序論 画像処理とは 1.コンピュータが出現するまでの画像処理(アナログ) 光学的処理:レンズ、フィルター、ミラーなどを利 用して行う。(投射、製版) 写真処理: 電子的処理: 露光、現像、焼き増しなどの方法で行う。 ビデオ信号を電子回路を利用して加工、 処理を行う。 利点:速い 欠点:限られた処理しかできない 2.コンピュータ進歩とデジタル画像処理 ● コンピュータで画像処理:かなり早い時期から 1950年代末、既に研究論文 ● 1960~ 本格的な研究開始。 対象:宇宙開発、核物理、医学などの先端分野 ● 1970~ コンピュータが大学や企業の研究室に、 画像処理は急発展 ● 1990~、パソコンが一般家庭に。 マルチメディアブーム。 理由:パソコンがテレビ品質の画像を処理できる ようになった 序論 画像処理とは(続き) 3.コンピュータで画像処理を取り扱うことの難しさ ● 画像・映像のデータは大量 例: CDROM一枚が保存できるデータ 文字: 本講義の教科書 約800冊 音声: 音楽(圧縮あり) 約 11時間 音楽(圧縮なし) 約 映像: 74分 テレビ映像(圧縮あり) 約11分 テレビ映像(圧縮なし) 約12秒 ● 次元数が高い 音声: 1次元 テレビ映像: 5次元(x,y,r,g,b) 現状: 1.パソコンの動画の品質 < 映画 2.Web上の動画の品質 << テレビ 3.携帯電話の画面でようやくカラー動画像が見られる 画像の入力と出力装置 1 光と電気信号 • テレビジョンは • テレビ放送局では、カメラでとらえたできごとや、風物 を電気の信号に変え、電波に乗せて送りだす. • これを家庭で受信して、ブラウン管で映像を再現する。 • 私たちがものを見るのは実は光を見ているのである。も のに光があたって、反射する光を見ている。従って、で きごとや、風物を電気信号に変えるのは、光を電気信号 に変えているのである。 テレビ放送の仕組み 1.2 光を電気信号に変換 ・光を電気に変えることを「光電変換」という。 ・光電効果 光電効果(Photoelectric effect)は、金属に光を当てると電子が飛び出す現 象。 この現象は、19世紀の物理学では説明することのできない難題であっ たが、1905年、物理学者のアルベルト・アインシュタインの導入した光量子 仮説によって、説明付けられた。アインシュタインは、この業績によって、 1921年にノーベル物理学賞を受賞している。 ・光電変換はテレビカメラやビデオカメラが行っている。 ・映像を電気信号に変換する素子として、撮像管,CCDイメージセンサー そしてCMOSイメージセンサーがある。 ● 撮像管を使った光電変換 ・テレビカメラの心臓部にはプリズムと撮像管がある。 ・プリズムは、光を赤・青・緑の3原色に分ける。 ・撮像管はそれぞれの映像を電気の信号に変える。 ● 撮像管を使った光電変換(つづき) ・1960年代から実用になった. ・撮像管は、ちょうどブラウン管の 逆のことを行なう真空管である ・撮像管の中には光を電気に変え る膜があり、 ・この膜に電子ビームがあたると、 ビデオ電流という電気の信号 に変わる。 CCDイメージセンサーとCMOSイメージセンサー CCD/CMOSイメージセンサーは、 1)入射する光を集めるレンズ、 2)入射光を赤、緑、青の三原色に分けるカラーフィルター、 3)光を電荷に変換するフォトダイオード、そして 4)電荷を集めて運び出す回路(CCD/CMOS)から構成されて いる。 ・フォトダイオードとは、半導体二極管の一種で、照射された 光によって電荷を生ずる素子である。 ・フォトダイオードが発生した電荷を出力するための転送機能とし て、CCD素子およびCMOS素子がもちいられ、この違いにより CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサと呼ばれる。 CCDはCharge Coupled Deviceの略で、電荷結合素子という。本 来、電荷をバケツリレー式に伝送する機能を持つ素子を指す ことばで、CCDイメージセンサーにおいて、フォトダイオー ドが生ずる電荷を運び出すために利用されている。 CMOSとはComplementary Metal-Oxide Semiconductor半導体回 路の一種で、 ・2種類のMOS FETと呼ばれるトランジスタをペアで使用する。 ・日本語では相補型金属酸化膜半導体と呼ばれる。 ・MOS(Metal-Oxide Semiconductor)とは、金属と酸化物、半 導体という3種類の物質を重ね合わせた構造を持つ素子で、 電圧動作型のデバイスである。 ・現在のマイクロプロセッサの多くは、CMOSプロセスで製造さ れている。 CCDイメージセンサーの構造 ・シリコン基板上にフォトダイオードと電極を碁盤目のように配置する。 ・個々のフォトダイオードは、受光した光の強弱に応じた電荷を発生する。 ・蓄積された電荷は、電極に交互に電圧をかけて、隣の電極に移動させ、最終的に ひとつずつ出力される。(この部分はCCDである) 1CCDと3CCD 1CCD: 個々のフォトダイオードに単色のフィルタをかけて 一つの色の強さだけ検知し、周囲の素子の信号と総合して 色情報を得る方式。 CCDは光の強弱を検知するセンサーで、色を識別すること はできない。このため、個々のCCD素子にあらかじめ単色の フィルタをかけておき、別の色を受け持っている隣り合うい くつかの素子の信号と総合して色信号を得るのが1CCD方式で ある。 フィルタには光の3原色(RGB:赤・緑・青)、もしくはその 補色(CMY:シアン・マゼンタ・イエロー)が使われる。前者 を原色系フィルタ、後者を補色系フィルタという。3つの補色 に可視領域の広い緑を加えて4色にフィルタリングする方式も ある。 3CCD : CCDを3面用意して、プリズムで分解した3原色を それぞれの面で受光する3CCD方式が登場している。1CCD 方式よりも高価だが、(特に色)再現性の高い画像が得ら れる。
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