PowerPoint プレゼンテーション

どこかおかしい敬語の使用例
ドリル１「誰に敬意を払っていますか？」
ドリル２「慣用句の使い方間違っていませんか？」
ドリル３「誤りに気づかず、使っていませんか？」
ドリル１「誰に敬意を払っていますか？」①・・・間違いを見つけなさい。
① 先生はいつまいられますか。
ヒント：これでは先生よりも自分の方が偉くなってしまいます。
② そちらでは、雨が降っていらっしゃいますか。
ヒント：雨に敬意を払うのですか。
③ 祝電がまいっています。
ヒント：これでは祝電を出した人に失礼になります。
④ 先生によろしくと、父がおっしゃっていました。
ヒント：この場合、父と先生では、どちらを敬うべきですか。
⑤ 先日、先生が申されましたことについて、・・・・
ヒント：生徒である自分の方が、先生より立場が上になってしまいませんか。
ドリル１「誰に敬意を払っていますか？」① （解答・解説）
① 先生はいつまいられますか。
（正）いらっしゃいますか。 →尊敬語を使い、先生に敬意を払う。
② そちらでは、雨が降っていらっしゃいますか。
（正）降っていますか。 →丁寧語のみ使用し、相手（聞き手）に
敬意を払う。
③ 祝電がまいっています。
（正）をいただいております。 →謙譲語で自らを低め、祝電を出した人に
敬意を払う。
④ 先生によろしくと、父がおっしゃっていました。
（正）申しておりました。 →謙譲語で父親を低め、先生に
敬意を払う。
⑤ 先日、先生が申されましたことについて、・・・・
（正）おっしゃった →尊敬語を使い、先生に敬意を払う。
ドリル１「誰に敬意を払っていますか？」②・・・間違いを見つけなさい。
⑥ 先生は、昨日どこへうかがわれたのですか。
ヒント：これでは、先生に失礼です。
⑦ 明日の講習会には、筆記用具をご持参ください。
ヒント：これでは、講習会に参加する人は、気分がよくないです。
⑧ 先生、その本を取ってくれませんか。
ヒント：丁寧な言い方をしているようですが、これでは、先生もがっかりします。
⑨ 外に、お車がお待ちしています。
ヒント：車にまで敬意を払う必要はないでしょう。
ドリル１「誰に敬意を払っていますか？」② （解答・解説）
⑥ 先生は、昨日どこへうかがわれたのですか。
（正）いらっしゃった
→尊敬語を使い、先生に敬意を払う。
⑦ 明日の講習会には、筆記用具をご持参ください。
（正）お持ちください。 →尊敬語を使い、参加者に
敬意を払う。
⑧ 先生、その本を取ってくれませんか。
（正）いただけませんか。
→謙譲語で自らを低め、先生に
敬意を払う。
⑨ 外に、お車がお待ちしています。
（正）待っております。
→車の動作には敬意を払わない。
ドリル２「慣用句の使い方間違っていませんか？」①・・・間違いを説明しなさい。
① 役不足で、私には務まりそうにありません。
ヒント：そんなにあなたは実力があるんですね。
② わらにもすがる思いで、先生にお助けいただきたく・・・・。
ヒント：先生もわらと言われて、助けたいと思わないでしょう。
③ 先生のお言葉を他山の石としてがんばります。
ヒント：自分の言葉を山の石と言われては、いい気分はしません。
④ 優秀なお子さんですね。現役で合格するとは、鳶が鷹を生むですね。
ヒント：これでは、ご両親に失礼です。
⑤ 枯れ木も山のにぎわい。ぜひ先生も参加してください。
ヒント：いくら年を取っていても、先生を枯れ木と言うのは失礼です。
ドリル２「慣用句の使い方間違っていませんか？」① （解答・解説）
① 役不足で、私には務まりそうにありません。
（解説）「役不足」とは、実力に比べて与えられた役が不足である場合に使う言葉。ここでは
「力不足」でと言いたい。
