中古車流通業界は SD戦争から何を学ぶか

中古車流通業界は
SD戦争から何を学ぶか
ケニーテック経営コンサルタント
元静岡産業大学 非常勤講師
MBA&MOT
川
邊 一 正
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現状の乗用車市場
• ワゴンRが発売されてから
3台に1台は軽
• 現在2・5台に1台は軽
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なぜ軽か
•
•
•
•
維持費が安い
燃費はHV(ハイブリツド)並み
機動性がある
取り回しが楽である。(駐車が楽、女性の
バイクからの移行、ちょいのり)
• エントリーレベルであること
軽の存在を無視できない
普通車の流通在庫が減少した
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なぜ今
SD戦争?
• 38年前の首位争い HY戦争
を考察しよう。
• HY戦争とは1977年~83年の
6年間 「Honda と Yamaha
の乱売合戦」
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HY戦争の始まり
• Yは本田宗一郎の助力を受け
ていたので当初HはYが本気と
考えなかった。
Yの2代目小池社長の時、Hの
つながりのある人を追放し、
生産ラインを増強したのでHは
本気と捉えた。(Y創業者川上源一)
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HY戦争の戦略として
H:女優ソフィア・ローレン
「ラッタッタ ロードパル」
Y:女優八千草薫 「パッソル」
当初上記機種を投入、1982年H
は45機種発売し1週間に1台の
新機種を発表。S、KはHY戦争に
巻き込まれ4社共在庫の山となる。
HY戦争のおわり
• Hは30万台の在庫
• Yは米向け49万台の在庫
200億円の赤字、倒産危機
• Y社長がH社長に詫びを入
れて終結
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HY戦争の教訓
•在庫の山 在庫消化
に10年?
•H,Y,S,Kの4社は混乱で
全く利益を得ていない
• 戦争にいいことはない
SD戦争の原因は2つ
• 台当り3万点の部品を装着して
いるから量産しなければ利益を
享受出来ない。(薄利多売)
費用=変動費(主に原材料費)と固定費
変動費を下げないと損益分岐点は下がらない
**軽の囲い込み
系列化が鮮明に
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SDとWin-Win関係だったが
• 今までSはN,マツダに軽を
供給し軽の変動費を下げる事で
利益を得ていた
SD戦争を避けSは2位に甘んじて
いたが軽の囲い込み作戦が
バランスを崩した
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結果は
結果として
• 軽の生産
S:自社、NへのOEM供給?
D:自社、T, F, マツダへ 供給
F(富士)が軽から徹退
Tとマツダとの提携
勢力図は大きく変化した
HY戦争と同じで両社とも収益性は
悪化している。早くやめるしかない
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戦争をすると皆損をする
ベストセラー「21世紀の資本」より
• ピケティ教授による 教訓
国民所得が最低
• 欧州
• 米国
• (日本
1950
1945
1945-1950最悪)
他山(電機)の石を参考に
ベター 対 VHS
プラズマ対液晶、 白物家電
日本メーカの結束が弱いので
技術で勝つても東アジアメー
カ(韓国・中国等)に負ける
• いかなる戦争も問題解決にな
らない。日本メーカの結束が
大事。(例重電 日立と三菱)
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平和=経済大国
•徳川家康生誕400年
•戦後70年
教育力UP=平和力
UP
中古車業界の課題
1.軽自社登録車の在庫増加
2.普通車の流通在庫が減少
乗り換え期間の延長
高価格車(HV等)の輸出
しかできない
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課題抱えて儲けるだけが能か?
ピケティ(P)とドラッカー(D)論
P 現在は富と所得格差の行き
過ぎだ。平等性を推進する力は
知識と技能の普及(教育)
D 知識こそ資本
社員は資源
解決策は社員教育
• 17世紀 近江商人「三方よし」
• コトラー「 ソーシャルマーケテ
ィング」
「三方よし」と「ソーシャルマーケ
ティング」
を考えたい
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「三方よし」と「ソーシャル
マーケティング」の共通性
• 「三方よし」とは
売り手よし、買い手よし、世間よし
• ソーシャルマーケティングの三方向
的協働関係とは
1)政府―市民社会関係 世間よし
2)政府―企業関係
売り手よし
3)企業ー市民社会 売り・買い手よし
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ソーシャルマーケティングの
「三方向的協働関係」
• ソーシャルマーケティングとは
貧困、HIV,教育、人口問題等を
解決することで社会を全体とし
て三方向的に捉えるマーケティ
ングである。
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まとめ
・ピケティ教授は儲けることだけの資本
主義の行き過ぎに警鐘を鳴らしている
力は知識と技能の普及(教育力)
• 近江商人「三方よし」はコトラーと類似
• 「三方よし」を生かし好循環の共存
共栄の教育力で生き残るしかない
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皆最高だぜ(ディズニ―シィより)
ご清聴ありがとう
ございました。
参考文献
• トマ・ピケティ 「21世紀の資本」
• 末長国紀 「近江商人」
• 小倉栄一郎「近江商人の系譜」
• フィリップ・コトラー ソーシャル
マーケティング
• 日経、インターネット情報