ISO23950による 分散クリアリングハウスのための

ISO23950による
分散クリアリングハウスのための
地理情報プロファイル
インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・
インフォマティクス㈱
技術部ADR 石田 茂
2015/9/30
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内容
 はじめに
 Z39.50とは
 地理情報メタデータとZ39.50
-FGDCの取り組み‐
 国内地理情報標準メタデータへの
クリアリングハウス適用
 まとめ
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背景
 HW/SWの低価格化
→GIS導入の促進
 インターネットの普及
→地理情報の流通促進
 電子化されない地図データ
 システム毎に異なるデータ仕様
 類似データの重複整備
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GIS関係省庁の取り組み
 現1府12省庁をメンバーとするGIS関係省
庁連絡会議
 地理情報のクリアリングハウス(情報所在
案内)を平成11~13年度の前半に整備す
る(「国土空間データ基盤標準及び整備計
画」(平成11年3月))
 経済産業省、国土交通省、総務省の連携
のもと、モデル地区で事業実施
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経済産業省の今年度調査事業
 「平成12年度情報システム標準化推進事
業(地理情報システム標準化等推進事
業)」((財)データベース振興センターへ委
託)
 地理情報メタデータを対象とする
クリアリング調査委員会設立
 ISO23950、FGDC GEO Profile国内仕様の
検討、ならびに実証実験
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Z39.50とは
 ネットワークベースの情報検索プロトコル
– OSI参照モデル第7層 - ASN.1、BER
– サーバ/クライアント型
 ANSI/NISO Z39.50-1995 (ISO
23950:1998)
– NISO - National Information Standards Organization
– ISO - International Standards Organization
 米国議会図書館にMaintenance Agency設置
– Ray Denenberg がまとめ役
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ZIG - Z39.50 Implementors
Group
 Z39.50システムの開発者グループ
 改正、修正、問題認識ならびに提起等を議論
 実装者合意を作成
 5ヶ月に一度の会合(北米、EU、ワシントンDC)
 コンセンサス主導の作業方針
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開発経緯
 1978-82
– 初期の開発/調査研究
 1982-83
– Linked Systems Project Protocol
 1983-84
– ANSI Z39に提出.Z39.50-1984.承認投票に失敗
 1984-87
– 開発継続
 1988
– NISOに再提出。Z39.50-1988として承認
 1979-89
– Z39 SC D
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開発経緯
 1984-91
– ISO SR → ISO 10162/10163 Search & Retrieve (1993)
 1990
– ZIG(実装者グループ)設立
 1989-90
– Z39.50 Maintenance Agency設立
 1992
– Z39.50-1992 (version 2)
 1990-95
– version 3開発
 1995
– Z39.50-1995
 1998
– ISO 23950
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目的
 クライアント・サーバシステム間で情報検索の相
互連携性を確保する
– ベンダー間の相互連携
• 様々なDBとユーザIF
– 組織間の相互連携
• 様々な図書フォーマット
– ユーザグループ間の相互連携
• 公共図書館と大学図書館
• 様々なコミュニティにおける図書館
– コミュニティ間の相互連携
• 図書館、出版社、 DBサービス、美術・博物館等
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どのように使用するか?
 抽象化DB
– 標準化されたアクセスポイント
• 属性集合
– 標準化された検索式
– 標準化された返戻形式
• スキーマ
• 選択可能なレコード構文
• 返戻時にレコードの選択が可能
– レコード内容に左右されない検索処理
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どのように使用するか?
 抽象化されたDBは、実際のDBのフロント
エンドとして実装される。
Z39.50クライアント
アプリ
機能
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Z39.50サーバ
Z39.50
クライアント
Z39.50
サーバ
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DB
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補足機能
 走査
 永続的検索結果集合
 定期的検索実行
 蔵書注文
 DB更新
 仕様導出、発動
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相互連携にみる特徴
 DB毎に異なる機能
– アクセスポイント等の属性集合、実装特徴
 DB毎に異なる情報形式
– US MARC, UNIMARC, SUTRS, GRS-1
– 所蔵情報の内包、分離
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Profile
 標準仕様の使用方法に関する合意規
定
–
–
–
–
–
–
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どのアクセスポイントが有効?
どの属性が有効?
レコード構文には何が指定できる?
どの(補足)機能が一般に利用できる?
どのオプションが利用できる?
特定分野向けのデータは許容される?
