スライド 1 - Center for Agent

駅構内の群歩行シミュレーションによる
緊急時の問題点と改善策の検討
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻 寺野研究室
佐藤和希
すぐわかる研究概要
 災害対策として駅構内の避難行動をモデル化し検証

災害要素の組込




避難行動
火事
出口の破損
離れた出口が避難には良い!
 誘導モデルの導入

2
避難時間を短縮できた!
平成20年度修士論文発表会
発表内容
背景と目的
関連研究
研究の流れ
提案モデル
モデル説明
シミュレーションの実行と結果の考察
結論と今後の課題
3
平成20年度修士論文発表会
背景と目的
 都市部などの人が密集する場所で災害が発生する
と甚大な被害が発生する恐れがある.
 公共性が高い場所(駅やショッピングモール,イベ
ント会場)では大きな被害が想定される.
例)明石歩道橋事故,韓国大邱市地下鉄火災,阪神・淡路大震災
対策は?
緊急時の人の様子を予測して,緊急時の問題点を把握
しておく.
 様々な条件下の避難を再現できるモデルを実現し,
緊急時の問題点と改善策を検討.
4
平成20年度修士論文発表会
関連研究
壁の破損
火災の影響
犠牲者発生
問題点指摘
改善策導入
○
出口の増設
[森下 2006]
[Maury]
[堀 2005]
○
[鈴木 2003]
○
[大鋳 2007]
○
5
平成20年度修士論文発表会
リーダーの
導入
関連研究
建物の破損,火災,犠牲者を総合的に考慮していない.
総合的な避難シミュレーションが必要.
問題点を指摘,改善策を提案するだけではなく,改善
策の評価も必要.
6
平成20年度修士論文発表会
研究の流れ
歩行モデル
相対座標を用いてセルベースから脱却
少ない歩行ルールにより歩行を再現
避難モデル
緊急時の歩行者の性格を3種に分類
通路の破損,火災発生時の避難行動を分析
誘導モデル
駅員による歩行者の誘導を導入
6種の誘導方法の単体あるいは複合的に用いた効果を
分析
7
平成20年度修士論文発表会
歩行モデル
8
平成20年度修士論文発表会
歩行モデル
 少ないルールにより歩行
をモデル化
Node
Edge
 歩行流の妥当性を検証
 指標となる3種の検証方
法により評価
Rule1
Front
Rule2
Rule3
My Direction
My Direction:0° 1+0.25V
Left
V[m/s]
My Direction+90
My Direction-90
30° 30°
Right
Rule4
120°
Pedestrian
120°
X[m]
Obstacle
Travelling direction
9
平成20年度修士論文発表会
避難モデル
10
平成20年度修士論文発表会
避難モデル-性格-
緊急避難型
逆戻り型
最も近い出口へと避難する。
11
平成20年度修士論文発表会
追従型
避難モデル-性格-
緊急避難型
逆戻り型
自分が使用している出口に避難する。
12
平成20年度修士論文発表会
追従型
避難モデル-性格-
緊急避難型
逆戻り型
近くの流れに従う。
13
平成20年度修士論文発表会
追従型
避難モデル-歩行者の死亡条件-
壁破損の場合
破損箇所に存在する場合
火災発生の場合
歩行者の周囲を火が囲った場合
歩行者の存在する場所に火が存在する
場合
14
平成20年度修士論文発表会
避難モデル-シミュレーション空間-
三軒茶屋駅を想定し,シミュレーションを行う
階段
階段
1番出口
2番出口
右側改札
左側改札
階段
3番出口
上り方面ホーム
下り方面ホーム
15
平成20年度修士論文発表会
避難モデル-シミュレーション設定-
降車客数600人,乗車予定客数200人.
パラメータ
設定値
エージェント数
800
下り降車客発生確率
0.1
全歩行者が避難完了するまでの時間,各地点の
群集密度を測定.
上り降車客発生確率
0.1
1番出口客発生確率
0.7
出口破損なし,火災発生なしの基本シナリオ.
2番出口客発生確率
0.7
3番出口客発生確率
0.7
出口の破損
無し
火災の有無
無し
逆戻り型割合
0.3
追従型割合
0.2
緊急避難型割合
0.5
シミュレーション開始100秒後に災害発生.
避難時間の短縮を目的とする.
