「ブルネル研究会」の開設と研究活動内容 佐藤 建吉 (千葉大学工学部都市環境システム学科) Isambard Kingdom Brunel(IKB) (1806-1859) Brunel University BU Isambard Kingdom Brunel IKB 「時代を超えた最も偉大なイギリス人」 BBCの投票 Brunel No.2 9th April – Birth day of IKB 「ブルネル研究会」の組織を決定 ブルネル研究会の意義とは・・ ブルネル研究のこれまで:- 日本機械学会・技術と社会部門 ビクトリア時代の技術者:ブルネル父子 シリーズ講演・・・14回(+1回) 技術史教育学会 技術とエンジニア、 IKBの銅像とその由緒 報告実績: (1) 佐藤、ビクトリア時代の技術者:ブルネル父子、機講論、No.9964,87-88(1999). (2) 佐藤、同上(第2報 テムズトンネル)、機講論、No.000-1,107108(2000). (3) 佐藤、同上(第3報 クリフトン吊り橋)、機講論、No.00-1, 549550(2000). (4) 佐藤、同上(第4報 GWRでの鉄道建設)、機講論、No.00-54, 6364(2000). (5) 佐藤、同上(第5報 ブルネルの最初の蒸気船Great Western号)、機 講論、No.010-1,355-356(2001). (6) 佐藤、同上(第6報 蒸気船Great Britain号)、機講論、No.01-1,409410 (2001). (7) 佐藤、ビクトリア時代の技術者:ブルネル父子(第7報 ブルネルの 巨大蒸気船Great Eastern号)、機講論、No.020-1,423-424(2002). (8) 佐藤・平塚、同上(第8報 クリミア戦争下でのプレハブ病院)、機講論、 No.020-1,425-426(2002). (9) 佐藤、同上(第9報 大気圧鉄道)、機講論、No.02-1,375-376 (2002). (10) 佐藤・平塚、同上(第10報 ロイアルアルバートブリッジ)、機講論、 No.02-1,377-378 (2002). (11) 佐藤・平塚・与儀、同上(第11報 水晶宮とパディントン駅)、同上、 No.02-46, 49-50 (2002). (12) 佐藤・平塚・与儀、同上(第12報 GWRのメイドンヘッドブリッジと ボックストンネル)、同上、 No.030 -1 ,315-316 (2003) . (13) 佐藤・平塚・与儀、同上(第13報 鉄道ゲージ戦争)、同上、No.030 1 ,317-318 (2003) . (14) 佐藤・平塚・与儀、同上(第14報 ブルネルのエンジニア・スピリット)、 同上、No.030 -1 ,319-320 (2003). (15) 佐藤・平塚・与儀、同上(第15報 ブルネルと技術集団)、同上、未定 (2003). (16) 平塚・佐藤、ブルネルの銅像とその由緒、技術史教育学会、研究発表講演 論文集、13-15(2001). (17) 佐藤、わかりやすいエンジニア論―技術者と科学者の色分け―、同上、 16-18(2001). ブルネル研究会での取組み: ■技術成果の分析 ブルネルの技術的遺作における要素技術について、技術的・社 会的価値についての評価と分析。 ■ 経済的側面 技術の登場と発達は、経済的影響が無視できない。イギリスお よび世界との関係において検討する。 ■挑戦か保守か IKBの特徴である「挑戦的」立場と、ほかのエンジニアにおけ る「保守的」立場の生起と顛末、結果・影響について検討す る。 ■ 伝記の出版と映画の制作 IKBのIKBたる活動は、誇り高い挑戦的な人物像を作り上げて おり、後世の我々に多くの影響を与えてくれる。特に映画の ようなメディアは、彼の実像を効果的、芸術的、史的に伝え ることができる。 ■ 遺作の模型製作(例えば大気圧鉄道) IKBの数多くの挑戦の中で、大気圧鉄道は当時としては失敗に 終わったが、今日の材料技術と要素技術の適用によっては、 商業化可能な未踏技術である。この模型製作は、問題の抽出 と解決の両面で価値あるものと考えられよう。 ■ 生誕200年記念行事 2006年4月9日は、IKBの生誕200年である。これに併せ、イギ リスと日本での記念事業を展開する。 ■日英シンポジウムの開催、モニュメント設置、記念出版物の 刊行を計画する。 ■ 没後150年記念行事 2009年9月15日は、IKBの没後150年に当たる。生誕200年記念 と両方により、記念事業の開催を計画する。 ■日本ブルネル協会(The Institution of Brunels, Japan)の設立 日本でのブルネル研究の遂行と、海外でのブルネル研究との連 携と展開のために、日本ブルネル協会(IJB)を設置する。 研究会組織と情報収集発信 ■ 組織の体制 本研究会の組織中枢は千葉大学におくが組織運営と会員間、 さらに研究会と社会間の情報収集発信はインタネット(電 子メール)による“サイバー研究会”体制とする。 研究情報の取扱い・管理運営・イギリス研究家との連携 研究会組織と情報収集発信 ■ 研究グループ・テーマ 「メカニカルmechanical」 「シビルcivil」 「マネージメントmanagement」 「エデュケーションeducation」 「ジェネラルgeneral」 連携と融合 「ブルネル研究会」と「ブルネル研究」のねらい ■今日の技術、広い意味での科学技術においては、産業革命期と 同じように変革期を迎えている。変革の主体者、客体者のいず れであっても、それに摩擦なく通過することが大切である。 ■エンジニアはその社会変革の担い手であり、批判に耐えなけれ ばならない。 ■この意味で、例えばビクトリア時代のエンジニアについての研 究は、技術の歴史として学問的、技術的、教育的、そして社会 的に有意義な情報提供が可能 ・・・本研究会の意義と目的がある(を置く)。 広範で総合的、しかも個別的な研究活動グループは、日本機械学 会「技術と社会」研究部門の研究会活動としても遂行する。 技術史、科学技術史を勉強することとは・・・。 三輪修三「機械工学史」、丸善H12.11月刊 1 現代の・・技術、・・工学の範囲と内容が果てしなく広がっている。 当事者でもわからなくなっている。危険である。変化の姿をとら える。 2 重要な工学概念、原理、法則は「与えられたもの」としてではなく、 着想から論争を経て、定着にいたる。その「創造のダイナミクス」 の中でとらえることができる。内部史、学説史。 3 技術は社会を変える。社会も技術を規定する。社会は技術に何 を求めてきたのか。技術の生成、変転のありさま、未来への手 がかりが得られる。人間の技術の功罪について幅広い視野から とらえるころができる。外部史。 4 時代を切り開いた技術者個人を着目することで、個人と決断、行 動の正しさ、あるいは歴史における個人の役割を知る。専門職 業人として生きようとする人の励みと反省を与える。 「ブルネル研究会」への参加と協力をお願いし、 ブルネル父子の正しい理解と普及を進めたい。
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