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Profile例
 ATS-1
– Author, Title, Subject
– 初期の図書向け簡易仕様 (廃止)
 GILS
– 行政情報所在案内サービス
– 汎用的な情報所在案内サービスの参照モデル
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Profile例
 CIMI
– 美術館情報をコンピュータ上で交換するため
のコンソーシアムが作成
– テキスト以外に画像情報も検索対象とする
 CIP
– Catalogue Interoperability Protocol
– 国際的な地球観測衛星委員会が作成
– 地理空間情報の検索にも利用される
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Profile例
 GEO
– 地理空間情報を対象
 STAS
– 科学工学向け属性集合を規定
– 正確にはProfileではない
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Z39.50の難点
 複雑なプロトコル
 難解な用語
 元はISO/OSI規格に準拠
– TCP/IP上で実装
– 難解な理論ベースのプロトコル
– 様々な抽象化レベル
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Z39.50の難点
 機能的に収斂した製品が未だ無い
– 今後、MozillaのRDF実装が該当?
 適切な専門化が極少数
 製品の長期的なサイクルを考慮
 標準化の前に仕様上の十分な探索がされていない
 広く普及させることで困難な問題点を解
決!
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実装と連携の現実
 Z39.50は幾つかのレベルで相互連携を許
容する、情報検索の複雑な標準仕様であ
る。
 真の相互連携システムの実現には、多く
の知識と実証作業が必要となる。
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Z39.50の適用方法
 サーバ(Target)
 ゲートウェイ
 クライアント(Origin)
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サーバ(Target)
 抽象化DBを実装
Z39.50サーバ
 特殊な開発作業
 ツールキットのカスタマイズ
 サーバモジュールの準備
 DBコンフィグレーション
Z39.50
サーバ
DB
– 実際のDBを抽象化DBとしてどのように表現するか?
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W&G
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ゲートウェイ
 IFに二つの顔を持つ
 Z39.50サーバに対して、Z39.50クライアント
として通信する顔
 一般的なクライアントと通信する顔
– クライアントプロトコルにはHTML, Telnet,
Z39.50…
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Webゲートウェイ
Z39.50サーバ
Webブラウザ
HTTP
サーバ
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ビジネス Z39.50
ロジック クライアント
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横断的ゲートウェイ
Z39.50サーバ
Z39.50
クライアント
Z39.50クライアント
Z39.50サーバ
Z39.50
サーバ
ビジネス Z39.50
ロジック クライアント
Z39.50
クライアント
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W&G
Z39.50サーバ
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高度なゲートウェイ
 複数のZ39.50サーバと接続する
– 並列検索
– 連続検索
– 検索結果のマージ
 両方のIFに様々なプロトコルに対応する
– SQL, LDAP, HTML, DNS…
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W&G
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高度なゲートウェイ
Z39.50サーバ
Z39.50クライアント
Z39.50
サーバ
Z39.50
クライアント
Webブラウザ
SQLサーバ
HTTP
サーバ
専用システム
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ビジネス
SQL
ロジック クライアント
専用
プロトコル
サーバ
LDAP
クライアント
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LDAPサーバ
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クライアント(Origin)
 グラフィカルなユーザIFのプロトコル処理
部
– ユーザから複雑さは隠されている
– 拡張コンフィグレーションの必要性
– 同時に複数のサーバに接続する場合あり
Z39.50クライアント
アプリ
機能
Z39.50
クライアント
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市場動向
 統合システム
– 図書館システム
• 海外の主要なシステムは全てZ39.50機能をも
つ
• 専用クライアントあるいはWebゲートウェイ
• 小規模システムにもZ39.50を採用するものあり
• 多くのシステムはVersion 2 を採用する
– INNOPAC等の米国製システムに多い
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市場動向
 スタンドアロン製品
 ツールキットレベル製品
 システムインテグレーション・コンサルタント
–
–
–
–
–
–
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Crossnet (UK)
Fretwell-Downing (UK)
Indexdata (Denmark)
Sunstone (Sweden)
Blueangel Technologies (US)
Finsiel (Italy)
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市場動向(国内)
メーカ/
主な機能
サービスベン
ダー
NACSIS-ELS/ NII
国立情報学研究所
INNOPAC/ Innovative
Interface Inc. 日本IBM
LibCruiser Pro/
NTT東日本
Server
Web
G/W
○
(NII内)
○
(NII内)
○
○
○
○
○
○
Gateway-CAT/
丸善
Proxy
○
○
○
(丸善経由) (丸善内)
JOIS with STN/ JST
科学技術振興事業団
○
(JST内)
○
(JST内)
○
InfoLib-Global Finder/
日商岩井インフォコム
○
○
SiteSearch/ OCLC,
紀伊国屋
○
○
ERL/ Silver Platter,
紀伊国屋
○
○
Ovid/ Ovid Technologies
Inc, ユサコ
○
○
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Telnet
G/W
日本語
○
検索エンジン
外部連携
採用機関
大学系図書館(多
数)
早稲田大学
東京工業大学、
図書館情報大学、
神戸大学
OpenText
RLG Zephyer
Server
○
大学系図書館(多
数)
CAS
Server
○
○
OpenText
○
W&G
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Z39.50はどのように機能する
か?