出口破損あり:各出口が単体破損,複数破損し,
出口使用不可のシナリオ.
(1番出口),(2番出口),(3番出口),(1番出口,2
番出口),(1番出口,3番出口),(2番出口,3番出
口)の組み合わせ.
火災発生あり:1番出口付近,2番出口付近での
発生シナリオ.
16
平成20年度修士論文発表会
避難モデル-実験結果のまとめ-
今回は基本シナリオと2番出口が破損した場合の結果に着目する.
2番出口が破損あるいは火災が発生すると避難時間が短縮
最近接の2番出口に向かうエージェントが一箇所に集中
2番出口は改札から近い
次々と歩行者が到着し,滞留が発生(自然渋滞の原理と同様)
3番出口は改札から距離がある
歩行者がばらついて避難することにより滞留を防止
基本と2番出口破損時の比較
破損
緊急避難型
逆戻り型
追従型
無
202.00
218.70
208.10
2
190.40
191.80
189.95
1,2
192.90
191.70
192.90
避難行動を再現できるモデルを構築した
3.5
3.5
3
3
基本シナリオ
2.5
2
1.5
右側上改札密度
群集密度(人/m^2)
群集密度(人/m^2)
2.5
2番出口破損
右側上改札密度
2
1.5
1
1
0.5
0.5
0
0
0
50
17
100
避難時間(秒)
150
200
0
20
40
60
平成20年度修士論文発表会
80
100
避難時間(秒)
120
140
160
180
各地点の様子
左側改札付近で滞留が発生
左側改札付近
2番付近で滞留が発生
改札から近いことが要因
3番付近では滞留発生せず
改札からある程度離れていること
が要因
2番出口付近
18
3番出口付近
平成20年度修士論文発表会
誘導モデル
19
平成20年度修士論文発表会
誘導モデル
滞留を抑制する手段として誘導を導入.
誘導方法を6種類提案.
誘導方法を単体,あるいは複合的に用いて歩行者を誘
導する.
駅員は右側もしくは左側の改札付近で静止して歩行者を
誘導する(指差誘導法).
駅員は2人とする.
歩行者の周囲5[m]以内に駅員が存在する場合,駅
員が指示する出口へ移動する.
20
平成20年度修士論文発表会
誘導モデル-誘導方法-
 最近傍誘導
 最も近い出口へと誘導する.
Exit 1が近
いです.
Exit 1
Exit 2
21
平成20年度修士論文発表会
誘導モデル-誘導方法-
 出口指定誘導
 特定の出口へと誘導する.
Exit 2に避
難してくだ
さい.
Exit 1
Exit 2
22
平成20年度修士論文発表会
誘導モデル-誘導方法-
 人数交互誘導
 100人毎に1番近い出口と2番目に近い出口に交互誘
導する.
23
人数<=100
Exit 1
人数>=100
Exit 2
平成20年度修士論文発表会
誘導モデル-誘導方法-
 時間交互誘導
 両方面から来る歩行者を30秒毎に交互に静止,移動
させ最近傍出口へ誘導する.
60秒後
30秒後
上り方面
Exit
下り方面
24
平成20年度修士論文発表会
誘導モデル-誘導方法-
 低密度改札誘導
 密度の低い改札の利用を促す.
 他の誘導方法と組み合わせて利用する.
Gate1
Gate2
Gate3
25
平成20年度修士論文発表会
Exit
誘導モデル-誘導方法-
 人数制限誘導
 改札付近の歩行者が50人以上だったら静止,20人以
下だったら移動させる.
50人以上
20人以下
Gate1
Gate2
静止
移動
Gate3
26
平成20年度修士論文発表会
Exit
誘導モデル-シミュレーションの設定-
基本設定は避難モデルと同じ
基本シナリオに誘導を導入
出口破損シナリオに誘導を導入
破損は1箇所のみ
誘導方法は出口指定誘導,低密度改札誘導の組み合わせのみ
火災発生シナリオに誘導を導入
火災は1番出口付近で発生
誘導方法は
•出口指定誘導(3番出口へ誘導)
•出口指定誘導(3番出口へ誘導),時間交互誘導の組み合わせ
27
平成20年度修士論文発表会
実験結果 基本シナリオ
3.5
 今回は人数交互誘導,(出口指定誘導(1番出口),低密
度改札誘導)の結果について着目する.
