ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果 検証結果 (月~金 定時スポット) 日本ラジオ広告推進機構 2010年12月 ■「ブランディング・コミュニケーション」効果検証 はじめに 企業の広告コミュニケーション戦略の目標には、大きく分けて、 ■価値創造(ブランディング) ■情報伝達 ■販売促進 があり、中でも ■価値創造(ブランディング)、および「ブランド力の強化」については、 企業の規模に拘らず、もっとも重要な課題となっています。 但し、「ブランド力の強化」は、短期間で簡単にできるものではないため、 時間(継続性) と 費用(投資) が不可欠です。 ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 2 ■「ブランディング・コミュニケーション」効果検証 広告によるブランド力の醸成は・・・「肥やし効果」のイメージ ◎「肥やし」は、常時少しずつ施すことが重要。 細く長く時間を掛けて刷り込む出稿によって肥しの効いた土壌が作れる。 ◎「肥やし(ブランド力)」が効いていれば、単発的な告知・販促キャンペーンで、 より大きな花(成果)が得られる。 実りが少ない 実りが多い 単発 広告 単発 広告 単発 広告 レギュラー広告(肥やし) <ブランド力が 『効いている』 土壌> 単発 広告 単発 広告 単発 広告 <ブランド力が 『効いていない』 土壌> 特定の企業・商品サービスに効く肥えた土壌 「肥やし効果」は、数字で表すことのできない広告の蓄積効果であり、企業、商品の資産とな る。 ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 3 ■「ブランディング・コミュニケーション」効果検証 仮説 ラジオ広告は ブランディングに適している ラジオ広告の優位点は、「フリークエンシー効果」 と 「価格競争力」 (1) 他メディアと比較してラジオは「価格競争力」 の側面から、1社提供や 長期間のCM出稿に適している。 ・CM内容をしっかり記憶させるには、1社提供や長期出稿が望ましい。 ラジオはそれがしやすいメディア ※1本単価比較ではなく、オーディエンス量で比較すると低コストである。 (2) ラジオは、聴取の習慣性が非常に高いメディアなので、毎日同じ時 間 帯や番組を聴く傾向にあり、聴取固定率が高い。 ・ラジオは毎日聴く人は同じ局を聴くのでラジオ局へのロイヤリティが強い。 ※フリークエンシー効果・・・CMを繰り返し聴かせることによって、CM内容を記憶させることができる効果 ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 4 ■「ブランディング・コミュニケーション」効果検証 検 証 概 要 1.目的 ラジオ広告を活用したブランディング・コミュニケーションによる一般生活者 (リスナー)のブランド・イメージの変化、マインド・ポジションの変化を把握 することにより、ラジオ広告の有効性を立証する。 2.検証条件 ◇長期間継続的なラジオでの広告コミュニケーション(9ヶ月<3クール>で検証) ◇対象エリアでは、ラジオのみを使用 ※企業webサイト、店頭プロモーション以外の広告コミュニケーションは、全て行わない。 ◇定時スポット 平日(月~金)の各曜日に20秒CMを1本出稿 コミュニケーション効果の特徴 *イメージ形成の即効性には欠けるが長期間で効果大 *一度刷り込まれると、忘却逓減が緩やかである ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 5 ■「ブランディング・コミュニケーション」効果検証 結果まとめ ブランドが未成熟な企業・商品でも ラジオ広告を長期間継続的に行うことで『ブランド力をアップ』することが出来る。 ★ポイント 今回の検証【定時スポット】では ①未成熟なブランドが初のマス広告として(*当該地区において) ②ブランド名の認知とコア・メッセージの浸透を中心に訴求した その結果 ③サービス認知が倍増(事前8.5%→事後16.3%)、 ④コア・メッセージが浸透(CM認知者18.3%>>>CM非認知者5.1%) ⑤ポジティブなブランドイメージが蓄積され(やさしさ・親しみ) ⑥CM認知者の過半数がサービス利用意向を示した(60.2%) →定時スポット出稿による ブランディング効果が確認できた!! ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 6 ■検証内容・調査概要 【検証内容】 出稿方法 広告主 対象商品 放送期間 エリア/局 : : : : : 月~金 20秒定時スポット (各曜日1本出稿) 株式会社ソーシャルクリエーション 高齢者向け宅配弁当サービス 「ニコニコキッチン」 2010年2月1日~10月29日(9ヶ月間) 福井地区/株式会社福井放送(FBCラジオ) 調査内容 : ベンチマーク調査を実施 □事前調査(出稿効果を確認するための初期値を設定)2010年1月9日(土)~1月24日(日) □事後調査(1年間の提供による効果を測定)2010年9月18日(土)~10月17日(日) 【調査概要】 調査方法 調査エリア 調査対象者 : 訪問面接調査 : 福井市(旧美山町、越廼村、清水町を除く) (※福井放送実施ラジオ個人聴取率調査と同エリア) : 調査エリア在住で、以下の条件を満たす方 ①40歳~69歳の男女個人 ②平日朝8時台 ラジオ聴取者 有効サンプル数 : 《事前調査》 400サンプル 合計 40~49歳 50~59歳 60~69歳 人 400 126 150 124 全体 (100.0) (31.5) (37.5) (31.0) % 人 195 62 74 59 男性 (100.0) (31.8) (37.9) (30.3) % 人 205 64 76 65 女性 (100.0) (31.2) (37.1) (31.7) % 《事後調査》 700サンプル 合計 40~49歳 50~59歳 60~69歳 人 700 220 262 218 全体 (100.0) (31.4) (37.4) (31.1) % 人 342 109 130 103 男性 (100.0) (31.9) (38.0) (30.1) % 人 358 111 132 115 女性 (100.0) (31.0) (36.9) (32.1) % ※性年齢構成は、2009年6月の福井放送ラジオ聴取率調査のスポット出稿時間帯(8時台)の(全局累積)聴取の構成に準じる 調査機関 : 株式会社 ビデオリサーチ ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 7 ■長期継続効果~ブランド認知の拡大~ 長期間の出稿により、ブランド認知者が約2倍に増加した。(8.5%→16.3%) 16.3%のうちラジオCMで知った人は6.6%おり、ブランド認知者の増加にラジオCMが大きく寄与したことが分かる。 事前→事後:時系列比較 ブランド認知と認知経路 CM認知別(事後) 20% 35% 31.3 30% ラジオCMが認知経路の人 ラジオCM以外が認知経路の人 16.3 15% 25% 6.6 8.5 20% 10% 16.3 15% 10.0 8.5 10% 5% 9.7 8.5 5% 0% 0% (N:全数) 事前 事後 N=400 N=700 全体 ラジオCMが認知経路の人 ラジオCM以外が認知経路の人 事前 事後 N=400 N=700 8.5 16.3 - 6.6 8.5 9.7 ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 8 ■長期継続効果~ブランド認知の拡大~ 聴取頻度別にブランド認知率を比較すると、聴取回数の増加と共に認知度が上昇していた。 また、平日(月~金)朝8時台のFBCラジオ聴取者のうち半数以上(51.2%)が週に5日放送を聴いていた 。 これにより聴取固定率の高さが確認されると共に、ラジオが「高フリークエンシー×長期間出稿」のブランディング型 出稿に適していることが分かる。 ■平日朝8時台の福井放送(FBC)の最近1ヶ月間の聴取頻度 ラジオ聴取頻度×CM認知】 【 (%) ②聞いたことが あるような 気がする ①確かに聞い た ことがある N= (N:全数) (n:平日朝8時台「福井放送(FBC)」聴取者) ①+② CM認知 聞いたこと はない (%) 不明 平 日 朝 8 時 台 F B C 聴 取 頻 度 別 全体 700 FBCラジオ 聴取者全体 287 週に5日 (毎日) 147 週に3~4日 54 週に1~2日 38 週に1日未満 46 70.1 13.4 16.3 23.7 6.5 19.6 39.5 14.3 46.3 31.5 50.2 15.7 33.8 0.1 51.9 14.8 57.9 18.4 73.9 29.7 0.3 49.5 - 60.5 1.9 46.3 - 42.1 - 26.1 n= 平日朝8時台 FBC聴取者 (287) 週に5日 (毎日) 週に 3~4日 51.2 ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 週に 1~2日 18.8 13.2 週に 1日未満 31.2 9 ■長期継続効果~コア・メッセージの浸透~ ブランドのコアメッセージとなる「高齢者向けの宅配弁当サービスであること」への認知は、 ラジオCM認知者では、非認知者に比べて大幅に高くなっている。 