Dunnett型ノンパラメトリック検定は, 使用できない • • 試験責任者への要請 最近の論文ではDunnett型ノンパラメトリッ ク検定を使用していないものも幾つかある. 1 Dunnett型ノンパラメトリック検定は, 使用できない 1. 決定樹を用いている毒性試験では,80%程 度の頻度で現在も使用されている. 2. 検出力は,極めて悪い. 3. 低用量群は,絶対有意差(P=5%)が認めら れない. 4. 日本のみで使用されている. 5. 最近では,これに代わって検出力の高い Steelの検定.これは,別名ノンパラダネット セパレートタイプともいう. 2 28日間反復投与毒性試験に 使用された決定樹/悪い例 use rate;23/122 Bartlett’s test P>0.05 Kruskal-Wallis’s H test ANOVA P<0.05 P>0.05 Dunnett’s test P<0.05 End Group size Same P<0.05 P>0.05 End Group size Diff. Same Scheffé’s test Non-para type Dunnett’s test P<0.05, 0.01 Diff. Non-para type Scheffé’s test 3 バートレットの検定で不等分散・ 有意差アリ(P<0.05)とは マウスの飲水料(g/week) 4 しかし,救いは Bartlettの検定によって等分散が悪くノンパラメトリック のダネット型検定に流れる定量値は,全体の 1. N = 4, 5程度では(化審法),8%程度, 2. N = 20程度では,16%程度, 3. N = 50程度では,35%程度, である. この決定樹の経路を示している試験機関は,安評の みである. 5 定量値に対するBartlettの等分散検定(5% 水準)で有意差が検出される割合 試験期間(週) 動物種 試験数 有意差検出率(%) 12, 52 イヌ 3 164/2004 (8.0%) 13 ラット 7 198/1126 (18%) マウス 7 129/ 904 (14%) 14 327/2030 (16%) ラット 5 1198/3278 (37%) マウス 5 882/2626 (34%) 10 2089/5904 (35%) 平均 104 平均 体重,飼料摂取量,飼料効率,血液および生化学的検査値,尿検査値,器官重量および その体重比などを示す.Bartlettの検定は,N数10以上に使用と正書に述べられている. 6 ノンパラメトリックDunnettの多重比較 検定の呼び方 同一検定法 使用状況 出典 ノンパラダネット 佐久間(1981), ノンパラダネット(ジョンイト型) 日本のみ 山崎(1981), ダネットの順位和検定 吉村(1996) ダネット型順位和検定 ノンパラダネット(セパレート型) Steelの検定 日本と 外国 Steel (1959) 7 順位和検定による低用量群で有意差を 検出できる1群内の最低標本数 ・・・最高の用量相関性を示した場合・・・ 検定法 Scheffé type Dunn's test Tukey type Dunnett type Williams-Wilcoxon Steel Mann-Whitney U 4群設定 5群設定 22 40 19 30 18 32 15 26 8 12 4 6 3 (2群間検定/参考値) 8 Dunnett 型順位和検定による低用量群で有意 差を検出できる1群内の最低標本数 最高の用量相関性を示した場合 個体の順位 群 対 低 中 高 • • • 1→15 16→30 31→45 46→60 ●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●● Dunnett 型順位和検定は1982から長期にわたり使用されている. 化審法の28日間反復投与には使用できない. 最近では,代わってSteelの検定が常用されている.化審法では? 9 Dunnett 型順位和検定による検出力 ---有意差が検出できない例--個体の順位 群 対 低 中 高 • • • 1→15 16→30 31→45 46→60 ●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●● Dunnett 型順位和検定は1982から長期にわたり使用されている. 化審法の28日間反復投与には使用できない. 最近では,代わってSteelの検定が常用されている.化審法では? 10 Non-parametric Dunnett とSteelの検出力 (小林ら, 2000) 群 (N) 対照(5) 低用量(5) 中用量(5) 高用量(4) 最高用量(4) 2.4, 2.8 Rats 2.4, 2.4 尿量(mL) 2.4 43, 45, 40, 41, 46 62, 48 68, 52, 55 73, 104, 102, 72 52, 103, 97, 99 平均±S.D. 43±2.5 57±8.0 88±18 88±24 2.7±0.1 Bartlett P=0.0001 KruskalWallis P=0.0006 Non-para Dunnett - Not sig. P<0.05 P<0.01 P<0.01 Steel - P<0.05 P<0.05 P<0.05 P<0.05 11 Steelの順位和検定による低用量群で有意差を 検出できる1群内の最低標本数 最高の用量相関性を示した場合 個体の順位 群 対 照 低用量 中用量 高用量 1→4 5→8 9→12 13→14 ●●●● ●●●● ●●●● ●●●● • Steelの検定は,別名セパレート型ダンネットの多重比較検定と呼ばれ ている. • 最近では,一般毒性試験にSteelの検定が常用されている. 12 28日間反復投与毒性試験に 使用された最新の適した決定樹 use rate;20/122 Bartlett’s test P<0.05 P>0.05 Dunnett’s test Steel’s test One-sided, P<0.05, 0.01 13 まとめ 1. 毒性試験では,ノンパラメトリックDunnett型検定の 使用ができない. 2. 毒性試験では,低用量群に有意差の検出差がで きない. 3. 有意差が検出できる1群内動物数は15匹. 4. 使用できる検定は,ノンパラメトリックDunnettのセ パレート型 = Steelの検定 5. 有意差が検出できる1群内動物数は4匹. 6. Steelの検定の欠点は高用量群に検出力が低い. 14
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