 低密度改札誘導により歩行者が分散
 人数交互誘導により,出口付近の滞留を防止
群集密度(人/m^2)
2.5
 改札付近の密度が低減
 最近傍誘導や出口指定誘導(1番,2番出口)は
避難時間伸びる
緊急避難型
逆戻り型
追従型
全避難
無し
202.00
218.70
208.10
218.70
最近傍
292.15
290.10
289.20
292.15
出口指定(1番出口)
228.81
227.88
227.63
228.81
出口指定(2番出口)
291.65
288.60
292.30
291.65
出口指定(3番出口)
206.75
205.20
205.65
206.75
人数交互
199.45
200.20
197.20
200.20
時間交互
192.05
201.30
191.95
201.30
最近傍,低密度
195.60
196.00
196.15
196.15
最近傍,人数制限
209.15
204.55
205.20
209.15
出口指定(1番出口)
低密度
184.55
185.05
182.75
185.05
出口指定(2番出口)
低密度
202.25
200.90
201.10
202.25
出口指定(3番出口)
低密度
196.15
195.90
196.30
196.30
1.5
右側上改札密度
0.5
0
0
50
100
150
避難時間(秒)
3.5
200
出口指定誘導(1番出口),5
3
2.5
残留人数(人)
誘導方法
2
1
 特定の箇所の改札に集中
28
基本シナリオ
3
右側上改札密度
2
1.5
1
0.5
0
0
20
40
平成20年度修士論文発表会
60
80
100
避難時間(秒)
120
140
160
180
実験結果 出口破損・火災シナリオ
3.5
 今回は出口破損時の1番出口への誘導と,火災発
生時の結果に着目する.
火災発生時,時間交互誘導を導入することに
より,時間短縮と犠牲者数が低減
 火が広がり通行可能な通路が狭まる中,
流れを制限することにより滞留を防止
2.5
群集密度(人/m^2)
出口破損時,1番出口へと誘導することによ
り避難時間短縮
火災発生,出口指定誘導(3番出口)
3
2
左側改札密度
1.5
1
0.5
0
0
50
100
避難時間(秒)
150
200
3.5
火災発生,出口指定誘導(3番出口)&時間交互誘導
3
火災発生時誘導の有無の比較
誘導
緊急避難型
逆戻り型
追従型
犠牲者数
無
207.44
217.00
199.13
53.4
出口指定(3番出口)
220.90
222.40
210.00
1.4
出口指定(3番出口)
時間交互
200.25
200.25
210.00
1.2
群集密度(人/m^2)
2.5
2
左側改札密度
1.5
1
0.5
0
0
29
50
平成20年度修士論文発表会
100
避難時間(秒)
150
200
誘導モデル-実験結果のまとめ-
歩行者を誘導する方法として6種類提案
結果から得られたこと
ボトルネックとなりうる場所の群集密度を低減さ
せる誘導が重要
出口を教えるだけの誘導は必ずしも良くない
歩行者を分散しつつ的確に誘導することが重要
30
平成20年度修士論文発表会
結論と課題
本研究より
様々な条件(建物のレイアウト,建物の破損,火災の発生)に適応できる
避難モデルを構築した
例として,誘導をモデルに導入し効果を確認した
近い出口から避難することは,必ずしも最適な行動ではない
的確な誘導を行うことにより,避難時間を短縮することが可能である
今後の課題として
より大きな駅への適用
ターミナル駅などは人が多く,出口も多く複雑な構造
今後起こりうる大災害に備えるために,大きな駅での検討が必要
誘導方法の拡張
周囲の少数を連れて誘導員も出口へと移動する吸着誘導法につい
ても考慮する必要がある
31
平成20年度修士論文発表会
参考文献
B.Maury,J.Venel,“Handling of contacts in crowd motionsimulations”
A.Kirchner,A.Schadshneider,“Simulation of evacuation processes using a bionics-inspired celluar automaton model for
pedestrian dynamics”
Toshiyuki Kaneda,Tomohiko Suzuki,“A simulation analysisfor pedestrian flow management”,Agent-Based