CM認知者にはブランド名に加えてコア・メッセージを浸透させることができたことが分かる。 C M 認知別×商品サービスに対する知識】 【 高齢者向けの宅配弁当サービスであること 20% 18.3 18% 16% 14% CM認知者は10pt以上高い。 12% 10% 8% 5.1 6% 4% 2% 0% ラジオCM認知者 ラジオCM非認知者 N=208 N=491 (N:全数) ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 10 ■長期継続効果~ブランドイメージ醸成~ コア・メッセージの浸透と同様に、ブランドに対する好意的イメージもCM認知者においては拡大している。 「やさしい」「親しみがある」トーンのラジオCMイメージに対する定期的な接触が、商品サービスイメージ形成に 貢献していると考えられる。 【 広告から想起される商品サービスイメージ】 60% ラジオCM認知者 ラジオCM非認知者 50% 40% 30% 20% 10% 0% やさしい (N:全数) ラジオCM 認知別 親しみが ある 便利な 健康に配慮 している 安心して 利用できる 信頼感が ある 先進的な 好き 品質がよい その他 (特にない) 不明 N= 全体 700 48.4 47.4 23.1 17.1 17.1 5.1 4.0 3.7 2.0 3.0 15.0 0.1 (%) ラジオCM認知者 208 51.9 58.2 27.4 25.5 21.6 8.7 6.3 6.3 2.9 1.4 10.6 0.5 ラジオCM非認知者 491 46.8 43.0 21.4 13.6 15.3 3.7 3.1 2.6 1.6 3.7 16.9 - ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 11 ■長期継続効果~利用意向の獲得~ コア・メッセージの浸透と同様に、サービスに対する利用意向もCM認知者においては約6割まで高まった。 【 広告接触後のニコニコキッチン利用意向】 広告接触後の商品サービス利用意向(事後) 70% 60.6 CM認知者は10pt以上高い。 60% 47.7 50% 40% 30% 20% 10% 0% ラジオCM認知者 ラジオCM非認知者 N=208 N=491 (N:全数) ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 12 ■広告主(ソーシャルクリエーション様)の実感コメント 株式会社 ソーシャルクリエーション 取締役 管理部 部長 戸奈 豊幸 氏 ・弊社の事業は「高齢者向けの宅配弁当(配食サービス)」という、普通一般にはあまり認知されて いない事業です。 また「ニコニコキッチン」という屋号もまだまだ認知されていません。 ・そのため弊社の課題は「どうすれば認知を高められるか」というものであり、今回の調査は関東 限定で既に実施している定時スポットが果たして本当に効果があるのか?ということを検証する 意味でも、非常に有意義な物でした。 ・結果として、ブランド認知者が倍増し、高齢者向けの宅配サービスであるという、最も伝えたい 内容についてもかなりはっきりと認知の向上が見られたこと、良いイメージの醸成にもつながり、 「利用したい」という意向も獲得できたことで、ラジオの定時スポット広告にブランド力を高める 効果があることが確信できました。 ・「本当に効果がある」ことを目で見える形で表していただいたことで、弊社のような新興企業で あっても、ラジオCMを活用すれば効果が出せることが分かりましたので、比較的安価なラジオ 媒体を上手に活用していきたいと思います。 ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 13 ■参考資料:検証B ラジオCM原稿 ソーシャルクリエーション ニコニコキッチン 20秒 ニコニコキッチンのうた/自己紹介 ♪食事を毎日 作るのも大変な お年寄りのために 腕を振るいます 今日も 笑顔で 手渡す お弁当 ニコニコキッチン NA 「高齢者のための宅配弁当。」 ニコニコキッチン ラジオを活用した ブランディング・コミュニケーション効果検証 14
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