Sophia University Sugitani Seminar 伝 統 工伝統工芸の 芸新しい可能性を は探る。 転機を迎えている。 伝統工芸の 転機に密着 ~衰退の中心で復興を叫ぶ~ 上智大学杉谷ゼミナール Yo-Ko班 伝統工芸とは 「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」 に基づき、経済産業省が指定した工芸品211品目。 ① 日常生活で使用する工芸品であること ② 製造工程の主要部分は 手工業的(高度な手作品)であること ③ 伝統的な技術・技法によって製造されるものであること ④ 伝統的に使用されてきた原材料であること ⑤ 一定の地域で産地形成がなされていること 伝産マーク Sophia university Sugitani Seminar 目次 1.現状 2.心理実験 3.提案 Sophia university Sugitani Seminar 現状 生産額、企業数共に 2分の1に! 生産額・企業数の推移 6000 40 35 5000 30 ( 企 25 業 数 20 千 15 社 ( 生 4000 産 額 3000 億 円 2000 ) ) 1000 生産額 10 企業数 5 0 0 (財)伝統工芸品産業振興協会 調べ Sophia university Sugitani Seminar 現状インタビュー 若い人達に ―M漆器生産元 伝統工芸が忘れられている Sophia university Sugitani Seminar 現状インタビュー 伝統工芸産業が消えつつある ―K陶器窯元 Sophia university Sugitani Seminar 現状インタビュー 若い世代にも伝統工芸を ―K漆器生産元 広めたいという考えはある。 Sophia university Sugitani Seminar 現状 新しい取り組み 現状打破のため 新たな取り組みをしている産地もある 有田焼 ARITA nanakura ・2003年グッドデザイン賞獲得。 ・日経ビジネス 2009/3/2 掲載 Sophia university Sugitani Seminar 現状 若者の認識① 「伝統工芸品」という 言葉を知っていますか いいえ 11% 無回答 1% 「伝統工芸品」を実際に 見たことがありますか 無回答 5% いいえ 54% はい 88% はい 41% [計149人] 高崎経済大学 市川祐樹「学生アンケートによる伝統的工芸品のイメージ分析」より Sophia university Sugitani Seminar [計149人] 現状 若者の認識② 日本固有の 技術を守りたい どちらでもない 7% 伝統工芸品を お洒落だと感じる いいえ 7% いいえ 20% 「伝統工芸は良いものだ。」 どちらでも はい ない と思うけれど 触れる機会がない 64% はい 16% 86% 心理実験①より Sophia university Sugitani Seminar 大学生 [計109人] 目次 1.現状 2.心理実験 3.提案 Sophia university Sugitani Seminar 心理実験1 「伝統工芸である」ということは 若者にとってどのような心理効果があるのか ・対象 ・調査形態 ・尺度 大学生109名 質問紙調査 7段階尺度 同一の画像に対し、「伝統工芸の食器です」「一般的な食器です」 という異なる解説を付与。説明の違いによる心理効果の差を比較 し、結果を統計的に分析する。 Sophia university Sugitani Seminar 分析1心理実験1 食器をおしゃれに感じる 有意確率=.050 5.25 5 4.9074 4.75 4.4727 4.5 4.25 4 3.75 3.5 伝統工芸 Sophia university Sugitani Seminar 一般 分析2心理実験1 料理が高品質に感じる 有意確率=.006 5.25 5 5 4.75 4.5 4.218 4.25 4 3.75 3.5 伝統工芸 Sophia university Sugitani Seminar 一般 分析3心理実験1 平均価格差 1000 235円 800 600 写真の料理が いくらと感じるか 平均価格差 400 200 0 伝統工芸 Sophia university Sugitani Seminar 一般 伝統工芸 一般 差 859円 624円 235円 考察 心理実験1 伝統工芸の食器は以下の心理効果を持つ 料理が高品質だと感じる 食器がおしゃれだと感じる 料理に高級感を与える 他の食器と比較して 優位性を持つのか Sophia university Sugitani Seminar 心理実験2 伝統工芸の食器は競合に対して 優位性を持つのか ・対象 ・調査形態 ・尺度 大学生166名 インターネット調査 7段階尺度 同一の画像に対し、「伝統工芸の皿です」「ブランドの皿 です」「一般の皿です」という異なる解説文を付与。