2.図書館と出版流通 (1)出版流通の現状 流通経路 正常ルート(約60%を占める、現在この用語は正 式には使われない) 出版社 → 取次 → 書店 → ユーザー (メーカー) (卸商) (小売商) (消費者) 出版社 全部で4000社以上あるといわれる 最大の出版社団体は、日本書籍出版協会(書協) (1)出版流通の現状(続き) 取次店 本の卸商 トーハンと日販が二大取次 地方・小出版流通センター 地方出版社および都市部小出版社の出版物流 通を専門に扱う取次で、1976年に設立された。 『あなたはこの本を知っていますか』という出版案 内を発行。 (1)出版流通の現状(続き) 書店 零細書店が多く廃業が相次ぎ、大型化が進む。 最盛期2万5000店→1万5000店に(2010年)。 コンビニ販売、郊外型書店が増加。 ブックオフのような貸本屋も増加。 ネット書店が急増(アマゾンやビーケーワンなど) (1)出版流通の現状(続き) 2010年の出版統計 ・売上高 書籍 雑誌 計 8800億円 1兆0900億円 1兆9800億円 (1996年の2兆7000億円以後減少傾向) ・返本率 約39% ・新刊出版点数 7.8万点(1979年は2万7000点) ・平均定価 2500円(単純平均) 1100円(加重平均) (2)出版・流通の問題点 1.大手取次による出版流通の寡占化 2.委託配本制度(返本制度) ・出版社が取次を通して、書店に販売を委託 する制度 ・一定期間経過後売れ残った本は、取次を 通して出版社に返本される (2)出版・流通の問題点(続き) 3.再販売価格維持制度(再販制) 独占禁止法で指定された商品が、製造元の主導 する定価販売契約により卸業者・小売店を経て 消費者に販売される制度 商品の販売価格は、各段階の業者が自由に決 められのが自由主義経済における原則である 再販制はこの原則をあえて曲げようというもので ある (2)出版・流通の問題点(再販制続き) 再販契約が認められる商品は次々と廃止 現在では「著作物(書籍、雑誌、レコード、音楽用 テープ、音楽用CD)」のみ 書籍、雑誌についても何度か再販制の見直しが 行われたが成功せず、結局ずっと継続 音楽製品の再販制を認めている国は主要国中 日本だけ 世界的には著作物の再版は認められない方向 へ向かいつつある (3)電子出版 2009年度の電子書籍の売上げ PC向け80億円、ケータイ向け494億円 計574億円。 ケータイ向け、とりわけコミックが多数を占める。 2010年度は電子書籍元年と言われた。
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