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W&G
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初期化機能
 初期化サービス
– Z-アソシエーションの確立
クライアント
初期化要求
サーバ
Version、ID/パスワード、オプション、
メッセージサイズ、実装情報
初期化応答
結果、Version、オプション、
メッセージサイズ、実装情報
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W&G
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初期化機能
– 使用可能なサービスとオプションを交渉する
• クライアントは“初期化要求”内のリストで様々な
サービスを要求する
• サーバは自身の機能・能力と比較調整し、可能な
サービスならびにオプションを初期化応答でクライ
アントに返す
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W&G
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検索機能
 検索サービス
クライアント
検索要求
検索式タイプ、検索式、DB,
結果集合名
サーバ
検索応答
ヒット件数、返戻レコード件数、
ステータス情報、(レコード)
2015/9/30
W&G
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返戻機能
 返戻サービス
クライアント
返戻要求
レコード件数、開始順位、
結果集合名
サーバ
返戻応答
レコード件数、ステータス、
(レコード)
2015/9/30
W&G
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返戻機能
 セグメントサービス
– レコードを“セグメント”することで、初期化時に
設定したメッセージサイズよりも大きいレコード
を転送することができる
– 二つのレベル
• Level 1: 一つのセグメントに複数のレコードを格納
• Level 2: 一つのレコードを細分化して各セグメント
に格納
2015/9/30
W&G
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検索結果集合削除機能
 削除サービス
クライアント
サーバ
削除要求
結果集合リスト
削除応答
ステータス
2015/9/30
W&G
39
アクセス制御機能
 アクセス制御サービス
クライアント
サーバ
要求(一般)
アクセス制御要求
セキュリティ申請
アクセス制御応答
セキュリティ申請応答
応答(一般)
2015/9/30
W&G
40
課金・リソース制御機能
 リソース制御サービス
 トリガリソース制御サービス
 リソース報告サービス
– リソースの使用を制御、報告する複雑な機能
– 主に課金情報を作成するために使用される
2015/9/30
W&G
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ソート機能
 ソートサービス
クライアント
ソート要求
ソート対象の結果集合、
ソート済結果集合、
ソート方式
サーバ
ソート応答
ステータス
2015/9/30
W&G
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走査機能
 走査サービス
クライアント
サーバ
走査要求
DB、単語リスト、開始位置、
単語数、(ステップサイズ)
走査応答
ステータス、単語数、(単語)
2015/9/30
W&G
43
拡張サービス機能
 拡張サービス
–
–
–
–
–
–
永続的検索結果集合
永続的検索式
定期的検索実行
蔵書注文
DB更新
仕様導出、発動
 タスクパッケージ
– 拡張サービス要求を作成、修正、削除
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W&G
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説明機能
 説明サービス
– サーバ情報のアクセス手段を提供する
•
•
•
•
•
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DB
アクセスポイント
検索言語
要素集合
...