② わらにもすがる思いで、先生にお助けいただきたく・・・・。
（解説）「わらにもすがる」とは、せっぱつまった時は、わらのようなつまらないものまでも頼り
にすることをたとえたもの。つまり「わらにもすがる」を他人に対して使うことは、非常
に失礼なことである。
③ 先生のお言葉を他山の石としてがんばります。
（解説）「他山の石」とは、「ほかの山の石でも自分の玉を磨くことができる」が原義で、「自分
より劣っている人の言行も、自分の知性を磨く助けとすることができる」という意で用
いられるようになった。したがって、上記の例では、先生を自分より劣った人間とみて
しまっていることになり、尊敬どころか、逆に軽蔑していることになる。
④ 優秀なお子さんですね。現役で合格するとは、鳶が鷹を生むですね。
（解説）「鳶が鷹を生む」とは、平凡な親からすぐれた子供が生まれることをたとえている。こ
れでは、子供には敬意が払われていても、親には失礼きわまりない。
⑤ 枯れ木も山のにぎわい。ぜひ先生も参加してください。
（解説）「枯れ木も山のにぎわい」とは、つまらないものでもないよりましだというたとえで用い
られる言葉なので、目上の人には使ってはいけない。
ドリル２「慣用句の使い方間違っていませんか？」②・・・間違いを説明しなさい。
⑥ 父親から、大目玉をいただきました。
ヒント：「大目玉をいただく」と言っていいのでしょうか。
⑦ 先生は、雑学の大家でいらっしゃいますね。
ヒント：こう言われても、先生はうれしくないでしょう。
⑧ さすがは社長の息子さんだ。蛙は蛙の子ですね。
ヒント：社長さんにも息子さんにも失礼です。
⑨ （手紙で）拝啓（書き出しのあいさつ）・・・・草々（結びのあいさつ）
ヒント：書き出しと結びが矛盾していませんか。
⑩ （手紙で）前略、陽春の候となりました。・・・・
ヒント：何を略したのでしょう。
ドリル２「慣用句の使い方間違っていませんか？」② （解答・解説）
⑥ 父親から、大目玉をいただきました。
（解説）「大目玉を食う」で一つの慣用句である。よってここでは、敬語は使わず、「大目玉を
食いました」でよい。
⑦ 先生は、雑学の大家でいらっしゃいますね。
（解説）たとえ「大家」といっても、「雑学」ではほめられない。幅広いジャンルのさまざまな知
識を有している人に敬意を表すつもりなら「博学」を使うべきである。
⑧ さすがは社長の息子さんだ。蛙は蛙の子ですね。
（解説）このことわざの意味は「おたまじゃくしは親と違うようだが、後には親に似る。結局、子
は親の歩んだ道を歩むものである」ということで、転じて、凡人の子はやはり凡人であ
るというたとえである。つまりこのことわざは、ほめ言葉にはならないのである。
⑨ （手紙で）拝啓（書き出しのあいさつ）・・・・草々（結びのあいさつ）
（解説）「拝啓」は「へりくだって申し上げます」という意味で、あらたまった調子の書き出しで
あ
る。一方、「草々」は「急いで書いたので十分に意を尽くしておりません」ということで、
頭語と結語のつりあいがとれあない。「拝啓」に対応するのは「敬具」である。
⑩ （手紙で）前略、陽春の候となりました。・・・・
（解説）「前略」とは「急ぎの用件のため、いっさいのあいさつを省略させていただきます」とい
う意味である。したがって「前略」の後には、すぐに用件を書き出すのが普通である。
ドリル３「誤りに気づかず、使っていませんか？」①・・・間違いを見つけ、訂正しなさい。
① 先生、遅くまでご苦労様です。
ヒント：校長先生が先生に「ご苦労様」と言うのなら問題ないが。
② 今回の事に関しては、厚くおわび申し上げます。
ヒント：「厚くお礼申し上げます」ならよいのだが。
③ 先生たちは、別室で会議をなさっています。
