創造都市を目指して ~創造的階級を呼び込め!~ 中前太佑 リチャード・フロリダ 「創造的階級の勃興」 創造的産業とは・・・ エレクトロニクス・情報技術・バイオ・エンター テイメント・芸術・高度のサービス産業 など 創造的階級(creative class)とは・・・ 科学者・エンジニア・デザイナー・知識労働者 芸術家・エンターテイナーなど リチャード・フロリダ 「創造的階級の勃興」 知識集約型経済の中心的存在 ⇒ 創造的階級 *創造的階級を如何にして呼び込むかが都市 の持続的発展には重要であることを指摘。 リチャード・フロリダ 「創造的階級の勃興」 「多様性(ダイバーシティー)が イノベーションを誘発する」 多様性・・・多様性を生むためには、様々な異な る文化的、社会的バックグラウンド の人々を受け入れること(=許容性) が重要であると考えた。 リチャード・フロリダ 「創造的階級の勃興」 イノベーション・ハイテク指数 <<>> ゲイ指数 相関関係を指摘 *イノベーション・ハイテク指数=人口当たりの特許 *ゲイ指数=人口に占めるゲイの割合 ⇒許容性の象徴 リチャード・フロリダ 「創造的階級の勃興」 いかなる都市を創造的階級は好むのか?? 創造的階級⇒多様な人々を受け入れる都市 都市のイノベーションを向上させるのは、 「許容性」であると指摘。 創造都市と芸術 *ゲイ=アーティストが多い ⇒音楽・映像との関わりが大きい ⇒デジタルコンテンツなどの ハイテク産業の活性化 ケース① ビルバオ: 芸術と創造都市 州 バスク国 県 ビスカヤ県 面積 41.3km² 標高 19m 人口 354,145人(’06年) =リバプール 人口密度 8,575人/km² 産業構造の変化 基幹産業・・・造船業/鉄鋼業 ・1960年代~1970年代はバスク州全体が 目覚ましい工業発展。 ・その中心としての鉄鋼・造船などの 重工業が発達。 産業構造の変化 1970年後半以降~ ・構造的な造船不況の影響を直接受ける ・失業率の増加 ・治安の悪化 ⇒ 都市の衰退 産業構造の変化 1990年 「ビルバオ・メトロポリ30」設立: *公共機関・22の業界団体・28の民間企業 大学・メディアで構成される *ビルバオ再生のための調査・企画立案 実行 産業構造の変化 「ビルバオ・メトロポリ30」事業計画 かつての工場跡地に、 コンベンションホール、美術館、コンサート ホール、文化スポーツセンター などを整備する事業計画を策定。 グッゲンハイム・ミュージアム ビルバオ① グッゲンハイム・ミュージアム ビルバオ② グッゲンハイム・ミュージアムビルバオ 経済効果① ・建設費用 1億ドル ・’97年~’02年入場者 515万人 ・GDP 6億5530万ユーロ ・直接雇用 4100人 ・(観光業などを加えた) 間接的雇用増加 4万人 ・税収 1億1750万ユーロ増加 グッゲンハイム・ミュージアム ビルバオ経済効果② ミュージアムの成功と相まって、 情報・通信や環境ビジネスを中心とする 知識集約型産業が発展。 <参考> ‘91年~’00年 GDP成長率 *バスク州 ⇒3.5% *スペイン全体 ⇒2.6% *EU全体 ⇒1.6% ケース②芸術と創造都市:横浜 都市部活性化検討委員会の提言(2004年) 1、アーティスト・クリエイターが住みたくなるよう な創造都市の実現 2、創造的産業クラスターの形成による経済活 性化 3、地域資源の活用 4、市民が主導する文化芸術創造都市づくり 日本の創造都市:横浜 都市部活性化検討委員会の提言(2004年) 2008年までの数値目標 1、3017人⇒5000人 2、創造産業従事者15730人⇒30000人 3、文化・観光主客装置85ヶ所⇒100ヶ所 4、文化鑑賞者248万人⇒350万人 日本の創造都市:横浜 <文化施設の代表例> BankArt 1929 現代アートの展示 各種シンポ ワークショップ パフォーマンス・・・ 日本の創造都市:横浜 <背景> 重化学工業の成熟化 ⇒大きな成長は見込めない 知識集約型産業へのシフトの必要性 「映像文化都市」 (美術館等文化施設の充実⇒ デジタルコンテンツなどの産業の活性化) 現代アートが都市再生の 起爆剤になりうるか? 「20世紀は製造業を中心とした重工業の時代 であったが、21世紀は知識情報経済の時代 すなわち、知識と情報が経済の主役になると 言われており、いかなる経済的エンジンが必 要かといえば、大規模工場ではなく、クリエイ ティブな活動をする個人が経済発展にとって 重要である。 現代アートが都市再生の 起爆剤になりうるか? それだから、クリエイティブな人達を集めるよ うな地域の文化が都市の発展のカギとなり、 地域の文化を創造するためには最先端の現 代アートの力を借りてはどうか・・・。」 (A.セアラ事務局長) 「Art ⇒ Culture ⇒ Knowledge」 まとめ *知識集約型経済において、産業のイノベー ションを活性化し、都市が持続的に発達する ためには創造的階級を呼び込むことが重要 である。 *創造的階級は都市の許容性・芸術性を好む 傾向にある。 *従って、都市政策は許容性・芸術性で魅力を 増大させるものが望ましい。
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