W&G
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終了処理
 完了サービス
– Z-アソシエーションを終了する
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W&G
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属性集合
 使用可能な、ドメイン固有の抽象化された
アクセスポイント
 BIB-1
 STAS
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W&G
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転送プロトコル
 TCP/IP (通常)
– TCP予約ポート番号210
 ISO OSI
– 現在、殆ど使用されていない
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W&G
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BER
 基本符号化規則
– Basic Encoding Rules
– 転送データの符号化方式
– 可読形式のコードではない
• コンピュータのみ解釈可能
型
 長さ
値
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ASN.1
 抽象構文記法1
– Abstract Syntax Notation 1
 データ型を定義する記述言語
– 実装方式とは独立した表現形式
Permissions ::= SEQUENCE OF SEQUENCE{
userId
[1] IMPLICIT InternationalString,
allowableFunctions
[2] IMPLICIT SEQUENCE OF INTEGER{
delete
(1),
modifyContents
(2),
modifyPermissions
(3),
present
(4),
invoke
2015/9/30
W&G
(5)}}
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APDU
 Application Protocol Data Unit
– 要求と応答を含むデータパッケージ
InitializeRequest ::= SEQUENCE{
referenceId
protocolVersion
options
preferredMessageSize
exceptionalRecordSize
idAuthentication
implementationId
implementationName
implementationVersion
userInformationField
otherInfo
2015/9/30
ReferenceId OPTIONAL,
ProtocolVersion,
Options,
[5]
IMPLICIT INTEGER,
[6]
IMPLICIT INTEGER,
[7]
ANY OPTIONAL, -- see note below
[110] IMPLICIT InternationalString OPTIONAL,
[111] IMPLICIT InternationalString OPTIONAL,
[112] IMPLICIT InternationalString OPTIONAL,
[11] EXTERNAL OPTIONAL,
OtherInformation OPTIONAL}
--Note:
-- For idAuthentication, the type ANY is retained
-- for compatibility with earlier versions.
-- For interoperability, the following is recommended:
-IdAuthentication [7] CHOICE{
-open
VisibleString,
-idPass SEQUENCE {
-groupId
[0]
IMPLICIT InternationalString OPTIONAL,
-userId
[1]
IMPLICIT InternationalString OPTIONAL,
-password [2]
IMPLICIT InternationalString OPTIONAL },
-anonymous
NULL,
-other
EXTERNAL
-- May use access control formats for 'other'. See Appendix 7 ACC.
W&G
51
検索式
 検索式タイプ
– Type-0: 二者間の専用タイプ
– Type-1: RPN (標準)
– Type-2: ISO 8777
– Type-100: Z39.58
– Type-101: 拡張RPN (v 2)
– Type 102: Ranked List query
• 重み付け検索
• Relevance Feedback(関連検索)
2015/9/30
W&G
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Type-1検索式
 構成要素
– AND,OR,NOT論理演算子と連携した一つ以
上のオペランド
– オペランドは二項関係の再帰表現を構成する
– オペランドは7つの要素から構成される
2015/9/30
W&G
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Type-1オペランド
 0. Term
– 検索語
 1.Use Attributes
– アクセスポイント
 2.Relation Attributes
– 各アクセスポイントにおけるTermとデータの関係
– <、=、接辞処理等
2015/9/30
W&G
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Type-1オペランド
 3.Position Attributes
– Termのアクセスポイント中の位置
– フィールドの先頭、サブフィールドの先頭等
 4.Structure Attributes
– Termの扱い方
– フレーズ、単語、日付、正規化名称等
2015/9/30
W&G
55
Type-1オペランド
