職場巡視活動 =安全衛生パトロール=

職場巡視活動
=安全衛生パトロール=
現場(職場)で、人・モノ・管理の実態を見てリスク
要因の除去を提言する。
現場の良い点は褒める。不安全行動は戒める。
相互補完の活動
束ねの知
恵の発揮
安全衛生文化・風土形成
声掛け活
動
1.何故、職場巡視を行うのか?
安全の三管理・衛生の三管理の実践チェック
安全の三管理
①管理上の欠陥の管理。
②不安全状態の管理。
③不安全行動の管理。
衛生の三管理
①作業環境の管理。
②作業の管理。
③健康の管理。
安全衛生活動の実践状態の把
握
災害防止。
健康確保。
安全衛生文化
快適職場環境の
形成。
2.職場巡視活動のポイント
1.職場巡視計画の策定から実施。
1-1 巡視活動の活動サイクル。
① 巡視計画。
1―2 巡視活動の実施。
① 準備・段取・確認。
② 実施における要領・心構え。
2.職場巡視のチェックポイント(着眼点)
2-1 衛生・作業環境について。
2-2 安全面について。
3.実施後のフォロー(報告会・評価)。
3.職場巡視に必要な知識・能力
1.職場巡視の視点
1-1 目視(外観)点検。
1-2 作業点検。
1-3 機能点検。
2.知識について。
2-1 労働安全衛生法・規則・指針など関係法令。
2-2 作業マニュアル、就業規則等社内方針。
2-3 生産工程・災害事例など。
3.感受性・能力
3-1 眼力(洞察力)、人間理解(人間工学)など。
3-2 コミュニケーション能力。
2-1 職場巡視計画の策定から実施。
2-1-1 巡視活動の活動サイクル
高次状
況創出
対策改
善
評価
安全衛生活動の発展
サイクル
=危険ゼロの達成へ
=
巡視活
動
高次
巡視
計画
高次
巡視
活動
巡視計
画
高次
評価
職場巡視活動は「P→D→C→A」のサイクルで高めていく
1.巡視活動の目的は、安全・衛生の三管理状況を把握し、災害
を未然に防止し、労働者の健康を確保する。そして、
「快適な職場環境」を形成することです。
2.労働安全衛生マネジメントシステムとの連動を図る。
①リスクアセスメントによるハザードとその結果の妥当性の検証
(危険の見落としはないか・・・)。
②対策の妥当性を検証する。
③OSHMSが現場で確実に運用されているか検証。
④職場単位で解決できないハザードとリスクを把握し対策へ繋
げる。
法令上の目的は「設備、作業方法等に危険のおそれ」「作
業方法又は衛生状態に有害のおそれ」の存在有無チェッ
ク(規則第6条)。
2-1-① 職場巡視計画
職場巡視計画を立てる
どん
な
(5w1Hで)
どの
ように
誰が
①どのような巡視を行うのか
巡視計画
(What)。
②誰が行う(Who)、メンバー
なぜ
いつ
は。チームで行うことが必要
どこを
③いつ行うのか(When)。
※巡視コース・巡視
④どこを巡視(Where)。
時間の巡視マップの
⑤なぜ(どんな目的)で行うの(Why)。
作成。
※現状の把握デー
タ をそろえる。
⑥どのように行うか(How)。
2-1-2 巡視活動の実施
1-2-① 準備・段取・確認
準備とは、巡視活動に必要な
○保護具(保護メガネ、耳腺、手
準備
袋、安全帽・・など)。
○器材(検知器、巻尺、照度計)
巡視活動
○その他(巡視職場の構成図、
確認
段取
業務内容説明書など)。
段取とは、効果的方法の「手順と
方法」のこと。
巡視経路、職場との連絡調整、説
明用人材配置、報告会会議室等。
確認とは、「準備・段取」に漏れがないかチェックすること
(巡視担当者へ報告すること)
2-1-② 巡視における実施要領
<打ち合わせ> 巡視者への確認事項のこと。
①巡視の目的は。
打合
②予定時間と巡視コースは。
わせ
③役割分担は。
④記録方法は。
⑤器材、各人の持ち物は。
<態度・行動>
心構
態度
行動
①服装(決められた作業着
要領
模範となる着装を)。
②行動(ポケットハンド禁止、直接触れない・嗅がない、
ケガのない慎重な行動をとる)。
<心構え・要領>
①巡視職場の業務内容、工程状況、災害・環境状況の
事前調査で情報収集。
②巡視目的に添い、自らチェックリストを作成する。
③小さなことも見逃さない厳しい姿勢を持つこと。
④欠陥指摘だけでなく良い点は積極的に褒めること。
⑤作業者とのコミュニケーションが取れる技術の研鑽も
怠らないこと。
⑥不安全行動、すぐできることはその場の注意で改善を