ヒント：「僕たち」「私たち」「君たち」ならよいのだが。
④ お菓子をいただいて、どうもすみません。
ヒント：これでは、謝っているような感じを受けます。
⑤ ご父兄の方へ、忘れ物はお隣の教室に置いてあります。
ヒント：「お」のつく場所がちがうのでは？。
ドリル３「誤りに気づかず、使っていませんか？」 ①（解答・解説）
① 先生、遅くまでご苦労様です。
（正）お疲れさまです
（解説）「ご苦労様」は、下位者に苦労をかけたことに対して上位者がねぎらう、というニュア
ンスをもつ。下位から上位には「お疲れさま」の方がよいであろう。
② 今回の事に関しては、厚くおわび申し上げます。
（正）深く
（解説）「厚い」は、他者へのかかわり方の程度がはなはだしいことを表し、一般には恩恵や
感謝、情愛など、よい場合に使うものである。わびる際には「深く」が普通である。
③ 先生たちは、別室で会議をなさっています。
（正）方
（解説）現在の「たち」には、かつてのような尊称の意味がなくなってしまっている。敬意を表
すには「方」を使い、「先生方」「あなた方」のように言うのよいだろう。
④ お菓子をいただいて、どうもすみません。
（正）どうもありがとうございます
（解説）おわびの言葉、恐縮している気持ちを表す言葉として「すみません」を使うのは、問題
はないが、感謝の意を表す時には、やはり「ありがとうございます」の方がよいだろう。
⑤ ご父兄の方へ、忘れ物はお隣の教室に置いてあります。
（正）お忘れ物は隣の教室に
（解説）「忘れ物」は父兄の荷物を指すのだから「お」をつけ、学校側の施設である教室に「お」はつけない。
ドリル３「誤りに気づかず、使っていませんか？」②・・・間違いを見つけ、訂正しなさい。
⑥ 四回の裏、相手チームに２点を献上した。
ヒント：チームの間に、身分の上下があるのでしょうか。
⑦ 私、毎日お花に水をあげています。
ヒント：丁寧な言葉遣いも、内容によりけりです。
⑧ （先生）「これでいいかな。」（生徒）「はい、よろしいです。」
ヒント：よさそうに見えるけれど、実は失礼な言葉なのです。
⑨ 隣の中学校の先生方が、本校にご訪問される。
ヒント：古典で使われる二重敬語は、現代では使いません。。
⑩ 先生、おわかりになりますか。
ヒント：先生の理解力を疑っているようで・・・・。
ドリル３「誤りに気づかず、使っていませんか？」 ②（解答・解説）
⑥ 四回の裏、相手チームに２点を献上した。
（正）とられました。
（解説）「献上」とはもともと、低い位の者から高い位の者へものを差し上げることを言った。
敵
味方に分かれての戦いの表現としては不適切である。
⑦ 私、毎日お花に水をあげています。
（正）やります。
（解説）「あげる」は謙譲語である。自分を低めることによって相手をうやまう言葉であるから、
これでは「花」をうやまうことになってしまう。
⑧ （先生）「これでいいかな。」（生徒）「はい、よろしいです。」
（正）けっこうです。
（解説）「よろしい」は上位者が下位者に対して使う言葉である。「よろしい」は消極的な肯定と
考えられる。つまり相手の言うことを、まあしかたがないと容認するニュアンスがある。
⑨ 隣の中学校の先生方が、本校にご訪問される。
（正）ご訪問になる。訪問される。
（解説）「ご」と「する」の尊敬語「される」が二重になっている。二重に敬う必要はない。
⑩ 先生、おわかりになりますか。
（正）よろしいでしょうか。いかがでしょうか。
（解説）目上の人に向かって「できる」「わかる」などの可能を表す動詞を使っては失礼にあたる。

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