風車の技術と歴史 - 千葉大学工学部都市環境

風車の技術と歴史
History and Technology of Windmills
第4回 5/14
産業革命---風車、水車、蒸気機関の変遷
講義内容
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URL
http://www.eureka.tu.chiba-u.jp
○概要説明
○風車の起源と発達
○風車の種類と構造
○イギリス風車とオランダ風車
○産業革命---風車、水車、蒸気機関の変遷
○Millerさんと風車
○絵画や映画の中の風車
○日本の揚水風車の利用と発展
○ランドマーク、町興しとしての風車
○発電用風車の原理と構造
○世界のウインドファームと立地
○風力エネルギー導入施策とエネルギー環境ビジネス
○市民風車の胎動
○風力発電の将来WindForce12
○国内外のウインドファームの見学
○イギリス・オランダ・スペイン・アメリカ・デンマーク・
ドイツの風車の旅
○課題の作成
早速、ミッションとしてGWでの風車見学
をお願いした。
その結果、多くの風車の見学の報告書が提出さ
れたが、その中から発表していただいた風車につ
いて、以下に掲げる。
船橋・アンデルセン公
園のデンマーク風車
「シスターミューレン
小島俊輔
船橋・アンデルセン公
園のデンマーク風車
「シスターミューレン
関 郁子
佐倉ふるさと広場のオランダ風車「リーフデ」
高橋信行
佐倉ふるさと広場のオランダ風車「リーフデ」
高橋信行
地元の風
車見学・・
☆TEPCO
の風車は
市原に
斉藤政一
地元の風
車見学・・
☆TEPCO
の風車は
市原に
斉藤政一
地元の風
車見学・・
千葉で最
新の三井
造船の風
車
斉藤政一
実家の神戸
のダリウス
風車
諌山太輔
産業革命・・・
歴史を通して学ぶ
イギリス(18c)
産業革命(動力革命) ⇒ 社会変革
・ 水車・風車(自然エネルギー)&家畜動力
↓↓
・ 蒸気機関(化石エネルギー(石炭))
現在は・・・
大量生産・大量消費「効率の世界観」
↓↓
「環境の世界観」へのエポック
<エネルギー革命>
産業革命の背景と条件成立
産業革命の時代
イギリスのジョージアン(1714~1830年、ジョージ王、
George I、II、III、IV)
ビクトリアン(Victoria女王)の時代
まずイギリスで産業革命起こった原因
制海権(17cスペインとオランダ、 18cフランス)
三角貿易(原材料、労働力、市場)
国内事情(工場制手工業(マニュファクチャア)の発達、
に
供)
大資本家による資本主義の成立、農地の囲い込み
よる農業資本化、農民の都会へ流入、労働力の提
産業革命のフロー
国内(羊毛、毛織物)
⇒インド産の綿織物(東インド会社)、
カリブ海諸島からの綿花・木綿工業(奴隷貿易)
動力源
18世紀初めNewcomen(1663-1729)が蒸気力によるポンプ 、
James Watt(1736-1819)の蒸気機関(1769年)
影響
⇒⇒紡績・織布・動力の諸部門における発明は木綿工業を
繁栄させ、資本家は多数の労働者を 雇用して機械による
大工場の経営にのりだした。
⇒⇒⇒機械を製造する機械工業、機械の原料である鉄を
精錬する鉄工業、鉄の溶解や蒸気機関の燃料に必要な石
炭の採掘など、多の工業部門も飛躍的な発達をとげた。
four GEORGE I, II, III, and IV
GEORGE I (r. 171427)
GEORGE II (r. 1727-60)
GEORGE III (r. 17601820)
GEORGE IV (r. 1820-30)
Queen VICTORIA (r. 1837-1901)
WILLIAM IV (r. 1830-37)
Newcomen機関
1736-1819
CornishのWatt(ビーム)機関
Dartmouthのニューコメン機関
Land’s Endの鉱山ニューコメン機関
産業革命での連鎖反応
先駆的発明=織布作業機
ジョン・ケイによる飛び杼(ひ)の発明 (1730年代)
織布の生産性向上 ⇒ 糸不足 ⇒ 紡績機械の発明を促す
ハーグリーヴスのジェニー紡績機(家内工業)
これまでの家内工場で十分だった
↓
リチャード・アークライト (1769年特許)
水力による定地式工場(工場制) の利用によって生産力増強
↓
クロンプトンのミュール紡績機 (1779年特許)
紡績部門の優位(生産過剰)
↓
織布部門の改良
カーライトの力織機 (1785年特許)
ワットの蒸気機関を使用
•Arkwright, Sir Richard. 1732-1792.
