第5章 貨幣と金融市場 1. 我が国の金融市場 2012年金融資産負債残高表 2. 貨幣の需要 取引需要 日常的な取引に備えての貨幣保有 ⇒GDPの水準とともに増加 予備的需要 病気、災害などの不意の支出に備えての貨幣保有 ⇒利子率の減少関数 貨幣の投機的需要 貨幣の安全資産としての性質に基づく貨幣需要 3. 利子率と債券価格 債券利子率 債券 額面価格P* 表面利子率 i 毎年の利子支払 D=P*×i n年物 市場価格 PB 利子率r コンソル債 満期無限大 4. 貨幣の投機的需要 債券価格と利子率は反対に動く 現在の利子率上昇⇒債券価格下落 ⇒将来債券価格の上昇期待増大⇒債券購入 増加⇒貨幣需要減少 現在の利子率低下⇒債券価格上昇 ⇒将来債券価格の下落期待増大⇒債券購入 減少⇒貨幣需要増加 5. 利子率の決定 r 0 6. 貨幣需要:在庫理論アプローチ 貨幣保有 → 機会費用 → 債券で運用して いれば得られたであろう利益 Bauml と Tobin: 在庫理論アプローチ 個人は総額Y円の現金→1期間内に均等支出 n: 預金口座からの引き出し回数 c:引き出しにかかる費用 引き出し回数と現金保有量 引き出し回数1回 → 平均現金保有額 現金保有費用合計 → 引き出し回数n回 → 平均現金保有額 現金保有費用合計 → 現金保有費用最小化 最適引き出し回数 現金平均保有額L [在庫理論アプローチ:例題] ある個人は毎日同じ額だけ使い、1ケ月に 合計36万円支出する。必要な現金は毎回同 額銀行から引き出すとする。 預金口座からの引き出しには一回につき、 200円の費用がかかり、他方預金には平均預 金残高に対して月率1%の利子がつくものと する。この個人が手元に保有する現金の平 均残高はいくらか。 7. 貨幣の定義 貨幣の定義 マネーサプライ残高 ハイパワード・マネー 日銀の供給する現金通貨に、市中銀行が日銀 に預けている預金額を加えたもの 8. 貨幣供給のメカニズム 各経済主体のバランスシート 信用創造プロセス 政府⇒民間へ現金通貨供給 M 0 H 民間 ⇒ 市中銀行⇒ 新たな貨幣供給増加 民間⇒ このプロセスが無限に続くと 10. 実証分析 貨幣需要関数 L a0 a1YR a2 RJR YP L: 名目貨幣需要 YP:GDPデフレーター M 2N RJR b0 b1 b2YR YP M2N: 名目貨幣供給量 推定結果 推定結果
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