第10回合同ゼミナール テーマ:少子高齢化を考える 今回のテーマについて 最近、メディア等で騒がれている“少子高齢化”。 日本の合計特殊出生率 1,25。 日本の高齢者人口が日本の総人口に占める割合は20.04% 今日、この事実を目の当たりにして、私達はどう考え ていくべきか。 果たしてこの事実は事実なのか? 少子高齢化は問題なのか? このテーマをもとにリアルな日本が見えてくの ではないのだろうか・・・ 目次 パート1 現在言われている少子高齢化問題 パート2 高齢化社会は本当か パート3 少子化社会は本当か パート4 まとめ 少子高齢化 人口的側面 経済的側面 社会的少子側面 この3つの側面から少子高齢化をみてみる。 人口的少子高齢化 <原因・問題点> 非婚化・晩婚化の進行(グラフ参照) (女性高学歴化・就業率増加) 出生率低下(グラフ参照) 2050年頃、超少子高齢化社会到来(グラフ参照) 人口の減少 老年人口比率の増大 年少人口比率の低下 平均初婚年齢と平均出生時年齢の推移 出生数及び合計特殊出生率の推移 年齢区分別将来人口推計 経済的少子高齢化 <原因・問題点> 結婚、子育ての純利益が減少していると思っ ている人が増加 若い労働者が不足→経済の活力低下(グラフ参 照) ⇒技術進歩を鈍化 高齢者を経済的に支える現役の比率低下 私立学校の経営難 子供向け産業の経営難 労働力人口の推移と見通し 社会的少子高齢化 <原因・問題点> 夫婦共働きしにくい環境 (保育園の不足等) 経済不況からくる先行き不安感 子供への影響 子供同士のコミュニケーション不足 子供の自立の遅れ(親離れ出来ないため) 65歳以上を高齢者とすることに対 する疑問 15歳未満を年少者(第1期人口) 15歳以上65歳未満を生産年齢(第2期人口) 65歳以上を高齢者(第3期人口) これは時系列的な社会的な問題を考える場合に は基準として成り立たないのでは無いか。 「少子高齢」化社会論批判 〈現在言われている少子高齢化に対する疑 問〉 65歳以上を高齢者と定義しこの年齢の人 口割合が増えているから高齢化とするこ と 2004年の合計特殊出生率が「1.29」とす ること 「少子高齢」化社会論批判では主にこの 2点について見ていく。 3区分による人口構成(%) 伊藤光晴氏の批判 第3期人口の比率は高くなっている が、第1期人口の比重も小さくなっ ている。 この2つを除いた第2期人口はほぼ等 しいか、増えている。 つまり第2期人口(生産年齢人口)が減ら ない限りは問題では無いとしている。 通説批判に対する考え 生産年齢人口・非生産年齢人口という 視点から年少者の問題も視野に入れてい るが、年少者と高齢者の年齢基準を固定 化している。 ↓ 時系列敵に社会的考察を行う場合には 社会的な要因を基準として分析すべきで はないのか。 根本的な高齢化社会論批判 根本的な高齢化社会批判のための2つの 論理 「ゴム紐の論理」 「修正されたゴム紐の論理」 ゴム紐の論理 第1期・第2期・第3期人口の年齢基準を 時系列的にゴム紐を引っ張るように年功 するという考え方 これは平均寿命が伸びたのだから、年齢 区分も変わって当然であるから そうすると高齢化社会どころか反対の社 会像になる。 「ゴム紐の論理」による人口構成 (%) (平均寿命の伸びによって修正した人口構成) 修正されたゴム紐の論理 第1期人口の上限年齢基準は、高校・専門学 校・短大・大学への進学率を加味し 第3期人口の下限の年齢喜寿運は、平均余命 がほぼ15年になる年齢とし それぞれ計算し直した 「修正されたゴム紐の論理」による人口構成 (%) (就学人口と平均余命によって修正した人口構成) 少子化社会論批判 合計特殊出生率 50年代前後では4以上であった それ以降下がり続け 2004年では1.29 2005年には1.25になっている 出生コーホート別妻の出生児数割合 と平均出生児数 平均出生児数 1911~1915年では4人以上が 最も多いが全く子供がいない妻も一割 近くいる その後3人を経て2人が主流になって いる 生涯未婚率および平均初婚年齢 平均初婚年齢 夫と妻の年齢差はほぼ一貫して2~3 歳であり男女とも高年齢傾向にある。 こうした現象は平均寿命が伸びたため であり「ゴム紐の理論」、「修正され たゴム紐の理論」により説明が付く 生涯未婚率の推移 出産可能年齢に基づいて50歳時の未婚 率を示している 女性の未婚率は戦後徐々に上昇している が、最も高い2000年でも5.82% であり94.18%の女性は50歳まで に結婚している コーホート合計特殊出生率 50歳までに結婚している女性は 94.18%であり平均で2.20人 の子供を出産しているとすると、 生涯未婚者も含めて2.07人子供 を生んでいるということになる 期間合計出生児数と コーホート合計出生児数 合計特殊出生率 初婚年齢は戦後一貫して上昇している、 この傾向が続くかぎり2つの合計特殊出 生率は乖離し続ける 2004年の『少子化社会白書』では 「2003年における35歳~39歳の それまでの出生率の合計では約1.55と なっている。」今後の出産によりコー ホート特殊出生率は変化するが、1.55 を下回ることはない 人口転換 合計特殊出生率の数値は真の値ではない が、それが2.00以上でもかつての高い出 生率より低ければ人口はしばらく減少する 多産・多死の時代から少産・少子の時代へ の移行期においてはまず人口が増加し、 それらが等しくなった後に人口が減少し始 めその後元に戻る 人口転換モデル
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