 5.Truncation Attributes
– 短絡形等の適用方法
– 左側短絡、左右短絡、短絡なし、正規表現
 6.Completeness Attributes
– Termが照合される対象
– サブフィールドの一部、サブフィールド全体、
フィールド全体
2015/9/30
W&G
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検索式の例
AND
George Alec Effinger
Islam
1:1003
1:1035
2:3
2:3
3:1
3:3
4:1
4:101
5:100
5:100
6:1
6:2
2015/9/30
W&G
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検索結果集合
 デフォルト結果集合
 名前付き結果集合
 永続的結果集合
2015/9/30
W&G
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DBスキーマ
 抽象化DBのレイアウトを定義
 要素(返戻時の抽象化された項目)
– 要素仕様
– 要素集合名
2015/9/30
W&G
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タグ
 要素または部分構造に一意にラベル付け
る識別子
schemaIdentifier
datatype: OBJECT IDENTIFIER
2015/9/30
W&G
60
タグ集合
 特定のデータ構造のための識別子の集合
1.schemaIdentifier
datatype: OBJECT IDENTIFIER
2.elementsOrdered
datatype: BOOLEAN
3.elementOrdering
datatype: INTEGER
4.defaultTagType
datatype: INTEGER
2015/9/30
W&G
61
構成仕様
 返戻したいデータ構造の一部分(あるいは
全体)を指示する方法
2015/9/30
W&G
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地理情報メタデータとZ39.50
‐FGDCの取り組み‐
 1994年の大統領令12906号
国土空間データ基盤の整備と流通を規定
 FGDCは地理情報メタデータの相互流通を
クリアリングハウスにより促進させる
→Z39.50 GEO Profile策定
2015/9/30
W&G
63
FGDCが支援する
クリアリングハウスの活動
 デジタル空間データの提供機関がインター
ネット上に独立にサーバを稼動させる
→分散型クリアリングハウス
 検索と返戻手順を共通化(ISO23950)
 Webゲートウェイのユーザインタフェース
 最小コスト、重複投資せずデジタル空間
データを共同整備する→データ収集活動と
研究活動の両面に貢献する
2015/9/30
W&G
64
参加が求められる機関
 政府を基盤とした調整
– 州政府の組織が、州の機関、連邦政府機関、地方政府やその他
の機関の間の調整努力を先導する。
 地域コンソーシアム
– (州の境界線内あるいは境界線を跨いで)地域に持続する関心
を持つ機関が、共有データを開発するためのコンソーシアムを構
成する。
 特殊プロジェクト
– 地理的地域に共通な関心を有する問題が存在する場合、ある期
間がその問題に対処するための共有データ開発を目的とした提
携関係を期間限定で構築することがある。
2015/9/30
W&G
65
活動の構成
 クリアリングハウスの維持、更新のための戦略な
らびに概念を改善する。
 規格を草案化し、改訂し、承認する。
 データの質を実証するための方針を策定する。
 データ管理手順を確立する。
 必要な技術開発を支援する。
 クリアリングハウスについて参加者を教育する。
2015/9/30
W&G
66
国、州、地域レベルの取り組み
 規格の推奨
 資金援助やその他の資源の確認
 提携の推奨
 規格の導入
 パイロットプロジェクトの開始
 手順や技術の試験および実施
 論争および対立の解決
2015/9/30
W&G
67
アクセス可能なデータ
 デジタル空間データセット
– 市販されるデータ製品の最小構成
– 各データセットに継承される汎用的なメタデー
タを含む
→メタデータが独立した地理情報の特徴の下
に保守されることが求められる。
 米国ではメタデータの再利用OK
2015/9/30
W&G
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クリアリングハウスの相互連携
 FGDCはメタデータの蓄積、検索環境に分
散連携形態を選択(高いスケーラビリティ)
 FGDC方針に沿う商用ベンダー
– Compusult http://www.fgdctoolkit.com/
– Blue Angel Technologies http://www.blueangeltech.com/
– Crossnet Systems http://roadrunner.crxnet.com/
 北米に6つのWebゲートウェイ設置
– 各Webゲートウェイと複数のクリアリングハウスサー
バが連携(横断検索・返戻)
2015/9/30
W&G
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国内地理情報標準メタデータ
へのクリアリングハウス適用
 FGDCは米国メタデータ標準仕様CSDGM
– Z39.50 GEO Profile
– 加州、欧州、豪州、南アフリカ等に導入
 JIS X 0806(Z39.50):1999 (1999.1.20制定)
– JIS X 0806準拠の地理情報クリアリングハウスの仕様
採用の必要性の根拠(工業標準化法第67条)
– 国及び都道府県、政令指定都市の国際標準規格に
基づく調達規定(WTO政府調達協定第6条第2項)
 今年度調査事業に向けて
2015/9/30
W&G
70
調査課題
 国内向け地理情報プロファイル(GEO-J Profile)案の策定
 策定されたGEO-J Profile案に基づき、モデル地区が保有




する地理情報メタデータの収集、編集、加工
Z39.50を採用したクリアリングハウスの構築
モデル地区で収集されたメタデータのクリアリングハウス
への蓄積
当該クリアリングハウスの実験的運用、成果の評価
モデル地区の地方公共団体職員による、当該クリアリン
グハウスの実験的利用、成果の評価
2015/9/30
W&G
71