蒸気機関の普及
1712年にトーマス・ニューコメンが開発した大気圧
機関は、広く使われていたが、高さは10mもあった。
1775年から1800年の間に、ランカシャーには蒸気
機関が221台あった。その用途:
紡績工場
炭坑
金属工場
銅山
運河
ビール工場
水道
93台
30台
28台
22台
18台
17台
13台
綿工業
↓
蒸気機関
↓
コークス製鉄法
↓
交通・運輸
↓
都市型工業
都市生活
農業の変革
労働者の成立 = 単純労働
資本家の隆盛 = 近代的労働管理
資本主義的工業社会
交通・運輸機関の発達
大規模な機械工業が発達すると、大量の原料・製品・鉄鉱
石・石炭などをできるだけ速く輸送するため、交通機関の改
良がうまれた。18世紀後半には国内の輸送路として運河網
が形成されたが、19世紀に入ると鉄道がこれにかわった。
George Stephenson(1781-1848)が1814年に蒸気機関車を
つくり、これ が実用化されて以来、公共の陸上輸送機関と
して鉄道が普及した。
1807年にアメリカ人フルトン(Fulton、1765-1815)が試作し
た蒸気船は河川や海上における運輸・交通に新時代をもた
らした。
こうして19世紀は交通・運輸の一大変革(交通革命)がおこ
り、世界各地を結ぶ産業・貿易・文化の交流に貢献した。
産業革命の影響
こうして鉄の使用が必須となり、木炭による製鉄
では、森林資源の枯渇を導き、石炭・コークスに
よる製鋼がはじまった。その当時、銑鉄1tに石炭
が10t必要であった。
ベッセマー転炉が開発され、石炭鉱業も産業化
し、製鉄工業は進歩し、その動力源も風車や水
車から蒸気機関、内燃機関へ代替されるように
なった。
また、労働スタイルの変化、工場労働、労働時間、
作業工程の管理が行われるようになった。多くの
面でライフスタイルの変化が起こった。
産業革命の波及・産業革命による
社会的変革
「世界の工場」と呼ばれるようになり、
機械による工場生産、資本主義体制
が確立した。
一方で、人口の都市への集中、労
働者・労働問題・社会問題などの新た
な問題を呈した。
IKBを知っている?
(BBC・2
位)
ブ ル ネ ル 大 学 は 、 Isambard Kingdom Brunel
(1806‐1859)という ビクトリア時代の著名な土木・
機械技術者の名前を冠する国立大学である。
Brunel は 、 Thames 河 の 地 下 ト ン ネ ル 、 Bristol の
Clifton 吊 り 橋 、 London-Bristol を 結 ぶ Great
Western 鉄道、ReadingのThamesを渡る鉄道橋、
LondonのPaddington駅、Saltashの鉄道橋、三つの
蒸 気 船 Great Western 、 Great Britain 、 Great
Eastern、さらにBrunel遠心調速機なども設計した。
「技術史研究」-ヴィクトリア時代のエンジニア
(後期・金曜・5時限)
Brunel University
Marc Brunel (1769-1849) Isambard Kingdom Brunel (1806-1859)
以下のページは、風車の発展、進化の様子
を示している。
風車での風速・風向制御機構、発展してガ
バナーによるテンタリング、それは、J.Watt
の蒸気機関にも応用された。風車は、大型
化し、蒸気機関と対抗した時期もあった。し
かし、産業革命は風車より強力な蒸気機関
を選択し、風車は動力機械としての役割を
終えたのであった。
オランダ風車とイギリス風車の違い
オランダ風車
イギリス風車
■風車との出会い・・・ロンドン、1994年
.
ロンドン市内南部・クロイドンの風車
■ジェームズ・ワット・・・蒸気機関へガバナー
(遠心調速機)を利用)
.
James Watt
(1736‐1819)
J.Wattの蒸気機関
粉ひき風車の自動化
(回転制御/ガバナー)
テンタリング・・・すきま調整
■
ファンテイル(Fantail/後翼)による
主翼の回転
イギリス風車の特徴
粉ひき風車の発展
ポストミル(箱型風車)
タワーミル(塔型風車)
スモックミル
Post mill(箱型風車)
Brill mill (Buckinghamshire)
Post mill
Smock mill
Crownbrook Union mill (Kent)
Upminster mill (London) 、Sandwich White mill (Kent)、Rottingdean (Sussex)
Smock mill
Windmillの内部
Edmond Leeが1745年に特許取得したfantail
Smock mill
Meadが考えたセイルに帆を張る自動装置1787
Smock mill
遠心調速機で自動化したテンタリング装置
自動テンタリング装置
の実例
Millstone & millers