説明の 違いによる心理効果の差を比較し、結果を統計的に分析。 Sophia university Sugitani Seminar 分析1 心理実験2 使用体験へのニーズ 有意確率=0.011 4.25 4 3.75 3.63 3.5 3.25 2.913 3 2.997 2.75 伝統工芸 Sophia university Sugitani Seminar 一般 ブランド 分析2 心理実験2 身近な人との食事 4.25 有意確率=0.09 4.051 4 3.676 3.75 3.534 3.5 3.25 3 2.75 伝統工芸 Sophia university Sugitani Seminar 一般 ブランド 分析3 心理実験2 料理を好印象にする 有意確率=0.026 4.25 4.029 3.99 4 3.75 3.502 3.5 3.25 3 2.75 伝統工芸 Sophia university Sugitani Seminar 一般 ブランド 考察 心理実験2 伝統工芸の食器は競合に競争優位性を持つ 使用体験のニーズ喚起 身近な人との使用ニーズ喚起 料理への印象を向上させる Sophia university Sugitani Seminar まとめ 心理実験1・2 ・伝統工芸は顧客満足を向上させる要因 になる ・競合の中でも使用してみたいという ニーズが最も高い ここに、伝統工芸の強みがある Sophia university Sugitani Seminar 1.現状 目次 2.心理実験 3.提案 Sophia university Sugitani Seminar 伝統工芸食器 現(うつつ)和 美(うつくしい)和 移(うつす)和 リースビジネス 器 Sophia university Sugitani Seminar 生産元 全国の伝統工芸品 の生産元と提携 生 産 元 通信販売で 長・短期における 食 若 購入が可能 伝統工芸品の貸出 店 飲食店 若者 Sophia university Sugitani Seminar 者 伝統工芸品の 使用機会の提供 生 産 元 Sophia university Sugitani Seminar 食 店 若 者 生産元 新規 使用して購入 という新しい 組合 スタイル!! 小売店 通信販売 飲食店 Sophia university Sugitani Seminar インターネット 使用機会 即売会 の提供! 若者 既存 WIN WIN WIN 生 生 産 産 元 元 ・生産量の増加 ・新たなチャネルの開拓 ・長期的な新規顧客の獲得 ・ニーズを反映した製品開発が可能 飲 飲 食 食 店 店 ・顧客満足の向上 ・「伝統工芸を使用」というニュースバリュー ・伝統工芸で他店舗との差別化 若 若 者 者 ・購入することなく伝統工芸の使用が可能 ・身近な店で普段とは違う感覚で食事ができる ・使用後、満足のいく購入が可能 Sophia university Sugitani Seminar 飲食店 取材 「お客様からはおおむね好評です。好評につき販売業務 の代行も行っています。」 TORAYA CAFE 「伝統工芸カフェというスペースそれ自体が特徴となって 好評です。」 伝統工芸カフェ アルティザン 「器に対してリピーターがついたり、器を指名するお客様も いらっしゃいます。」 麺屋ひょっとこ Sophia university Sugitani Seminar 収支予測 ( 純 利 益 万 円 ) 750 600 450 300 150 0 -150 -300 -450 -600 料率設定等は実際のリース会社にインタビューをした上で試算 1年目 2年目 3年目 4年目 -4,500,000 5,253,000 5,566,000 6,087,000 支出-収入 =(食器購入費+輸送費) -(1年リース料金+2年リース料金1年分 +買取費) ※アンケート結果から利用企業数を算出 Sophia university Sugitani Seminar アンケート調査 生産元 UTSUWAに興味 ・対象 伝統工芸品の を持ちましたか 生産元 167社 ・有効回答 32社 いいえ ・形式 インターネット調 3% どちらでも 査 ない 16% はい 81% 飲食店 UTSUWAに興味 ・対象 若者向けの を持ちましたか 飲食店 285社 ・有効回答 34社 ・形式 インターネット調 査 いいえ 35% はい 50% どちらでも ない 15% 若者 普段使っている店で ・対象 18~29歳の男 伝統工芸を使用して 女 いたら興味を持ちますか ・場所 原宿・表参道 ・有効回答 218人 いいえ ・形式 街頭アンケート 26% はい どちらでも 55% ない 19% への意見 「若い人に伝統工芸を広めていくには使ってもらう事から始めなくてはなら ないので、目の付けどころは良い。