Webサービスによる 加工工程決定支援システム 情報処理学会 第73回全国大会 2011年3月2日 松江工業高等専門学校 情報工学科 越田 高志 1 1.はじめに(研究の背景と目的) 地元の中小製造業や加工業における生産工程 管理システム導入の遅れが目立つ. 産学官の連携で,中小製造業の情報システム 化を支援する. 導入できない原因は何か? – 2 生産工程管理システムが高価で手が出ない. それは,汎用システムの利用が難しいから. どうしてか? –各業種毎,企業毎に生産工程や生産 機器,DBなどが異なる. –企業毎の受発注システムやDBとの連携 も考慮する必要がある,など. カスタマイズが不可欠! ・MZPlatform(産総研)をベースとして,高専が企 業要望や現場状況を把握して,プロトタイプシステ ムを開発・提供する. 3 企業の現状(問題点) 今回のターゲット:地元の金属加工会社 数百種類/月の受注加工がある. ・リアルタイムでの工程進捗管理ができていない. ・情報の電子化が不十分で,紙面データでの 情報が多い. そのため, ・作業待ちにともなう機器の稼働率低下. ・納期遅れや原価割れの判断が遅れる. それらの問題解決のために, 4 生産工程管理システムの開発 開発目標 ①ロット毎のリアルタイム工程進捗管理機能の 実現(バーコードを利用したシステムを開発済) ②各種データの検索・集計機能の実現(開発済) ③ロット毎の加工工程決定支援の自動化 (現状:工程順は監督者が決定し,紙面で指示) ④ロット毎の工程機器の自動割付最適化 5 リアルタイムでの工程進捗管理機能 (ガントチャート表示) 時間軸 現在時刻 作業機械 ロ ッ ト 番 号 6 作業を終え た工程 作業中の 工程 各種検索・集計機能 (ロット番号毎の各工程作業時間集計) ロット番号 稼動費計算結果 とグラフ表示 作業時間集 計結果 7 受注データ 企業でのフィールドテストの様子 8 2.加工工程決定支援システム 受注時に加工工程決定を自動化したい. プログラム化 ①過去の作業データ,受注データを分析して, ②ロット毎の加工工程順を抽出する. ③ロット番号ー工程順番 対応表 及び 品名ー設計図番ーロット番号 対応表 受注時に入力する項目 を作成する. 9 ④品名と設計図番から過去の工程順が分かる. 工程順抽出プログラムについて 作業データ ロット番号 10 優先順位表を参照 工程順抽出プログラム(ロット番号指定) 予稿:図2 11 品名ー図番ーロット番号 抽出プログラム (品名指定) Javaアプリケーションとして開発 予稿:図1 12 品名-設計図番ーロット番号との対応テーブル 品名 ダンバーリング 設計図番 353C39 ロット番号 M0943 受注時に指定する 表示される ロット番号 M0943 1 TAL-510 NO.2 (112) 2 マシニングセンタ 汎用旋盤 (124) マシニング 3 DWC-90HA N0.3 (131) ワイヤーカット 13 4 TAL-510 NO.2 (112) 汎用旋盤 5 検査 (150) 検査 新規受注登録では,「設計図番」と「加工品名」を必ず 登録するので,そのデータから2つのテーブルを検索し て,工程順データを表示する. 表示された工程順データを基に,変更があれば, 追加・修正を加えて,テーブルに登録する. ・これらのプログラムのWebサービス化と下記との連携. ・データの分析→加工特徴と工程順との関係の明確化. ・受注登録画面→加工特徴も指定可能にする. ・加工特徴と設計図番→工程順データの提示. 14 丸物:長さ/直径,角物:XYZなど 3. REST型Webサービスの開発 これまで,全てJavaアプリケーションとして 開発. 手軽にどのPCからでも実行・確認したい(工 場や事務室など). 操作もできるだけ容易にしたい. 15 ブラウザのみで実行できるRESTful Webサ ービスとして提供する. RESTfulWebサービス (予稿図1のプログラムに対応) http://192.168.3.4:8080/RESTGoodsDesignLotXML/GoodsDesign ToLotXML/ダンバーリング 「品名」を入力し,それに 属する「図番」と「作番」を 出力する. 図3 XML形式での出力 16 RESTfulWebサービス (予稿図2のプログラムに対応) http://192.168.3.4:8080/RESTAllKouteiJSON/AllKoutei/M0943 「作番」を入力し,その加工 工程を出力する. 17 図4 JSON形式での出力 RESTfulWebサービス (指定した「作番」→「品名」と「設計図番」を出力する) http://192.168.3.4:8080/RESTLotGoodsDesignXML/LotToOrderDesign/G0382 18 図5 [LotToOrderDesign]実行結果 RESTfulWebサービス (指定した「品名」と「設計図番」 →「作番」を出力する) http://192.168.3.2:8080/RESTGoodsDesignSelectToLot/GoodsDesignSelectLot/ ダンバーリング/353C51 図6 [GoodsDesignSelectLot]実行結果 19 4. おわりに まとめ 加工工程決定支援のための各種REST型 Webサービスを開発した. 企業内の「何処から」でも,「誰も」が容易に支 援機能が利用可能になった. 課題 GUIの改良 – – 20 入力データ指定の容易化 出力結果表示の工夫→見やすいように. 様々な検索(出力)データの分析とその活用 のために → セマンテックデータ化(RDF,OWL) セマンテックデータ → 加工時間の見積り (納期予測ができないか?) 「設計図番」にアノテーションを付ける → 最適な工程順の抽出,表示ができないか? 21 ご清聴 ありがとうございました 22 23 セマンテックWebで生産工程管理支援シス テム -工程順決定を自動化したい. ーそのために,加工特徴のデータ化や設計 図データのアノテーションなどを利用して, 推論できないか? 24 現行の作業指示書 これらのデータを基に,下記 の工程順番を提示する. 25 26 工程機械情報のRDFデータ例(NC旋盤) <rdf:RDF プログラム作成済 xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#“ xmlns:j.0=http://www.matsue- ct.ac.jp/IE/MachineProperty#> <rdf:Description 設置工場/機械ID rdf:about="http://www.matsue- ct.ac.jp/IE/IDMachine/Lathe"> <j.0:isPlaceOf>3</j.0:isPlaceOf> <j.0:isIDOf>133</j.0:isIDOf> 工程優先順位 <j.0:isPriorityOf>30</j.0:isPriorityOf> <j.0:isAbbreviateOf>NCLE1</j.0:isAbbreviateOf> <j.0:isNameOf>Lathe</j.0:isNameOf> <j.0:diam>740</j.0:diam> <j.0:length>1260</j.0:length> 加工最大直径 </rdf:Description> </rdf:RDF> 27 加工最大長 仕様(図番)が799-30765で同じ 28
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