⑦巡視は工程に沿って巡回すること。
⑧「環境・人・モノ」の自身、その関わり(相互作用)につ
いて注視すること。
2-2 職場巡視活動のチェックポイント(着眼点)
2-2-1 衛生・作業環境について
①温度(高・冷)、湿度、気流、輻射熱などは。
②空気洗浄度(粉じん・臭気・有害物質濃度など)
③採光(明るさ・まぶしさ・明暗差・照明位置など)
④音・振動(量・質・持続時間など)
⑤有害物質の取扱の状況(教育・MSDSは、など)
⑥保護具の着装状況(使用方法と管理)
⑦5Sの実施状況(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
⑧付帯設備の保持とその保全状況(トイレ、休憩室)
⑨環境(職場の雰囲気:明るさ・チームワークなど)
⑩緊急対策(担架・消火設備、避難経路、体調不良)
安
全
衛
生
方
針
は
浸
透
し
て
い
る
か
2-1-2 安全面について
①機械・安全装置などの異常の有無。防護カバー等の
有無と使用状況。
②共同作業時の連携状況。
③機械など作業機器の設置状況。
④各種作業に応じた遵守事項の状況。
例:「飛来・落下防止措置は講じられているか」。
●高熱物の飛散防止措置(則255条)。
●アーク溶接作業は区画・保護具の備え(則325条)
例:「機械災害防止措置は取られているか」。
●危険部分(原動機・回転軸など)に覆い、囲い、踏切橋、等
があるか(則101条)
●動力遮断装置の設置(則103条)
●機械運転は、一定の合図を決め、指名者が合図(則104条)
2-3 実施後のフォロー
<課題・評価の共有化>
職場巡視終了後、メンバーによる内容の確認、指摘事
項等、率直な意見交換を行います。
<まとめ> 指摘事項の数量化を行う
<関係部署への報告連絡>
●指摘事項の迅速な報告。
●巡視結果に基づき「危険度評
評価
価」「改善の難易度評価」を
指摘事
行い、改善計画と経過を明
項まとめ
確化すること。
報告会
関係部
署連絡
指摘事項がなぜ見逃されていたか本質的問題点を探る
<安全衛生委員会への報告>
報告は、「安全衛生委員会」へ必ず行う。
点検結果は「リスクアセスメント」の実施へ。
労働安全衛生マネジメントシステム
安全衛生方針へ
職場巡視
活動で
職場活動
で
再
改
チ
善
ェ
確
ッ
認
ク
改
善
措
置
の
実
施
改
善
対
策
の
策
定
リ
ス
トク
のア
実セ
施ス
メ
ン
3-1 職場巡視の視点(危険に対する予知能力)
3-1-1 目視(外観)点検
機器、安全装置の適正配置、取り付け具合、部材の
変形、亀裂・損傷・腐蝕・汚染、油漏れ、ボルトの緩み
などを五感で感じる感受性を磨く。
3-1-2 作業点検
安全装置や漏電遮断装置等を手順にしたがって作
動させる。「何をどうすれば」の察知力を。
3-1-3 機能点検
対象機器の機能の良否確認(異常音、異常振動等
がないか)を行う洞察力を。
3-2 知識について
3-2-1 労働安全衛生法の基本を習得する
① 社内業務の関係法令・規則・指針の確認。
○安衛法の特徴 ①義務規定。(違反:罰則)
②努力規定。(自主的:罰なし
③免許規定。(無免許:罰則)
したがって、関係する「義務規定」は必須もの。
3-2-2 社内ルールの確認
○就業規則
服務規律、安全衛生規程等。
〇業務(作業)マニュアルの確認
3-2-3 生産工程・災害事例(傾向)の確認
3-3 感性能力の向上を(人間工学、眼力など)
職場巡視活動は複合的(多角的)に連動を
安全衛生委員会
安全衛生方針
種々の安衛活動へ
健康職場・危険ゼロへ
人材育成(できる人(能力)・できた人(人間性)
の育成・伸長
仕事の進渉状況は、工程表のチェックで把握できるが、作
業の安全状態は日常の業務のあり方や作業者自身の健康
度に
影響され把握が難しい。
職場巡視は、このような点も意識し「見えないものを見る」見
える化する眼力の発揮が必要である。
職場巡視活動を通して求める姿(理想)を運動に活かし、現実
とのギャップを解消していかなければなりません。
職場巡視活動は「実践哲学」のチェック機能
実践とは「知行合一」(知って行わざるは知らぬ事と同じ
)
作業環境は
相互補完は
機械・設備
の状態は
作業者の着装・行動
事務所衛生
チェック(点検)
工程・作業マニュアル
管理監督者の安全指示は
5Sの状況は
緊急時の対応は
安全衛生委員会・労働マネジメントシステム・各種活動・
安