いいものを使ってみたいという気持ちを 喚起できれば成功するかもしれない。」 伝統的工芸品産業振興協会 指導調査部部長 平沼雅弘様 「伝統工芸はどうしてもコストがかかるので、それを乗り越えるようなデザ イン性や物語性が必要だと思います。あくまで飲食店では食べ物がメインに なりますが、私は伝統工芸品を目玉とした飲食店は可能だと考えています。 こういった試みは役所ではなく、民間だからこそ可能だと信じておりま す。」 篠崎文化プラザ 伝統工芸カフェ アルティザン様 「今、伝統工芸に触れる入口は増えているように感じます。こうして手に取 ることをきっかけに本物に触れる機会がもっとあればと思います。」 TORAYA CAFE様 Sophia university Sugitani Seminar 衰 退 の 中 心 で復興を叫ぶ 参考文献 ◎文献 「リースの知識」宮内義彦著 日本経済新聞社 2000年 「Q&Aリースの会計・税務」 井上雅彦著 日本経済新聞社 2005年 「日本の伝統工芸」 木下武人著 中村学園研究紀要 1986年 「伝統工芸の『わざ』の伝承」 林部 敬吉、雨宮 正彦共著 酒井書店 2007年 「自分のホームページにアンケートページを付ける」 みよし みか著 ディーアート 2001年 「広告心理」 仁科貞文、田中洋、丸岡吉人著 株式会社電通 2007年 「ユニクロ、無印、アップル…デザインで不況に克つ」 日経ビジネス2009年3/2号 「地場産業のSOSを聞け」 日経デザイン 2001年10号 p94-95 「学生アンケートによる伝統的工芸品のイメージ分析」 高崎経済大学 市川祐樹 2005年 ◎WEB 三菱UFJリースホームページ (URL:http://www.lf.mufg.jp/) 2009年7月26日 全国伝統的工芸品センター (URL:http://www.kougei.or.jp/) 2009年6月28日 東京都伝統工芸士会 (URL:http://www.dentoukougei.jp/tokyo/index.html) 2009年8月2日 東京の伝統工芸 (URL:http://dentou.aitoku.co.jp/) 2009年8月2日 CGI Perl 専門サイト - futomi's CGI Cafe (URL:http://www.futomi.com/) 2009年7月13日 Good Design Award (URL:http://www.g-mark.org/award/detail.html?id=28768&lang=ja) 2009年9月9日 Sophia university Sugitani Seminar 取材先 ◎伝統工芸関連 伝統的工芸品産業振興協会 指導調査部部長 平間雅弘様 ◎生産元 株式会社大直 プロデューサー 一瀬愛様 株式会社カセン産業様 東京カットグラス工業協同組合様 華硝 取締役 熊倉千砂都様 ◎飲食店 TORAYA CAFE 伊藤牧絵様 伝統工芸カフェ アルティザン様 洋麺屋 五右衛門 ◎リース関連 株式会社 REE主大瑠 代表取締役 青木ゆり様 Sophia university Sugitani Seminar ◎展示会 地域の魅力セレクション 伝統文化のリアル 調査リスト 実施アンケート ・心理実験1 ・心理実験2 ・生産元アンケート ・飲食店アンケート ・若者アンケート ・パイロットアンケート ご協力いただいた 655名と66社の すべての方々に感謝いたします。 Sophia university Sugitani Seminar 収支算出法 アンケートの結果から、UTSUWAを利用したいとする6社のうち、 3社が1年リース、他3社が2年リースを実際導入した場合 支出 収入 食器購入費 6(社)×10(店舗)×500(皿:1店舗あたり皿使用数)×1000(円:皿の平均価格) =3000万 運送費 5000(円:一般輸送費)×60(店舗)=30万 1年リース 1000(円)×0.09(リース料率)×500(皿)×30(店舗)×12(月)=1620(万円) 2年リース 1000(円)×0.05(リース料率)×500(皿)×30(店舗)×12(月)=900(万円) 購入 500(皿)×30(店舗)×0.2-減価償却分=60(万円) 1年目実績 Sophia university Sugitani Seminar 収入-支出=25800000-30300000=-4500000
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