Simulation Vol.1,pp220–232
Toshiyuki Kaneda,Daichi Okayama,“A Pedestrian Agent Model Using Relative Coordinate Sytems”,AgentBased Simulation Vol.3,pp63–70
広瀬弘忠,“人はなぜ逃げおくれるのか-災害の心理学”,集英社,2004
国島正彦,浅見絵里佳,“大邱の地下鉄火災”,失敗知識データベース失敗百選
梶秀樹,堀越功,“都市防災学”,学芸出版社
阿久澤あずみ,“駅構内における群集歩行シミュレーションモデルの研究”, 日本オペレーションズ・リーチ秋季研究発表会
pp192–193,2005
岡田公孝, “個人行動をベースにした歩行モデルと高密度シミュレーション”, 日本オペレーションズ・リーチ学会春季研究発
表会pp178–179, 2004
寺野隆雄,“エージェント・ベース・モデリングへの招待”, 日本オペレーションズ・リサーチ2004 年3 月号pp131–135,2004
岡崎甚幸,松下聡“避難計算のための群集歩行シミュレーションモデルの研究とそれによる避難安全性の評価”, 日本建築
学会計画系論文報告集 第436 号pp38–41,1992
森下信,中塚直希,“セルオートマトンを用いた避難シミュレーション”
堀宗朗,犬飼洋平,小国健二,市村強,“地震時の緊急避難行動を予測するシミュレーション手法の開発に関する基礎的研
究”, 社会技術研究論文集pp138–145,2005
小野木基裕,大鋳史男,“セルオートマトン法を用いた緊急避難時における群衆流動シミュレーション”,日本オペレーション
ズ・リサーチ学会 2006 年春季研究発表会
清野純史,三浦房紀,八木宏晃,“個別要素法を用いた被災時の避難行動シミュレーション”,土木学会論文集No.591,
1998,4 pp365–378
宇田川金幸,増田浩通,新井健,“地下鉄駅構内における避難シミュレーションモデルの構築”
海老原学, “避難誘導戦略が避難安全性確保に与える影響”, 日本建築学会関東支部研究報告集,2003
32
平成20年度修士論文発表会
参考文献
鈴木智彦, 山田哲也,三阪朋彦,兼田敏之,“エージェントシミュレーションを用いた群集事故分析の試み”,
日本建築学会大会学術講演梗概集pp471–472,2003
大鋳史男,稗島隆大,大田直樹“セルオートマトン法による避難時歩行者流動のシミュレーション”,日本オ
ペレーションズ・ リサーチ学会春季研究発表会, 2007
近田康夫,廣瀬智士,城戸隆良,“CA を用いた歩行シミュレーションモデルの構築”,土木情報システム論
文集Vol.9,2000 p19–30
森尻宏,“煙と避難”,予防時報212 2003
岡田光正,“建築人間工学 空間デザインの原点”,理工学社
西成活裕,“渋滞学”,新潮社
明石市民夏まつり事故調査委員会,“第32 回明石市民夏まつりにおける花火大会事故調査報告書”
何雁峰,兼田敏之,“目的移動機能を有する自律的歩行者エージェントによる群集シミュレーションの研究”
柳澤大地, “拡張フロアフィールドモデルによるボトルネック周りの群集運動の解析”, 応用力学研究所研究
集会報告,2008
浅野美帆, “先読み行動を考慮した歩行者交通流シミュレーション”, 生産研究59 巻3 号pp38–41,2007
岡田公孝, “歩行速度・密度・交通流量間関係式の評価”,東京工業大学学士論文,2001
33
平成20年度修士論文発表会
御清聴ありがとうございました
34
平成20年度修士論文発表会
モデルの妥当性検証方法
-群集密度と歩行速度-
•群集密度は歩行速度を制約する
•18[m]*12[m]の測定領域により群集
密度と歩行速度を測定
•初期エージェント数:10[人]
•100ステップ毎に10人ずつエージェン
トを増加
•100ステップ毎に領域内に存在する
エージェントの平均歩行速度を算出
•エージェント:P
•毎ステップに領域内に存在するエー
ジェント数:N
•100ステップの総エージェント数:Na
•群集密度:K[人/m^2]


V
a
K
35
100
N
i 1
j 0
Vij
18[m]
12[m]
測定領域
100Na
N
216
平成20年度修士論文発表会
モデルの妥当性検証方法
-群集流動係数の比較-
•群集流動係数:出入り口などについて,幅員1[m]あたり,毎秒,何人通過
するかという数値
•群集流動係数:Q[人/m・s]