GEO-J Profile案
 FGDC GEO Profile V2.2参考
 国内地理情報標準との整合性確保
 必要十分な仕様を検討
2015/9/30
W&G
72
検討課題
 国内地理情報標準(ISO19115CD準拠)で
策定されるメタデータ形式JMP1.1への配
慮
 JMP1.1を考慮した必要十分なメタデータ項
目の構成
 JMP1.1を考慮した必要十分な検索項目
 JMP1.1を考慮した必要十分な返戻形式
2015/9/30
W&G
73
作成方針
 メタデータ形式には国内標準に位置付けられる
JMP1.1を採用する。
 メタデータ内にメタデータのDTD(XML)の参照を
記述する。
 GEO Profileで定義される検索項目の内、必須と
されるAnnex B.2の検索項目を尊重する。
 ISO19115CD2 Annex Eで推奨される検索項目を
検討する。
 返戻形式XML,HTML,SUTRSはJMP1.1準拠と
する。
 国土交通省国土地理院のWebゲートウェイとの
接続性を考慮する。
2015/9/30
W&G
74
国際的な地理情報メタデータ
形式の現状
 FGDC CSDGM
– 公式リリース
 ISO19115CD準拠
– ISに向けて作業中
2015/9/30
W&G
75
ISO19115CDの動向
 CD Final Text
– 2001年1月末までレビュー
– DISに向けた作業
 DIS成立後、FGDCはGEO Profileの改訂を
検討
 JMPについても国際的な相互連携を確保
するために、改訂の検討が求められる。
 GEO-J Profile案も改訂が必要になる。
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実証実験システム
 GEO-J Profile案を適用するクリアリングハ
ウスサーバ
 GEO-J Profile案を適用するクリアリングハ
ウスWebゲートウェイ
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クリアリングハウスサーバの
機能要件
 DB作成機能
– JMP1.1で規定されるXML形式メタデータを扱えること
– DB作成条件の変更に柔軟に対応できること
– 文字列型、数値型、日付型の検索機能を有すること
– 項目別ならびに全文の検索機能を有すること
 GEO-J Profile案に規定されるZ39.50機能に対応すること
– Init,Search,Present,Closeの各機能に対応すること
– 属性集合に対応すること
– XML,HTML,SUTRSの各レコード構文に対応すること
– B,S,F,Aの各要素集合名に対応すること
– 複数DBの同時検索機能に対応すること
 Shift-JIS,JIS,EUCの日本語文字コード系に対応すること
 サーバ運用時の接続情報をロギングすること
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クリアリングハウス
Webゲートウェイの機能要件
 GEO-J Profile案に規定されるZ39.50機能に対応すること
– Init,Search,Present,Closeの各機能に対応すること
– 属性集合に対応すること
– XML,HTML,SUTRSの各レコード構文に対応すること
– B,S,F,Aの各要素集合名に対応すること
– 複数DBの同時検索機能に対応すること
 Shift-JIS,JIS,EUCの日本語文字コード系に対応すること
 Webゲートウェイ運用時の接続情報をロギングすること
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機能・データ連携図
システム管理
実証実験システム
新規構築分
Webブラウザ
クリアリングハウス
サーバ
稼動状況問い合わせ
H TT P
クリアリングハウスWeb
ゲートウェイ
クリアリングハウス
サーバ×2
Webサーバ内部
リクエスト処理部
GISメタデータ検索部
内部
プ ロト コ ル
Webサーバ
Z39.50クライアント
処理部
日本語形態素
解析辞書
Z 39 .5 0
Z39.50サーバ処理部
データベース作成
GEO-J
プロファイル
クリアリング
ハウスサーバ
登録、環境、
認証DB
Z39.50 GIS 検索履歴DB
メタデータ
検索DB
ログDB
認証DB
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ログDB
GISメタデータ
(GEO-J準拠)
GIS画像データ
環境DB
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実証実験環境
Z39.50によるGISクリアリングシステム構成図
<2サイトによるモデル地区実証実験>
モデル地区
大分県
豊中市
臼杵市
ブラウザ
ブラウザ
Z39.50サイト2
Z39.50サイト1
HTTP
HTTP
Webサーバ
データチェック
HTTP
Web-Z39.50GW
インターネット
Z39.50
DB投入
Z39.50
Z39.50メタデータサーバ2
Z39.50メタデータサーバ1
copy
DB1
GIS
クリアリングシステム
XML
HTML
SUTRS
GRS-1
ハードウェア(新規)
DB2
(富山)
(東京)
既存システム
(検証用)
XML
HTML
SUTRS
GRS-1
ハードウェア(既設
GISクリアリングシステム
copy or direct access
ブラウザ
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データ格納件数
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地域名
メタデータ格納件数
画像データ件数
大分県
62
18
臼杵市
92
72
豊中市
1958
848
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サイト別DB構成
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地域名
DB名
富山
大分県
oita
臼杵市
usuki
○
豊中市
toyonaka
○
東京
○
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プロトコル機能別アクセス件数
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プロトコル機能
