Diamond Detector as an Intense Particle Monitor 大阪市立大学 山本和弘 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 ダイヤモンドの物性 • Si, Ge と同じ共有結合をもつ第14族単体元素 C Si Ge ( ダイヤモンド) (シリコン) (ゲルマニウム) 6 14 32 12.0107 28.0855 72.64 密度(g/cm3) 3.52 2.33 5.32 抵抗率(Ω·m) ~1014 3.97×103 6.90×10-1 900~2300 148 60 5.47 1.12 0.7 原子番号 原子量 熱伝導率(W/m·K) バンドギャップ(eV) 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 放射線検出デバイスとしてのダイヤモンド ダイヤモンド シリコン バンドギャップ(eV) 5.47 1.12 絶縁破壊電圧(V/cm) 107 3×105 電子移動度(cm2/V·s) 1800 1350 ホール移動度(cm2/V·s) 1200 480 0.5 0.6 0.8 2.7 3600 9000 43 15 ドリフト速度飽和電場(V//μm) : 伝導帯 価電子帯 1MIPあたりの平均電子ホール対生成数 (pairs/100μm) 結合解離エネルギー(eV/atom) • ダイヤモンドはシリコンと比べて – 応答が速い – 放射線耐性が高い – 信号が小さい 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 ダイヤモンド検出器の動作原理 • 基本的に半導体検出器と同じ – 電子・ホール対生成. – ただし,シリコンのようなpn接合ではない. 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 ダイヤモンド検出器 • Element Six 社製単結晶CVD ダイヤモンド – 4mm x 4mm x 0.5mm – 両面をAuでメタライズ • PEEK樹脂とポリイミド被覆の ケーブルでマウントと読出し – 放射線耐性が高い 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 Applications • コライダー検出器のルミノシティモニター • ニュートリノ実験のミューオンモニター 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 検出器のセットアップ • T2K実験のJ-PARC MUMONピットに設置 – Si PIN フォトダイオード の後ろに設置 – 電圧制御と信号処理(FADC)は地上で MUMONイオンチェンバー(IC) beam 検出器(3,4)の後ろ MUMON Si PIN PD 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 実験状況 • T2K実験は2010年1月から物理ランを開始 – Run 29–38 のデータを用いて信号の線形性と安定性を評価する。 – ダイヤモンド検出器が取り付けられているチャンネルの Si PIN PD に対する相対評価。 ~2010/6 (~Run34) 陽子ビームエ ネルギー 2010/11~ (Run35~) 30 GeV ビームパワー ~50kW 100~140kW Spill 周期 3.52 sec 3.2 sec Bunch 数 6/spill 8/spill Bunch 間隔 581 nsec Bunch幅 58 nsec スピルのバンチ構造 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 信号波形(6バンチ時) Run 34 Spill 1814761 ADC counts Si ADC counts Diamond time [ns] • 6バンチ構造が明確に見えている。 – テールの振舞いは Si より良い。 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 time [ns] 出力の線形性(6バンチ時) • 6バンチの積分値の線形性 Diamond charge [pC] Deviation from fit [%] – ペデスタルはspill前後の領域を平均して計算 Si charge [pC] Si charge [pC] 非線形性は1%程度. 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 長期安定性 Diamond / Si charge • 2010年1月から6月までの長期安定性 Run 29 Run 30 Run 31 Run 32 Run 33 Run 34 RMS/Mean = 0.75%. Si と同じレベル。 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 Run 38 (8バンチ時) • 信号波形 – 以前(Run34)に比べて、少しテールが出てきている。 • Run 34 (spill# 1813172) • 6 bunches • Beam power = 60kW (~10kW/bunch) • Run 38 (spill# 2888740) • 8 bunches • Beam power = 130kW (~16kW/bunch) 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 Run 38 (8バンチ時) Diamond charge [pC] • 線形性 6バンチと8バンチで 少し系統的なずれが あるように見える。 (ペデスタルの計算 か?) Si charge [pC] 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 Run 38(8バンチ時) • Run38 の安定性 Run 38 だけをみると、RMS/Mean = 0.32% の安定性。 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 Run 38(8バンチ時) Diamond charge [pC] • Run 29 ~ Run 38 全体をフィットしてみると、 Si charge [pC] イレギュラーはあるが、2%以内の非線形性。 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 バイアス電圧が低い場合 • Run 36, 37 – Vbias = 80V テールのパイルアップが大きい。 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 バイアス電圧が低い場合 -2• 時間安定性 – 徐々に信号強度が落ちていくのが見られた。 – ポーラリゼーション効果 Run 36 Run 37 バイアスは十分にかける必要がある。 ただし、Run 38 で電圧を200Vに戻すと回復した。 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011 Summary • T2KビームラインのMUMONピットにダイヤモンド検出 器を試験的に設置し、データを収集した。 • Run 34 までの6バンチ時のデータからは、線形性・時 間安定性ともに、良好な動作を示した。 • Run 38 での8バンチ時のデータでは、6バンチ時と比べ て、出力に少し系統的なずれが見られた。 – ただし、 Run38内での時間安定性は良好。 • バイアス電圧を十分にかけないと、信号の低下が起こる ことが確認された。 特定領域「フレーバー物理の新展開」研究会2011
© Copyright 2024 ExpyDoc