Q  KVa
•群集密度・歩行速度の各関係式より得られた結果から群集流動係数を算
出し,本モデルの結果との比較を行う
36
平成20年度修士論文発表会
モデルの妥当性検証方法
-隊列化現象の再現-
•隊列化現象:自分と同じ進行方向の歩行者集団と,逆方向に進もうとする歩行者
集団がすれ違う時,自分とおなじ方向に進む歩行者に追従する様子
•本モデルで再現できているか確認する
12[m]
進行方向0°
歩行者発生地点
37
進行方向180°
歩行者発生地点
平成20年度修士論文発表会
12[m]
モデルの妥当性検証方法
-壁回避の再現-
•歩行ルール,ネットワークが機能し壁を回避できているかを確認する
•各スタート地点におけるエージェント発生率は2[人/s]
•StartからGoalへ移動する
31[m]
10[m]
8[m]
Start
Goal
Node
38
20[m]
平成20年度修士論文発表会
モデルの妥当性検証方法
-出口付近における滞留-
•3つのスタート地点からエージェントを発生率2[人/s]で発生させる
•総エージェント数が200人になるまで発生
•出口付近における滞留の様子を確認する
60[m]
Start
30[m]
1.8[m]
Node
Goal
39
平成20年度修士論文発表会
群集密度・歩行速度と群集流動係数の比較
1.6
2
1.8
1.4
1.6
1.2
1.2
歩行速度[m/s]
歩行速度[m/s]
1.4
1
密度逆数
0.8
反比例
0.8
0.6
本モデル
0.4
回帰曲線
安全間隔
0.6
指数モデル
0.4
対数モデル
本モデル
0.2
0.2
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
2.5
1
1.2
1.4
1.6
1.8
2.5
群集密度[人/m^2]
密度逆数指数モデル
0
群集流動係数[人/m・s]
1.5
本モデル
密度逆数
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2

2.17
K
1.4
1.6
1.8
2
2
回帰直線 Q  0.39K  1.65K  0.03
1.5
本モデル
1
反比例
回帰直線
安全間隔
0.5
V  1.40  1.55e
群集密度[人/m^2]
2
1
回帰直線
0
2
2
軍集流動係数[人/m・s]
1
0.5
密度逆数指数モデ
ル
指数モデル
対数モデル
0
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
1.8
2
0
0.2
0.4
0.6
40
0.8
1
1.2
群集密度[人/m^2]
群集密度[人/m^2]
平成20年度修士論文発表会
1.4
1.6
1.8
2
実験結果
-隊列化現象-
41
平成20年度修士論文発表会
実験結果
-壁回避-
•概ねスムーズに回避
•壁と他エージェントに囲まれ,なかなか動けないエージェントが幾人か発生
42
平成20年度修士論文発表会
実験結果
-出口付近における滞留-
•出口がボトルネックとなり滞留が発生
•エージェントがアーチを描きながら留まる様子
•実際の現象を再現できた
43
棒の数
10回試行
終了時間(秒)
0
163.3
1
155.4
2
156.3
平成20年度修士論文発表会
避難時の性格
逆戻り型
出入り口から移動してきた歩行者は,その出入り口を避難出口とする.
ホームから移動してきた歩行者は,任意に決定した出入り口を避難出
口とする.
追従型
ステップ毎に周囲5[m]以内に存在する他の歩行者集団の中で,最も
多くの歩行者が向かっている方向へと移動する.
追従する歩行者がいない場合,最も近い出口を探し移動する.
緊急避難型
ステップ毎に自分の場所から最も近い出口を探し,避難出口とする.
例外として・・・
緊急避難型と逆戻り型の場合,避難出口が通行不可の場合,最も近
い出口を探し,移動する.
44
平成20年度修士論文発表会
45
平成20年度修士論文発表会
誘導方法概要
最近傍誘導:自分の位置から最も近い出口へと誘導する.
出口指定誘導:特定の出口へと誘導する.
人数交互誘導:100人ごとに1番近い出口と2番目に近い出口と
交互に誘導する.
時間交互誘導:上りと下りの両階段から避難してくる歩行者を30
秒ごとに停止させ,その1番近い出口へと交互に
誘導する.
低密度改札誘導:密度の低い改札を指定して分散させる.
人数制限誘導:改札付近に存在する歩行者が50人以上の場合
静止,20人以下になったら移動させる.