件数
Z39.50 Search(検索)リクエスト
3,467
Z39.50 Scan(走査)リクエスト
2,380
Z39.50 Present(返戻)リクエスト
2,094
HTTPリクエスト(画像取得)
1,671
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検索入力画面(1)
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検索入力画面(2)
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W&G
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検索式入力
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W&G
87
検索結果一覧
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W&G
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検索結果メタデータ
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索引語入力
2015/9/30
W&G
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索引語走査結果一覧
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評価
 システム側評価
– 分散環境下における処理効率と負荷変化
– GEO-J Profile案の属性集合レベルの検索機
能の確認
 ユーザ側評価
– 分散環境下を意識しない検索環境
– 3地区の地方公共団体職員への調査票に基
づくアンケート調査、システム部門情報責任者
を対象としたヒアリング調査
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システム側評価
 DB作成時間はメタデータ件数との比例よりも大きく推移
した。転置インデックスのソート・マージ処理の負担が影
響と考えられる。
 クリアリングハウスサーバ・Webゲートウェイの応答特性
は同時接続数に概ね比例に推移した。稼働環境はPCUNIXで、サーバプロセスは接続要求に応じてforkされる。
 検索式の入れ子の段数と処理時間には明確な相関は見
出せていない。メタで-多数が約2,000件程度と比較的少
数であったためと思われる。
 Webゲートウェイの応答は、背後に接続するサーバとの
ネットワーク的な距離の増大に伴い、サーバの処理特性
が見かけ上小さくなっていく。
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ユーザ側評価
 クリアリングハウスの有効性
– 有効性は肯定的でも積極的な利用は無い。啓蒙活動により積極
的な利用を図る。
 運用形態
– 運用コストやメタデータの修正・更新が困難。空間データの庁内
流通や作成コスト削減、運用コストの準備とクリアリングハウス
構築支援策を講じる。
 ユーザインタフェースへの不満
– 検索機能の説明が不十分であり、検索結果の表示も工夫が足り
ない。タグを日本語表記し、表形式で表示する等他、メタデータ
内容を説明する機能が必要。
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ユーザ側評価
 ユーザインタフェースの改良
– 使いやすいユーザインタフェースであれば利用頻度が拡大する
可能性あり。各種オンラインヘルプ機能が必要。
 メタデータのメンテナンス用ツール整備
– 容易にメタデータの登録、修正及び更新が可能なメンテナンス用
ツールの整備が必要。
 クリアリングハウス整備の推進と運用整備
– 行政の連続性を踏まえ、特に県下市町村が所有する空間データ
流通が必要であることから、広く地方公共団体のクリアリングハ
ウスの推進を図ることでデータの流通性を確保し、自治体独自で
運用可能な支援が必要。
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ユーザ側評価
 GISポータルサイト
– 民間データを含め広範囲なデータの収集とGISポータルサイトと
なる情報やリンクを整備。
 サムネイル表示
– 検索結果に日本語表記やサムネイルの表示など一層の利便性
を高める。
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まとめ
 クリアリング調査事業の実施
–
–
–
–
–
Z39.50 GEO Profileの国内向け仕様の在り方の検討
GEO-J Profile案作成
メタデータ・画像データの収集・分析
実証実験システムの構築
運用・評価
 使いやすいユーザインタフェースであること
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まとめ
 行政の専門家中心の利用から、一般職員や民
間向けの有用な業務ツールとして位置付けられ
る。
 他地方公共団体の空間データの検索ニーズが3
割を超えるなど、クリアリングハウス整備のニー
ズは高い。
– 本格的な横断型クリアリングハウスの早急な整備が必要。
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まとめ
 地理情報クリアリングハウスへのZ39.50の
採用が政府全体の方針となる。
– 「経済構造の変革と創造のための行動計画(第3回
フォローアップ)-新たな経済成長に向けての新行動計
画-」(平成12年12月1日閣議決定)
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クリアリング調査委員会
 GIS関係省庁、専門家、大学、各企業から
なるクリアリング調査委員会を(財)データ
ベース振興センター内に設置。
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モデル地区と調査実施企業
 大分県、臼杵市、豊中市
 国際航業㈱
 神鋼リサーチ㈱
 ㈱NTTデータ
 W&G㈱
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質疑応答
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