奥乃研究室「チーム 音楽」 テーマ: 音楽情景分析

奥乃研究室「チーム音楽」
テーマ:音楽情景分析/音楽情報処理
音楽情景分析とは・・・
音楽を理解するとは・・・
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音楽情景分析とは,音楽を理解できる
計算機システムを構築しようという研究
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1980年頃から研究がスタート
しかし,いまだ実用に至らず
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なぜ音楽を扱うのか?
① 学術的関心
あいまい性の高いコンテンツを扱う情報処理(やわらか
な情報処理)の実現は,21世紀の計算機科学の最大の
テーマであり,音楽は絶好の対象である
② 応用上の意義
音楽制作現場(プロモーションビデオ作成,カラオケ
データ作成など)でニーズがきわめて高い
エンターテインメントの分野でも高いニーズ
人間の音楽理解の不思議:
① 人間は,メロディの音名がわからなくても,口ずさむ
ことができる
② 人間は,正確なコード名が分からなくても,コードの
違いを感じ取ることができる
③ 音楽の優劣の判断は,本来聴取者の好みに依存す
るにもかかわらず,複数の聴取者が同じ判断をする場
合がある
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これらの現象を説明できる理論はない
→ 人間が音楽をどのように理解して
いるのか,いまだ解明されていない
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「感性」や「主観」が関連
→ 「感性情報処理」など多くの分野と
密接な連携が必要(学際的)
奥乃研究室「チーム音楽」
テーマ:音楽情景分析/音楽情報処理
音声 vs 音楽
音楽情報処理は学際的・・・
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録音技術などは,主な対象を音声から
音楽へとシフト
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音声認識が部分的に実用化されつつ
あるいま,認識の研究も音楽を・・・
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音楽に対する考え方や立場によって
さまざまな研究テーマ
① 自動採譜(しろうとにはできない音楽理解)
② しろうとの音楽理解
音楽情報処理の研究は,さまざまな分
野の教養が必要
特に,音楽に対する強い好奇心が重要
計算機科学
人工知能
認知科学
信号処理
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音楽には未解決の問題がたくさんある 感性情報処理
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音楽は「感性情報処理」の対象として
も手頃である
音楽情報処理
音響心理学
脳科学
音楽学
奥乃研究室「チーム音楽」
音高による音色変化に着目した音源同定(北
原)
音源同定とは・・・
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音高による音色変化に着目した音源同定
楽器音の同定(入力された音は piano? flute? …) •
パターン認識の一分野
(音声はあまりさまざまな音高で発音しないが,楽器はさまざ
まな音高で演奏する)
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特徴量を音高(基本周波数)の関数とみな
し,区分的線形関数で近似
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4カテゴリー問題で,約85%の認識率
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パターン認識において,このような入力の属性に
よる特徴変動の利用は,あまり議論されていない
その他
実際には・・・
piano
音高による音色変化は,楽器音特有
様々な要因により特徴量が
変動するため,同定が困難
x2
flute
x1
特徴変動の要因として
音高に着目
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階層的な音源同定
•
未知楽器の問題
参考文献 北原他:音高による音色変化に着目した音源同定手法,
情処研報,2001-MUS-40, pp.7-14, 2001.
奥乃研究室「チーム音楽」
定位情報と音色情報を用いた自動採譜(桜庭)
自動採譜とは
音楽の様々な情報の利用
– 入力:ステレオ音響信号
– 出力:パートごとの楽譜
• スペクトログラム
↓
知覚的な音の抽出
<自動採譜の問題点>
例:オクターブの関係の音の区別
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(Hz)
X.4
X.3Y.2
X.3Y.2
X.2
Y.1
X.1
X.2 Z.1
Y.1
X.1
ド ソ
音色情報(楽器ごとの波形)
定位情報(楽器の位置)
に着目
•
(Hz)
X.4
(time)
採譜精度 約75%
今後の自動採譜
☆実用レベルは90%以上☆
Z.2
ド ソ ド
人間は様々な手がかりを総合的に
用いて音楽 を理解する
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(time)
確率的統合
– 音色+定位
– コード進行
– メロディライン
– ・・・