外来生物が在来生物へ及ぼす 影響 20113106 中内健伍 背景1) 絶滅危惧Ⅰ類 絶滅危惧Ⅱ類 準絶滅危惧種 背景2) モウセンゴケ ナガエノ モウセンゴケ 在来種 外来種 方法 1.生態調査 ・ P/O比(花粉数と胚珠数の比)を用いた送粉様式の推定 ・平均種子生産数 ・種子の発芽実験 2.セルオートマトンモデルによるシミュレーション 方法1) P/O比(花粉数と胚珠数の比)を用いた送粉様式の 推定 モウセンゴケ 20個体 ナガエノモウセンゴケ 12個体 花粉数, 胚珠数を計数し, それら の比(P/O比)を求める P/O比 : 一桁~数百 自家受粉傾向 P/O比 : 数百~ 他家受粉傾向 方法2) 平均種子生産数の調査 モウセンゴケ10個体 ナガエノモウセンゴケ7個体 果実を4つ選び、果実 ごとの種子数を計数 方法3) 発芽実験 1.15℃-10hr/25℃-14hr 2. 20℃-10hr/30℃-14hr 3. 25℃-10hr/35℃-14hr 1cm 結果1) P/O比を用いた送粉様式の推定 平均P/O比 モウセンゴケ 6.7 自家受粉 ナガエノモウセンゴケ 7.5 自家受粉 結果2) 平均種子生産数と発芽実験 平均種子生産数 最終発芽率 モウセンゴケ 63±10.89 26% ナガエノモウセンゴケ 89±21.36 5.7% 乾燥傾向の強い場所での栄養繁殖 200 開花率: 7.2% 花数: 132 個 150 体 数 ( 100 株 / ㎡ 50 ) ナガエノモウセンゴケ (乾燥) ナガエノモウセンゴケ (湿潤) 開花率: 32.8% 花数: 157 0 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 方法3) セルオートマトンモデルを用いたシミュレーション モウセンゴケ 種子繁殖を行う一年草 ナガエノモウセンゴケ 栄養繁殖を行う多年草 繁殖戦略に基づくシミュレーション モウセンゴケ 一年生植物 (一生に一度だけ繁殖,その後,枯死) ・1世代でR(=63)個の種子 を作る. ・全生育地に無作為にばらまき, 親自身 は死亡すると仮定. ・1種子 あたり,空き地での成熟 までの生存率をsとする. ナガエノモウセンゴケ 多年生植物, 栄養繁殖 ・1世代で成熟し, 根茎を出して, 翌年にはその周囲8つのパッチに 栄養繁殖 する可能性がある. ・隣に栄養繁殖する可能性をP% (種子はつけないと仮定) ・親 がそのままその世代も生き 残る確率をS × × × 表1 初期条件に用いる値 変数記号 R s Rs S p N1 N2 変数の意味 モウセンゴケ種子数 モウセンゴケ生存率 モウセンゴケ繁殖率 ナガエノモウセンゴケ生存率 ナガエノモウセンゴケ繁殖率 モウセンゴケ個体数 ナガエノモウセンゴケ個体数 結果3)ナガエノモウセンゴケが示す栄養繁殖によ る繁殖力の強さ モウセンゴケ ナガエノモウセンゴケ ナガエノモウセンゴケ栄養繁殖成功率p=90%, 駆除率=80%, モウセンゴケ生存率s=2% 駆除率増加に伴う個体数変動 p=90%, s=2%, 駆除率=85% 駆除率低下にともなう個体数変動 駆除率80% p=90%, s=2%, 駆除率=80%, 70%, 60% 70% 60% 結果4)ナガエノモウセンゴケ撲滅に必要な 駆除率 ナ ガ エ ノ モ (ウ %セ )ン ゴ ケ 駆 除 率 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 モウセンゴケ生存率 2% 3% 4% p=100% p=90% p=80% p=70% p=60% p=50% P=40% P=30% P=20% p=10% p=10% P=20% P=30% P=40% p=50% p=60% p=70% p=80% p=90% p=100% 考察1) ・早い段階で, 高い駆除率を維持した駆除活動 除去作業労力やコスト低下, 駆除成功率上昇 ・ナガエノモウセンゴケ絶滅以前での駆除率の 低下,駆除活動の中止を避けることが必要 モウセンゴケの絶滅を防ぐ 考察2) 駆除率低下を招く要因 ・小さい個体, 葉片や茎などの取り残しの一部による 栄養繁殖 ・種子繁殖を想定した開花・結実時期に行う, 年に1 度の駆除活動 ・10世代未満の駆除活動 葉片から再生する ナガエノモウセンゴケ→ まとめ 「外来種問題の解決にあたり」 ・基本的な生物相の解明と外来種の実態の調査 (ナガエノモウセンゴケ…栄養繁殖) 侵入経路の特定と対策 ・外来種問題の実態を示す 多くの人が関心を持ち, 行動に移していく
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