高齢慢性血液透析患者の 主観的幸福感について 高齢者看護・ケアシステム開発学 有田 秀子 問題の焦点は何か 慢性血液透析の現状 ・糖尿病性腎症の増加 ・導入年齢の上昇 良好な疾病管理とともに、残された人生を より高い満足感を持って生活しているか? 文献検索キーワードおよび文献選択の基準 ・「血液透析」「セルフケア」 水分・食事管理、糖尿病性腎症に関する文献 ・「主観的幸福感」 PGCモラールスケールおよびLSIAを使用し、 要因分析をしている文献 ・「AANA Journal」 高齢血液透析患者を対象にした文献 研究のまとめ 1 「血液透析」「セルフケア」 自己効力感の高い群の特徴は、男性、高年齢、透析歴が5年 未満もしくは10年以上、水分管理が良好である、セルフケア支 援の認知が高いことであった。 糖尿病群は、透析群よりも自己効力感が高かった。 「主観的幸福感」 主観的幸福感に関連する要因は、性別、身体的に健康で歩 行能力がある、経済的ゆとり、配偶者の存在、独居年数、 ADL、健康意識であった。 研究のまとめ 2 「AANA Journal」 高齢慢性血液透析患者のセルフケアに関する知識の不 足のある対象は、血液透析導入当初、低教育、認識力 の低下がみられた。 MMSEの結果、対象の37%に認識力の低下が見られた。 看護職としてのアクションプラン ・透析歴5年以上10年未満の透析患者には、起こりやすい合併 症に関する知識の再教育や、合併症が起きた場合の治療や対 処方法について患者の同意を得、治療をすすめていくことが必 要である。 ・主観的幸福感を高める因子は、入院、職業、白内障の合併、 身体症状、ADL、家族・友人関係である。これらは、今までの生 活に大きく影響するので、透析治療を生活に取り入れられるよ うに援助していく必要がある。 ・認識力の低下している患者を発見するためにMMSEを使うこと は、患者の個々の認識力に合わせた教育が行えると共に、患 者のセルフケアを向上させるために重要である。
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