年 計画停止時 仕切板チェックシート 挿入時 取外時 38 ご清聴ありがとうございました。 大分ケミカル(株) 39
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