46
平成20年度修士論文発表会
滞留モデルのシナリオ
2個
1個
2個
1.8m
1.8m
47
平成20年度修士論文発表会
関連研究
•セルオートマトンを用いた避難シミュレーション(森下信,中塚直希)
•店舗内の避難の様子をセルオートマトン法で行っている ・短時間で避難できる建物の設計を提案することを目的としている
•通路の破損は考慮していない ・火や煙などの災害は考慮していない ・セルオートマトン法には限界がある
•Handling of contacts in crowd motion simulations(B.Maury, J.Venel)
•緊急時に避難歩行者が出口に殺到する様子の再現を目的としている ・物理モデルによりシミュレーションを行っている
•他の避難については考慮せず ・物理モデルには避難の再現は困難
•地震時の緊急避難行動を予測するシミュレーション手法の開発に関する基礎的研究
•駅構内の避難シミュレーションを行っている ・通路の破損は考慮 ・出口が使用不可になった場合は想定せず
•火や煙などは考慮せず ・性格を設けず、みな最近接出口へ避難
•避難計算のための群集歩行シミュレーションモデルの研究とそれによる避難安全性の評価(岡崎甚幸,松下聡)
•物理モデルによりシミュレーションを行っている
•避難の様子を視覚的に把握可能にし,流動係数や歩行速度避難時間を測定することを可能にすることを目的としている
•避難行動を再現するモデルの構築することを目的している
•エージェントシミュレーションを用いた群集自己分析の試み(鈴木智彦,山田哲也,三阪朋彦,兼田敏之)
•セルオートマトン法によりシミュレーションを行っている.
•明石の歩道橋事故のシミュレーションを行い,群集事故が起きた原因について群集密度から考察している.
•セルオートマトン法の欠点は改良せず(斜めの動きに弱い)
•出口の流動係数を設けて脱出できる人数を制限.これは自然にそうなるべきであり,操作するべきではない.
•セルオートマトン法による避難時歩行者流動のシミュレーション(大鋳史男,ひ島隆大,大田直樹)
•セルオートマトン法によりシミュレーションを行っている. ・リーダーと非リーダーに分けている.
•2種類に大別する根拠が分からない.
48
平成20年度修士論文発表会
研究概要
 将来起こりうる大規模災害に備えなければならない

避難行動をモデル化し,様々な条件下での人の動きを予測す
る必要がある
 歩行モデルを構築し,その妥当性について検討
 避難モデルを構築し,出口の破損や火災の発生を考慮
したシミュレーション実験を実行


条件(建物のレイアウト,破損,火災)を自由に設定できるモ
デルを構築
ある程度離れた出口のほうが避難時間が短縮される
 誘導モデルを導入し,誘導の効果について検討

49
人の流れをコントロールすることにより,避難時間の短縮が可
能であることを確認
平成20年度修士論文発表会
歩行モデル-実験結果のまとめ-
1.6
 隊列化現象が起きることを確認
 自分と同じ進行方向の歩行者集
団と,逆方向に進もうとする歩行者
集団がすれ違う時,自分とおなじ
方向に進む歩行者に追従して回
避する様子
1.4
1.2
歩行速度[m/s]
 群集密度と歩行速度,群集流
動係数の関係が理論値に近い
値
1
0.8
0.6
本モデル
0.4
回帰曲線
0.2
密度逆数指数モデル
回帰直線
V  1.40  1.55e
2.17
K
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
群集密度[人/m^2]
 出口付近における人のアーチ
形の滞留の形成を確認
50

平成20年度修士論文発表会
1.6
1.8
2
避難シミュレーション 実行シナリオ
駅員による誘導の場合、
追従型は駅員に追従
*避難開始は定常状態となる○○ステップからとする
シナリオ番号中央林間方面降車客発生確率 渋谷方面降車客発生確率 1番出口発生確率 2番出口発生確率 3番出口発生確率出口の破損(出口番号)冷静型割合追従型割合緊急避難型割合 煙の有無 火の有無 音による誘導 駅員による誘導
0(基準)
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
無
無
無
無
1
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
無
無
無
有
2
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
無
無
有
有
3
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
無
無
有
無
4
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
有
無
無
無
5
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
有
無
有
無
6
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
有
有
無
無
7
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
有
有
無
有
8
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
有
有
有
無
9
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.3
0.2
0.5
有
有
有
有
10
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.3
0.2
0.5
無
無
無
無
11
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.3
0.2
0.5
無
無
無
有
12
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.3
0.2
0.5
無
無
有
有
13
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.3
0.2
0.5
無
無
有
無
14
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.3
0.2
0.5
有
有
無
無
15
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.3
0.2
0.5
有
有
無
有
16
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.3
0.2
0.5
有
有
有
無
17
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.3
0.2
0.5
有
有
有
有
18
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2
0.3
0.2
0.5
無
無
無
無
19
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2
0.3
0.2
0.5
無
無
無
有
20
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2
0.3
0.2
0.5
無
無
有
有
21
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2
0.3
0.2
0.5
無
無
有
無
22
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2
0.3
0.2
0.5
有
有
無
無
23
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2
0.3
0.2
0.5
有
有
無
有
24
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2
0.3
0.2
0.5
有
有
有
無
25
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2
0.3
0.2
0.5
有
有
有
有
26
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
3
0.3
0.2
0.5
無
無
無
無
27
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
3
0.3
0.2
0.5
無
無
無
有
28
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
3
0.3
0.2
0.5
無
無
有
有
29
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
3
0.3
0.2
0.5
無
無
有
無
30
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
3
0.3
0.2
0.5
有
有
無
無
31
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
3
0.3
0.2
0.5
有
有
無
有
32
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
3
0.3
0.2
0.5
有
有
有
無
33
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
3
0.3
0.2
0.5
有
有
有
有
34
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
無
無
無
無
35
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
無
無
無
有
36
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
無
無
有
有
37
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
無
無
有
無
38
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
有
無
有
無
39
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
有
有
無
無
40
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
有
有
無
有
41
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
有
有
有
無
42
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,2
0.3
0.2
0.5
有
有
有
有
43
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,3
0.3
0.2
0.5
無
無
無
無
44
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,3
0.3
0.2
0.5
無
無
無
有
45
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,3
0.3
0.2
0.5
無
無
有
有
46
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,3
0.3
0.2
0.5
無
無
有
無
47
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,3
0.3
0.2
0.5
有
有
無
無
48
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,3
0.3
0.2
0.5
有
有
無
有
49
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,3
0.3
0.2
0.5
有
有
有
無
50
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1,3
0.3
0.2
0.5
有
有
有
有
51
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2,3
0.3
0.2
0.5
無
無
無
無
52
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2,3
0.3
0.2
0.5
無
無
無
有
53
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2,3
0.3
0.2
0.5
無
無
有
有
54
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2,3
0.3
0.2
0.5
無
無
有
無
55
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2,3
0.3
0.2
0.5
有
有
無
無
56
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2,3
0.3
0.2
0.5
有
有
無
有
57
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2,3
0.3
0.2
0.5
有
有
有
無
58
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
2,3
0.3
0.2
0.5
有
有
有
有
59
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.5
0.3
0.2
無
無
無
無
60
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.5
0.3
0.2
無
無
無
有
61
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.5
0.3
0.2
無
無
有
有
62
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.5
0.3
0.2
無
無
有
無
63
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.5
0.3
0.2
有
有
無
無
64
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.5
0.3
0.2
有
有
無
有
65
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.5
0.3
0.2
有
有
有
無
66
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
無
0.5
0.3
0.2
有
有
有
有
67
0.1
0.1
0.4
0.4
0.4
1
0.5
0.3
0.2
無
無
無
無
51
平成20年度修士論文発表会
シナリオについて
行ったこと
性格の比率を変えた場合
各出入り口が単体で破損,複数破損した場合(通行不可)
1番出口,2番出口付近で火災が発生した場合
誘導を導入した場合
今後行えること
歩行者エージェントの発生確率を変更した場合
各出入り口が一部破損した場合(出入り口の幅が狭くなる,歩行速度が遅くな
る)
火災が出入り口付近以外で発生する場合
建物の構造を一部変更した場合(出入り口の場所,数,幅など)
52
平成20年度修士論文発表会
Rule1
Front
Rule2
Rule3
My Direction
My Direction:0° 1+0.25V
Left
V[m/s]
My Direction+90
My Direction-90
30° 30°
Right
Rule4
120°
Pedestrian
120°
X[m]
Obstacle
Travelling direction
53
平成20年度修士論文発表会